Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・あくまでも二次創作であることを前提にお読みください
・一国傾城編の過去話は完全に無視の状態です
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
ここはどこだろう。
真っ白だ。
あれ、真っ白なのはーーー。
「・・・って、似たようなことが何度かあると、まったく驚くことも無くなりやすねィ」
はぁ、と溜息をついた沖田を見て、土方はこめかみに青筋を立てた。
「テメェはいつだって驚きもしねェでその場にすぐ馴染むじゃねェか・・・」
「こ、ここ、どこでしょうか?なんか、いきなり静かになったなと思ったらこんな真っ白な空間に連れて来られて・・・いでっ」
ビクビクとしている山崎にチョップをくれてやり、土方は辺りを見回した。
「ガキ共は・・・」
「・・・ここにいるヨ」
いつになく元気のない神楽の声に、土方は振り向いた。
神楽の横には新八が立っていて、こちらもまたいつになく元気がなかった。
「・・・とうの昔にすんじまったことだ、気にするな。・・・なんつっても気にはなるか」
土方の言葉にこくりと頷く2人。
「・・・旦那の過去が知りてェなんて・・・思わなきゃ良かったですねィ」
沖田がポツリと呟いた。
さすがの沖田も過去は変えられないのが当然だと開き直ることは出来なかったらしい。
「・・・アレから銀さんはどうなるんでしょう」
新八が土方に視線を向ける。
「・・・さぁな・・・だが、村の誰かが面倒をみるんじゃねぇか?吉田さんも言ってたが、野郎のことを随分と可愛がってた様だったし・・・何より、高杉や桂が放ってはおかねェだろうよ」
抱き合って静かに泣く子ども達を村の大人達は悲しげに見つめていた。それだけ松陽や銀時が村の者達に好かれていた証なのだろう。
それに、高杉の父も藩に使える武士で、桂もまた武士の家に末期養子として入っている。銀時1人くらいならば養えるはずだ。
だが―――銀時があの屋敷から離れるだろうか。
「・・・・・・塾として使っていた別棟は焼けてませんでしたよね」
山崎も同じことを考えていたのだろう。
「・・・山崎もそう思うか?」
「旦那が・・・そうそう簡単に松陽先生との思い出がたくさん詰まったあの屋敷から離れるとは思えませんよ・・・」
意外と頑固なのだと知っている。こうと決めたらてこでも動かない。
きっと―――。
「・・・村の方々にご迷惑をおかけすることになるんでしょうねぇ。全く困った子です」
「だよなァ・・・・・・ん?」
横からの声に頷いて土方は首を傾げた。次いで、青い顔で自分を(正確には自分の真横)を見つめる山崎と新八を見て、目を丸くしている沖田と神楽を見る。
そろり、と土方は右を向いた。
「ああ、どうも。土方さん」
「っ・・・ぎゃああああああああ!!!!」
思いっきり叫んだ。驚きと恐怖の両方の意味で。
なぜなら、ひらりと手を振ってニコニコと己の横で笑っているのは、紛れもなく・・・。
「し、松陽先生!?ウソっ!なんでぇ!!?ええっ!?ええええええ!!?」
新八が大混乱しながらも叫んだ名前に、やっぱり見間違えじゃないのかと土方は口元を引き攣らせた。
「よ、吉田、さん?」
「ええ、そうですよ」
ニッコリと笑う松陽。
「・・・・・・死んでましたよね?」
山崎が訊ねれば、松陽はニッコリと笑って頷いた。
「ええ、死んでましたね。・・・ですが“私”は先程あなた方の目の前で死んだ吉田松陽ではありません」
「はぁ・・・やっぱりそうか」
「ああ、土方さんは気付いていたみたいでしたしね」
「どういうコトでさァ、土方さん」
難得したように声をあげた土方に松陽が笑みを深め、沖田が首を傾げる。
「つまり、俺達を過去に連れていったのは“この吉田さん”ってことだ」
「え!?」
「それって・・・」
「どういうことネ」
新八と山崎がハッとする脇で、未だに理解できないらしい神楽が首を傾げた。
「・・・俺だって確信があったわけじゃねぇが、オメェら、過去に飛ばされる前に白い人だか光だかを見たって言ったろ?」
頷く山崎と万事屋の子ども達。
「それが“この吉田さん”ってわけだ。・・・どういう仕組みかは知らねェがな」
「私も良くわかりませんが、銀時や晋助や小太郎が心配で心配で・・・そうしたら皆さんを召喚(よん)でしまったようで」
「まさに“想いの力”ってヤツですかィ・・・で、結局は過去は変えられねぇで、過去をただ覗き見ちまったってコトになってんですが、俺達は元の時代に戻して貰えるんですかねィ?」
沖田が問えば、松陽は苦笑した。
「帰るのは皆さんの意志次第だと思いますよ?・・・私は何度もあなた方を“あの出来事”に関わらせないように帰そうとしてきましたから」
「!」
沖田は目を瞠った。
自分達の意志次第・・・つまり、帰ろうと思えばいつでも帰れたということだ。
「はぁ・・・つーことは、俺達は帰れないわけじゃなくて、帰ろうと思ってなかったってコトか」
土方が溜息を漏らす。
「・・・そうなりますねぇ・・・たぶん、私の心配と皆さんの銀時の過去への興味・・・これが合わさってこのようなことが起こったんでしょう。不思議なコトもあるものですね」
「不思議なコトもって・・・それだけで済ませちゃうなんて、松陽先生って本当に心が広いっていうかなんていうか・・・あの3人の先生なだけはありますよね」
ほけほけと子ども達と一緒に笑っていた時と同じ笑顔をうかべてそう言った松陽に、新八が苦笑する。
「・・・こんなことを、あなた方に頼んでも困らせるだけだとはわかっていますが・・・どうか・・・どうか、あの子達を頼みます。あの子達は本当にてんでバラバラの性格で、頑固で、いじっぱりで・・・でも、本当は優しい心根の持ち主なんです・・・」
「・・・吉田さん、俺達は・・・」
「ええ、もちろん、土方さん達が晋助や小太郎と敵対関係にあるのはわかっています。ですから、銀時に手を貸してやってください。きっとあの子は・・・間違った方向へと走って行く盟友を止めに行くでしょうから」
「任せるネ!・・・万事屋は3人と1匹で1つアル!絶対に銀ちゃん1人で行かせたりしないヨ!!」
「神楽ちゃんの言う通りですよ!僕等は絶対に銀さんを1人にしませんから!あの人が僕等を置いてこうとしたら、ボコボコにしてからこう言ってやるんです―――アンタは僕らがいないと何もできないマダオなんだから、僕等を置いていこうとするなんて100万年早いって」
「ふふ・・・頼もしいですね」
ガッツポーズを決める新八に、松陽はクスクスと笑う。
「高杉や桂を捕まえんのは俺等の仕事でさァ。当然、ついて行くに決まってますぜィ」
「ま、総悟の言う通りだ。高杉と桂は俺達真選組が止める」
「・・・すいません、ウチの副長と隊長は素直にモノが言えなくて・・・旦那にはいろいろ世話になってますから、無茶なんてさせないって言いたいんですよ、きっと」
「「その口縫い合わせてやろうか、ザキ」」
「ひぃいいい!!」
すっかりいつものペースに戻った真選組の面々と万事屋の子ども達に、松陽は目を細めた。
「・・・気に病まないでくださいね。あなた方にあんな顔をして欲しくて召喚(よん)だわけじゃありませんから・・・ただ、誰かに知って欲しかったんです。あの子の心の奥底にある悲しみと憎しみを・・・あの子が壊れてしまわないように」
高杉と袂を分かってしまった時、銀時はまた1つ縋るモノを失くしてしまった。
だが、穴埋めと言うにはもったいなさすぎるくらいの“友人”と“家族”がいる。
「・・・松陽先生」
山崎の頬を引っ張っていた沖田が、松陽を振り返る。
「旦那達の前には姿を見せてやらね―んですかィ?」
「・・・身近な人間には会えないんだそうです」
「野郎のコトは心配すんな・・・だから、その・・・なんだ・・・」
土方が言いあぐねていると、松陽は穏やかな笑み―――あの、死を覚悟した時と同じ笑み―――をうかべた。
「ええ、これで安心して眠れます」
―――ありがとう。
一言を残し、松陽の姿が光の粒となって散って行った。
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・一国傾城編の過去話は完全に無視の状態です
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
ここはどこだろう。
真っ白だ。
あれ、真っ白なのはーーー。
「・・・って、似たようなことが何度かあると、まったく驚くことも無くなりやすねィ」
はぁ、と溜息をついた沖田を見て、土方はこめかみに青筋を立てた。
「テメェはいつだって驚きもしねェでその場にすぐ馴染むじゃねェか・・・」
「こ、ここ、どこでしょうか?なんか、いきなり静かになったなと思ったらこんな真っ白な空間に連れて来られて・・・いでっ」
ビクビクとしている山崎にチョップをくれてやり、土方は辺りを見回した。
「ガキ共は・・・」
「・・・ここにいるヨ」
いつになく元気のない神楽の声に、土方は振り向いた。
神楽の横には新八が立っていて、こちらもまたいつになく元気がなかった。
「・・・とうの昔にすんじまったことだ、気にするな。・・・なんつっても気にはなるか」
土方の言葉にこくりと頷く2人。
「・・・旦那の過去が知りてェなんて・・・思わなきゃ良かったですねィ」
沖田がポツリと呟いた。
さすがの沖田も過去は変えられないのが当然だと開き直ることは出来なかったらしい。
「・・・アレから銀さんはどうなるんでしょう」
新八が土方に視線を向ける。
「・・・さぁな・・・だが、村の誰かが面倒をみるんじゃねぇか?吉田さんも言ってたが、野郎のことを随分と可愛がってた様だったし・・・何より、高杉や桂が放ってはおかねェだろうよ」
抱き合って静かに泣く子ども達を村の大人達は悲しげに見つめていた。それだけ松陽や銀時が村の者達に好かれていた証なのだろう。
それに、高杉の父も藩に使える武士で、桂もまた武士の家に末期養子として入っている。銀時1人くらいならば養えるはずだ。
だが―――銀時があの屋敷から離れるだろうか。
「・・・・・・塾として使っていた別棟は焼けてませんでしたよね」
山崎も同じことを考えていたのだろう。
「・・・山崎もそう思うか?」
「旦那が・・・そうそう簡単に松陽先生との思い出がたくさん詰まったあの屋敷から離れるとは思えませんよ・・・」
意外と頑固なのだと知っている。こうと決めたらてこでも動かない。
きっと―――。
「・・・村の方々にご迷惑をおかけすることになるんでしょうねぇ。全く困った子です」
「だよなァ・・・・・・ん?」
横からの声に頷いて土方は首を傾げた。次いで、青い顔で自分を(正確には自分の真横)を見つめる山崎と新八を見て、目を丸くしている沖田と神楽を見る。
そろり、と土方は右を向いた。
「ああ、どうも。土方さん」
「っ・・・ぎゃああああああああ!!!!」
思いっきり叫んだ。驚きと恐怖の両方の意味で。
なぜなら、ひらりと手を振ってニコニコと己の横で笑っているのは、紛れもなく・・・。
「し、松陽先生!?ウソっ!なんでぇ!!?ええっ!?ええええええ!!?」
新八が大混乱しながらも叫んだ名前に、やっぱり見間違えじゃないのかと土方は口元を引き攣らせた。
「よ、吉田、さん?」
「ええ、そうですよ」
ニッコリと笑う松陽。
「・・・・・・死んでましたよね?」
山崎が訊ねれば、松陽はニッコリと笑って頷いた。
「ええ、死んでましたね。・・・ですが“私”は先程あなた方の目の前で死んだ吉田松陽ではありません」
「はぁ・・・やっぱりそうか」
「ああ、土方さんは気付いていたみたいでしたしね」
「どういうコトでさァ、土方さん」
難得したように声をあげた土方に松陽が笑みを深め、沖田が首を傾げる。
「つまり、俺達を過去に連れていったのは“この吉田さん”ってことだ」
「え!?」
「それって・・・」
「どういうことネ」
新八と山崎がハッとする脇で、未だに理解できないらしい神楽が首を傾げた。
「・・・俺だって確信があったわけじゃねぇが、オメェら、過去に飛ばされる前に白い人だか光だかを見たって言ったろ?」
頷く山崎と万事屋の子ども達。
「それが“この吉田さん”ってわけだ。・・・どういう仕組みかは知らねェがな」
「私も良くわかりませんが、銀時や晋助や小太郎が心配で心配で・・・そうしたら皆さんを召喚(よん)でしまったようで」
「まさに“想いの力”ってヤツですかィ・・・で、結局は過去は変えられねぇで、過去をただ覗き見ちまったってコトになってんですが、俺達は元の時代に戻して貰えるんですかねィ?」
沖田が問えば、松陽は苦笑した。
「帰るのは皆さんの意志次第だと思いますよ?・・・私は何度もあなた方を“あの出来事”に関わらせないように帰そうとしてきましたから」
「!」
沖田は目を瞠った。
自分達の意志次第・・・つまり、帰ろうと思えばいつでも帰れたということだ。
「はぁ・・・つーことは、俺達は帰れないわけじゃなくて、帰ろうと思ってなかったってコトか」
土方が溜息を漏らす。
「・・・そうなりますねぇ・・・たぶん、私の心配と皆さんの銀時の過去への興味・・・これが合わさってこのようなことが起こったんでしょう。不思議なコトもあるものですね」
「不思議なコトもって・・・それだけで済ませちゃうなんて、松陽先生って本当に心が広いっていうかなんていうか・・・あの3人の先生なだけはありますよね」
ほけほけと子ども達と一緒に笑っていた時と同じ笑顔をうかべてそう言った松陽に、新八が苦笑する。
「・・・こんなことを、あなた方に頼んでも困らせるだけだとはわかっていますが・・・どうか・・・どうか、あの子達を頼みます。あの子達は本当にてんでバラバラの性格で、頑固で、いじっぱりで・・・でも、本当は優しい心根の持ち主なんです・・・」
「・・・吉田さん、俺達は・・・」
「ええ、もちろん、土方さん達が晋助や小太郎と敵対関係にあるのはわかっています。ですから、銀時に手を貸してやってください。きっとあの子は・・・間違った方向へと走って行く盟友を止めに行くでしょうから」
「任せるネ!・・・万事屋は3人と1匹で1つアル!絶対に銀ちゃん1人で行かせたりしないヨ!!」
「神楽ちゃんの言う通りですよ!僕等は絶対に銀さんを1人にしませんから!あの人が僕等を置いてこうとしたら、ボコボコにしてからこう言ってやるんです―――アンタは僕らがいないと何もできないマダオなんだから、僕等を置いていこうとするなんて100万年早いって」
「ふふ・・・頼もしいですね」
ガッツポーズを決める新八に、松陽はクスクスと笑う。
「高杉や桂を捕まえんのは俺等の仕事でさァ。当然、ついて行くに決まってますぜィ」
「ま、総悟の言う通りだ。高杉と桂は俺達真選組が止める」
「・・・すいません、ウチの副長と隊長は素直にモノが言えなくて・・・旦那にはいろいろ世話になってますから、無茶なんてさせないって言いたいんですよ、きっと」
「「その口縫い合わせてやろうか、ザキ」」
「ひぃいいい!!」
すっかりいつものペースに戻った真選組の面々と万事屋の子ども達に、松陽は目を細めた。
「・・・気に病まないでくださいね。あなた方にあんな顔をして欲しくて召喚(よん)だわけじゃありませんから・・・ただ、誰かに知って欲しかったんです。あの子の心の奥底にある悲しみと憎しみを・・・あの子が壊れてしまわないように」
高杉と袂を分かってしまった時、銀時はまた1つ縋るモノを失くしてしまった。
だが、穴埋めと言うにはもったいなさすぎるくらいの“友人”と“家族”がいる。
「・・・松陽先生」
山崎の頬を引っ張っていた沖田が、松陽を振り返る。
「旦那達の前には姿を見せてやらね―んですかィ?」
「・・・身近な人間には会えないんだそうです」
「野郎のコトは心配すんな・・・だから、その・・・なんだ・・・」
土方が言いあぐねていると、松陽は穏やかな笑み―――あの、死を覚悟した時と同じ笑み―――をうかべた。
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