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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

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注意
・朝比奈さんショタコン気味は仕様ですw
・仔ルルは素直で可愛いです
・ルルたんのターン!!
・長編朝ルルはお読みになりましたか?読んでなくても大丈夫だと思いますが、読んでからだとよりわかりやすいと思いますよ???

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








 数日後、予告も無くブリタニアが攻めて来た。その事実は、例えわかっていたとしても、ルルーシュの心の傷をさらに深くえぐった。故郷へ向ける念は思慕では無く、憎悪。

 そして、元々は軍人である藤堂や朝比奈は開戦直後から会えなくなってしまった。

「・・・ちゃんとお別れができませんでしたね。」

 そう呟いたナナリーの手をギュッと握り、ルルーシュは頷いた。

「そうだね・・・。」

 2人はブリタニア側に引き取られることになっていた。そう、ブリタニア側から打診があったためだ。どうやら、水面下で桐原が動いたらしいということだけはわかったが、どういった取引をしたのかまではわからなかった。

 スザクもまた、安全な場所へと行くことになっているのか、旅支度をしていた。

「・・・スザクさん、ごめんなさい。私のお父様が、スザクさんの国を・・・。」

「・・・ナナリー・・・。」

 困ったようにナナリーを見つめ、スザクは呟く。

「・・・スザク。」

 ルルーシュは意を決してその名を呼ぶ。脳裏には別の人間を思い浮かべながら。

「・・・僕は・・・ブリタニアをぶっ壊す!!」

「・・・ルルー・・・シュ?」

 わけがわからない、といった表情のスザク。それでも、ルルーシュは構わなかった。この誓いは確かに己の心に刻み込まれた。誰に、ではない。自分に誓ったのだ。それでも、彼の人に届いているように、と願いながら、迎えの車に乗り込む。



 遠ざかる枢木神社。そして、スザク。名残惜しみながら、その光景を目に焼き付けるように見つめる。

 迎えを寄越したのはアッシュフォードだった。サクラダイトの取引などで、桐原と交流があり、ルルーシュ達のことを引き取らせてほしいと嘆願したと聞き、ルルーシュはこの忠義に報わねばと思う。

「・・・ルーベン・・・。」

「御無事で何よりです、殿下。・・・ですが、本国にお戻りになるのは危険と存じます。アッシュフォードが全力をもちまして殿下方をお守り致します。ですから・・・どうか、ご辛抱を。」

 頭を垂れるルーベンに、ルルーシュはこくりと頷いた。

「・・・わかっているよ、ルーベン。・・・迎えに来てくれて、ありがとう。感謝している。」

「・・・もったいなきお言葉。」

 感極まり、声を詰まらせたルーベンに苦笑し、ルルーシュは身体の力を抜いた。



 終戦直前、朝比奈の元に訃報が届く。それは、ルルーシュとナナリーが日本人の暴漢に襲われ亡くなったという話だった。

「・・・嘘だ・・・。」

 呟く朝比奈の肩に、藤堂が気遣わしげに手を置く。

「朝比奈・・・。」

「・・・生き残れと、そう言ったのはあの子なのに。・・・どうして!!」

 宥めるように名を呼んだ藤堂に、朝比奈は行き場のない怒りを向ける。

「どうして。・・・こんなことなら、ブリタニア側に引き渡さなけりゃよかったんだ!!!」

 藤堂にすがりついて叫ぶ朝比奈の背を撫でる。

「そうだな・・・。」

「俺・・・ルルーシュ君に、言いたいことがあったんです!!!どうしても・・・どうしても、伝えたかったのに!!!」

「・・・ああ。」

 朝比奈の慟哭をただ聞きながら、藤堂は表情を歪める。

「・・・ルルーシュ君・・・!!!」

 泣き叫んだ朝比奈は、その後、1人で考えたいと部屋にこもってしまった。

 藤堂の心配をよそに、部屋から出てきた朝比奈は気丈に振る舞った。それは、終戦後も同様だった。荒れたのはあの時だけ。それは、彼の皇子の気丈さに倣っていたのだろうと思えた。



 7年後


 ルルーシュは、己を殺し、名も、身分も、経歴すらも偽造し、生きてきた。そのマンネリとした生活に転機が訪れる。

 不死身の魔女から貰った“絶対遵守の力”その力で、己の騎士団を作った。

 そして、藤堂の処刑の話を携えた、ずっと会いたいと思っていた人と再会する。

 そして、親友と思っていたスザクが最悪の敵だと知ったあの日、ルルーシュは過去、己が一番信頼していた人を騎士団に迎え入れた。

 忘れていた気持ちが再燃しそうだった。甘えさせてほしかった。優しい言葉をかけてほしかった。それでも、己を律して、ルルーシュは黒の騎士団総司令としての仮面をかぶり続けた。



 そして・・・運命の日。


 近道であるゲットーをリヴァルと歩いていたら、イレブン・・・日本人の男達に絡まれてしまった。ブリタニアへの怒りをぶちまける男達を哀れと思いこそすれ、憎いとは思わなかった。

 どこまでも冷静なルルーシュに、痺れを切らした男が腕を振り上げる。嘆息したルルーシュが左目に力を込めた時だった。

「・・・何してるんだよ!!自分より弱そうな子どもにあたるなんて、恥ずかしいと思わないの!!」

 聞き慣れた声。そして、見慣れた軍服。思わず目を見開き、その背を凝視する。これを運命と言わず何と言うのか。己を庇うその相手が、どうしても“この姿”で会いたかった人物だったのだから。

 “ゼロ”に不満を持っているような彼、その彼に、本当のことを話せるわけも無く、己を律し続けてきたルルーシュの心が瓦解する。

「(・・・省吾さん///)」

 その背を見つめ、どんなに願っても戻れないと思っていた夏の日を思い出す。



― ・・・はじめまして。ルルーシュ皇子殿下

― はじめまして。僕のことはルルーシュと・・・

― うん、じゃあ、俺のことも省吾で良いよ。

― ・・・年上の方を呼び捨てにするのは・・・省吾さん、で良いですか?

― そうだね。そう呼んでくれる?・・・よろしくね、ルルーシュ君。

― よろしく、省吾さん。



 ルルーシュは、一番欲しかったものを手に入れた。そして・・・



 物語は『貴方と出会った日から』へ続く


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