Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・最年少暗部シリーズをお読みになりましたか?(大前提ですよ?)
・スレシカスレナルです!
・二次創作であることをお忘れなく
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
その夜、奈良家にやって来たナルトは、任務でいないシカクを除いた奈良家の面々、つまり、ヨシノとシカマルと遅い夕飯を食べていた。
「なぁ、ナル。今日・・・。」
「シカ、ちょっと、大事な話があるんだ。」
シカマルの言葉を遮り、ナルトが下を向いたまま呟く。
「・・・?・・・ああ。」
訝しげにするシカマルと視線を合わせようとしないナルトに、ヨシノは“倦怠期かしら?”などと他人事のように考える。
夕食を食べ終え、シカマルの部屋に行くと、ベッドの上に座り、2人は向き合った。
「・・・あのね、シカ。・・・俺、シカに黙ってたことがあるんだ。」
「・・・ああ。」
真剣な表情のナルトに、シカマルも表情を引き締める。
「実は・・・俺・・・“根”と交流を持ってるんだ。」
「は?」
首を傾げるシカマルに、ナルトは、困ったように眉を顰める。
「“根”と関わるなって、あれほどシカに言ってたんだけど・・・俺、これから、ちょくちょく“根”に行くことになると思うんだ。」
「何でだ?・・・まさか、脅されてるってことはねーよな?」
「無い無い。それは大丈夫だよ。・・・“根”の子供達に、少し忍としての心得を教えて欲しいと言われたんだ。」
「へぇ・・・。」
二ヤリ、と笑ったシカマルを、ナルトは上目遣いに見やる。
「怒って・・・ない?」
「怒ってねーよ。・・・お前はともかく、俺らにとっちゃ“根”は関わらないに越したことはねーってことだろ?」
肩を竦め、シカマルはナルトの頭を撫でる。
「・・・うん。ごめんね、シカには隠し事をしたくないんだけど・・・でもね、やっぱり、一気に全部を話せなくて・・・。」
「良いって。俺らがこうやって互いの本性さらけ出して付き合い始めたのなんて、つい最近なんだ。一気に全部話すなんて、無理だろ?・・・俺だって、まだ、全部話したわけじゃねー。」
「そう、だよね・・・シカ、ありがと。」
「おー。」
シカマルは微笑んで、ナルトの腕を掴み、抱き寄せる。
「・・・いつも言ってっだろ、気ぃ遣うなって。」
「うん。」
「俺も、気ぃ遣わねーから。」
「・・・うん。」
シカマルの胸の中に顔を埋めて、ナルトはこくん、と頷く。
「・・・今日も、ボーっとしてたな。キバが心配してたぞ。」
「うん。気付いたよ。・・・でも、どうしても樹のことが気になってさ。」
「・・・そうか。」
「だけどね、“根”の子供達の面倒を見る代わりに、樹のことを調べてくれるって・・・ダンゾウが。」
ナルトの言葉に、なるほど、とシカマルは頷く。
「そっか。良かったな。・・・これで、気になってたことが解消されるじゃねーか。」
「そうなんだけど。・・・何で気になるかってこと、言ってなかったよね?」
「ああ。」
「・・・嫌な予感がするんだ。」
「嫌な予感?」
首を傾げるシカマルに、ナルトは頷く。
「・・・里に、攻めてくるんじゃないかって・・・。」
「樹がか?」
シカマルの確認に、ナルトは視線を揺らした。
「多分・・・。ずっと嫌な感じが、胸の奥でもやもやしてて・・・怖いんだ。皆が巻き込まれたらどうしようって。」
「そうか・・・そう思うなら、カカシさんとかにも、ちゃんと話さねーとな?」
そう言われて、ナルトは苦笑した。
「うん・・・そうだね。正直に話すよ。」
次の日・・・
ナルトに説明を受けたカカシは、眉根を寄せて唸った。
「ナルホド。それで、ナルトがやけに気にしてたワケね。・・・そういうことなら言ってくれれば良かったのに。・・・どこで遠慮なんて覚えたの?」
「だって・・・樹のことを口にすると、カカシ君も千坐君も必死な表情で関わるなって言うから・・・。」
ぼそぼそと言うナルトに、カカシは苦笑した。
「そっか。・・・言い辛かったんだ。ごめーんね、ナルト。」
なでなでと頭を撫でれば、ナルトは目を細めて笑みをうかべる。
「うん・・・ふふ、カカシ君のおっきな手は温かくて安心する。」
その言葉を聞いて、シカマルは単純に訊ねたくなって、己を指差す。
「なー、ナル。俺は?」
「・・・シカのは・・・ドキドキする///」
ほんのり頬を赤く染めるナルトに、シカマルはかぁ~ッと顔が熱くなるのを自覚する。
「そ、そーか///」
「あらら、ラブラブだね。」
「「・・・ッ///」」
くつくつと笑うカカシに、ナルトとシカマルは更に顔を真っ赤にして、うつむいてしまう。
パカン!!
「あイタッ!」
突如叩かれて、カカシは頭を押さえる。気配を感じさせる間もなくこんなことをカカシにできるのは、目の前にいるナルトともう一人・・・。
「千坐~・・・痛いんだけど。」
「2人をからかって楽しむんじゃない。」
「え~。だって、可愛いんだよ~?」
「嫌われるぞ。」
「うっ・・・。」
黙り込んだカカシを脇に避け、千坐はシカマルの前に立つ。
「こっちはちょくちょく君のことは見ていたから、そんな感覚は無いんだが、一応、はじめましてと言っておこうか?・・・ナルトの教育係筆頭の1人、千坐だ。よろしくな。」
「あ、よ、よろしくおねがいします!!」
スクッと立ち上がり、ビシッと姿勢を正したシカマルを見て、カカシは苦笑をうかべた。
「さっすが千坐~、新人をビビらせるのは天下一品だね。」
「からかうなと言っているだろう。・・・お前がそんな風に飄々としているから、俺がこうやって締めなければならないんだろうが。」
「えぇ~、俺のせい~?」
「そう言っている。・・・少しは自覚しろ!」
「だって、もう、イメージ固定されてるから、今更じゃないの?」
「・・・かぁかぁ~しぃぃ・・・・。」
唸る千坐を後目に、カカシはにっこりと笑って、ナルトとシカマルに言った。
「2人とも、危ない真似はしないようにね?自分達で動こうとしないこと。・・・いくら強いって言ってもね、相手も同じレベルなら、数が勝る方が勝つんだから。」
「「はぁい。」」
渋々といった様子を隠そうともせずに頷くナルトとシカマルに、カカシはクツクツと笑う。
「はい、正直で大変よろしい。・・・でも、ま、さすがに木ノ葉に攻めてくるようなら、周辺警備の連中が気付くだろうし、“根”の連中も黙ってないでしょ。」
カカシの言うことも尤もなので、ナルトはこくん、と頷く。
「カカシ君、それでも、もし、あいつが攻めてきたら・・・俺は、率先して闘うよ。」
「チョイ待て、ナル。・・・奴の狙いは、蒼藍なんだろ?なら、ナルトの姿で狙われるってことはねーよな?」
ふと気付いたようにシカマルが問えば、ナルトは首を傾げる。
「わかんない。・・・でも、多分、俺=蒼藍っていうのを気付いてるかもしれない。・・・以前、会った時に、そんなことを言われたから。」
「へぇ・・・なるほどね。じゃあ、対策をたてねーとな。アカデミーで狙われたりした日にゃ、周りの連中まで巻き込んじまって、ヘタすりゃ、人質に取られたりしかねねねぇ。」
「そうだねぇ・・・なるべく、ナルトの傍には俺か千坐が張り付くようにしてるけど・・・奴の情報が入ったらすぐにナルトに伝えられるようなサインか何かを決めておこうか?」
カカシが言えば、ナルトとシカマルが互いに視線を合わせる。
「シカ、どうする?」
「あ~・・・暗部鳥は?」
「ああ、良いねぇ、あれなら、忍にだけわかるように飛ばせるしね。」
「だが、あれは招集をかけるのと間違えそうだからな・・・どうやって飛ばすかが問題だな。」
納得するカカシと、唸る千坐。それを見て、シカマルがポン、と手を打つ。
「なら、なんか持たせたらどうっスか?書簡を持たせる要領で、こう、一発で目につくような・・・。」
「あ、そっか。・・・なら、情報が入ったら黄色い布を足首に巻いて、樹が近づいてるっていう状況なら、緑の布を巻くとかは?」
「それイイね!・・・ね?シカ?」
「そうだな。・・・あ~、じゃあ、カカシさん、それ、暗部の皆にも話して貰ってイイっすか?」
ニコニコと同意を求めるナルトに笑んで見せ、シカマルはカカシを見る。
「いいよー。・・・ナルトは“根”の方に伝えてね?」
あっさり頷いたカカシがほんの少し含みを持たせて言うと、ナルトは苦笑いをうかべる。
「・・・うん。わかった。・・・まあ、予感だけで終わってくれれば一番良いんだけど・・・。」
「そうだねぇ・・・。」
「まったくだな。・・・今回ばっかりはナルトの勘が外れるように祈るばかりだな。」
ナルトの言葉に頷き、カカシと千坐は溜め息をついた。
そして、それから4日後。
「・・・なあ、ナルトー。」
不意にキバに名前を呼ばれたナルトは、首を傾げて振り返る。
「何だってばよ?」
「・・・おまえさぁ、最近・・・生活環境でも変えたか?」
「ふぇっ!?」
いきなりの問いかけに、思わず素に戻りかけて、慌ててナルトはドベの仮面を被りなおす。
「・・・何言ってるんだってばよ、キバは。」
「いやさ、なんか、雰囲気、違うっつーか、匂いが変わったっつーか。」
そう言ったキバに、ナルトは背中に冷や汗をかきながら答える。
「に、匂いって・・・一応、毎日風呂は入ってるってばよ!!」
「ああ、いや、そうじゃなくてだな・・・ああ、くそ!!なんつったら良いか分かんねー!!」
「おいおい、逆ギレかよ・・・。」
内心焦っていたシカマルも、キバのもどかしそうにする様子を見て、ナルトが演じていることを気付かれたわけではないと確信し、はぁ、と溜め息をつく。
「・・・だが、少し安定したのは確かだな。」
ぬっと現れたシノにギョッとしつつも、ナルトは眉を顰める。
「安定、って、何だってば?」
「以前は感情にむらがあったように見えた。今は、随分と落ち着いているように見えるし、感情の落差も少なくなった。・・・相変わらず、馬鹿騒ぎをするのはどうかと思うが、以前のむらがある時の騒ぎ方とは違って、安心して見ていられる気がするな。」
「・・・はぁ?わっかんねーってばよ。」
ナルトが心底不思議そうな表情をうかべると、シノはそうか、と呟く。
「・・・わり、シノ、俺もわかんねー。」
「ボクもわかんない・・・。」
「あ~・・・つまりは、だ。ナルトの感情のアップダウンの差が小さくなったってことだろ?」
キバもチョウジも首を傾げるので、仕方無しにシカマルが補足を入れると、3人が、おお~、と感嘆の声をあげる。
「・・・お前ら、わかってっか?ホントに。」
シカマルが半眼になると、3人は揃って首を横に振った。
「「「全然。」」」
「おい・・・。」
カチンときたシカマルが立ち上がると、キバとチョウジが慌てて回避行動を開始する。が、ナルトだけがフッと窓の外を見て、かちん、と固まった。
「・・・ナルト?」
訝しむようにシノが名を呼ぶと、ナルトはすう、と目を細め、口の端をクッとつりあげた。
「来たな・・・樹。」
ナルトの呟きに反応したのは、シカマル、ではなく、サスケだった。教室の隅で静かにしていたサスケがすごい勢いでナルトの傍に駆け寄り、その胸ぐらを掴んだ。
「今、なんて言った!!?」
いつに無いサスケの様子に、クラス中がシーンとする。
「樹って・・・言ったんだってばよ。」
あくまでドべを演じるナルトと、焦りのせいでいつものクールな仮面が脱げているサスケの掛け合いに、シカマルはハラハラとする。
「何、落ち着いてやがる!!・・・今すぐここから出るぞ!!」
「サスケこそ、何慌ててるってばよ。・・・そんなに乱暴にされたら、影が消えちまうってば。」
影、の一言に、言われたサスケはポカンとする。
影、ということは、目の前にいるナルトは影分身。つまり、今日は最初から影分身だったのだろう。知っていたのか、とシカマルに問おうとして、シカマルに視線をやったサスケはまたもポカンとした。
シカマルもまた、ポカン、とナルトを見ていたからだ。
「・・・あ・・・あんの、バカッッ!!」
顔を蒼白にしたシカマルは、バッと身を翻し、そのまま教室を出ていく。
「・・・シカマルにも黙ってたのか。」
「怒られるってばねー・・・。」
ナルトの影分身がヘラヘラと笑うので、サスケはがくりと肩を落とした。
「・・・で、どういうことだよ?」
話についていけない面子を代表するかのように、キバが問う。
「・・・どういうコトって、まあ、シカマルにお客さんが来ることを俺が伝えてなかっただけだってばよ?」
「はぁ?・・・それだけじゃねーだろうがよ。サスケがそんなに慌てて、めんどくさがりのシカマルがあんな顔面蒼白状態で向かう相手って、どんな客だよ。」
「・・・おい、ナルト・・・。」
サスケの眉間のしわが深くなるのを見て、ナルトの影分身はニコリと笑った。
「心配無いってばよ。・・・忘却の術。」
フワリ、と羽根が散ると、バタバタとクラスの面々がその場に倒れる。
「・・・荒技だな。」
「はは。だってさ、ここで大人しくしてて貰えるし?説明する必要もなくなるし、一石二鳥じゃん。」
溜息をついたサスケにそう言って、ナルトの影分身は窓の外を眺める。
「それよりか、シカマルの方が心配だなぁー。本体に何も知らされなかったこと、すっごいショックだと思うし。」
「・・・知らねぇぞ、俺は。」
「あは。俺もー。」
にぱvと笑い、ナルトの影分身はポン、という軽い音をたてて消えた。
「影の役目は終了か。・・・半日分の維持と忘却の術を使う分だけのチャクラだけを込めといたってとこだな。相変わらず器用な真似しやがる。」
呆れ半分、感心半分の言葉を呟いて、サスケは窓に近づいて、外を眺めた。
「・・・頼むぜ、シカマル。」
一方、本体のナルトは、蒼藍の姿で里の入口の木の枝に座り、足をプラプラとさせていた。
「・・・良いのか?」
とん、と隣に瞬身の術で現れたのは、“根”のリーダー、ダンゾウ。
「何が?」
「お前の恋人のことだ。」
「・・・ああ・・・大丈夫だよ。影が今消えたから・・・こっちに向かってる。」
「・・・黙っていたことを責められるぞ?」
くつくつと笑うダンゾウに、ナルトは肩を竦めた。
「うん。・・・でも、あいつに会わせたくないんだよね。だからさ・・・。」
「サイ達に足止めを命じた。・・・だが、黒神の力を持つあやつに、どれだけ対抗できるか・・・ワシにもわからん。」
「そう。・・・じゃあ、それまでに、ケリをつけないと。」
そう言ってナルトが立ち上がり、視線を向けた先にいたのは、白い豹。
「・・・今日は、陰陽転化の術を使ってから来たんだな。」
すぅ、と赤い瞳を細め、その白豹を見やる。
「・・・木ノ葉の警備網を突破するには、こちらの方が楽だからな。」
言葉を話すのには適さない動物の口の構造上、くぐもった声で応答すると、その白豹の身体がぐにゃりと溶ける。
「成程、アレが陰陽転化の術、というわけか。・・・初めて見たが、なかなか便利そうな術だ。これが血継限界の為せる技というわけだな。」
樹が人型へと戻っていくその過程を見やりながら、感心したように呟き、ダンゾウは身構える。
「フォローは必要か?」
「・・・うん。お願い。」
素直にナルトが頷くと、ダンゾウは、ニヤリと笑う。
「暗部共はどうした?まさか我ら“根”だけを頼りにしているわけでもあるまい?」
「もうそろそろ来るんじゃない?・・・俺のチャクラを感じたら、カカシ君や千坐君は一発でこの場所がわかるだろうしね。」
「成程・・・っ!?」
ダンゾウが頷いた瞬間、その脇をクナイが通り過ぎる。
「おまえか・・・いつも、俺を追いかけ回す連中の長は。」
樹がギロっと睨んできて、ダンゾウは背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
「“根”はそれが仕事だ。・・・里に害をもたらす者は、徹底的に叩き潰す。その為の調査だ。」
それを聞いた樹は、フィ、とダンゾウから視線を外し、ナルトへと視線を向ける。
「・・・木ノ葉の中にあった、お前のチャクラを目指してきたが、突然その場所が変わった。あれは影分身か?」
「・・・やっぱり、お前は、俺の正体に気づいてたのか。」
「・・・尾獣のチャクラは、特殊だ。わかる奴にはすぐわかる。」
「へぇ・・・。」
肯定した樹に、ナルトは目を細める。
「で、俺を殺しに来たんだろう?」
「もちろん・・・と言いたいところだが、事情が変わった。」
「は?」
眉を顰めるナルトに、樹はにやりと笑った。
「尾獣を狙う組織の話は知っているか?」
「ああ。・・・暁、な。」
「奴らを敵に回すのはさすがに厄介だ。ただし、お前が奴らに捕まるのも許容しかねる。」
「で?・・・俺をどうしようって?」
くす、と笑ったナルトは、チャクラを練り上げて、いつでも仕掛けられるように身構える。
「無理やり連れ帰る。・・・お前は、木ノ葉の忍だと思っているかもしれないが、渦の国の忍でもある。」
「!?」
樹の言葉に、ナルトとダンゾウは目を丸くする。
「・・・お前、どこまで知ってる?」
「さて、な。」
余裕を見せる樹に、ナルトは、ムッとする。ナルトの母、クシナが渦の国の忍だったことを知っている者は、ごく僅か。それ以上に、他国の忍がナルトの両親を知っていること自体が、おかしいのだ。
「樹、お前、何者?」
眉を顰めたナルトに、樹は笑みを見せた。
「俺は・・・元渦の国の忍、この血継限界のせいで散々酷い目にあったが、お前の母に随分と助けられたものだ。」
「!?」
「うずまきクシナは、俺の憧れだった。・・・お前の戦い方はクシナそっくりだ。それに、父親である波風ミナトにもな。・・・ミナトはクシナを奪った憎い男だが、2人の子どもであるお前に罪は無い。・・・我が主に嘆願し、お前を受け入れる許可を得た。・・・だから・・・。」
クナイを握りしめた樹が、ナルトの懐に一気に入ってくる。
「っ!?」
「手足をもいででも、連れて行く!!」
印を組む暇も与えないそのクナイの攻撃に、ナルトは避けるだけで精一杯となる。ナルトとて、接近線が不得手なわけではないのだが、時空間忍術を基本としての戦いが多い為に、印を組めないこの状況は拙かった。
「な・・・蒼藍が圧されるなど・・・。」
その攻防を目で追いながら、手を出せずにいるダンゾウが呻く。
「・・・あちゃー・・・。」
「やはり、こうなってしまったか。」
そのダンゾウの傍に、2人の暗部が瞬身で現れる。
「!・・・カカシと・・・千坐、か。」
「ダンゾウ様・・・まさか、蒼藍と先行してるとは思いませんでしたよ。しかも、途中で“根”のガキどもに邪魔されたし。」
驚くダンゾウを面の下で睨み据えながら、千坐が言うと、ダンゾウは肩を竦める。
「仕方あるまい・・・里の・・・しかも、一般人もいる場所で戦わせるわけにもいかん。・・・だから、蒼藍に囮になってもらったのだ。・・・サイ達には・・・とりあえず、木ノ葉の忍を近づけるなと言っておいたからな、お前達も排除の対象になったんだろう。」
「そんな、ハタ迷惑な・・・。しかし、これじゃ、手が出せないねぇ・・・。」
呆れたよう言ってから、カカシはナルトと樹の戦いを見て、眉を顰めた。
「鋭裏が来れば、また違うと思うが・・・。」
千坐が呟けば、ダンゾウが頷く。
「サイ達はお前達がのしてしまったのだろう?だとしたら、もうすぐ着くのではないか?」
「・・・ああ、ナルホド、あの子達は、シカマル君対策なワケね。・・・ナルトもシカマル君を巻き込みたくないっていうのはわかるけど・・・こんなことしたら、逆効果だと思うんだけどねぇ。」
カカシはそう言って、肩を竦める。
「!・・・里内にシカマルの気配は無い。・・・気配を消しているのだとしたら、黒神の力か?」
気配を探っていた千坐が呟くのと同時に、黒い光がナルトと樹の間に走る。
「「!!」」
慌てて距離を取ったナルトと樹は、その場に現れた黒い物体を見つめた。
「・・・え、鋭裏?」
まさかという思いで呟くナルトの前で、黒い物体がどろりと溶けて、中から鋭裏の姿に変化したシカマルが出てくる。
「・・・蒼藍、お前、後で説教してやるからな・・・覚えとけよ*」
相当怒っているらしいことが、声音だけでもわかるのだが、切れ長の黒い瞳に睨まれるとその恐ろしさも倍増である。
「うっ・・・ご、ごめんなさい;」
思わず素で謝るナルトに、シカマルはフッと溜め息をついた。
「・・・さて、あんたが樹か。・・・一応、初めましてだな。俺は鋭裏。蒼藍のパートナーだ。公的にも私的にも、な。」
二ヤリ、と笑うシカマルに、呆然としていた樹はハッと我に返って睨みつけた。
「お前・・・まったく気配を掴ませなかったな・・・どういうことだ?」
「んあ?・・・ああ、そりゃ、あれだ。俺は黒神の力を使役しているからな。」
「こ、黒神だと!?・・・あんな気難しい狼神を・・・なるほど、九尾のパートナーには相応しいということか・・・だが、そんなことは関係ない!蒼藍は俺が連れ帰る!!」
「させるかよ!!」
ギィン!
金属のぶつかりあう音。樹と互角に渡り合うシカマルに、ナルトは目を丸くした。
「・・・すっごい・・・。」
「・・・チャクラ・・・少なかったからなッ!・・・一応、体術を中心とした戦い方を、マスターしてたんだよ!」
樹の攻撃を防ぎながら、シカマルが答えるのに、ナルトはああ、と納得の声をあげた。
「・・・っく!」
悔しそうに表情を歪める樹に、シカマルは両手を天にかざし、そのまま交差するように振り下ろす。
「“黒炎絶刃”・・・っぅりゃぁッ!!」
黒い刃がその両の手から放たれ、樹に向かっていく。
「っ!?」
避けようとするが、その刃は、意思を持っているかのように樹の後を追う。
「それは、黒神の力の一部だ。どこまでも追っかけてくぜ?」
黒い刃を避けきれずに、右わき腹と左足を深く抉られ、樹はがくりとその場に足をつく。
「・・・っはぁ・・・くっ・・・。」
「諦めな。・・・わりぃが、こいつは俺んだ。」
見下ろすシカマルをギロリと見上げ、樹は悔しそうに唇を噛む。
「鋭裏、と言ったな・・・その名、決して忘れんぞ!!」
そう言うや否や、樹の姿が消える。
「・・・消えた、か。・・・気配も近くにはねーな。」
やれやれと首を振り、シカマルはポカンとしているナルトを振り返る。
「そんな、ポカンとした顔して・・・俺は足手まといって思われてたってことか?」
「・・・ちがっ・・・。」
「・・・はぁ。わかってるっつーの。・・・お前のことだから、巻き込みたくねーとか、関わらせたくねーとかそんな理由だろ?」
シカマルは呆れたようにそう言って、ナルト(蒼藍の姿)の銀色の髪を撫でる。
「ったく、しょうがねぇ奴だな。」
「・・・ごめん・・・シカ。」
しゅんとしたナルトを見て、目元を和らげたシカマルは、スッとカカシや千坐、ダンゾウの方を向く。
「・・・じゃ、後始末よろしく。俺ら、アカデミーに戻るんで。」
「へ!?・・・あ、ああ。わかったよ。」
カカシが慌てて応じると、シカマルはこくりと頷く。そして、スッとシカマルが右手をあげると、黒い影に2人は飲み込まれて、その影ごとその場から消えてしまう。
「・・・うは~・・・すっかり、黒神の力を使いこなしちゃってるねぇ・・・。」
感心したように言うカカシに、同意するように頷いて、千坐はくつりと笑った。
「あれはいいコンビになるぞ。」
「うん。・・・シカマル君にも二つ名を用意しなくちゃねぇ。」
「・・・“銀の月”の相棒か。・・・フム、あの力もなかなかに面白いからの。・・・“月影(げつえい)の刃”というのはどうだ?」
2人の会話に割り込んだダンゾウの言葉に、カカシと千坐は一瞬ギョッとし、そして、なるほど、と頷く。
「・・・ああ、それ、良いですねぇ。」
「確かに合っていますね。・・・定着も速そうだ。」
「・・・では、意図的に“根”が流しておこう。・・・では、お主等にやられた子供達を回収して、帰るとするかな。」
ダンゾウが厭味たっぷりに言えば、カカシと千坐は苦笑するしかない。
「お疲れ様です。」
「・・・あんまり、ナルトをこき使わないで下さいね?」
「わかっておるわ。ワシとて九尾にどやされたことくらいあるわい。」
遠くを見てぼやいたダンゾウを見て、同じ被害に遭ったことのあるカカシと千坐は何とも言えない表情をうかべた。
「あ~・・・;」
「ご愁傷様です・・・。」
2人の労いの言葉に頷きつつ、ダンゾウはその場から瞬身の術で消える。
「・・・さて、俺達も後片付けして帰りますか。」
「そうだな。・・・国境の警備の連中にも知らせてやらんと。」
「・・・でも、ここまで這入られるっていうのもまずいよねぇ。ちょっと、鍛え直さなきゃ。」
「確かにな。」
警備に当たっていた者達には不幸なことを決定したカカシと千坐もその場から姿を消した。
数日後、里人に侵入者のことが伝えられたのと同時に、それを制圧した2人の忍のことが触れ回られた。“銀の月”とそのパートナー“月影の刃”。
瞬く間に広がったその名と功績は、当人達の耳にも当然入り・・・。
「・・・“月影の刃”か。・・・まあ、悪くねぇな。」
「そうだね。・・・カッコいいじゃん。」
自分の部屋で術書を眺めながら呟いたシカマルに、ナルトはニコリと笑みを向けた。
「ダンゾウが付けたんだってよ?カカシ君達が言ってた。」
「あー。聞いた。・・・まあ、認めてくれたってことかな?」
「そうなんじゃないの?・・・珍しいよ、ダンゾウが俺以外の暗部を認めるって。」
「へぇ・・・だとしたら、お前の心配事が一つ減ったな。」
ニッと笑ったシカマルが、ナルトを抱き寄せる。
「・・・?」
「“根”に関わらせたくなかったみて―じゃねーか。」
「・・・ああ、うん。そうだね。あんまり、関わると、良くないって・・・俺、言ってたよね。」
「これで、安心だろ?」
「・・・うん///」
シカマルに柔らかく微笑まれ、ナルトは頬を赤く染めながら、こくりと頷いた。
「よし・・・じゃあ、明日っから、お前が“根”に行く時は俺も付いてくぞ。」
「ええ!」
「だって、心配だろうが。」
「・・・シカってば・・・過保護。」
真顔で返されて、ナルトは苦笑をうかべた。
「当然。・・・俺のもんに手ぇ出されるのは、腹立たしいからな。」
「俺のもんって///・・・もう、恥ずかしいこと、言わないでってば。」
恥ずかしさのあまりシカマルの胸に顔を押し付けたナルトに、シカマルはにやりと笑った。
「恥ずかしくもなんともねーだろ?・・・ナルは俺のもんだ。・・・もちろん、俺はナルのもんだからな?」
ナルトからの返事は無い。だが、かすかに、胸の中にいるナルトが頷いたのに気づいたシカマルは満面の笑みをうかべたのだった。
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・最年少暗部シリーズをお読みになりましたか?(大前提ですよ?)
・スレシカスレナルです!
・二次創作であることをお忘れなく
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
その夜、奈良家にやって来たナルトは、任務でいないシカクを除いた奈良家の面々、つまり、ヨシノとシカマルと遅い夕飯を食べていた。
「なぁ、ナル。今日・・・。」
「シカ、ちょっと、大事な話があるんだ。」
シカマルの言葉を遮り、ナルトが下を向いたまま呟く。
「・・・?・・・ああ。」
訝しげにするシカマルと視線を合わせようとしないナルトに、ヨシノは“倦怠期かしら?”などと他人事のように考える。
夕食を食べ終え、シカマルの部屋に行くと、ベッドの上に座り、2人は向き合った。
「・・・あのね、シカ。・・・俺、シカに黙ってたことがあるんだ。」
「・・・ああ。」
真剣な表情のナルトに、シカマルも表情を引き締める。
「実は・・・俺・・・“根”と交流を持ってるんだ。」
「は?」
首を傾げるシカマルに、ナルトは、困ったように眉を顰める。
「“根”と関わるなって、あれほどシカに言ってたんだけど・・・俺、これから、ちょくちょく“根”に行くことになると思うんだ。」
「何でだ?・・・まさか、脅されてるってことはねーよな?」
「無い無い。それは大丈夫だよ。・・・“根”の子供達に、少し忍としての心得を教えて欲しいと言われたんだ。」
「へぇ・・・。」
二ヤリ、と笑ったシカマルを、ナルトは上目遣いに見やる。
「怒って・・・ない?」
「怒ってねーよ。・・・お前はともかく、俺らにとっちゃ“根”は関わらないに越したことはねーってことだろ?」
肩を竦め、シカマルはナルトの頭を撫でる。
「・・・うん。ごめんね、シカには隠し事をしたくないんだけど・・・でもね、やっぱり、一気に全部を話せなくて・・・。」
「良いって。俺らがこうやって互いの本性さらけ出して付き合い始めたのなんて、つい最近なんだ。一気に全部話すなんて、無理だろ?・・・俺だって、まだ、全部話したわけじゃねー。」
「そう、だよね・・・シカ、ありがと。」
「おー。」
シカマルは微笑んで、ナルトの腕を掴み、抱き寄せる。
「・・・いつも言ってっだろ、気ぃ遣うなって。」
「うん。」
「俺も、気ぃ遣わねーから。」
「・・・うん。」
シカマルの胸の中に顔を埋めて、ナルトはこくん、と頷く。
「・・・今日も、ボーっとしてたな。キバが心配してたぞ。」
「うん。気付いたよ。・・・でも、どうしても樹のことが気になってさ。」
「・・・そうか。」
「だけどね、“根”の子供達の面倒を見る代わりに、樹のことを調べてくれるって・・・ダンゾウが。」
ナルトの言葉に、なるほど、とシカマルは頷く。
「そっか。良かったな。・・・これで、気になってたことが解消されるじゃねーか。」
「そうなんだけど。・・・何で気になるかってこと、言ってなかったよね?」
「ああ。」
「・・・嫌な予感がするんだ。」
「嫌な予感?」
首を傾げるシカマルに、ナルトは頷く。
「・・・里に、攻めてくるんじゃないかって・・・。」
「樹がか?」
シカマルの確認に、ナルトは視線を揺らした。
「多分・・・。ずっと嫌な感じが、胸の奥でもやもやしてて・・・怖いんだ。皆が巻き込まれたらどうしようって。」
「そうか・・・そう思うなら、カカシさんとかにも、ちゃんと話さねーとな?」
そう言われて、ナルトは苦笑した。
「うん・・・そうだね。正直に話すよ。」
次の日・・・
ナルトに説明を受けたカカシは、眉根を寄せて唸った。
「ナルホド。それで、ナルトがやけに気にしてたワケね。・・・そういうことなら言ってくれれば良かったのに。・・・どこで遠慮なんて覚えたの?」
「だって・・・樹のことを口にすると、カカシ君も千坐君も必死な表情で関わるなって言うから・・・。」
ぼそぼそと言うナルトに、カカシは苦笑した。
「そっか。・・・言い辛かったんだ。ごめーんね、ナルト。」
なでなでと頭を撫でれば、ナルトは目を細めて笑みをうかべる。
「うん・・・ふふ、カカシ君のおっきな手は温かくて安心する。」
その言葉を聞いて、シカマルは単純に訊ねたくなって、己を指差す。
「なー、ナル。俺は?」
「・・・シカのは・・・ドキドキする///」
ほんのり頬を赤く染めるナルトに、シカマルはかぁ~ッと顔が熱くなるのを自覚する。
「そ、そーか///」
「あらら、ラブラブだね。」
「「・・・ッ///」」
くつくつと笑うカカシに、ナルトとシカマルは更に顔を真っ赤にして、うつむいてしまう。
パカン!!
「あイタッ!」
突如叩かれて、カカシは頭を押さえる。気配を感じさせる間もなくこんなことをカカシにできるのは、目の前にいるナルトともう一人・・・。
「千坐~・・・痛いんだけど。」
「2人をからかって楽しむんじゃない。」
「え~。だって、可愛いんだよ~?」
「嫌われるぞ。」
「うっ・・・。」
黙り込んだカカシを脇に避け、千坐はシカマルの前に立つ。
「こっちはちょくちょく君のことは見ていたから、そんな感覚は無いんだが、一応、はじめましてと言っておこうか?・・・ナルトの教育係筆頭の1人、千坐だ。よろしくな。」
「あ、よ、よろしくおねがいします!!」
スクッと立ち上がり、ビシッと姿勢を正したシカマルを見て、カカシは苦笑をうかべた。
「さっすが千坐~、新人をビビらせるのは天下一品だね。」
「からかうなと言っているだろう。・・・お前がそんな風に飄々としているから、俺がこうやって締めなければならないんだろうが。」
「えぇ~、俺のせい~?」
「そう言っている。・・・少しは自覚しろ!」
「だって、もう、イメージ固定されてるから、今更じゃないの?」
「・・・かぁかぁ~しぃぃ・・・・。」
唸る千坐を後目に、カカシはにっこりと笑って、ナルトとシカマルに言った。
「2人とも、危ない真似はしないようにね?自分達で動こうとしないこと。・・・いくら強いって言ってもね、相手も同じレベルなら、数が勝る方が勝つんだから。」
「「はぁい。」」
渋々といった様子を隠そうともせずに頷くナルトとシカマルに、カカシはクツクツと笑う。
「はい、正直で大変よろしい。・・・でも、ま、さすがに木ノ葉に攻めてくるようなら、周辺警備の連中が気付くだろうし、“根”の連中も黙ってないでしょ。」
カカシの言うことも尤もなので、ナルトはこくん、と頷く。
「カカシ君、それでも、もし、あいつが攻めてきたら・・・俺は、率先して闘うよ。」
「チョイ待て、ナル。・・・奴の狙いは、蒼藍なんだろ?なら、ナルトの姿で狙われるってことはねーよな?」
ふと気付いたようにシカマルが問えば、ナルトは首を傾げる。
「わかんない。・・・でも、多分、俺=蒼藍っていうのを気付いてるかもしれない。・・・以前、会った時に、そんなことを言われたから。」
「へぇ・・・なるほどね。じゃあ、対策をたてねーとな。アカデミーで狙われたりした日にゃ、周りの連中まで巻き込んじまって、ヘタすりゃ、人質に取られたりしかねねねぇ。」
「そうだねぇ・・・なるべく、ナルトの傍には俺か千坐が張り付くようにしてるけど・・・奴の情報が入ったらすぐにナルトに伝えられるようなサインか何かを決めておこうか?」
カカシが言えば、ナルトとシカマルが互いに視線を合わせる。
「シカ、どうする?」
「あ~・・・暗部鳥は?」
「ああ、良いねぇ、あれなら、忍にだけわかるように飛ばせるしね。」
「だが、あれは招集をかけるのと間違えそうだからな・・・どうやって飛ばすかが問題だな。」
納得するカカシと、唸る千坐。それを見て、シカマルがポン、と手を打つ。
「なら、なんか持たせたらどうっスか?書簡を持たせる要領で、こう、一発で目につくような・・・。」
「あ、そっか。・・・なら、情報が入ったら黄色い布を足首に巻いて、樹が近づいてるっていう状況なら、緑の布を巻くとかは?」
「それイイね!・・・ね?シカ?」
「そうだな。・・・あ~、じゃあ、カカシさん、それ、暗部の皆にも話して貰ってイイっすか?」
ニコニコと同意を求めるナルトに笑んで見せ、シカマルはカカシを見る。
「いいよー。・・・ナルトは“根”の方に伝えてね?」
あっさり頷いたカカシがほんの少し含みを持たせて言うと、ナルトは苦笑いをうかべる。
「・・・うん。わかった。・・・まあ、予感だけで終わってくれれば一番良いんだけど・・・。」
「そうだねぇ・・・。」
「まったくだな。・・・今回ばっかりはナルトの勘が外れるように祈るばかりだな。」
ナルトの言葉に頷き、カカシと千坐は溜め息をついた。
そして、それから4日後。
「・・・なあ、ナルトー。」
不意にキバに名前を呼ばれたナルトは、首を傾げて振り返る。
「何だってばよ?」
「・・・おまえさぁ、最近・・・生活環境でも変えたか?」
「ふぇっ!?」
いきなりの問いかけに、思わず素に戻りかけて、慌ててナルトはドベの仮面を被りなおす。
「・・・何言ってるんだってばよ、キバは。」
「いやさ、なんか、雰囲気、違うっつーか、匂いが変わったっつーか。」
そう言ったキバに、ナルトは背中に冷や汗をかきながら答える。
「に、匂いって・・・一応、毎日風呂は入ってるってばよ!!」
「ああ、いや、そうじゃなくてだな・・・ああ、くそ!!なんつったら良いか分かんねー!!」
「おいおい、逆ギレかよ・・・。」
内心焦っていたシカマルも、キバのもどかしそうにする様子を見て、ナルトが演じていることを気付かれたわけではないと確信し、はぁ、と溜め息をつく。
「・・・だが、少し安定したのは確かだな。」
ぬっと現れたシノにギョッとしつつも、ナルトは眉を顰める。
「安定、って、何だってば?」
「以前は感情にむらがあったように見えた。今は、随分と落ち着いているように見えるし、感情の落差も少なくなった。・・・相変わらず、馬鹿騒ぎをするのはどうかと思うが、以前のむらがある時の騒ぎ方とは違って、安心して見ていられる気がするな。」
「・・・はぁ?わっかんねーってばよ。」
ナルトが心底不思議そうな表情をうかべると、シノはそうか、と呟く。
「・・・わり、シノ、俺もわかんねー。」
「ボクもわかんない・・・。」
「あ~・・・つまりは、だ。ナルトの感情のアップダウンの差が小さくなったってことだろ?」
キバもチョウジも首を傾げるので、仕方無しにシカマルが補足を入れると、3人が、おお~、と感嘆の声をあげる。
「・・・お前ら、わかってっか?ホントに。」
シカマルが半眼になると、3人は揃って首を横に振った。
「「「全然。」」」
「おい・・・。」
カチンときたシカマルが立ち上がると、キバとチョウジが慌てて回避行動を開始する。が、ナルトだけがフッと窓の外を見て、かちん、と固まった。
「・・・ナルト?」
訝しむようにシノが名を呼ぶと、ナルトはすう、と目を細め、口の端をクッとつりあげた。
「来たな・・・樹。」
ナルトの呟きに反応したのは、シカマル、ではなく、サスケだった。教室の隅で静かにしていたサスケがすごい勢いでナルトの傍に駆け寄り、その胸ぐらを掴んだ。
「今、なんて言った!!?」
いつに無いサスケの様子に、クラス中がシーンとする。
「樹って・・・言ったんだってばよ。」
あくまでドべを演じるナルトと、焦りのせいでいつものクールな仮面が脱げているサスケの掛け合いに、シカマルはハラハラとする。
「何、落ち着いてやがる!!・・・今すぐここから出るぞ!!」
「サスケこそ、何慌ててるってばよ。・・・そんなに乱暴にされたら、影が消えちまうってば。」
影、の一言に、言われたサスケはポカンとする。
影、ということは、目の前にいるナルトは影分身。つまり、今日は最初から影分身だったのだろう。知っていたのか、とシカマルに問おうとして、シカマルに視線をやったサスケはまたもポカンとした。
シカマルもまた、ポカン、とナルトを見ていたからだ。
「・・・あ・・・あんの、バカッッ!!」
顔を蒼白にしたシカマルは、バッと身を翻し、そのまま教室を出ていく。
「・・・シカマルにも黙ってたのか。」
「怒られるってばねー・・・。」
ナルトの影分身がヘラヘラと笑うので、サスケはがくりと肩を落とした。
「・・・で、どういうことだよ?」
話についていけない面子を代表するかのように、キバが問う。
「・・・どういうコトって、まあ、シカマルにお客さんが来ることを俺が伝えてなかっただけだってばよ?」
「はぁ?・・・それだけじゃねーだろうがよ。サスケがそんなに慌てて、めんどくさがりのシカマルがあんな顔面蒼白状態で向かう相手って、どんな客だよ。」
「・・・おい、ナルト・・・。」
サスケの眉間のしわが深くなるのを見て、ナルトの影分身はニコリと笑った。
「心配無いってばよ。・・・忘却の術。」
フワリ、と羽根が散ると、バタバタとクラスの面々がその場に倒れる。
「・・・荒技だな。」
「はは。だってさ、ここで大人しくしてて貰えるし?説明する必要もなくなるし、一石二鳥じゃん。」
溜息をついたサスケにそう言って、ナルトの影分身は窓の外を眺める。
「それよりか、シカマルの方が心配だなぁー。本体に何も知らされなかったこと、すっごいショックだと思うし。」
「・・・知らねぇぞ、俺は。」
「あは。俺もー。」
にぱvと笑い、ナルトの影分身はポン、という軽い音をたてて消えた。
「影の役目は終了か。・・・半日分の維持と忘却の術を使う分だけのチャクラだけを込めといたってとこだな。相変わらず器用な真似しやがる。」
呆れ半分、感心半分の言葉を呟いて、サスケは窓に近づいて、外を眺めた。
「・・・頼むぜ、シカマル。」
一方、本体のナルトは、蒼藍の姿で里の入口の木の枝に座り、足をプラプラとさせていた。
「・・・良いのか?」
とん、と隣に瞬身の術で現れたのは、“根”のリーダー、ダンゾウ。
「何が?」
「お前の恋人のことだ。」
「・・・ああ・・・大丈夫だよ。影が今消えたから・・・こっちに向かってる。」
「・・・黙っていたことを責められるぞ?」
くつくつと笑うダンゾウに、ナルトは肩を竦めた。
「うん。・・・でも、あいつに会わせたくないんだよね。だからさ・・・。」
「サイ達に足止めを命じた。・・・だが、黒神の力を持つあやつに、どれだけ対抗できるか・・・ワシにもわからん。」
「そう。・・・じゃあ、それまでに、ケリをつけないと。」
そう言ってナルトが立ち上がり、視線を向けた先にいたのは、白い豹。
「・・・今日は、陰陽転化の術を使ってから来たんだな。」
すぅ、と赤い瞳を細め、その白豹を見やる。
「・・・木ノ葉の警備網を突破するには、こちらの方が楽だからな。」
言葉を話すのには適さない動物の口の構造上、くぐもった声で応答すると、その白豹の身体がぐにゃりと溶ける。
「成程、アレが陰陽転化の術、というわけか。・・・初めて見たが、なかなか便利そうな術だ。これが血継限界の為せる技というわけだな。」
樹が人型へと戻っていくその過程を見やりながら、感心したように呟き、ダンゾウは身構える。
「フォローは必要か?」
「・・・うん。お願い。」
素直にナルトが頷くと、ダンゾウは、ニヤリと笑う。
「暗部共はどうした?まさか我ら“根”だけを頼りにしているわけでもあるまい?」
「もうそろそろ来るんじゃない?・・・俺のチャクラを感じたら、カカシ君や千坐君は一発でこの場所がわかるだろうしね。」
「成程・・・っ!?」
ダンゾウが頷いた瞬間、その脇をクナイが通り過ぎる。
「おまえか・・・いつも、俺を追いかけ回す連中の長は。」
樹がギロっと睨んできて、ダンゾウは背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
「“根”はそれが仕事だ。・・・里に害をもたらす者は、徹底的に叩き潰す。その為の調査だ。」
それを聞いた樹は、フィ、とダンゾウから視線を外し、ナルトへと視線を向ける。
「・・・木ノ葉の中にあった、お前のチャクラを目指してきたが、突然その場所が変わった。あれは影分身か?」
「・・・やっぱり、お前は、俺の正体に気づいてたのか。」
「・・・尾獣のチャクラは、特殊だ。わかる奴にはすぐわかる。」
「へぇ・・・。」
肯定した樹に、ナルトは目を細める。
「で、俺を殺しに来たんだろう?」
「もちろん・・・と言いたいところだが、事情が変わった。」
「は?」
眉を顰めるナルトに、樹はにやりと笑った。
「尾獣を狙う組織の話は知っているか?」
「ああ。・・・暁、な。」
「奴らを敵に回すのはさすがに厄介だ。ただし、お前が奴らに捕まるのも許容しかねる。」
「で?・・・俺をどうしようって?」
くす、と笑ったナルトは、チャクラを練り上げて、いつでも仕掛けられるように身構える。
「無理やり連れ帰る。・・・お前は、木ノ葉の忍だと思っているかもしれないが、渦の国の忍でもある。」
「!?」
樹の言葉に、ナルトとダンゾウは目を丸くする。
「・・・お前、どこまで知ってる?」
「さて、な。」
余裕を見せる樹に、ナルトは、ムッとする。ナルトの母、クシナが渦の国の忍だったことを知っている者は、ごく僅か。それ以上に、他国の忍がナルトの両親を知っていること自体が、おかしいのだ。
「樹、お前、何者?」
眉を顰めたナルトに、樹は笑みを見せた。
「俺は・・・元渦の国の忍、この血継限界のせいで散々酷い目にあったが、お前の母に随分と助けられたものだ。」
「!?」
「うずまきクシナは、俺の憧れだった。・・・お前の戦い方はクシナそっくりだ。それに、父親である波風ミナトにもな。・・・ミナトはクシナを奪った憎い男だが、2人の子どもであるお前に罪は無い。・・・我が主に嘆願し、お前を受け入れる許可を得た。・・・だから・・・。」
クナイを握りしめた樹が、ナルトの懐に一気に入ってくる。
「っ!?」
「手足をもいででも、連れて行く!!」
印を組む暇も与えないそのクナイの攻撃に、ナルトは避けるだけで精一杯となる。ナルトとて、接近線が不得手なわけではないのだが、時空間忍術を基本としての戦いが多い為に、印を組めないこの状況は拙かった。
「な・・・蒼藍が圧されるなど・・・。」
その攻防を目で追いながら、手を出せずにいるダンゾウが呻く。
「・・・あちゃー・・・。」
「やはり、こうなってしまったか。」
そのダンゾウの傍に、2人の暗部が瞬身で現れる。
「!・・・カカシと・・・千坐、か。」
「ダンゾウ様・・・まさか、蒼藍と先行してるとは思いませんでしたよ。しかも、途中で“根”のガキどもに邪魔されたし。」
驚くダンゾウを面の下で睨み据えながら、千坐が言うと、ダンゾウは肩を竦める。
「仕方あるまい・・・里の・・・しかも、一般人もいる場所で戦わせるわけにもいかん。・・・だから、蒼藍に囮になってもらったのだ。・・・サイ達には・・・とりあえず、木ノ葉の忍を近づけるなと言っておいたからな、お前達も排除の対象になったんだろう。」
「そんな、ハタ迷惑な・・・。しかし、これじゃ、手が出せないねぇ・・・。」
呆れたよう言ってから、カカシはナルトと樹の戦いを見て、眉を顰めた。
「鋭裏が来れば、また違うと思うが・・・。」
千坐が呟けば、ダンゾウが頷く。
「サイ達はお前達がのしてしまったのだろう?だとしたら、もうすぐ着くのではないか?」
「・・・ああ、ナルホド、あの子達は、シカマル君対策なワケね。・・・ナルトもシカマル君を巻き込みたくないっていうのはわかるけど・・・こんなことしたら、逆効果だと思うんだけどねぇ。」
カカシはそう言って、肩を竦める。
「!・・・里内にシカマルの気配は無い。・・・気配を消しているのだとしたら、黒神の力か?」
気配を探っていた千坐が呟くのと同時に、黒い光がナルトと樹の間に走る。
「「!!」」
慌てて距離を取ったナルトと樹は、その場に現れた黒い物体を見つめた。
「・・・え、鋭裏?」
まさかという思いで呟くナルトの前で、黒い物体がどろりと溶けて、中から鋭裏の姿に変化したシカマルが出てくる。
「・・・蒼藍、お前、後で説教してやるからな・・・覚えとけよ*」
相当怒っているらしいことが、声音だけでもわかるのだが、切れ長の黒い瞳に睨まれるとその恐ろしさも倍増である。
「うっ・・・ご、ごめんなさい;」
思わず素で謝るナルトに、シカマルはフッと溜め息をついた。
「・・・さて、あんたが樹か。・・・一応、初めましてだな。俺は鋭裏。蒼藍のパートナーだ。公的にも私的にも、な。」
二ヤリ、と笑うシカマルに、呆然としていた樹はハッと我に返って睨みつけた。
「お前・・・まったく気配を掴ませなかったな・・・どういうことだ?」
「んあ?・・・ああ、そりゃ、あれだ。俺は黒神の力を使役しているからな。」
「こ、黒神だと!?・・・あんな気難しい狼神を・・・なるほど、九尾のパートナーには相応しいということか・・・だが、そんなことは関係ない!蒼藍は俺が連れ帰る!!」
「させるかよ!!」
ギィン!
金属のぶつかりあう音。樹と互角に渡り合うシカマルに、ナルトは目を丸くした。
「・・・すっごい・・・。」
「・・・チャクラ・・・少なかったからなッ!・・・一応、体術を中心とした戦い方を、マスターしてたんだよ!」
樹の攻撃を防ぎながら、シカマルが答えるのに、ナルトはああ、と納得の声をあげた。
「・・・っく!」
悔しそうに表情を歪める樹に、シカマルは両手を天にかざし、そのまま交差するように振り下ろす。
「“黒炎絶刃”・・・っぅりゃぁッ!!」
黒い刃がその両の手から放たれ、樹に向かっていく。
「っ!?」
避けようとするが、その刃は、意思を持っているかのように樹の後を追う。
「それは、黒神の力の一部だ。どこまでも追っかけてくぜ?」
黒い刃を避けきれずに、右わき腹と左足を深く抉られ、樹はがくりとその場に足をつく。
「・・・っはぁ・・・くっ・・・。」
「諦めな。・・・わりぃが、こいつは俺んだ。」
見下ろすシカマルをギロリと見上げ、樹は悔しそうに唇を噛む。
「鋭裏、と言ったな・・・その名、決して忘れんぞ!!」
そう言うや否や、樹の姿が消える。
「・・・消えた、か。・・・気配も近くにはねーな。」
やれやれと首を振り、シカマルはポカンとしているナルトを振り返る。
「そんな、ポカンとした顔して・・・俺は足手まといって思われてたってことか?」
「・・・ちがっ・・・。」
「・・・はぁ。わかってるっつーの。・・・お前のことだから、巻き込みたくねーとか、関わらせたくねーとかそんな理由だろ?」
シカマルは呆れたようにそう言って、ナルト(蒼藍の姿)の銀色の髪を撫でる。
「ったく、しょうがねぇ奴だな。」
「・・・ごめん・・・シカ。」
しゅんとしたナルトを見て、目元を和らげたシカマルは、スッとカカシや千坐、ダンゾウの方を向く。
「・・・じゃ、後始末よろしく。俺ら、アカデミーに戻るんで。」
「へ!?・・・あ、ああ。わかったよ。」
カカシが慌てて応じると、シカマルはこくりと頷く。そして、スッとシカマルが右手をあげると、黒い影に2人は飲み込まれて、その影ごとその場から消えてしまう。
「・・・うは~・・・すっかり、黒神の力を使いこなしちゃってるねぇ・・・。」
感心したように言うカカシに、同意するように頷いて、千坐はくつりと笑った。
「あれはいいコンビになるぞ。」
「うん。・・・シカマル君にも二つ名を用意しなくちゃねぇ。」
「・・・“銀の月”の相棒か。・・・フム、あの力もなかなかに面白いからの。・・・“月影(げつえい)の刃”というのはどうだ?」
2人の会話に割り込んだダンゾウの言葉に、カカシと千坐は一瞬ギョッとし、そして、なるほど、と頷く。
「・・・ああ、それ、良いですねぇ。」
「確かに合っていますね。・・・定着も速そうだ。」
「・・・では、意図的に“根”が流しておこう。・・・では、お主等にやられた子供達を回収して、帰るとするかな。」
ダンゾウが厭味たっぷりに言えば、カカシと千坐は苦笑するしかない。
「お疲れ様です。」
「・・・あんまり、ナルトをこき使わないで下さいね?」
「わかっておるわ。ワシとて九尾にどやされたことくらいあるわい。」
遠くを見てぼやいたダンゾウを見て、同じ被害に遭ったことのあるカカシと千坐は何とも言えない表情をうかべた。
「あ~・・・;」
「ご愁傷様です・・・。」
2人の労いの言葉に頷きつつ、ダンゾウはその場から瞬身の術で消える。
「・・・さて、俺達も後片付けして帰りますか。」
「そうだな。・・・国境の警備の連中にも知らせてやらんと。」
「・・・でも、ここまで這入られるっていうのもまずいよねぇ。ちょっと、鍛え直さなきゃ。」
「確かにな。」
警備に当たっていた者達には不幸なことを決定したカカシと千坐もその場から姿を消した。
数日後、里人に侵入者のことが伝えられたのと同時に、それを制圧した2人の忍のことが触れ回られた。“銀の月”とそのパートナー“月影の刃”。
瞬く間に広がったその名と功績は、当人達の耳にも当然入り・・・。
「・・・“月影の刃”か。・・・まあ、悪くねぇな。」
「そうだね。・・・カッコいいじゃん。」
自分の部屋で術書を眺めながら呟いたシカマルに、ナルトはニコリと笑みを向けた。
「ダンゾウが付けたんだってよ?カカシ君達が言ってた。」
「あー。聞いた。・・・まあ、認めてくれたってことかな?」
「そうなんじゃないの?・・・珍しいよ、ダンゾウが俺以外の暗部を認めるって。」
「へぇ・・・だとしたら、お前の心配事が一つ減ったな。」
ニッと笑ったシカマルが、ナルトを抱き寄せる。
「・・・?」
「“根”に関わらせたくなかったみて―じゃねーか。」
「・・・ああ、うん。そうだね。あんまり、関わると、良くないって・・・俺、言ってたよね。」
「これで、安心だろ?」
「・・・うん///」
シカマルに柔らかく微笑まれ、ナルトは頬を赤く染めながら、こくりと頷いた。
「よし・・・じゃあ、明日っから、お前が“根”に行く時は俺も付いてくぞ。」
「ええ!」
「だって、心配だろうが。」
「・・・シカってば・・・過保護。」
真顔で返されて、ナルトは苦笑をうかべた。
「当然。・・・俺のもんに手ぇ出されるのは、腹立たしいからな。」
「俺のもんって///・・・もう、恥ずかしいこと、言わないでってば。」
恥ずかしさのあまりシカマルの胸に顔を押し付けたナルトに、シカマルはにやりと笑った。
「恥ずかしくもなんともねーだろ?・・・ナルは俺のもんだ。・・・もちろん、俺はナルのもんだからな?」
ナルトからの返事は無い。だが、かすかに、胸の中にいるナルトが頷いたのに気づいたシカマルは満面の笑みをうかべたのだった。
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