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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
※ほのぼの騎士団です。
※捏造は当然。
※ゼロバレ済み。

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








「はぁ~。ピザが食べたい。」

 突然そうのたまったC.C.に、騎士団幹部達はピキリと固まった。

「・・・おま、まだ食べんのかよ。」

 呆れた声を出したのは玉城。その目の前には“C.C.が”食い散らかしたピザの空箱が散乱している。

「・・・違う。これじゃない。」

 玉城の視線を見て、C.C.は溜め息をついた。

「じゃあ、どこのピザだ?ピザ○ットじゃなきゃピ○―ラか?それとも、ド○ノピザか!?」

 有名なピザ屋の名を羅列する玉城に、C.C.はふるふると首を振る。

「ルルーシュが作ったピザが食べたい・・・。」

 もう一度深い溜め息をついたC.C.は、遠い目をして、うっすらと笑う。

「アイツの作るピザは、そこらのピザとは違う。・・・とろりとしたチーズの溶け具合、カリカリした生地。それにっあの手作りのピザソースが絶品なんだ!!」

 力説するC.C.に、さしもの玉城も目が点になった。

「・・・ゼロが・・・料理?」

 そう呟いて、幹部達を振り返る。

 最近になって、ようやくゼロの正体がカレンの同級生でブリタニアの皇子だったと知ったわけだが、どうにも、料理する姿がイコールで結べない。

「・・・できるだろう。・・・7年前には自炊していたから。」

 苦々しい表情をして言ったのは藤堂。

 ゼロの7年前を知る数少ない人間で、なかなか昔のことを話そうとしないルルーシュの代わりに、敵国の皇族というだけで、酷い扱いを受けていたことを幹部達に教えたのは彼だった。

「・・・自炊!?・・・たった10歳の子供がですか!?」

 扇が仰天して立ち上がる。

「・・・彼らにしてみれば、いつだって命を狙われているような心地だったのだから・・・妹第一の彼がそれを選択したのは当然だった、と思う。」

 躊躇いがちに言った藤堂に、皆がしんとしてうつむく。その言葉が示唆していたのは、幼い頃より毒殺の心配をしなければならなかったということ。

 そんな幼少期を過ごして、よくぞあそこまで天然に育ったものだと感心する。

「ともかく!・・・アイツの作ったピザが食べたい・・・。」

 C.C.はそう呟いて、チーズ君を抱きしめた。



「・・・っくしゅ!」

 突然くしゃみをしたルルーシュに、生徒会のメンバーが心配そうに寄ってくる。

「大丈夫?ルルちゃん。」

 ミレイが問いかけると、ルルーシュはコクリと頷く。

「・・・誰か俺の噂でもしてるんでしょう。(主に玉城とか。)」

「噂か・・・。(主に・・・玉城とかね。)」

 図らずも同時に心の中で同じことを呟いたルルーシュとカレンが互いに視線を合わせる。

「・・・ルルーシュ君、心当たりでもあるの?」

 コトリと首を傾げたカレンにルルーシュは苦笑いを浮かべた。

「・・・まぁ、1人だけ、な。(玉城だな←確信)」

「・・・そう。(絶対玉城よ)」

 その言葉を聞いて、カレンも苦笑を浮かべる。どうやら互いに同じことを考えたようだとわかると、2人の間にのほほんとした空気が流れる。


― また、何かやったんだろうか、玉城。(ルル+カレ)


 最早、何かやるとしたら玉城。とりあえず、誰を疑うと言ったら、玉城。黒の騎士団の中で必要悪になりつつある、玉城だ。(本人にしてみれば、濡れ衣を着せられまくっているので、どうにも納得いかないらしい。)

「まあ、風邪じゃないんならいいけど・・・。(この2人って、仲悪かったんじゃなかったかしら?)」

 ミレイがルルーシュとカレンの間に流れる空気に首を傾げた。



「「ただいま~・・・。」」

 あれからミレイの書類整理に付き合わされた2人がげっそりとしながら騎士団のトレーラーに戻ってくると、ラウンジでくつろいでいた幹部達が一斉に口を開いた。

「ゼロ~、C.C.がゼロ手作りのピザが食いたいってよ。」

「というか、ゼロって料理できたんだねぇ。」

「10歳から自炊って・・・それまで皇宮で暮らしてたのに、どうやって覚えたんだい??」

「絶品だってC.C.が言うくらいだし、一口でも良いから食べてみたいわね。」

「良いよなぁ、C.C.ばっかり特別扱いで。」

 溜め息交じりに言われて、ルルーシュは思わず後退る。

「っていうか、カレンは知ってたのか?ゼロが料理できるって。」

「・・・へっ!?・・・ええ、ああ、まぁ。」

 扇に訊かれ、カレンは思わず素直に頷く。脳裏にはこの間食べたばかりのスコーンを思い浮かべ、ああ、また食べたいかも。なんて思考を飛ばす。

「何ぃ!!?・・・ってことは、食べたこともあんのか!?」

 ずいっと玉城に詰め寄られ、カレンはギョッと目を瞠る。

「・・・た、食べたら悪いの!?」

 思わずケンカ腰になって言い返すと、意外にも玉城は呆然とカレンを見てきた。

「・・・な、何よ?」

「・・・良いなぁ・・・カレンも特別扱いかよ。」

 羨ましげにそう言うと、玉城はルルーシュに向かって、捨て犬のような目でその顔を見つめた。

「・・・なぁ・・・ゼロぉ・・・。」

「うっ・・・(ダラダラダラ;)」

 ルルーシュがこういう目に弱いということを知っているわけでもないのに、玉城は一番の方法を取ってくる。

 じりじりと後退るルルーシュに、扇達が苦笑する。

「「「「(ああ、ああいう目に弱いのか・・・。)」」」」

「(くそ!見てないで助けたらどうなんだ!!!)」

 微笑ましく眺められ、ルルーシュは心の中で毒づくが、目の前の玉城は計算なしでルルーシュの弱点を突いて来た。

「・・・なぁ、俺らはC.C.やカレンと違って、特別じゃねーの?」

 玉城のくせに、とは言えずに、ルルーシュはがっくりと肩を落とした。

「・・・わかった・・・作ればいいんだろう。作れば。」

「ぃやったぁ~!!!マジで!!・・・やっぱり、俺達親友だよな!!!」

 いつ親友になったんだ?と思いつつ、ルルーシュは曖昧に微笑んでキッチンに向かう。



「・・・C.C.がピザで・・・他の連中は・・・まあ、この間焼いたスコーンでも作るか。・・・簡単だし・・・。」

 ブツブツと呟きながら、それでもテキパキと材料を混ぜ、オーブンを温め、ピザソースを作る。陰から覗いていた幹部達は、その手際の良さにほう、と感心の溜め息をつく。

「すごいなぁ、1人で一気にあれだけのことをやれるなんて・・・。」

「器用だよなぁ・・・。」

「・・・何でも完璧にこなすんですよ。羨ましい・・・。」

「まあ、体力に関してはアレだがな。」

 カレンがむくれると、C.C.がひょこっと顔を出す。

「・・・ルルーシュは頭脳派なのよ。」

「珍しいな、カレンがアイツを擁護するなんて。」

「・・・。」

 からかう相手を見つけたといわんばかりに目を細めるC.C.を見て、ターゲットにされたカレンはムッとする。

「ちょっと、C.C.・・・。」

 不穏な空気が漂い始め、幹部達が2人から離れる。

「・・・おい、カレン。暇なら手伝え。」

 くるりと振り返ったルルーシュに言われ、カレンがハッとする。

「あ、えっ・・・な、何を手伝うの?(覗いてたの気付かれてた!?)」

「スコーンを並べてくれ。・・・熱いから気をつけろよ。」

「・・・え・・・ええ。」

 いつの間にか出来上がっていたスコーンを見つめ、カレンはそっと皿に並べる。

「ジャムももうすぐできるから、そうしたら乗っけて・・・。」

「っ・・・ジャムも作ったの!?」

 ガバッと顔をあげたカレンに、ルルーシュは目を丸くするが、すぐに肩を竦めた。

「・・・生徒会でも食べただろう?何をそんなに驚く?・・・説明したと思ったが?」

「・・・き、聞いてたわよ?でも、ジャムまで作ったとは言わなかったじゃない!!」

「そうだったか?」

 ことり、と首を傾げたルルーシュにカレンは頬を真っ赤に染める。

「(・・・男のくせになんでこのしぐさが可愛らしいのよッ!!!。いろんな意味で負けた気がするのは何でッ!?)」

 首を傾げるルルーシュと、それに照れながらも肩を落とすカレンを眺めつつ、幹部達は綺麗な光景だなぁ、と思う。元々2人とも綺麗な顔をしているので、並んでいるだけで絵になるのだ。(特に今日はカレンがお嬢様仕様のままだから尚更だ。)

「おい、ルルーシュ。私のピザはどうした?」

 そんな中空気の読めない(もとい、読もうとしない)C.C.がルルーシュの傍に寄って行く。

「今、生地を寝かせてるんだ。・・・ピザは手間がかかるんだ、少し我慢しろ。」

「ふぅん・・・わかったよ。」

 ムッと眉を寄せたルルーシュに、C.C.は気のない返事をする。

「・・・まったく、誰のせいでこんなことになったと思ってるんだ。」

 唯我独尊のC.C.に何を言っても仕方がないと悟ってしまっているルルーシュだ。こっそりと呟くだけで、C.C.に抗議をしようとは思わないらしい。

「す・・・すまない・・・俺達・・・。」

 が、そのルルーシュの呟きを聞いて、扇が慌てて頭を下げる。

「・・・何で、扇が謝る?・・・俺は嫌とは言ってない。」

「そ・・・そうなのか?」

「ああ。料理は嫌いじゃない。・・・ただ、毎度のように作るのは無理だぞ?」

 言われれば、コクコクと頷く幹部達。一度でも噂の手料理を口にできれば充分だと思っているからだ。

 それを見て、カレンは大丈夫かしらと思う。何せ、ルルーシュの手料理はあまりのおいしさにいくらでも食べてしまえそうだからだ。

「(・・・生徒会に入って仕事しつつルルーシュの手作りのお菓子を食べて・・・私、太ったんじゃないかしら・・・;)」

 脇腹をつまんでみるが、脂肪がついた様子はなく、自分の太りにくい体質に感謝する。

「・・・カレン、どうした?」

「へぁっ!?・・・な、何でもないわよ!ジャム、乗っけるのよね?」

「ああ。・・・今日はイチゴジャムだ。」

 ニッコリと笑ったルルーシュ。その笑顔を見た者達が皆、頬を真っ赤にする。

「ああ、確か、好きだったわよね。イチゴ。」

 カレンが言うと、コクンと頷くその仕草が可愛らしい。

「・・・ピザ・・・。」

 待ちきれないC.C.がピザソースに指を突っ込む。

「あ、こら!C.C.!!」

「んまい。」

 ぺろりと指を舐め、C.C.が目を細める。

「・・・早く、私のピザを焼け。」

「・・・・・・我が儘女がッ!!」

 ルルーシュの目がつり上がるが、C.C.はそれすらも笑い飛ばし、ひらひらと手を振る。

「私はC.C.だからな。ほら、早く作れ。童貞坊や。」

「~~~~~~っっっ!!!しぃ~つぅぅぅぅぅ!!!!!ここでどうてぃ(ごにょごにょ)は関係ないだろう!!!!」

 完全にからかいモードに入ったC.C.に、ルルーシュが食ってかかる。のらりくらりとかわされて結局、ルルーシュが諦めることになるのだが、そんな光景を見れるようになったのも、ここ最近だ。

「・・・真実を知れて良かったよな。」

 ぼそり、と言ったのは扇。

「あ?・・・どうしたんだよ、いきなりよぉ?」

「・・・いや、あのまま疑心暗鬼のままだったら・・・俺達、きっと、こんな光景を見ることも無かったんだろうな、と思って。」

 玉城に訊かれて、扇は肩を竦める。

「それもそうだねぇ。」

 同意したのは朝比奈。

「・・・まあ、ゼロの中身が学生で、ブリタニアの元皇子で、紅月の同級生で、枢木の親友でって・・・もう、どれに驚いて良いものやらわからなかったが・・・今ではそんなこともどうでもいいな。私達は、彼の指揮の元で日本を取り戻す。そして、優しい世界を。・・・それだけを考えていれば良い。」

 千葉も朝比奈に同意しながら、藤堂を見上げる。

「・・・そうだ。日本を取り戻す。それが我らの悲願。その為に力を貸すと言ってくれた彼の為にも、優しい世界を。」

 藤堂は目を細める。ぎゃあぎゃあと言い合うルルーシュとC.C.。そして、黙々とイチゴジャムをスコーンに乗っけているカレン。

「・・・年若い彼らが、もう二度とこのような戦いに身を置かずに済む世界を作らなければな。」

「そうですね。」

「さっすが、藤堂さんv」

「・・・中佐、全力を尽くしましょう。」

 扇や朝比奈、千葉が、そして、他の幹部達も賑やかなキッチンを見やって力強く頷いた。



 終わり★


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