Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・貴方と出会った日からシリーズ 続編
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・リヴァル・カレンにゼロバレ
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
今日、朝比奈達と会って、そして、その話を聞いて、誰よりもルルーシュを理解する朝比奈に、ミレイは負けたと思った。それと同時に、この人なら任せられる、とも思えた。
「それって・・・。」
カレンがかすれた声で呟く。
「・・・死亡の報を流すか、それとも、行方不明か・・・本国へ留学か・・・理由に関しては殿下に一任致します。後始末は私が・・・。」
「・・・ミレイ。」
ルルーシュは、ミレイの名を呼び、そのまま黙り込む。
「その方が、殿下達にとって、安全なのではないですか?・・・コーネリア皇女殿下に見つかれば、皇帝陛下にも連絡が行く。どんなに拒絶したって、あの方の前に引きずり出される。・・・もう、あんな思いをさせたくない。・・・私は、政治の道具にされる貴方を、もう、見たくないんです!」
それは、ルルーシュがナナリーへ向ける気持ちと同じ。だから、ミレイの言葉はルルーシュの心にすとん、と落ちてきた。
「・・・ミレイ・・・俺は、あそこを気に入っているんだ。」
「ルルーシュ様・・・。」
ミレイが目を瞠る。ルルーシュは穏やかな笑みをうかべ、ミレイを見る。
「だから、ここまで・・・ずっと危機を感じながらも学園に留まっていたんだ。俺やナナリーの望む優しい世界。それに最も近い世界を与えてくれていたのが、アッシュフォード学園だから・・・。」
「・・・もったいなきお言葉です・・・。そのお言葉だけで充分。どうか、御身を一番にお考えください。」
ミレイの決意は固かった。
“ゼロ”として黒の騎士団にいる方が、ルルーシュとして学園にいるより、はるかに命の危険がある。それでも、脆くなってしまった箱庭の守りを鑑みれば、結局は、同じくらいの危険があるとわかる。それならば、信頼を預け、心の拠り所にしている相手・・・ルルーシュが大切な人、と惜しげもなく言う相手がいる場所にいた方が、断然良い。
「・・・ん~・・・ルルーシュに会えなくなるのは嫌だけどさ、俺も会長に賛成。このままじゃ、スザクにはその気がなくても、皇族にバラされるぜ?」
リヴァルが唐突に口にする。皇族だとわかった瞬間は戸惑いがあったが、ミレイとルルーシュの会話を聞いていくうちに、そんな事はどうでもイイと思えてしまったのだ。
「リヴァル・・・。」
「・・・私も、賛成。・・・黒の騎士団の方が良いわ。私も朝比奈さん達と一緒に守るから。」
カレンも力強く言い放つ。もはや、猫かぶりモードのカレン・シュタットフェルトではなく、黒の騎士団のエース、紅月カレンとしての姿だった。
「あれ、カレンさん、それずるくない?・・・俺だって守りたいのに。・・・ってか、病弱はどこ行ったのさ。」
リヴァルがツッコミを入れると、一瞬バツの悪そうな顔をしてから、カレンはきっぱりと答えた。
「私、黒の騎士団の団員なのよ。・・・病弱とか、そういうのは、日本人とのハーフだってこと、隠すための設定なの。」
「えっ!マジかよ~・・・。ぜんっぜん、気づかなかった・・・。」
驚愕するリヴァル。それを見ていた朝比奈がクツクツと笑いだす。皆がそれに視線を向けると、ああ、と呟く。
「ごめんごめん・・・あんまりにも、皆、あっさりと受け入れちゃったから、拍子抜けしちゃって。・・・これなら、あの事を言っても受け入れられちゃいそうだね、ルルーシュ君v」
皇族であること、それを受け入れられ、話の流れはすでにルルーシュが黒の騎士団に行くという方向に流れている。そんな中で、話さないわけにはいかないだろう。暗にそう告げればルルーシュも溜め息をつきながら頷いた。
「俺の今までの苦労って、なんだったんだろう・・・。こんなにあっさり受け入れられるって何?・・・ミレイはもちろん、藤堂さんや省吾さんは小さな頃を知ってるから良いけど、他の四聖剣やリヴァルやカレンまで・・・。」
「水くせーぞ、ルルーシュ。俺達、悪友だろぉ?」
「そうよ。事情を説明してくれさえすれば・・・私だって。」
そう言ってくれる2人に、ルルーシュ自身ももう隠し事はしたくなかった。だから、その言葉を口にしようと決めた。
「・・・俺、もう、黒の騎士団の関係者だよ。」
「えっ!?」
「それって、朝比奈さんの恋人で、“ゼロ”と何らかの繋がりがあるってことだけじゃなく?」
リヴァルがギョッとし、カレンが確認をしてくる。
「そうだ。・・・カレン・・・我が、紅蓮の騎士。」
そのフレーズ。カレンに対し、それを口にするのはただ1人。一瞬、息を呑んで、そして、ゆるりと口の端を緩めた。
「・・・そう、だったのね・・・道理で、黒の騎士団の事情に詳しいわけだわ。」
「えっ、ええぇっ、何?俺、全然分かんないんだけど!?」
1人わけのわかっていないリヴァルに、カレンは苦笑して見せる。
「今の言葉。・・・黒の騎士団の中でもたった1人しか使わない言葉なのよ。」
「たった1人?」
「そう・・・私が心の底から敬愛する人物・・・黒の騎士団の総司令官“ゼロ”」
「~~~っ!ぜ、ゼロぉぉお!?」
がたん、と立ち上がり、リヴァルが叫ぶ。パクパクと口を動かし、何とか言葉にしようとするが、驚き過ぎて声が出ない。
「・・・そう、俺がゼロだ。」
リヴァルはまっすぐなルルーシュの視線を受け、ちらり、とミレイの方を見る。まったく表情を変えないミレイを見て、リヴァルは溜め息をついた。
「・・・なるほど、会長はそれに気づいていたから、さっきあんなこと言ったんスね?」
「ずっと確証は持てなかったの。でも、この間、ようやく確証を得た。・・・ルルーシュ様にも確認できたし、ね。」
ミレイは動揺一つせず、ルルーシュを見つめている。
「そっか~・・・。確かに、ルルーシュとゼロの意見はバッチリ被ってるもんなぁ・・・。」
リヴァルが言えば、うんうん、と朝比奈が頷く。
「そうなんだよねぇ。7年の空白は大きかったなぁ。・・・もう、こんなに近くにいたのに、ぜんっぜん、気づかなかったし。」
「最初から知ってたんじゃないんですか!?」
カレンが驚くと、朝比奈は苦笑した。
「知ったのはつい最近だよ。」
「この前の作戦で、こいつが怪我しただろう?・・・その時にC.C.がゼロを伴って治療室に来てな。」
卜部が補足すると、カレンは突如、ああっ!と叫ぶ。
「あれ、ヒントだったの!?」
先日の会話を思い出したらしいカレンに、ルルーシュは苦笑を向ける。
「カレンは、ゼロの様子がおかしい事に気づいていたみたいだから・・・わかるかな?と思って。」
「あぁぁ~、私のバカ~・・・何で気付かないのよぉ~~。」
頭を抱えたカレンを見て、ミレイがクスクスと笑う。
「そのおかげで、私もルルーシュ様がゼロだって確証を得たんだけどねー?」
「紅月はどこか、ゼロに幻想を抱いていたから・・・きっとすぐにイコールで結べないだろう、とルルーシュ君も言っていたしな。」
千葉がからかうように言うと、カレンは顔を真っ赤にする。
「ち、千葉さん!!か、からかわないでくださいっ!」
「まあ、朝比奈も中佐も言われるまで気づかなかったくらいだし、仕方がなかろう。」
仙波が言えば、それもそうだと藤堂が頷く。
「紅月君に限らず、だな。・・・ゼロには幻想を抱かせる何かがある。・・・仮面をつけた謎の男。想像が膨らむのもしょうがない事だ。」
「・・・そのための仮面ですよ。俺は正面切って反逆するわけにはいかないんです。ましてや、スザクの言うように軍や警察に入るわけにもいかない。」
「身分がバレるのもそうだけど、そもそも、体力ないしなぁ?」
にやり、とリヴァルが笑えば、ルルーシュはムッとする。
「うるさい。・・・俺のジャンルは頭脳系なんだ。」
「でも、ナイトメアの操縦は下手じゃないんだよね。むしろ、玉城なんかよりよっぽどうまいし。・・・いつも壊されるのは、大将機だから最上級クラスの使い手が乗るナイトメアに狙われちゃうからだしさ。」
朝比奈がフォローすれば、四聖剣の皆が頷く。
「確かにな。並みの団員達よりはうまい。」
卜部が太鼓判を押すと、リヴァルが感心の声を上げた。
「へぇ~・・・。結構すごいんだ。」
「ナイトメアの操縦はな・・・小さな頃、ガニメデに触らせてもらった事があったし・・・。」
「そうそう、ルルーシュ様もナナリー様も、マリアンヌ様と一緒に研究所に来てましたよね・・・疑似体験用の操縦ではナナリー様の方が上だったように思いますけど。」
ミレイが言えば、ルルーシュも苦笑をうかべる。
「元々、ナナリーの方が活発だったしな。きっと、あのまま育っていたら、コーネリア姉上の上を行くナイトメアの乗り手になってただろうな。」
「うわ、そうなってたら、ルルーシュ君の指揮があっても、俺達、ボロ負けじゃん。」
朝比奈が言えば、千葉が呆れる。
「馬鹿か?その過程でいけば、ルルーシュ君も総督とかになってるぞ。」
「あ、そうだった。・・・黒の騎士団自体存在しなかっただろうし、俺とルルーシュ君が出会う事もなかったわけか・・・。」
改めて考えてみれば、母親の事件さえなければ、自分達は敵対していたのだろうと気づく。
「・・・不謹慎だけど・・・なんか、ルルーシュ君達を日本に送った皇帝に感謝しそう・・・。」
朝比奈はぼそりと言って、ルルーシュを背後から抱き締め、その肩に顔を埋める。
「・・・省吾さん・・・。」
ルルーシュは目元を緩め、朝比奈の頭を撫でる。
「・・・甘い。」
カレンが顔を顰める。
「これくらい我慢しろ、紅月。・・・俺達はもっと被害にあってる。」
卜部もまたうんざりとしたように言うので、カレンは何となく想像してしまった。
「・・・私、騎士団内で普通に接することができるか、不安になってきました。」
「ん~・・・それが問題だよね。黒の騎士団でルルーシュ君を匿うのは決定事項だとして・・・どうやろうか?」
カレンの言葉に、朝比奈がルルーシュの肩から顔をあげ、眉を顰める。
「・・・ゼロ=ルルーシュ君っていうのは、まだ、ここだけの秘密にしたいでしょ?」
確認すれば、ルルーシュはこくりと頷く。
「ゼロが日本人じゃない事は、皆が知っています。・・・でも、ゼロはまだ、皆からの信頼は得ていない。」
「仮面が幹部達と君を大きく隔てている。それに、君の言動は・・・その・・・淡泊だからな。」
藤堂が少し言い難そうに言う。それは、藤堂がずっと感じていたことだった。あまりにもゼロの言葉は淡泊で、冷たく感じる。だから、必要以上に幹部達がゼロに話しかける事はない。・・・扇などは、恐る恐るといった感じで、窺うように声をかけている。
「黒の騎士団に・・・依存したくなかったんです。あくまで、日本解放が黒の騎士団の目的と言えますから。・・・俺の目的はその先・・・ブリタニアの崩壊。母の死の真相を知ること、そして、ナナリーに優しい世界を。」
「俺は、日本を取り戻しても、君についていくよ。・・・他の誰がついていかなくてもね。」
朝比奈がハッキリと言うと、カレンも手を挙げる。
「私も!・・・私はゼロの親衛隊隊長だもの。」
「朝比奈、紅月、抜け駆けするな。私達もついていく。」
「我ら四聖剣は、常に共に、だろ?・・・もちろん、中佐も。」
千葉が言えば、卜部が藤堂を振り返る。
「・・・もちろんだ。日本を取り戻したならば、今度は、君の願いを叶える。それは至極当たり前の事だ。与えてもらうばかりでは何とも情けない。」
「わしも、老体に鞭を打つつもりで最後まで付き合いますぞ、中佐。」
仙波も忘れてくれるなとばかりに口を出す。
「じゃあ、私から提案。」
スッとミレイの手があがる。
「・・・会長?」
リヴァルが首を傾げる。
「いっそのこと、ルルちゃんとして、入団って言うのはどぉ?・・・それこそ、朝比奈さんの恋人として。」
「うぇ!?・・・マジで言ってます!?会長!!・・・だって、いくら恋人ったって・・・。」
「あ、それだ!・・・だって、伏線はってあるじゃない、ほら、俺、皆の前でゼロに話があるって言ったでしょ?」
「・・・本気で黒の騎士団に入れようとしてましたしね、俺がゼロだって知る前から。」
ミレイの言葉に、リヴァルが慌て、朝比奈がはしゃぐ。それにルルーシュが溜め息をつく。
「あ、あれって、ルルーシュのことだったの?」
「うん、そーだよ。」
朝比奈が肯定すると、カレンはルルーシュを見る。
「・・・どうするつもりだったの?」
「却下する予定だったな。・・・ゼロとルルーシュ。同時に存在することができないんだから、当然だろう?」
「じゃあ・・・。」
この案だって無理だ、と言おうとしたカレンを、朝比奈が止める。
「それは、協力者がC.C.だけの場合だよ。・・・今回の場合は、俺達もフォローに回れるんだから。」
「あ、そっか。」
ポン、とカレンが手を打ったのと同時に、ミレイとリヴァルが声をそろえて首を傾げた。
「「C.C.?」」
「あ、ああ、そっか。知らないのも当然よね。・・・騎士団にいるピザ女よ。ゼロの共犯者って言われてるの。」
「・・・クラブハウスにもいることがあるけどな。」
「い、いるの!?」
カレンがギョッとする。
「・・・騎士団にいない時は大体な。」
「・・・ナナちゃんが言ってたわね、最近ピザばっかり食べてて、太っちゃうんじゃないかって。」
「・・・俺じゃない・・・あいつが勝手に注文するんだ・・・。」
がっくり肩を落とすルルーシュに、クラブハウスでもやってるのかと黒の騎士団組は呆れる。
「へぇ~・・・どんな子なんだよ?」
ニヤニヤとリヴァルが笑う。ルルーシュはうんざりとしたような顔をして、その後、部屋の奥を見る。
「・・・C.C.・・・お呼びだ。」
「C.C.まで呼んでたの!?」
朝比奈がギョッとして部屋の奥を見た時、ガチャ、と奥の扉が開いた。
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・貴方と出会った日からシリーズ 続編
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・リヴァル・カレンにゼロバレ
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;
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今日、朝比奈達と会って、そして、その話を聞いて、誰よりもルルーシュを理解する朝比奈に、ミレイは負けたと思った。それと同時に、この人なら任せられる、とも思えた。
「それって・・・。」
カレンがかすれた声で呟く。
「・・・死亡の報を流すか、それとも、行方不明か・・・本国へ留学か・・・理由に関しては殿下に一任致します。後始末は私が・・・。」
「・・・ミレイ。」
ルルーシュは、ミレイの名を呼び、そのまま黙り込む。
「その方が、殿下達にとって、安全なのではないですか?・・・コーネリア皇女殿下に見つかれば、皇帝陛下にも連絡が行く。どんなに拒絶したって、あの方の前に引きずり出される。・・・もう、あんな思いをさせたくない。・・・私は、政治の道具にされる貴方を、もう、見たくないんです!」
それは、ルルーシュがナナリーへ向ける気持ちと同じ。だから、ミレイの言葉はルルーシュの心にすとん、と落ちてきた。
「・・・ミレイ・・・俺は、あそこを気に入っているんだ。」
「ルルーシュ様・・・。」
ミレイが目を瞠る。ルルーシュは穏やかな笑みをうかべ、ミレイを見る。
「だから、ここまで・・・ずっと危機を感じながらも学園に留まっていたんだ。俺やナナリーの望む優しい世界。それに最も近い世界を与えてくれていたのが、アッシュフォード学園だから・・・。」
「・・・もったいなきお言葉です・・・。そのお言葉だけで充分。どうか、御身を一番にお考えください。」
ミレイの決意は固かった。
“ゼロ”として黒の騎士団にいる方が、ルルーシュとして学園にいるより、はるかに命の危険がある。それでも、脆くなってしまった箱庭の守りを鑑みれば、結局は、同じくらいの危険があるとわかる。それならば、信頼を預け、心の拠り所にしている相手・・・ルルーシュが大切な人、と惜しげもなく言う相手がいる場所にいた方が、断然良い。
「・・・ん~・・・ルルーシュに会えなくなるのは嫌だけどさ、俺も会長に賛成。このままじゃ、スザクにはその気がなくても、皇族にバラされるぜ?」
リヴァルが唐突に口にする。皇族だとわかった瞬間は戸惑いがあったが、ミレイとルルーシュの会話を聞いていくうちに、そんな事はどうでもイイと思えてしまったのだ。
「リヴァル・・・。」
「・・・私も、賛成。・・・黒の騎士団の方が良いわ。私も朝比奈さん達と一緒に守るから。」
カレンも力強く言い放つ。もはや、猫かぶりモードのカレン・シュタットフェルトではなく、黒の騎士団のエース、紅月カレンとしての姿だった。
「あれ、カレンさん、それずるくない?・・・俺だって守りたいのに。・・・ってか、病弱はどこ行ったのさ。」
リヴァルがツッコミを入れると、一瞬バツの悪そうな顔をしてから、カレンはきっぱりと答えた。
「私、黒の騎士団の団員なのよ。・・・病弱とか、そういうのは、日本人とのハーフだってこと、隠すための設定なの。」
「えっ!マジかよ~・・・。ぜんっぜん、気づかなかった・・・。」
驚愕するリヴァル。それを見ていた朝比奈がクツクツと笑いだす。皆がそれに視線を向けると、ああ、と呟く。
「ごめんごめん・・・あんまりにも、皆、あっさりと受け入れちゃったから、拍子抜けしちゃって。・・・これなら、あの事を言っても受け入れられちゃいそうだね、ルルーシュ君v」
皇族であること、それを受け入れられ、話の流れはすでにルルーシュが黒の騎士団に行くという方向に流れている。そんな中で、話さないわけにはいかないだろう。暗にそう告げればルルーシュも溜め息をつきながら頷いた。
「俺の今までの苦労って、なんだったんだろう・・・。こんなにあっさり受け入れられるって何?・・・ミレイはもちろん、藤堂さんや省吾さんは小さな頃を知ってるから良いけど、他の四聖剣やリヴァルやカレンまで・・・。」
「水くせーぞ、ルルーシュ。俺達、悪友だろぉ?」
「そうよ。事情を説明してくれさえすれば・・・私だって。」
そう言ってくれる2人に、ルルーシュ自身ももう隠し事はしたくなかった。だから、その言葉を口にしようと決めた。
「・・・俺、もう、黒の騎士団の関係者だよ。」
「えっ!?」
「それって、朝比奈さんの恋人で、“ゼロ”と何らかの繋がりがあるってことだけじゃなく?」
リヴァルがギョッとし、カレンが確認をしてくる。
「そうだ。・・・カレン・・・我が、紅蓮の騎士。」
そのフレーズ。カレンに対し、それを口にするのはただ1人。一瞬、息を呑んで、そして、ゆるりと口の端を緩めた。
「・・・そう、だったのね・・・道理で、黒の騎士団の事情に詳しいわけだわ。」
「えっ、ええぇっ、何?俺、全然分かんないんだけど!?」
1人わけのわかっていないリヴァルに、カレンは苦笑して見せる。
「今の言葉。・・・黒の騎士団の中でもたった1人しか使わない言葉なのよ。」
「たった1人?」
「そう・・・私が心の底から敬愛する人物・・・黒の騎士団の総司令官“ゼロ”」
「~~~っ!ぜ、ゼロぉぉお!?」
がたん、と立ち上がり、リヴァルが叫ぶ。パクパクと口を動かし、何とか言葉にしようとするが、驚き過ぎて声が出ない。
「・・・そう、俺がゼロだ。」
リヴァルはまっすぐなルルーシュの視線を受け、ちらり、とミレイの方を見る。まったく表情を変えないミレイを見て、リヴァルは溜め息をついた。
「・・・なるほど、会長はそれに気づいていたから、さっきあんなこと言ったんスね?」
「ずっと確証は持てなかったの。でも、この間、ようやく確証を得た。・・・ルルーシュ様にも確認できたし、ね。」
ミレイは動揺一つせず、ルルーシュを見つめている。
「そっか~・・・。確かに、ルルーシュとゼロの意見はバッチリ被ってるもんなぁ・・・。」
リヴァルが言えば、うんうん、と朝比奈が頷く。
「そうなんだよねぇ。7年の空白は大きかったなぁ。・・・もう、こんなに近くにいたのに、ぜんっぜん、気づかなかったし。」
「最初から知ってたんじゃないんですか!?」
カレンが驚くと、朝比奈は苦笑した。
「知ったのはつい最近だよ。」
「この前の作戦で、こいつが怪我しただろう?・・・その時にC.C.がゼロを伴って治療室に来てな。」
卜部が補足すると、カレンは突如、ああっ!と叫ぶ。
「あれ、ヒントだったの!?」
先日の会話を思い出したらしいカレンに、ルルーシュは苦笑を向ける。
「カレンは、ゼロの様子がおかしい事に気づいていたみたいだから・・・わかるかな?と思って。」
「あぁぁ~、私のバカ~・・・何で気付かないのよぉ~~。」
頭を抱えたカレンを見て、ミレイがクスクスと笑う。
「そのおかげで、私もルルーシュ様がゼロだって確証を得たんだけどねー?」
「紅月はどこか、ゼロに幻想を抱いていたから・・・きっとすぐにイコールで結べないだろう、とルルーシュ君も言っていたしな。」
千葉がからかうように言うと、カレンは顔を真っ赤にする。
「ち、千葉さん!!か、からかわないでくださいっ!」
「まあ、朝比奈も中佐も言われるまで気づかなかったくらいだし、仕方がなかろう。」
仙波が言えば、それもそうだと藤堂が頷く。
「紅月君に限らず、だな。・・・ゼロには幻想を抱かせる何かがある。・・・仮面をつけた謎の男。想像が膨らむのもしょうがない事だ。」
「・・・そのための仮面ですよ。俺は正面切って反逆するわけにはいかないんです。ましてや、スザクの言うように軍や警察に入るわけにもいかない。」
「身分がバレるのもそうだけど、そもそも、体力ないしなぁ?」
にやり、とリヴァルが笑えば、ルルーシュはムッとする。
「うるさい。・・・俺のジャンルは頭脳系なんだ。」
「でも、ナイトメアの操縦は下手じゃないんだよね。むしろ、玉城なんかよりよっぽどうまいし。・・・いつも壊されるのは、大将機だから最上級クラスの使い手が乗るナイトメアに狙われちゃうからだしさ。」
朝比奈がフォローすれば、四聖剣の皆が頷く。
「確かにな。並みの団員達よりはうまい。」
卜部が太鼓判を押すと、リヴァルが感心の声を上げた。
「へぇ~・・・。結構すごいんだ。」
「ナイトメアの操縦はな・・・小さな頃、ガニメデに触らせてもらった事があったし・・・。」
「そうそう、ルルーシュ様もナナリー様も、マリアンヌ様と一緒に研究所に来てましたよね・・・疑似体験用の操縦ではナナリー様の方が上だったように思いますけど。」
ミレイが言えば、ルルーシュも苦笑をうかべる。
「元々、ナナリーの方が活発だったしな。きっと、あのまま育っていたら、コーネリア姉上の上を行くナイトメアの乗り手になってただろうな。」
「うわ、そうなってたら、ルルーシュ君の指揮があっても、俺達、ボロ負けじゃん。」
朝比奈が言えば、千葉が呆れる。
「馬鹿か?その過程でいけば、ルルーシュ君も総督とかになってるぞ。」
「あ、そうだった。・・・黒の騎士団自体存在しなかっただろうし、俺とルルーシュ君が出会う事もなかったわけか・・・。」
改めて考えてみれば、母親の事件さえなければ、自分達は敵対していたのだろうと気づく。
「・・・不謹慎だけど・・・なんか、ルルーシュ君達を日本に送った皇帝に感謝しそう・・・。」
朝比奈はぼそりと言って、ルルーシュを背後から抱き締め、その肩に顔を埋める。
「・・・省吾さん・・・。」
ルルーシュは目元を緩め、朝比奈の頭を撫でる。
「・・・甘い。」
カレンが顔を顰める。
「これくらい我慢しろ、紅月。・・・俺達はもっと被害にあってる。」
卜部もまたうんざりとしたように言うので、カレンは何となく想像してしまった。
「・・・私、騎士団内で普通に接することができるか、不安になってきました。」
「ん~・・・それが問題だよね。黒の騎士団でルルーシュ君を匿うのは決定事項だとして・・・どうやろうか?」
カレンの言葉に、朝比奈がルルーシュの肩から顔をあげ、眉を顰める。
「・・・ゼロ=ルルーシュ君っていうのは、まだ、ここだけの秘密にしたいでしょ?」
確認すれば、ルルーシュはこくりと頷く。
「ゼロが日本人じゃない事は、皆が知っています。・・・でも、ゼロはまだ、皆からの信頼は得ていない。」
「仮面が幹部達と君を大きく隔てている。それに、君の言動は・・・その・・・淡泊だからな。」
藤堂が少し言い難そうに言う。それは、藤堂がずっと感じていたことだった。あまりにもゼロの言葉は淡泊で、冷たく感じる。だから、必要以上に幹部達がゼロに話しかける事はない。・・・扇などは、恐る恐るといった感じで、窺うように声をかけている。
「黒の騎士団に・・・依存したくなかったんです。あくまで、日本解放が黒の騎士団の目的と言えますから。・・・俺の目的はその先・・・ブリタニアの崩壊。母の死の真相を知ること、そして、ナナリーに優しい世界を。」
「俺は、日本を取り戻しても、君についていくよ。・・・他の誰がついていかなくてもね。」
朝比奈がハッキリと言うと、カレンも手を挙げる。
「私も!・・・私はゼロの親衛隊隊長だもの。」
「朝比奈、紅月、抜け駆けするな。私達もついていく。」
「我ら四聖剣は、常に共に、だろ?・・・もちろん、中佐も。」
千葉が言えば、卜部が藤堂を振り返る。
「・・・もちろんだ。日本を取り戻したならば、今度は、君の願いを叶える。それは至極当たり前の事だ。与えてもらうばかりでは何とも情けない。」
「わしも、老体に鞭を打つつもりで最後まで付き合いますぞ、中佐。」
仙波も忘れてくれるなとばかりに口を出す。
「じゃあ、私から提案。」
スッとミレイの手があがる。
「・・・会長?」
リヴァルが首を傾げる。
「いっそのこと、ルルちゃんとして、入団って言うのはどぉ?・・・それこそ、朝比奈さんの恋人として。」
「うぇ!?・・・マジで言ってます!?会長!!・・・だって、いくら恋人ったって・・・。」
「あ、それだ!・・・だって、伏線はってあるじゃない、ほら、俺、皆の前でゼロに話があるって言ったでしょ?」
「・・・本気で黒の騎士団に入れようとしてましたしね、俺がゼロだって知る前から。」
ミレイの言葉に、リヴァルが慌て、朝比奈がはしゃぐ。それにルルーシュが溜め息をつく。
「あ、あれって、ルルーシュのことだったの?」
「うん、そーだよ。」
朝比奈が肯定すると、カレンはルルーシュを見る。
「・・・どうするつもりだったの?」
「却下する予定だったな。・・・ゼロとルルーシュ。同時に存在することができないんだから、当然だろう?」
「じゃあ・・・。」
この案だって無理だ、と言おうとしたカレンを、朝比奈が止める。
「それは、協力者がC.C.だけの場合だよ。・・・今回の場合は、俺達もフォローに回れるんだから。」
「あ、そっか。」
ポン、とカレンが手を打ったのと同時に、ミレイとリヴァルが声をそろえて首を傾げた。
「「C.C.?」」
「あ、ああ、そっか。知らないのも当然よね。・・・騎士団にいるピザ女よ。ゼロの共犯者って言われてるの。」
「・・・クラブハウスにもいることがあるけどな。」
「い、いるの!?」
カレンがギョッとする。
「・・・騎士団にいない時は大体な。」
「・・・ナナちゃんが言ってたわね、最近ピザばっかり食べてて、太っちゃうんじゃないかって。」
「・・・俺じゃない・・・あいつが勝手に注文するんだ・・・。」
がっくり肩を落とすルルーシュに、クラブハウスでもやってるのかと黒の騎士団組は呆れる。
「へぇ~・・・どんな子なんだよ?」
ニヤニヤとリヴァルが笑う。ルルーシュはうんざりとしたような顔をして、その後、部屋の奥を見る。
「・・・C.C.・・・お呼びだ。」
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