Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・ブリタニアと日本は開戦していません
・が、ルルーシュは桐原公宅へ居ついています
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・そうか・・・わかった。・・・いや、それで充分だよ。ありがとう。」
ルルーシュは、電話先の相手にそう言って、電話を切る。
「ルルーシュ様。」
ふいに、名を呼ばれて、ルルーシュはくるりと振り返る。
「ああ、咲世子さん。・・・どうかした?」
「はい。神楽耶様とスザク様がいらしております。」
「神楽耶とスザク?・・・珍しいな、2人が揃ってくるなんて。」
そう言いながらも、ルルーシュは携帯を胸のポケットにしまい、咲世子に案内されて客間へと向かった。
客間では、ムスッとしたスザクと、今か今かとルルーシュを待っている神楽耶が2人きり。
「・・・何で、俺が神楽耶の用事に付き合わなきゃいけないんだよ。」
「あら、スザクだって、ルルーシュ様にお会いしたかったのでしょ?良いじゃありませんか。」
「べっ・・・別に、会いたいなんて・・・思って・・・ない。」
だんだん尻すぼみする言葉に、神楽耶は苦笑をうかべてスザクを見る。
「素直じゃありませんね?枢木さん?」
「・・・。」
フイ、とスザクは顔を逸らして、入口を見つめる。
「・・・おっそいな。・・・何やってるんだよ、ルルーシュは。」
そう言った次の瞬間、ドアがバタンと開いて、スザクは目を丸くしてしまう。
「・・・待たせてしまったようで、すまない・・・?・・・スザク?どうしたんだ?ハトが豆鉄砲食らったような顔をして。」
「な、何でもないっ!!」
慌てて首を振るスザクに首を傾げながら、ルルーシュは神楽耶に向き直る。
「久しぶりだな、神楽耶。」
「ええ、お久しぶりです、ルルーシュ様。・・・最近はいかがです?桐原とはうまくやってますの?」
「まあ、ぼちぼちな。」
「あらあら、うふふ。・・・受け答えまで、日本人みたいですわね。」
曖昧な返事を返したルルーシュに、神楽耶はくつくつと笑う。
「ああ、すっかり、日本に馴染んでしまったよ。・・・日本の文化は面白いものが多いしな。」
「そうですか?」
ニコニコと訊ねる神楽耶に、ルルーシュは嬉しそうに頷いた。最近、桐原が忙しく、話し相手は咲世子だけ。話は合うが、なんだか物足りない思いもしていたのだ。
「ああ。特に“丑の刻参り”なんて最高だな。」
「・・・・・・・・・・・・あの、今、良く聞こえませんでしたの。もう1度仰って戴けます?」
「“丑の刻参り”は最高だ、と言ったんだよ、神楽耶。・・・あれは、とてもいい文化だ。」
うっとりと言ったルルーシュに、神楽耶とスザクは顔を見合わせ、さぁ、と青褪めた。
「・・・えっと、ルルーシュ?」
「なんだ、スザク。」
「・・・もしかして、実際にやってみたり、したのか?」
「いや?・・・この辺りに神社や寺が無くてな。それに、夜中に出かけるのは、さすがに無理だから・・・。でも、一度はやっておきたいな。・・・そうだ!スザクの家は神社だったな?」
「あ、ああ。」
「今度泊りに行くから、やらせてくれ。・・・ああ、土蔵で暮らしていた時に知っていれば、毎日でもやったのに!!」
悔しがるルルーシュを見て、スザクは愕然とした。神楽耶に至っては、完全に意識を飛ばしている。
「・・・因みに、誰に教えて貰ったんだよ。」
スザクがおそるおそる訊ねると、ルルーシュは良い笑顔で答えた。
「ああ、咲世子さんに。」
― あの人か!!!
スザクは納得する。
桐原のSPの中でも、特に優秀で、ルルーシュの世話役もしているという彼女がどこか浮世離れした感覚の持ち主であることは、何となく気付いてはいたが、その影響をルルーシュがもろに受けまくっていることに危機感を感じる。
桐原は知っているのだろうか。そこまで考えて、ハッと気付く。
「・・・ルルーシュは、“丑の刻参り”をどんなものだと思ってるんだ?」
そう。勘違いをしている可能性は充分にある。やり方は知っていても、そもそもの意味を知らないかもしれない。
わずかな希望を持って訊ねたスザクに、ルルーシュはなぜそんなことを聞くのだろうという風に、訝しむような表情で答えた。
「???・・・憎いと思う人を呪い殺すための儀式だろう?」
あっさりと答えたルルーシュに、スザクはがくりと肩を落とす。
「・・・・・・そう、なんだけどな・・・ははは・・・?」
「さっきから、おかしな奴だな?」
「・・・いや、平気な顔でそういうこと言える、ルルーシュの方がおかしいって。」
「そうか?」
「・・・はぁ、もういい。・・・で、誰を呪いたいんだよ?」
投げやりになって聞いたスザクに、ルルーシュは楽しそうに答えた。
「決まっているだろう?・・・父上だ♪」
「・・・・・・・・・ああ、さようですか。」
スザクは遠くを見つめてしまう。相当嫌われているルルーシュの父親という人物を思い浮かべて、ほんの少し同情してしまった。確かに、話し方を聞いていると、ちょっとイラっとするけど。と思いながら。
「・・・ところで、何か用があったんじゃないのか?」
ルルーシュ自身が話を戻したので、スザクもようやく現実に戻ってくる。そして、隣で放心している神楽耶を揺する。
「神楽耶・・・神楽耶っ、用があって来たんだろ!」
「はっ!・・・ああ、申し訳ありません・・・ちょっと、ショックで。」
「ショック???」
首を傾げるルルーシュに、神楽耶は慌てて、何でもありませんわ、と微笑みを向ける。精神的打撃が相当だったようで、未だ、顔は青いままだ。
「大丈夫か?少し、顔色が悪いぞ?」
「え、ええ。大丈夫ですわ。・・・それより、要件なのですが。」
「ああ。そうだったな。」
訊く体制に入ったルルーシュに、神楽耶はホッとして用件を話す。
「実は、この度、無事にブリタニアとの終戦宣言を日本ですることになりましたの。」
「ああ、聞いてるよ。」
「ですから、その宣言の場にルルーシュ様も参加して頂きたくて。だって、ルルーシュ様は、陰の功労者ですもの。」
ニコニコと告げる神楽耶に、ルルーシュは訊ねる。
「・・・1つだけ訊いても良いか?」
「ええ。なんなりと。」
「その宣言の場に、ブリタニアから国賓が来るのか?」
「ええ。いらっしゃいますよ。」
「・・・因みに・・・誰?」
「えっと、確か・・・クロヴィス第3皇子と伺ってますけど?」
「・・・なら、参加します。」
まるで、他の人間なら、断ったような雰囲気のルルーシュに、スザクも神楽耶も首を傾げた。
「どうして、クロヴィス皇子なら良いんだ?」
「そんなに、仲がよろしかったんですの?」
そんな、2人の問いに、ルルーシュは、あっさりと答えた。
「クロヴィス兄上は、およそ、謀略には無縁の人だからな。安心して、顔を出せる。」
「ぼ、謀略・・・。」
スザクの表情が引き攣る。
「これがシュナイゼル兄上だったりしたら、断っていたところだったが。・・・ほら、俺が死んだら、それにかこつけて戦争でも始めそうだろう?」
「・・・た、確かにそうですわね。ルルーシュ様の護衛は他の何よりも厳重にすることにしますわ。念には念を入れた方が良いですし。」
頷く神楽耶の表情もやはり引き攣っている。
今、2人の中のブリタニアの印象は、とてもすごいことになっているに違いない。
用事が済んだからとそそくさと帰っていく2人を見送りながら、ルルーシュは肩を震わせる。
「・・・くく・・・やっぱり、あの2人をからかうのって面白いなぁ。」
「ルルーシュ様、どこまで本気で、どこから冗談か、あれではわかりにくいですよ?」
溜め息をつく咲世子に、ルルーシュは肩を竦める。
「咲世子さん、俺はいつだって本気だよ?・・・ただ、それを冗談のように言ってるだけ。」
ルルーシュの笑いが止まらない。相当、楽しかったようだと思い、咲世子も笑みをうかべる。
「ルルーシュ様のたいくつムシが治まったのなら、よろしゅうございました。」
「ふふ・・・そうだね。」
頷くルルーシュに、一礼して、咲世子がティーセットを片付けるために部屋を離れる。それを見送ったルルーシュは、携帯を手に取る。
「・・・・・・・・ああ、ルーベン?さっきの話なんだけど、俺も終戦宣言の場に行くことになったよ。・・・うん。大丈夫。護衛を厳重にしてくれるって。」
先程の電話の相手であるルーベン・アッシュフォード。ルルーシュがこうして日本に居ついていられるのも、ひとえに、このルーベンのおかげである。
「ナナリーは、元気?」
『はい。お元気ですよ。目の方もお見えになるようになりましたから。それに、最先端の医療技術で、足の方も順調に回復しております。』
「そう。よかった・・・それじゃあ、もう少ししたら、日本にも来れるかな?」
『はい。ナナリー様も、それを目標にしておられますから。』
「・・・楽しみにしてるって伝えてくれ。」
『かしこまりました。・・・それでは、また、ご連絡いたします。』
ブリタニアの情報を絶えず流してくれる、ルーベンに心の中で感謝しながら、ルルーシュは電話を切った。礼を言っても、当然のことだと言われてしまうのがオチだったからだ。
「・・・さて、久しぶりにクロヴィス兄上に会うけど・・・きっと、変わってないんだろうなぁ。」
クツクツと笑いながら、ルルーシュはその場で背伸びをした。
「そろそろ、桐原さんも帰ってくるし、夕飯の準備でもしようかな。」
来たばかりの頃と違って和食のレパートリーが増えたルルーシュの作る食事を、桐原は毎日楽しみにしている。
ルルーシュとしては、桐原がおいしい、おいしいと食べてくれるので、作りがいがある。だが、このまま、ブリタニアと日本が和睦してしまえば、ルルーシュがここにいる理由がなくなる。
「・・・ずっと・・・ってわけにはいかないよな。」
そこでルルーシュが狙っている地位がある。その為に、クロヴィスに働きかけるのも良いだろうと考える。ああ見えて、大貴族出身の母を持つクロヴィスは、皇族の中でも発言力がある。
「・・・駐日大使って、皇族もできたよな、確か。」
二、と笑う。クロヴィスを言い包める自信は多分にある。それを実行しようと決めた。
桐原が与えてくれた優しい世界は、ルルーシュを変えた。陰謀まみれる皇室の中で暮らしていたルルーシュにとって、ずっと望んでいた場所だった。
母が殺され、妹が重傷を負い、そうして送られてきた日本に、これ程執着するとは、自分でも思わなかったことだ。
「今日は何にしようかな・・・。」
再び、夕飯のメニューに思考を移し、ルルーシュは台所へと向かったのだった。
おしまい♪
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・ブリタニアと日本は開戦していません
・が、ルルーシュは桐原公宅へ居ついています
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・そうか・・・わかった。・・・いや、それで充分だよ。ありがとう。」
ルルーシュは、電話先の相手にそう言って、電話を切る。
「ルルーシュ様。」
ふいに、名を呼ばれて、ルルーシュはくるりと振り返る。
「ああ、咲世子さん。・・・どうかした?」
「はい。神楽耶様とスザク様がいらしております。」
「神楽耶とスザク?・・・珍しいな、2人が揃ってくるなんて。」
そう言いながらも、ルルーシュは携帯を胸のポケットにしまい、咲世子に案内されて客間へと向かった。
客間では、ムスッとしたスザクと、今か今かとルルーシュを待っている神楽耶が2人きり。
「・・・何で、俺が神楽耶の用事に付き合わなきゃいけないんだよ。」
「あら、スザクだって、ルルーシュ様にお会いしたかったのでしょ?良いじゃありませんか。」
「べっ・・・別に、会いたいなんて・・・思って・・・ない。」
だんだん尻すぼみする言葉に、神楽耶は苦笑をうかべてスザクを見る。
「素直じゃありませんね?枢木さん?」
「・・・。」
フイ、とスザクは顔を逸らして、入口を見つめる。
「・・・おっそいな。・・・何やってるんだよ、ルルーシュは。」
そう言った次の瞬間、ドアがバタンと開いて、スザクは目を丸くしてしまう。
「・・・待たせてしまったようで、すまない・・・?・・・スザク?どうしたんだ?ハトが豆鉄砲食らったような顔をして。」
「な、何でもないっ!!」
慌てて首を振るスザクに首を傾げながら、ルルーシュは神楽耶に向き直る。
「久しぶりだな、神楽耶。」
「ええ、お久しぶりです、ルルーシュ様。・・・最近はいかがです?桐原とはうまくやってますの?」
「まあ、ぼちぼちな。」
「あらあら、うふふ。・・・受け答えまで、日本人みたいですわね。」
曖昧な返事を返したルルーシュに、神楽耶はくつくつと笑う。
「ああ、すっかり、日本に馴染んでしまったよ。・・・日本の文化は面白いものが多いしな。」
「そうですか?」
ニコニコと訊ねる神楽耶に、ルルーシュは嬉しそうに頷いた。最近、桐原が忙しく、話し相手は咲世子だけ。話は合うが、なんだか物足りない思いもしていたのだ。
「ああ。特に“丑の刻参り”なんて最高だな。」
「・・・・・・・・・・・・あの、今、良く聞こえませんでしたの。もう1度仰って戴けます?」
「“丑の刻参り”は最高だ、と言ったんだよ、神楽耶。・・・あれは、とてもいい文化だ。」
うっとりと言ったルルーシュに、神楽耶とスザクは顔を見合わせ、さぁ、と青褪めた。
「・・・えっと、ルルーシュ?」
「なんだ、スザク。」
「・・・もしかして、実際にやってみたり、したのか?」
「いや?・・・この辺りに神社や寺が無くてな。それに、夜中に出かけるのは、さすがに無理だから・・・。でも、一度はやっておきたいな。・・・そうだ!スザクの家は神社だったな?」
「あ、ああ。」
「今度泊りに行くから、やらせてくれ。・・・ああ、土蔵で暮らしていた時に知っていれば、毎日でもやったのに!!」
悔しがるルルーシュを見て、スザクは愕然とした。神楽耶に至っては、完全に意識を飛ばしている。
「・・・因みに、誰に教えて貰ったんだよ。」
スザクがおそるおそる訊ねると、ルルーシュは良い笑顔で答えた。
「ああ、咲世子さんに。」
― あの人か!!!
スザクは納得する。
桐原のSPの中でも、特に優秀で、ルルーシュの世話役もしているという彼女がどこか浮世離れした感覚の持ち主であることは、何となく気付いてはいたが、その影響をルルーシュがもろに受けまくっていることに危機感を感じる。
桐原は知っているのだろうか。そこまで考えて、ハッと気付く。
「・・・ルルーシュは、“丑の刻参り”をどんなものだと思ってるんだ?」
そう。勘違いをしている可能性は充分にある。やり方は知っていても、そもそもの意味を知らないかもしれない。
わずかな希望を持って訊ねたスザクに、ルルーシュはなぜそんなことを聞くのだろうという風に、訝しむような表情で答えた。
「???・・・憎いと思う人を呪い殺すための儀式だろう?」
あっさりと答えたルルーシュに、スザクはがくりと肩を落とす。
「・・・・・・そう、なんだけどな・・・ははは・・・?」
「さっきから、おかしな奴だな?」
「・・・いや、平気な顔でそういうこと言える、ルルーシュの方がおかしいって。」
「そうか?」
「・・・はぁ、もういい。・・・で、誰を呪いたいんだよ?」
投げやりになって聞いたスザクに、ルルーシュは楽しそうに答えた。
「決まっているだろう?・・・父上だ♪」
「・・・・・・・・・ああ、さようですか。」
スザクは遠くを見つめてしまう。相当嫌われているルルーシュの父親という人物を思い浮かべて、ほんの少し同情してしまった。確かに、話し方を聞いていると、ちょっとイラっとするけど。と思いながら。
「・・・ところで、何か用があったんじゃないのか?」
ルルーシュ自身が話を戻したので、スザクもようやく現実に戻ってくる。そして、隣で放心している神楽耶を揺する。
「神楽耶・・・神楽耶っ、用があって来たんだろ!」
「はっ!・・・ああ、申し訳ありません・・・ちょっと、ショックで。」
「ショック???」
首を傾げるルルーシュに、神楽耶は慌てて、何でもありませんわ、と微笑みを向ける。精神的打撃が相当だったようで、未だ、顔は青いままだ。
「大丈夫か?少し、顔色が悪いぞ?」
「え、ええ。大丈夫ですわ。・・・それより、要件なのですが。」
「ああ。そうだったな。」
訊く体制に入ったルルーシュに、神楽耶はホッとして用件を話す。
「実は、この度、無事にブリタニアとの終戦宣言を日本ですることになりましたの。」
「ああ、聞いてるよ。」
「ですから、その宣言の場にルルーシュ様も参加して頂きたくて。だって、ルルーシュ様は、陰の功労者ですもの。」
ニコニコと告げる神楽耶に、ルルーシュは訊ねる。
「・・・1つだけ訊いても良いか?」
「ええ。なんなりと。」
「その宣言の場に、ブリタニアから国賓が来るのか?」
「ええ。いらっしゃいますよ。」
「・・・因みに・・・誰?」
「えっと、確か・・・クロヴィス第3皇子と伺ってますけど?」
「・・・なら、参加します。」
まるで、他の人間なら、断ったような雰囲気のルルーシュに、スザクも神楽耶も首を傾げた。
「どうして、クロヴィス皇子なら良いんだ?」
「そんなに、仲がよろしかったんですの?」
そんな、2人の問いに、ルルーシュは、あっさりと答えた。
「クロヴィス兄上は、およそ、謀略には無縁の人だからな。安心して、顔を出せる。」
「ぼ、謀略・・・。」
スザクの表情が引き攣る。
「これがシュナイゼル兄上だったりしたら、断っていたところだったが。・・・ほら、俺が死んだら、それにかこつけて戦争でも始めそうだろう?」
「・・・た、確かにそうですわね。ルルーシュ様の護衛は他の何よりも厳重にすることにしますわ。念には念を入れた方が良いですし。」
頷く神楽耶の表情もやはり引き攣っている。
今、2人の中のブリタニアの印象は、とてもすごいことになっているに違いない。
用事が済んだからとそそくさと帰っていく2人を見送りながら、ルルーシュは肩を震わせる。
「・・・くく・・・やっぱり、あの2人をからかうのって面白いなぁ。」
「ルルーシュ様、どこまで本気で、どこから冗談か、あれではわかりにくいですよ?」
溜め息をつく咲世子に、ルルーシュは肩を竦める。
「咲世子さん、俺はいつだって本気だよ?・・・ただ、それを冗談のように言ってるだけ。」
ルルーシュの笑いが止まらない。相当、楽しかったようだと思い、咲世子も笑みをうかべる。
「ルルーシュ様のたいくつムシが治まったのなら、よろしゅうございました。」
「ふふ・・・そうだね。」
頷くルルーシュに、一礼して、咲世子がティーセットを片付けるために部屋を離れる。それを見送ったルルーシュは、携帯を手に取る。
「・・・・・・・・ああ、ルーベン?さっきの話なんだけど、俺も終戦宣言の場に行くことになったよ。・・・うん。大丈夫。護衛を厳重にしてくれるって。」
先程の電話の相手であるルーベン・アッシュフォード。ルルーシュがこうして日本に居ついていられるのも、ひとえに、このルーベンのおかげである。
「ナナリーは、元気?」
『はい。お元気ですよ。目の方もお見えになるようになりましたから。それに、最先端の医療技術で、足の方も順調に回復しております。』
「そう。よかった・・・それじゃあ、もう少ししたら、日本にも来れるかな?」
『はい。ナナリー様も、それを目標にしておられますから。』
「・・・楽しみにしてるって伝えてくれ。」
『かしこまりました。・・・それでは、また、ご連絡いたします。』
ブリタニアの情報を絶えず流してくれる、ルーベンに心の中で感謝しながら、ルルーシュは電話を切った。礼を言っても、当然のことだと言われてしまうのがオチだったからだ。
「・・・さて、久しぶりにクロヴィス兄上に会うけど・・・きっと、変わってないんだろうなぁ。」
クツクツと笑いながら、ルルーシュはその場で背伸びをした。
「そろそろ、桐原さんも帰ってくるし、夕飯の準備でもしようかな。」
来たばかりの頃と違って和食のレパートリーが増えたルルーシュの作る食事を、桐原は毎日楽しみにしている。
ルルーシュとしては、桐原がおいしい、おいしいと食べてくれるので、作りがいがある。だが、このまま、ブリタニアと日本が和睦してしまえば、ルルーシュがここにいる理由がなくなる。
「・・・ずっと・・・ってわけにはいかないよな。」
そこでルルーシュが狙っている地位がある。その為に、クロヴィスに働きかけるのも良いだろうと考える。ああ見えて、大貴族出身の母を持つクロヴィスは、皇族の中でも発言力がある。
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