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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・ 時美・小夢・珠羅・秀華・白輝・藍・蒼夜がメインのオリジナルキャラクターになります
・ 渦の国は滅んでいません。したがってすべてがオリジナルの設定となります
・ よろしいですね?注意はしましたよ?
・ では、どうぞ・・・↓








「と、いうわけなんだ。・・・復帰早々、こんな任務を頼んでしまうのは申し訳ないとは思うんだけど・・・」

「しょうがないですね。まぁ、ナルトのことは私達も心配ですし」

「そうそう。復帰早々で、肩慣らしをすっ飛ばして、超Sランクの任務ってのも、まぁ、私達らしいし」

椅子に座ったまま、心底申し訳なさそうに、上目遣いで任務を申し渡したミナトの前で、あっけらかんと言ってのけた小夢は、ねー?と白輝に同意を求める。

「・・・まぁ、木ノ葉の二大サドの復帰戦としては、相応しいかもね」

肩を竦めた白輝を、苦笑をうかべてミナトは見上げた。

「・・・眼鏡外した白輝を見るのは、何年振りかなぁ」

「ふふ。・・・まぁ、影だろうが獣だろうが、凍らせてふっ飛ばしてしまえば、問題ないんでしょう?ナルトに指一本触れさせやしませんから、安心してください」

「・・・うわー・・・相変わらず、激しいねぇ・・・」

「まぁ、実行部隊に戻った以上は、徹底的にやらせて頂きますから」

ニコリと笑う白輝に、小夢は口の端をつりあげる。

「やっぱり、こうでなくちゃねぇ!ふふふ~、楽しみィ~♪」

「・・・過冷却女《かれいきゃくおんな》と爆弾娘《ばくだんむすめ》の復活かぁ・・・やれやれ、胃腸薬でも買っておこうかな」

ボソリと呟いたミナトの言葉を耳で拾った白輝は、その笑みを黒いモノに変化させる。

「安心してください、四代目。・・・胃に穴があいたら、私が塞《ふさ》いでさしあげますから」

ミナトは次に続く言葉を予測して、先にツッコミを入れた。

「できれば、医療忍術で塞いでね・・・」

「・・・チッ・・・氷遁で、と言おうと思ったのに。さすが四代目」

「・・・いや、そんなところで、さすがと言われてもね」

舌打ちをした白輝に、がっくりと肩を落としたミナトだが、頼もしいことこの上ない2人の復帰に秘かに安堵した。

「2人とも、ナルトを頼んだよ?」



***



そして、大蛇丸討伐メンバーと同じ顔ぶれ+αが再び火影の執務室に集まった。

「・・・まさか、連続してこんな任務が来るなんて」

珠羅がポツリ、と呟く。

「うん。・・・それこそ、まさか、だよねぇ」

ミナトは苦笑いをうかべる。クシナがあれ程にとり乱すということは、“死を振りまく獣”とは、相当、恐怖の対象として渦の国の人々に意識されているのだろう。

「まぁ、任務内容は今言った通り。・・・向こうに行ってみないとわからない部分もあるから、何とも言えないのだけど・・・」

「四代目、最優先は“ナルトの安全”・・・それで良いんですね?」

蒼夜が問う。それこそ、今この場にいる全員が確認したいことだった。

「ん・・・渦の国には申し訳ないが・・・もし、ナルトを人身御供にしようとするなら、それは、明らかに越権行為だ。・・・確かに、ナルトは渦の国の血も引いている。だが、今は“木ノ葉の忍”だからね」

「ミナトさん・・・」

秀華が眉根を寄せる。

本当は、ナルトを渦の国に行かせることさえ反対したいのだろうが、本人が行くと言っている以上、余計な口出しはできない。

それに、忍の世界で、己の身を案じて任務を受けないなんてことは絶対にあり得ないのだ。

「ナルト、国外だ。ドベの仮面は被らなくても良いからね」

「・・・わかったってば。父ちゃん・・・母ちゃんを頼むってばよ」

ナルトはニコリと笑ってミナトに言うと、秀華に視線を向けた。

「・・・秀華ちゃんも、よろしく」

「ええ。クシナさんのことは任せて。・・・無事に戻ってきてね、ナル君」

「うん」

「・・・では、ナルト、サスケ、シカマル、小夢、白輝、時美、珠羅、イタチ、蒼夜、以上9名に渦の国の救援任務について貰う。期限は無し。ただし、渦の国が越権行為を行おうとした場合、速やかに契約を破棄し、木ノ葉に帰還すること」

ミナトの命令に、全員が是と頷いた。



***



「暉莉《きり》姫・・・火影は本当にクシナ姫の子をこちらに送ってくるのか?」

「・・・送ってきます。それが、忍と言うものでしょう?」

暗闇の中。唯一の灯りはろうそくに灯された火のみ。壮年の男に問われた暉莉は、冷静に答えた。

「ならば良いが。・・・だがもし、クシナ姫の子が器にたらなかったら・・・?」

「それはないわ。・・・あの子は既に九尾を持っている。・・・九尾は放たれた尾獣の中でも最高峰の妖魔。それを難なくその身に収めている時点で、アレの器には相応しい・・・」

「そ、そうか・・・」

男が納得すれば、暉莉は陰のある笑みをうかべる。

「・・・あわよくば“死を振りまく獣”を木ノ葉に押し付けられるわ」

「!」

「・・・本当に“戦姫”の器を持つ者は、数代に1人でるかどうか・・・クシナ様は歴代の中でも、とても優れていた・・・なのに、半ば駆け落ち同然で木ノ葉に嫁がれてしまった。ならば、その責任をとって戴くのも・・・1つの方法」

「暉莉姫・・・!」

「渦の国のため。・・・妾《わらわ》は、心を鬼にする」

国の重役達を前に、暉莉は目を細める。

「何よりも、国の安寧を・・・それが、戦姫たる妾の役目」

― それが、例え、他の国の不幸を招こうとも。

最早、暉莉の中にはその思いしかなかった。己が“死を振りまく獣”の力に圧され始めていることに気付いていたからだった。

焦りは思考を鈍らせる。今、渦の国にまともな判断を下せる者はおそらくいない。国民は疲弊し、天災と諦め、嘆く。

決断しなければならないのだ。国を安んずるために、戦姫として・・・。

「・・・ごめんなさい、クシナ姉様・・・ごめんなさい、ナルト」

― 弱い妾を、許して・・・。

呟いた声は、轟いた雷鳴に消され、誰に聞かれることなく、虚空へと消えた。



***



暗雲が空を覆う。まだ夕方というには早すぎる時間だというのに、辺りは薄暗い。大通りにも人はおらず、街は閑散としていた。

「・・・ここが、渦の国?」

呆然と呟いたのは、小夢だった。疲弊した国を見たことがないとは言わないが、ここまでくると人が住んでいないのではないかと思えてくる。

「怯えてるのよ。・・・“死を振りまく獣”とやらにね」

白輝が答え、辺りを見回す。

「・・・迎えも無し?」

「そんなことを考える余裕すらないってことじゃないのか?」

珠羅がポツリと言えば、時美が肩を竦める。

「・・・それもそうね。ホントに大丈夫かしら、この国。・・・ナルトを本気で人身御供にしかねないわよ」

小夢が言えば皆が沈黙する。現実を見て、やりかねないと思ってしまったからだ。

「・・・木ノ葉の方々ですか?」

ボソリと声がして皆がギョッとする。

姿は見えないが気配はある。そちらを向けば裏路地のような場所で、いわゆる暗部仕様のコートを羽織った人物が手招きをしていた。

「お迎えにあがりました。・・・私、玖々流《くくる》と申します。この度はわざわざご足労いただき、ありがとうございます」

「・・・ご丁寧にどうも。私が今回の隊長、蒼夜です。・・・後ろにいますのが、隊員の―――・・・」

蒼夜が対応するとその人物はフードを降ろし、その顔を露わにさせた。

「は?・・・クシナ、様?」

目の前のその顔を見て、蒼夜が呆然と呟く。

「・・・似ていますか?」

クツリと笑った玖々流だが、似てるもなにも、本人だと言われても信じてしまいそうになるくらい似ている。

そう言えば、彼女はクツクツと肩を震わせた。

「私は“影”なのです。クシナ様が戦姫であられた頃の。・・・今はお役御免となりましたが」

答えた彼女に、木ノ葉組はナルホド、と納得した。

戦姫は国の要。“影”くらいは用意するだろう。

前任のクシナは早くに戦姫を退いてしまった為に“影”が未だに生きていてもおかしくはない。

「ホント・・・母ちゃんにそっくりだってば」

じっと見上げてくる空色の瞳に、玖々流《くくる》は目を細めた。

「貴方はあまりクシナ様に似ていませんね。・・・四代目火影の血を色濃く継いでいるのでしょうか」

「でも術のタイプとかは母ちゃん似って言われるってばよ。父ちゃんの術も使ったりはするけど」

「そうですか。・・・クシナ様はお元気ですか?」

「・・・ちょっと元気ないってば。俺が、渦の国に行くって言ったから」

「・・・そう、ですね。クシナ様はよくわかっていらっしゃるはずですから。“死を振りまく獣”の恐ろしさを・・・」

玖々流はそう言って視線をナルトから逸らし、自嘲する。

「・・・じゃ、さっそく案内してもらえるかしら?」

「・・・はい。姫様方がいらっしゃる所へ、ご案内いたします」

クルリと背を向け、先頭に立って歩き出した玖々流を見つめ、蒼夜《そうや》は眉を顰める。

「・・・白輝《しろき》、どう思う?」

声を顰めて問えば、白輝は肩を竦めた。

「・・・さぁ?彼女は信用してもよさそうだけど。“姫様”ってのは危険ね。役目が役目だし私情をはさまず国の利益のみを考えれば・・・自ずと取る行動は決まってくるし」

「会ってみて、危険と感じたら・・・契約破棄よね?」

小夢《こゆめ》が問う。それに対して蒼夜と白輝が頷く。

「当たり前。ナルトは木ノ葉の忍。渦の国の所有物じゃない」

珠羅《しゅら》が不機嫌に言えば、時美《ときみ》とイタチが苦笑し、ナルトが不安げに呟いた。

「・・・珠羅、キレないでってばよ・・・」



***



「こちらです」

玖々流について来た先には、厳かな空気が漂う神殿のような場所だった。

「・・・ここに“姫様”がいらっしゃるわけね?」

蒼夜が確認すれば、玖々流が頷く。

「はい。・・・姫様と国の重役の方々が」

そう言って扉を開き、玖々流は皆を招き入れた。そして、奥に見える大きな扉を指す。

「あちらにおられます。・・・ここから先は私は踏み入れることを許されていません。どうぞ、皆さま方のみ、お進みくださいますよう・・・」

「・・・わかりました。行くわよ、皆」

全員が頷くのを確認し、蒼夜は進んでいく。

そんな中、頭を下げていた玖々流に、ナルトが近寄った。

「・・・玖々流さん」

「・・・・・・はい」

「案内、ありがと。・・・きっと、母ちゃんは“影”の貴女が元気だって知ったら喜ぶってばよ」

「・・・よろしくお伝えください。それから、ナルトさん・・・姫様の問いかけに答える時には充分に言葉を選んでください。あの方は・・・“言の葉使い”です。言質を取られれば、捕らわれてしまいかねません」

「・・・ありがと・・・ごめんね」

苦笑をうかべたナルトに、玖々流は泣きそうな笑みをうかべた。

「いいえ・・・クシナ姫様の頃は良かった。今の暉莉《きり》姫様が悪いわけではないのですが、いかんせん、クシナ様の“魔を抑える能力”はとても高かったので。・・・貴方に頼ろうと、それは・・・決して悪気があるわけではないのです。暉莉姫様をお許しくださいね」

「うん・・・わかってるってばよ」

「どうか・・・ご無事のお戻りを」

懇願するかのように言う玖々流に、ナルトは力強く頷き、その手を握った。

「玖々流さん、こんなこと、言っちゃいけないのかもしれないけど・・・お願いがあるんだ・・・」

ナルトがポソポソと玖々流に耳打ちする。それに、目を丸く見開いた玖々流だが、すぐに目を細め、うっすらと笑み浮かべて頷いた。


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