Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・貴方と出会った日からシリーズ 続編
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・リヴァル・カレンに皇族バレ
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「さてと、お互いに名乗りは終わったけど、後は話をする中でお互いを知っていけば良いよね?」
朝比奈が確認すれば、皆がこくりと頷く。
「はいは~い!俺、質問していいですか!?」
リヴァルがさっそく手を挙げる。それに乗った朝比奈が機嫌良く指名する。
「はい、リヴァル君、どーぞ。」
「朝比奈さんとルルーシュの関係って、どんな関係ですか!?なんか、ちょっと、前に会った時より距離が近いような感じなんスけど。」
いきなりズバッと聞かれて、朝比奈もルルーシュもギョッとする。
「・・・ほ、ホント、リヴァル君って、人をよく見てるよね。」
「バイト先が接客業なんで、鍛えられてるんですよねぇ~・・・で?」
軽い調子で言うが、その目が鋭い光を帯びる。そうは見せていなかったが、リヴァルは心配していたのだ。ルルーシュはブリタニア人で、黒の騎士団と関わってるなんて知られたら、かなり拙いのではないか、と。
「あらら、ミレイさんの次は君?愛されてるねぇ俺のルルーシュ君は。・・・少し、妬けちゃうなぁ。」
クス、と笑い、朝比奈はルルーシュを抱き寄せる。
「ちょ、省吾さん!?」
狼狽するルルーシュをしっかりと抱き竦め、リヴァルをひたと見据える。
「・・・はっきり言おう。俺とルルーシュ君は恋人同士。だから、手、出さないでね?・・・ああ、ルルーシュ君の身に危険が及ばないようにはするし、危なくなったら、匿う場所も用意してあるから大丈夫だよ。」
「恋人?・・・へぇ、そっか。・・・ほら、一応、俺、ルルーシュの悪友ですから、心配だったんですけどー、そこまで考えてるなら良いです。」
あっさりと恋人宣言を受け入れたのは、ルルーシュの美貌にふらふらと近寄る野郎ども(つまり、男限定。女子はルルーシュが綺麗すぎて群がるだけだから危険はなしと判断済み)を撃退しているからで。
「良しっ、庇護者に続き悪友からの許可も貰っちゃったよ~やったね、ルルーシュ君v」
朝比奈はガッツポーズを小さく作って、腕の中のルルーシュをぎゅうっと抱きしめる。
「っ、苦し、省吾、さんっ。」
「あ、ごめん。・・・って、わ~・・・色っぽ・・・。」
ルルーシュを開放し、その顔を見た朝比奈は、その壮絶な色気に頬を赤らめる。ハッとしたのは千葉と卜部。そっと立ち上がり、持っていた雑誌を丸め、朝比奈の後ろに立つ。それを確認したルルーシュはそれを朝比奈に告げようと口を開く。
「省吾さ・・・。」
「ねぇ、ルルーシュ君。この場で襲ってもイイ?」
スッパーン!!!
いつも通りの行動に、ルルーシュはこめかみに指をあてた。
「あっはっは、おもしれー。・・・こりゃいいわ。オシアワセにな、ルルーシュ♪」
リヴァルが腹を抱えて笑う。
「・・・会う度にこれじゃ・・・省吾さん、もう少し時と場合を考えてください。」
「え~・・・言われて真っ赤になるルルーシュ君が可愛いのにぃ。」
― 確信犯ですか!!!
ツッコミたいのに、病弱設定なために我慢するしかないカレンが、人知れず手を握りしめる。
「・・・私、まだ、認めてないですよ。」
ほのぼのとした空気をぶち破ったのはミレイだった。
「・・・会長?」
「・・・へぇ。藤堂さんと握手したって時点で認めたと思ったんだけど?」
ルルーシュが首を傾げ、朝比奈が眉を潜める。
「簡単に納得したと思わないでください。・・・7年間です。7年間も私達アッシュフォードはルルーシュ達を守ってきました。なのに、簡単に脇から掻っ攫われて・・・貴方なら諦められるんですか?」
「うーん・・・それもそうか。」
朝比奈は二コリ、と笑い、ミレイを見つめる。
「じゃあ、どうしたら、認めてくれる?」
「・・・まずは、ここまでの関係に至るまでの事、教えていただけます?」
朝比奈は一瞬考え、ルルーシュを見る。こんな事は想定していなかったルルーシュは戸惑っているようだった。
― こりゃ、予想以上だね。
内心溜め息をついて、朝比奈はもう一度ミレイを見る。忠義に篤いとルルーシュをして言わしめる、アッシュフォード家。朝比奈自身も、ここまでとは思わなかった。もしかしたら、彼女自身の想いもあるのかもしれないが。
「うん、わかった。それで、君が納得できるのなら。」
朝比奈は頷き、皇族として人質に送られてきたという事実を除いて、全てを話して聞かせた。
事情を聞いたミレイが黙り込んだことで、誰も、何も話せなくなる。反応を待つ側は内心冷や汗ものだ。特にルルーシュはミレイがこれ以上余計な情報を漏らしはしないかとハラハラしている。ここには、リヴァルもカレンもいるのだ。皇族であることを持ち出されてはたまらない。
そして、この場で最も空気を読むことに長けた人間が、口を開いた。
「・・・へ~スザクって昔は俺様だったんだ。」
リヴァルが率直な感想を言う。生徒会でもこうやって周りの空気を変える事が彼の役割だったな、とカレンが改めて感心していると、その感想に、朝比奈が乗っかってきた。
「そう!すっごい生意気でさ!もう、ハラ立つったらなかったよ!?・・・ま、今の時点で、あっちはすっかりルルーシュ君のことなんてどうでもイイと思ってるみたいだけど。」
「・・・そうですかぁ?結構、あいつ、ルルーシュに入れ込んでるみたいですけど?」
「入れ込んでる?・・・まあ、執着はあるんだろうねぇ。でも、あいつはルルーシュ君の表面しか見てない。過程重視のあいつと結果重視のルルーシュ君じゃ、意見も食い違うのは当たり前。だから、あいつは本能からルルーシュ君の内面を見ようとしない。自分の考えと全く違う人間を、人は受け入れ難いからね。」
朝比奈が言えば、ナルホドと思う事例がたくさん浮かび上がってくる。
「スザクは、ルルーシュの言葉の半分は聞いてないっぽいもんな、それって、認めたくなかったからなのかぁ・・・意見が食い違ってるって。」
納得するリヴァルの脇で、ミレイが目を見開いていた。その表情を見た朝比奈はもうひと押しとばかりに言葉を継ぐ。
「第一、あいつはルルーシュ君がブリタニアに対して良い思いを持ってないこと、知ってるんだよ?なのに、軍人になってるわ、皇族の騎士になるわで、そりゃもう、激しく裏切ってるでしょ?そんな奴の傍にいさせるくらいなら、俺、黒の騎士団に掻っ攫ってきたい気持ちでいっぱいなんだけどね?」
最後はミレイをまっすぐ見つめて告げる。その視線を受けたミレイは目を伏せ、唇を噛む。
「・・・それは、私のミスね・・・。」
「へ?会長?」
リヴァルが首を傾げる。カレンも良くわからないのか、不審げにミレイを見つめる。
「スザク君がユーフェミア様の騎士になった時点で引導を渡すべきだった。・・・大学部に軍を置くだけでも危険だったのに・・・正規軍じゃないから大丈夫だと、それに、痛い腹を探られるわけにはいかないから、断ることはできなかった・・・。」
ミレイの独白に慌てたのはルルーシュだ。
「会長っ!」
「・・・ルルーシュ、私は・・・貴方を守りたかったの。私自身の力で。おじい様がいらっしゃるうちは良い・・・でも、おじい様が亡くなった後、アッシュフォード家として動ける範囲が狭まってしまう。守りきれないかもしれない。だから、アスプルンド伯とも婚約した。・・・でも、それが、結果、貴方を不安にさせてしまった。それは紛れもない事実・・・。」
じっと見つめるミレイに、ルルーシュは言葉を詰まらせる。こんなにもミレイが自分達の事を真剣に気遣ってくれていたとは思いもよらなかった。
「ちょ、ちょっと待って下さい。・・・あの、守るとか、軍が危険とか・・・どういう事ですか?」
カレンが問う。ミレイはちら、とルルーシュを見る。視線で告げられる意思に、ルルーシュは首を振る。
「・・・ごめんなさい。私の口からは・・・これ以上は言えないわ。」
ミレイがそう言えば、それを制したルルーシュに自然と視線が集まる。
「・・・リヴァル、カレン・・・ここで見聞きした事は学園では漏らすな、そう言ったよな?」
ルルーシュは覚悟を決めた。朝比奈がそのルルーシュの震える手を握る。ハッとして、ルルーシュが振り返ると、朝比奈が微笑んで頷く。
― 大丈夫。俺が傍にいるよ。
声なき声に、背中を押してもらい、再びルルーシュはリヴァル達の方を向く。
「それ、ちゃんと守れるなら、俺の口から説明する。」
きっぱりと言って、リヴァルとカレンを見つめる。
「・・・言わない。約束するわ。」
「俺も。」
2人が真剣な表情で答えると、ルルーシュは緊張した面持ちで話し始める。
「・・・アッシュフォードは、元々は、爵位を持つ貴族だったっていうのは知っているだろう?」
「ああ、なんか本国で何らかの失態を犯して、爵位を返上したとか・・・。」
リヴァルが答えると、カレンはそうだったの、と呟く。ブリタニアの貴族の情報など全く興味がなかったから、耳に入っていたとしても記憶には残っていない。
「その失態に、俺達が関わってるんだ。」
「へ!?」
「そうなの!?」
2人の反応に、ルルーシュは重々しく頷く。
「・・・アッシュフォード財団はナイトメアの開発を本国で行っていた。その技術は当時では最高のもので、今あるナイトメアはこの技術を応用して作られたものばかりなんだ。・・・そして、その技術を向上させたのは・・・。」
「テストパイロットとして、とても優れた記録を出して下さった、ルルーシュ達のお母様・・・。」
「へぇ、ルルーシュのお母さんって、軍人だったのか?」
「・・・ああ、“閃光”の異名をとり、その功績を認められ、平民から、一世代の名誉とはいえ、騎士候にまで任じられた。」
それにはリヴァルとカレンもポカンと口を開ける。そして、それは、藤堂や四聖剣も同じだった。当事者ではなく、ここまで詳しく聞いたことがあったのは、朝比奈だけだった。あの夏・・・逢瀬の度、君の全てを知りたいのだ、と言って、朝比奈はルルーシュに話をねだったことを思い出す。
「そして・・・あの男に見初められた。」
「あの男?」
カレンが訊くと、ルルーシュは今までになく憎々しげに、そして、憎悪に満ちた表情でその名を告げた。
「神聖ブリタニア帝国、第98代皇帝・・・シャルル・ジ・ブリタニア・・・。」
「「っ!?」」
リヴァルとカレンが同時に息を呑む。
「ルルーシュは・・・ルルーシュ達は、ブリタニアの皇族なのよ。本当なら、こんな風にこそこそと隠れ住んでいるような立場じゃない・・・。」
ミレイの声が震える。
「・・・俺はブリタニアの第11皇子、第17皇位継承者として生まれた。優しい母、可愛い妹・・・それに、他の皇族ともそれなりに交流を持って、幸せに暮らしていた。・・・あの時までは。」
「・・・あの時?」
のろのろと顔を上げ、リヴァルが問う。いきなりのカミングアウトに混乱しているらしく、いつもの精彩を欠いている。
「・・・俺が9歳の時・・・何者かの手によって、母はナナリーと共に襲撃された。・・・目の前に広がる光景が信じられなかった。・・・血の海とその中に倒れ込んでいる母とその腕に庇われていたナナリー。母は即死だったらしい。遺体は秘密裏に運び出されて、その後会う事は叶わなかった。・・・ナナリーはその事件で両足を撃たれて歩行能力を失い、目の前で母を殺されたショックで瞳を閉じてしまった。・・・俺は、それを、ただ、見ているしかできなかった。」
どれほどの思いなのだろうか、朝比奈はそっと肩を抱く。小さく震えるその姿からは“ゼロ”として自分達を率いる姿を想像することができない。
「俺は・・・あの男に面会を求めた。なぜ、母を守ってくれなかったのか、ナナリーの見舞いにも来ないのはなぜか、そう問いかけた俺に、あの男は、弱者に用はないと、たったその一言で切り捨てた。・・・そして、そのような事で面会を求めたのかとまで言った・・・後の事は口にもしたくない。・・・面会からどれほどたった後だったのかよく覚えていないが、俺とナナリーはあの男の命で日本へ人質同然の留学生として送られ、枢木家へと預けられたんだ。」
リヴァルもカレンも黙り込んだままルルーシュを凝視する。そんな事情があるとは、思いもしなかったのだ。軽い気持ちで問うたわけではないが、ここまで重い話になるとは予測できなかった。
「・・・アッシュフォードはマリアンヌ皇妃様・・・ルルーシュ達のお母様を守れなかった。それが主な原因になったかは当時私も子供だったから良くはわからないけれど、一因ではあったんでしょうね、その後、すぐに爵位を返上させられたのだから。・・・戦後、すぐにエリア11に赴き、ルルーシュ達を匿い、2人の死亡の報を流した。・・・本国に連れ戻されても、きっと、また、同じ目に遭うだろうから。そして、ランペルージという名と戸籍を用意して、アッシュフォード学園という箱庭を作った。」
「箱庭・・・。」
ぽつりと呟いたカレンの脳裏に、ミレイも行動を制限するのかと問いかけた時のルルーシュの言葉が蘇る。
『・・・なるべくしたくないと、言ってくれているよ。』
ミレイがこんなにも過敏に、外でのルルーシュの行動に対して口を出すのは珍しいと思っていた。相手が日本人だからか、と憤っていたのだが、これで理由が知れた。
きっと、賭けチェスに関しても、シャーリー以上に快く思っていなかったに違いない。それでも目を瞑っていたのは、ルルーシュ自身もその危険さをわかってやっていたからなのだろうと気づく。そして、今回の件でこんなにも必死なのは・・・。
「殿下達の為の箱庭だったのにッ・・・私は・・・ッ。」
悔しそうに俯くミレイを、ルルーシュが辛そうな表情を浮かべて見つめる。
「・・・そっか・・・会長は、朝比奈さんに・・・ううん、黒の騎士団に、ルルーシュ君を取られてしまうって思ったのね?」
カレンの言葉に、ミレイはハッと息を呑む。自分でもわかっていた。どうしてこんなにも腹が立つのか。古い知り合いに会うくらい、別にどうってことはないと、昔の自分なら軽く見逃していただろう。でも“ゼロ”が現れてから、そんな余裕は吹き飛んだ。
一目見た時から、もしかしたら、と思っていた。“ゼロ”の主義主張は、ルルーシュのそれに酷似していたから。先日確証を得て、ますます、余裕はなくなった。このままでは、ルルーシュはきっと、アッシュフォードを見限る。そう、確信してしまったから。
「・・・そうよ・・・アッシュフォードが用意した箱庭の中にずっと納まっていられるような方ではないとわかってた。けど、甘受して下さっているのだと、そう思ってた・・・。だからっ!」
ギッと睨み据える先は、朝比奈。
「殿下を渡したくなんかない!・・・それが、たとえ、殿下が心の全てを委ねた相手だとしても!・・・けど・・・箱庭はもうすぐ壊れてしまう・・・軍人が、皇族の騎士が、土足で踏み躙っていくッ・・・あのッ!枢木スザクがッ!」
睨む視線が下に落ち、その怒りが朝比奈から彼の人物へと移っていく。
「・・・貴方達にあたるのは筋違いだってわかってるの。もう、手遅れ。きっと、このまま学園に居続ければ、いずれ、政庁にいるコーネリア様にバレてしまう。・・・だから・・・お願いします。ルルーシュ様達を・・・黒の騎士団で・・・匿ってください。」
ミレイの言葉に、その場の誰もが絶句した。
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・貴方と出会った日からシリーズ 続編
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・リヴァル・カレンに皇族バレ
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「さてと、お互いに名乗りは終わったけど、後は話をする中でお互いを知っていけば良いよね?」
朝比奈が確認すれば、皆がこくりと頷く。
「はいは~い!俺、質問していいですか!?」
リヴァルがさっそく手を挙げる。それに乗った朝比奈が機嫌良く指名する。
「はい、リヴァル君、どーぞ。」
「朝比奈さんとルルーシュの関係って、どんな関係ですか!?なんか、ちょっと、前に会った時より距離が近いような感じなんスけど。」
いきなりズバッと聞かれて、朝比奈もルルーシュもギョッとする。
「・・・ほ、ホント、リヴァル君って、人をよく見てるよね。」
「バイト先が接客業なんで、鍛えられてるんですよねぇ~・・・で?」
軽い調子で言うが、その目が鋭い光を帯びる。そうは見せていなかったが、リヴァルは心配していたのだ。ルルーシュはブリタニア人で、黒の騎士団と関わってるなんて知られたら、かなり拙いのではないか、と。
「あらら、ミレイさんの次は君?愛されてるねぇ俺のルルーシュ君は。・・・少し、妬けちゃうなぁ。」
クス、と笑い、朝比奈はルルーシュを抱き寄せる。
「ちょ、省吾さん!?」
狼狽するルルーシュをしっかりと抱き竦め、リヴァルをひたと見据える。
「・・・はっきり言おう。俺とルルーシュ君は恋人同士。だから、手、出さないでね?・・・ああ、ルルーシュ君の身に危険が及ばないようにはするし、危なくなったら、匿う場所も用意してあるから大丈夫だよ。」
「恋人?・・・へぇ、そっか。・・・ほら、一応、俺、ルルーシュの悪友ですから、心配だったんですけどー、そこまで考えてるなら良いです。」
あっさりと恋人宣言を受け入れたのは、ルルーシュの美貌にふらふらと近寄る野郎ども(つまり、男限定。女子はルルーシュが綺麗すぎて群がるだけだから危険はなしと判断済み)を撃退しているからで。
「良しっ、庇護者に続き悪友からの許可も貰っちゃったよ~やったね、ルルーシュ君v」
朝比奈はガッツポーズを小さく作って、腕の中のルルーシュをぎゅうっと抱きしめる。
「っ、苦し、省吾、さんっ。」
「あ、ごめん。・・・って、わ~・・・色っぽ・・・。」
ルルーシュを開放し、その顔を見た朝比奈は、その壮絶な色気に頬を赤らめる。ハッとしたのは千葉と卜部。そっと立ち上がり、持っていた雑誌を丸め、朝比奈の後ろに立つ。それを確認したルルーシュはそれを朝比奈に告げようと口を開く。
「省吾さ・・・。」
「ねぇ、ルルーシュ君。この場で襲ってもイイ?」
スッパーン!!!
いつも通りの行動に、ルルーシュはこめかみに指をあてた。
「あっはっは、おもしれー。・・・こりゃいいわ。オシアワセにな、ルルーシュ♪」
リヴァルが腹を抱えて笑う。
「・・・会う度にこれじゃ・・・省吾さん、もう少し時と場合を考えてください。」
「え~・・・言われて真っ赤になるルルーシュ君が可愛いのにぃ。」
― 確信犯ですか!!!
ツッコミたいのに、病弱設定なために我慢するしかないカレンが、人知れず手を握りしめる。
「・・・私、まだ、認めてないですよ。」
ほのぼのとした空気をぶち破ったのはミレイだった。
「・・・会長?」
「・・・へぇ。藤堂さんと握手したって時点で認めたと思ったんだけど?」
ルルーシュが首を傾げ、朝比奈が眉を潜める。
「簡単に納得したと思わないでください。・・・7年間です。7年間も私達アッシュフォードはルルーシュ達を守ってきました。なのに、簡単に脇から掻っ攫われて・・・貴方なら諦められるんですか?」
「うーん・・・それもそうか。」
朝比奈は二コリ、と笑い、ミレイを見つめる。
「じゃあ、どうしたら、認めてくれる?」
「・・・まずは、ここまでの関係に至るまでの事、教えていただけます?」
朝比奈は一瞬考え、ルルーシュを見る。こんな事は想定していなかったルルーシュは戸惑っているようだった。
― こりゃ、予想以上だね。
内心溜め息をついて、朝比奈はもう一度ミレイを見る。忠義に篤いとルルーシュをして言わしめる、アッシュフォード家。朝比奈自身も、ここまでとは思わなかった。もしかしたら、彼女自身の想いもあるのかもしれないが。
「うん、わかった。それで、君が納得できるのなら。」
朝比奈は頷き、皇族として人質に送られてきたという事実を除いて、全てを話して聞かせた。
事情を聞いたミレイが黙り込んだことで、誰も、何も話せなくなる。反応を待つ側は内心冷や汗ものだ。特にルルーシュはミレイがこれ以上余計な情報を漏らしはしないかとハラハラしている。ここには、リヴァルもカレンもいるのだ。皇族であることを持ち出されてはたまらない。
そして、この場で最も空気を読むことに長けた人間が、口を開いた。
「・・・へ~スザクって昔は俺様だったんだ。」
リヴァルが率直な感想を言う。生徒会でもこうやって周りの空気を変える事が彼の役割だったな、とカレンが改めて感心していると、その感想に、朝比奈が乗っかってきた。
「そう!すっごい生意気でさ!もう、ハラ立つったらなかったよ!?・・・ま、今の時点で、あっちはすっかりルルーシュ君のことなんてどうでもイイと思ってるみたいだけど。」
「・・・そうですかぁ?結構、あいつ、ルルーシュに入れ込んでるみたいですけど?」
「入れ込んでる?・・・まあ、執着はあるんだろうねぇ。でも、あいつはルルーシュ君の表面しか見てない。過程重視のあいつと結果重視のルルーシュ君じゃ、意見も食い違うのは当たり前。だから、あいつは本能からルルーシュ君の内面を見ようとしない。自分の考えと全く違う人間を、人は受け入れ難いからね。」
朝比奈が言えば、ナルホドと思う事例がたくさん浮かび上がってくる。
「スザクは、ルルーシュの言葉の半分は聞いてないっぽいもんな、それって、認めたくなかったからなのかぁ・・・意見が食い違ってるって。」
納得するリヴァルの脇で、ミレイが目を見開いていた。その表情を見た朝比奈はもうひと押しとばかりに言葉を継ぐ。
「第一、あいつはルルーシュ君がブリタニアに対して良い思いを持ってないこと、知ってるんだよ?なのに、軍人になってるわ、皇族の騎士になるわで、そりゃもう、激しく裏切ってるでしょ?そんな奴の傍にいさせるくらいなら、俺、黒の騎士団に掻っ攫ってきたい気持ちでいっぱいなんだけどね?」
最後はミレイをまっすぐ見つめて告げる。その視線を受けたミレイは目を伏せ、唇を噛む。
「・・・それは、私のミスね・・・。」
「へ?会長?」
リヴァルが首を傾げる。カレンも良くわからないのか、不審げにミレイを見つめる。
「スザク君がユーフェミア様の騎士になった時点で引導を渡すべきだった。・・・大学部に軍を置くだけでも危険だったのに・・・正規軍じゃないから大丈夫だと、それに、痛い腹を探られるわけにはいかないから、断ることはできなかった・・・。」
ミレイの独白に慌てたのはルルーシュだ。
「会長っ!」
「・・・ルルーシュ、私は・・・貴方を守りたかったの。私自身の力で。おじい様がいらっしゃるうちは良い・・・でも、おじい様が亡くなった後、アッシュフォード家として動ける範囲が狭まってしまう。守りきれないかもしれない。だから、アスプルンド伯とも婚約した。・・・でも、それが、結果、貴方を不安にさせてしまった。それは紛れもない事実・・・。」
じっと見つめるミレイに、ルルーシュは言葉を詰まらせる。こんなにもミレイが自分達の事を真剣に気遣ってくれていたとは思いもよらなかった。
「ちょ、ちょっと待って下さい。・・・あの、守るとか、軍が危険とか・・・どういう事ですか?」
カレンが問う。ミレイはちら、とルルーシュを見る。視線で告げられる意思に、ルルーシュは首を振る。
「・・・ごめんなさい。私の口からは・・・これ以上は言えないわ。」
ミレイがそう言えば、それを制したルルーシュに自然と視線が集まる。
「・・・リヴァル、カレン・・・ここで見聞きした事は学園では漏らすな、そう言ったよな?」
ルルーシュは覚悟を決めた。朝比奈がそのルルーシュの震える手を握る。ハッとして、ルルーシュが振り返ると、朝比奈が微笑んで頷く。
― 大丈夫。俺が傍にいるよ。
声なき声に、背中を押してもらい、再びルルーシュはリヴァル達の方を向く。
「それ、ちゃんと守れるなら、俺の口から説明する。」
きっぱりと言って、リヴァルとカレンを見つめる。
「・・・言わない。約束するわ。」
「俺も。」
2人が真剣な表情で答えると、ルルーシュは緊張した面持ちで話し始める。
「・・・アッシュフォードは、元々は、爵位を持つ貴族だったっていうのは知っているだろう?」
「ああ、なんか本国で何らかの失態を犯して、爵位を返上したとか・・・。」
リヴァルが答えると、カレンはそうだったの、と呟く。ブリタニアの貴族の情報など全く興味がなかったから、耳に入っていたとしても記憶には残っていない。
「その失態に、俺達が関わってるんだ。」
「へ!?」
「そうなの!?」
2人の反応に、ルルーシュは重々しく頷く。
「・・・アッシュフォード財団はナイトメアの開発を本国で行っていた。その技術は当時では最高のもので、今あるナイトメアはこの技術を応用して作られたものばかりなんだ。・・・そして、その技術を向上させたのは・・・。」
「テストパイロットとして、とても優れた記録を出して下さった、ルルーシュ達のお母様・・・。」
「へぇ、ルルーシュのお母さんって、軍人だったのか?」
「・・・ああ、“閃光”の異名をとり、その功績を認められ、平民から、一世代の名誉とはいえ、騎士候にまで任じられた。」
それにはリヴァルとカレンもポカンと口を開ける。そして、それは、藤堂や四聖剣も同じだった。当事者ではなく、ここまで詳しく聞いたことがあったのは、朝比奈だけだった。あの夏・・・逢瀬の度、君の全てを知りたいのだ、と言って、朝比奈はルルーシュに話をねだったことを思い出す。
「そして・・・あの男に見初められた。」
「あの男?」
カレンが訊くと、ルルーシュは今までになく憎々しげに、そして、憎悪に満ちた表情でその名を告げた。
「神聖ブリタニア帝国、第98代皇帝・・・シャルル・ジ・ブリタニア・・・。」
「「っ!?」」
リヴァルとカレンが同時に息を呑む。
「ルルーシュは・・・ルルーシュ達は、ブリタニアの皇族なのよ。本当なら、こんな風にこそこそと隠れ住んでいるような立場じゃない・・・。」
ミレイの声が震える。
「・・・俺はブリタニアの第11皇子、第17皇位継承者として生まれた。優しい母、可愛い妹・・・それに、他の皇族ともそれなりに交流を持って、幸せに暮らしていた。・・・あの時までは。」
「・・・あの時?」
のろのろと顔を上げ、リヴァルが問う。いきなりのカミングアウトに混乱しているらしく、いつもの精彩を欠いている。
「・・・俺が9歳の時・・・何者かの手によって、母はナナリーと共に襲撃された。・・・目の前に広がる光景が信じられなかった。・・・血の海とその中に倒れ込んでいる母とその腕に庇われていたナナリー。母は即死だったらしい。遺体は秘密裏に運び出されて、その後会う事は叶わなかった。・・・ナナリーはその事件で両足を撃たれて歩行能力を失い、目の前で母を殺されたショックで瞳を閉じてしまった。・・・俺は、それを、ただ、見ているしかできなかった。」
どれほどの思いなのだろうか、朝比奈はそっと肩を抱く。小さく震えるその姿からは“ゼロ”として自分達を率いる姿を想像することができない。
「俺は・・・あの男に面会を求めた。なぜ、母を守ってくれなかったのか、ナナリーの見舞いにも来ないのはなぜか、そう問いかけた俺に、あの男は、弱者に用はないと、たったその一言で切り捨てた。・・・そして、そのような事で面会を求めたのかとまで言った・・・後の事は口にもしたくない。・・・面会からどれほどたった後だったのかよく覚えていないが、俺とナナリーはあの男の命で日本へ人質同然の留学生として送られ、枢木家へと預けられたんだ。」
リヴァルもカレンも黙り込んだままルルーシュを凝視する。そんな事情があるとは、思いもしなかったのだ。軽い気持ちで問うたわけではないが、ここまで重い話になるとは予測できなかった。
「・・・アッシュフォードはマリアンヌ皇妃様・・・ルルーシュ達のお母様を守れなかった。それが主な原因になったかは当時私も子供だったから良くはわからないけれど、一因ではあったんでしょうね、その後、すぐに爵位を返上させられたのだから。・・・戦後、すぐにエリア11に赴き、ルルーシュ達を匿い、2人の死亡の報を流した。・・・本国に連れ戻されても、きっと、また、同じ目に遭うだろうから。そして、ランペルージという名と戸籍を用意して、アッシュフォード学園という箱庭を作った。」
「箱庭・・・。」
ぽつりと呟いたカレンの脳裏に、ミレイも行動を制限するのかと問いかけた時のルルーシュの言葉が蘇る。
『・・・なるべくしたくないと、言ってくれているよ。』
ミレイがこんなにも過敏に、外でのルルーシュの行動に対して口を出すのは珍しいと思っていた。相手が日本人だからか、と憤っていたのだが、これで理由が知れた。
きっと、賭けチェスに関しても、シャーリー以上に快く思っていなかったに違いない。それでも目を瞑っていたのは、ルルーシュ自身もその危険さをわかってやっていたからなのだろうと気づく。そして、今回の件でこんなにも必死なのは・・・。
「殿下達の為の箱庭だったのにッ・・・私は・・・ッ。」
悔しそうに俯くミレイを、ルルーシュが辛そうな表情を浮かべて見つめる。
「・・・そっか・・・会長は、朝比奈さんに・・・ううん、黒の騎士団に、ルルーシュ君を取られてしまうって思ったのね?」
カレンの言葉に、ミレイはハッと息を呑む。自分でもわかっていた。どうしてこんなにも腹が立つのか。古い知り合いに会うくらい、別にどうってことはないと、昔の自分なら軽く見逃していただろう。でも“ゼロ”が現れてから、そんな余裕は吹き飛んだ。
一目見た時から、もしかしたら、と思っていた。“ゼロ”の主義主張は、ルルーシュのそれに酷似していたから。先日確証を得て、ますます、余裕はなくなった。このままでは、ルルーシュはきっと、アッシュフォードを見限る。そう、確信してしまったから。
「・・・そうよ・・・アッシュフォードが用意した箱庭の中にずっと納まっていられるような方ではないとわかってた。けど、甘受して下さっているのだと、そう思ってた・・・。だからっ!」
ギッと睨み据える先は、朝比奈。
「殿下を渡したくなんかない!・・・それが、たとえ、殿下が心の全てを委ねた相手だとしても!・・・けど・・・箱庭はもうすぐ壊れてしまう・・・軍人が、皇族の騎士が、土足で踏み躙っていくッ・・・あのッ!枢木スザクがッ!」
睨む視線が下に落ち、その怒りが朝比奈から彼の人物へと移っていく。
「・・・貴方達にあたるのは筋違いだってわかってるの。もう、手遅れ。きっと、このまま学園に居続ければ、いずれ、政庁にいるコーネリア様にバレてしまう。・・・だから・・・お願いします。ルルーシュ様達を・・・黒の騎士団で・・・匿ってください。」
ミレイの言葉に、その場の誰もが絶句した。
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