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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・貴方と出会った日からシリーズ 続編
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・ナナリーはあくまでも白ですw
・リヴァル達にはギアスバレ済み
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








 アッシュフォード学園・クラブハウス


「ルルちゃん、うまくやってるかしらね~。」

 ミレイがぽつりと言うと、リヴァルが時計を見上げる。

「ああ、そういや、今頃、騎士団に合流している頃っすねぇ~・・・。」

「省吾さんもいらっしゃいますし、大丈夫だと思いますよ。」

 ナナリーがニコニコと言えば、リヴァルが身体を乗り出す。

「なぁなぁ、ルルーシュって、昔っからあんな感じで朝比奈さんにべったりだった?」

「そうですね・・・省吾さんとは毎日会っていたわけじゃないんですよ。むしろ、スザクさんとの方が毎日一緒にいたんですけど・・・でも、やっぱり、頼りがいがあるというか、あの時すでに省吾さんは大人でしたし、お兄様も随分と気を許している風でしたね。」

「へぇ~・・・まあ、本人が幸せそうにしてるから文句はないんだけどさ。・・・悪友としては面白くねぇな~と思うわけですよ。ね!?会長もそうでしょ?」

 リヴァルにふられて、ミレイは苦笑する。

「そうねぇ。まあ、あの時も言ったけど、横から掻っ攫われたわけだしね。面白くはないわね~・・・。でも、ま、ルルちゃんが幸せならね~。」

 ついつい本音が出る2人に、ナナリーがクス、と笑みを漏らす。

「お兄様は幸せ者ですね。・・・こんなに皆さんに思われて。」

「もちろん、ナナちゃんのことも大好きよ~?でも、ねぇ、ナナちゃんはルルちゃんががっちり愛して守ってるから、悪い虫がつく心配ないじゃない?・・・でもね、ルルちゃんはねぇ・・・。」

「無意識にもほどがあるよなぁ・・・あの天然タラシはさぁ・・・。」

「天然ッ・・・リヴァル、ククク・・・ナイスよ。」

 ミレイが噴き出すと、ナナリーもつられて笑いだす。

「ふふ・・・お兄様って、本当にモテるんですものね。今のお姿を見れないのが残念です。」

「ナナちゃん・・・きっと、見えるようになるわ。」

 ぽつりとナナリーが漏らしたその言葉に、ミレイがその背を擦る。リヴァルもナナリーを元気づけるように明るい声を出す。

「そうだぜ!きっと、ナナリーが目を開けたくなるように、ルルーシュが優しい世界を作ってくれるって。」

「そうですね。お兄様は約束を守ってくださいますよね。」

 微笑んだナナリーに、2人はホッとする。ナナリーを泣かせたら、血の雨が降る。絶対に。

「・・・そ、そういやさ、ルルーシュとナナリーをここから出すのに、どういう方法をとることになったんスか?その会議に、俺、バイトで参加できなかったんですよね~。」

 リヴァルが話を変えると、ミレイがそう言えばと呟く。

「ナナちゃんは聞いた?」

「はい。・・・本国への留学という手続きを学園にはとるとお兄様はおっしゃってましたけど・・・。」

「ああ~。なるほど。それが一番穏便な方法っすよね。・・・問題は、生徒会の仲間にどう説明するかかぁ・・・。」

「そうねぇ。・・・ニーナはともかく、シャーリーとスザク君はねぇ・・・。」

 その名を呟く時に、ミレイは眉を顰めた。その複雑な気持ちがわかって、リヴァルも同様に眉を顰めた。

「・・・シャーリーは、すっかり忘れてるんスよね?」

「ルルちゃんが言ってたしねぇ。・・・確認してみたけど、やっぱり覚えてないみたいよ。」

「そっか~・・・まあ、シャーリーは複雑だろうな。覚えてないとはいえ。・・・It is no use crying over spilt milk.ってやつですから。」

 “ギアス”そんな力があるものかと思ったが、実際に目の前に披露されてしまえば、何とも言えなくなってしまうものだ。(実験台は桐原のSPだった。)

「うん・・・直接ではないとはいえ、ルルちゃんもカレンも辛そうだったわね。・・・それよりも、スザク君よ。どうしてくれようかしら。」

「どうしてくれようって・・・会長、どうするつもりなんスか?」

「そうね、イベントとか言って、いじり倒してやろうかしら。」

「いやいやいや・・・。それ、ルルーシュ達を外に出すのと関係ないですから。そりゃ、後からやるんなら、協力しますけど。まずは、ルルーシュ達を逃がしてからじゃないと・・・。」

「まぁ、そうよねぇ。・・・スザク君は特に事情を知ってるから誤魔化しにくいわね。」

「・・・正直に言ってはどうですか?」

 思考のループにハマりそうだったミレイとリヴァルに、黙って聞いていたナナリーが口を開いた。

「正直に?」

「はい。皇族に居場所がバレそうになったので、別の場所に匿うことにしましたって。」

「・・・あ、なるほど。・・・嘘は言ってないわね。」

「言ってないっすね。さり気に、スザクのせいだぞ~的なアピールでもしときます?」

「いいわね~。やりましょう!!・・・う~ん、そうと決まったら、やる気が俄然湧いてきたわ~!!」

 はりきるミレイを横目に、リヴァルはナナリーに恐る恐る尋ねた。もしやという思いが晴れない。

「・・・もしかして、ナナリー、相当、スザクに怒ってたりする?」

「・・・?・・・いえ、そう言ったら、スザクさんも納得すると思ったので。」

 リヴァルの問いに、首を傾げながら答えたナナリーに、何となく2人はホッとする。“よかった!!ナナリーは白だ!!(笑”

「さて!・・・じゃあ、準備を始めますか。ルルちゃんとナナちゃんが本格的に住まいを移すのは1週間後。他の皆にはバレないように少しずつ荷物を運び出して、移動完了の後、事後説明、ってことで。」

「りょーかい!!」

「お世話になります。」

 リヴァルの元気の良い返事と、それに合わせるようにぺこりと頭を下げたナナリー。

 ルルーシュ達の壮大な移動計画が、今、始った。



 黒の騎士団・ラウンジ


「ただいま戻りました~!」

 カレンの明るい声がラウンジに響く。幹部達が振り返ると、学生服のカレンとルルーシュが立っていた。

「・・・お邪魔、します。」

 戸惑ったように言うルルーシュ。顔合わせから5日。幹部達も徐々にルルーシュがこの場にいるという光景に慣れてきていた。特に、ラクシャータやディートハルトが嬉しそうにルルーシュと会話をし、朝比奈がそれにちゃちゃを入れ、ルルーシュがその朝比奈に注意をするという光景はもはや騎士団の日常の一部と化していた。

 だのに、未だにルルーシュ自身は一歩引いているというか、扇達、古参の幹部にのみ警戒心を抱いているようなのだ。

「違うでしょ、ルルーシュ!・・・た・だ・い・ま!!」

「・・・た、ただいま。」

 カレンに言われ、ルルーシュが恥ずかしそうに言う。扇達はホッとして、口々に挨拶を返す。

「お帰り。カレン、ルルーシュ君。」

 扇が立ち上がると、ルルーシュはぴくり、と反応する。まるで警戒心の塊のようなルルーシュに、扇は悲しくなる。扇達の中ではルルーシュはすでに仲間という認識だ。それなのに、朝比奈がいない時のルルーシュは、こちらを警戒し、いつもの精彩を欠いている。

「・・・藤堂さん達は、今、斥候に出てるんだ。」

 言えば、ルルーシュは知っていると頷く。

「来る時に電話しましたから。・・・迎えに来てくれるって言ってたんですけど・・・カレンも一緒だし、断ったんです。」

「そ、そうか。・・・今日は、ゼロも来るって言ってたから・・・確か、知り合い、なんだよな?」

「・・・知り合い・・・というか・・・。」

 口ごもり、うつむくルルーシュに、扇はハラハラする。泣き出したらどうしよう!?血の雨が降るんじゃないか!?とは、古参の幹部達の心の声で。すっかり朝比奈の溺愛ぶりに慣れてしまった面々は、正確に朝比奈の行動を読めるようになっていた。

「そこは、いずれ話します。・・・ね?ルルーシュ。」

「!・・・あ、ああ。」

 カレンのフォローに、助かったと胸を撫で下ろしたのは、ルルーシュだけでなく、扇達も同様だった。

「あら~・・・ルルーシュ様、お帰りなさ~い。」

 シュッとドアが開き、ラクシャータが入ってくると、明らかにルルーシュの纏う空気が柔らかくなる。

「ラクシャータ・・・ただいま。」

 二コリ、と微笑む。天使の微笑みかと思えるくらいに柔らかくて美しい笑み。時折見せるその表情に、扇達が絆されないワケがなく。朝比奈の恋人と最初に宣言されてなければ、手を出してしまいそうなくらいで・・・もちろん、朝比奈の鉄拳制裁を恐れてか、今のところ、そんな強者はいない。(因みに、井上は弟分として随分と可愛がっているが、朝比奈が黙認しているので、堂々とルルーシュを構い倒している。)

「ちょうど良かったわぁ。・・・これ、どう思いますぅ?」

 ラクシャータに差し出された書類を見て、瞬時にルルーシュの表情が真剣なものに変わる。切り替えの早さに、扇達は見習わなければな、と思わされる。もちろん、それ以外でも、ルルーシュはずば抜けた頭脳で、黒の騎士団に貢献している。むしろ、こちらが幹部と名乗るのが恥ずかしいとさえ思えるほどだ。

「・・・ゲフィオン・ディスターバーは便利だと思う。でも、それを紅蓮以外に搭載するのはコストがかかるし、搭乗者にも負担がかかるんじゃないかな。」

「そうなんですよねぇ。でも、せめて、藤堂の月下・隊長機だけでも白兜と対せるような機能を付けたくてぇ。・・・ほら、お譲ちゃんだけじゃ心許ないじゃない?」

「・・・カレンに負担が集中する、か。」

 ルルーシュは言葉を切り、カレンを見る。

「私は平気。・・・スザクをボコにできるのは戦場でだけだし。」

「・・・ん。そうなんだが・・・。」

 困ったような表情を見せたルルーシュに、カレンは首を傾げた。

「どうしたのよ。」

「・・・いや、皆、スザクに相当腹を立ててるんだなぁ、と思って。ミレイやリヴァルもなんだか張り切ってて・・・。」

「他人事みたいに言わないの!!当事者はあんたでしょうが!!!」

 びくぅッ、とカレンの怒声に身体を竦ませる一同。だが、怒鳴られた本人は平然としている。

「そう言われても・・・周りが熱くなると逆に冷静になるというか・・・。」

 扇達も今までのカレン達の会話で、枢木スザクとルルーシュの間に何かがあるとは思ったものの、詳しい事情を聴けないでいたので、朝比奈がいないうちに、と扇の背をぐいぐいと押す。押しつけられた扇は、たたらを踏んでルルーシュの前に出る。

「・・・あ、あのさ・・・。」

 カレンの怒声でも怯えなかったルルーシュが一瞬怯え、扇から一歩引く。

「・・・なんですか?」

 一瞬で表情を取り繕ったルルーシュに、扇は眉を顰める。随分と慣れたその所作が、通常でもこんなことをしているのだと嫌が応にも悟らせるのだ。

「枢木と何があったんだ?・・・俺達にできることがあるなら、いくらでも協力する。君はもう、俺達の仲間なんだから。」

「・・・ありがとう、ございます。・・・以前、省吾さんが説明した通り、俺はスザクと幼馴染です。・・・俺は、本国で母が殺され、妹の足と目が不自由になってから、あまり、ブリタニアの皇族・貴族や軍人は好きではありませんでした。留学生として枢木の家に預けられて、スザクと仲良くなって・・・その後ブリタニアと日本は開戦しました。・・・別れる時に俺はブリタニアをぶっ壊すとスザクに告げたんです。でも・・・再会した時、あいつはブリタニアの軍人になっていました。」

 皇族という事情を省くと説得力に欠けるか、とルルーシュは思ったが、扇達はいたくそれに共感してしまっていた。もともと、家族や友人をブリタニアに奪われた面子が多く、リーダーだったカレンの兄もブリタニアに殺されているので、それだけでも共感してしまったのだ。

「そうか・・・良く話してくれたね。辛かったろうに。」

 宥めるように言った扇は、ぽんぽん、とルルーシュの肩を叩く。

「・・・俺は、皇族に顔が割れてます。理由はラクシャータやディートハルトが言っていたように、昔、随分と派手に名前を売ってしまっていましたから。」

「そうか・・・。」

「皇族に見つかれば、俺は、本国へと連れ戻されます。それだけは嫌なんです。」

 なぜ、とは聞かれなかった。これだけの頭脳があれば、いくらでも登用する場所はあると扇達が思っていたから。

「それで、ここに逃げてくることになったんだね?」

「はい。・・・省吾さんもそうしろって、言ってくれて。」

 朝比奈の名前を愛しそうに呟き、ルルーシュははにかむ。一瞬、幹部達の間にほんわかとした空気が流れる。ルルーシュの笑みを見るだけで、幸福感を感じてしまうのだ。

「(もう、大丈夫そうね。)・・・ホント、あてつけてくれるわよね。嫌んなっちゃうわ。」

 そう言いつつも笑顔のカレンも相当重症だった。

「あ~それでぇ。・・・いつ、本格的にこちらに移るんですかぁ?荷物も運びこんでるようですけど。」

 ラクシャータが問えば、ルルーシュはあ、そうだった。と呟く。

「2日後には荷物の移動も完了しますし、妹もキョウトへと移します。・・・俺は、キョウトに妹を送り届けてから、こちらに・・・。」

「それはゼロは知ってるのか?」

 南が訊くと、ルルーシュはこくりと頷く。

「はい。」

「(知ってて当然よね。本人だし。)・・・ゼロが中心となってこの話をまとめてるから、報告の必要もないの。」

 カレンが言えば、扇達も納得する。

「・・・そっか。ゼロは随分と君のことを気にかけてるんだなぁ。」

「そんなことないです。・・・気にかけてるのは・・・。」

「たっだいま~!!」

 ルルーシュの言葉の途中で、朝比奈達、四聖剣が戻ってくる。藤堂の姿が見えないが、四聖剣だけが先に帰ってくることはないので、おそらく格納庫にいるものと思われた。

「あ、ルルーシュ君、無事着いたんだ~v」

 がばぁ!

「ほぅあ!!?」

「うわ!?」

 最近は自粛していたはずの朝比奈の抱きつき攻撃に、すっかり油断していたルルーシュはそのまま床に押し倒される。

 床に散る黒髪。背中を打った痛みで潤んだ瞳。そして、朝比奈が押し倒す、このシチュエーション。千葉と卜部がひさびさの予感に駆られ、ラウンジを慌てて見まわす。そして、テーブルに置いてあったそれを、慌てて取りに行く。

「・・・ルルーシュ君・・・。」

 朝比奈の真剣な顔に、ルルーシュはどぎまぎとしてしまう。ナナリーに気付かされてしまってから、朝比奈への依存度が高まってしまったのを自覚していたから。どうしよう、と頭の中で慌てながらも、徐々に接近する朝比奈の顔に、ちょっぴり期待してしまう自分がいた。

 スッパーン!!・・・ちゅッ。

「「「「(っぎゃぁぁぁああああ!!!)」」」」

 ラウンジに無言の悲鳴があがった。

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