Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・スレサススレナル
・最年少暗部設定(スレサスver)
・バラしネタ!
・サスケはイタ兄よりも強い設定
・二次創作であることをお忘れなく
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「さてと、今日は焔雷と蒼藍だけだったよね?・・・蒼藍はどこ?」
パン、と一つ手を打ち、カカシが空気を換えるように明るい声を出す。
「・・・アイツは、中だ。」
焔雷はナルトを抱えながら、扉を開け、皆を促しながら部屋の中に入っていく。
「・・・なんなんだ、アイツ。」
シカマルが眉間に深いしわを刻む。ナルトに馴れ馴れしい焔雷の様子にイラっとしたのだ。それは隣にいたキバも同じ思いだったようで、こくりと頷く。
「・・・なんでナルトのヤツ、あんなにべったり引っ付いてんだよ。」
そして、シカマルとキバは同じ思いを抱いているだろうもう1人の同期に視線を向ける。
「「・・・・!?」」
息を呑んだ2人。シカマルとキバが見たのは、うっすらと口元に笑みを浮かべたサスケの表情だった。その視線に気付いたのか、サスケがこちらを向く。
「?・・・なんだよ。」
「「イヤ。・・・なんでも。」」
サスケのあんな笑みは始めて見る。と思いながらも、背筋が寒くなるような感覚を受ける。まるで、何かを企んでいるような、その、笑顔に。
そして、全員が詰め所に入ると、スラリとした長身で少し長めの銀髪の暗部が出迎えてくれる。その面は白い狐。
「・・・銀の髪・・・白狐の面・・・“銀の月”蒼藍。」
呆然と呟くのは、アスマ。あまりにも有名すぎる忍が目の前にいるのだから、当然といえば当然なのだが。
「どうも、(この姿では)始めまして。アスマさん、紅さん。・・・それから、下忍の皆もな。」
にっこりと笑いながら、蒼藍は面を取ってみせる。
「・・・って、良いんですか!?素顔を晒してっ!」
ギョッとした紅が声をあげると、蒼藍は肩を竦める。
「あれ??訊いてなかったのか?・・・今日は、俺達の事を彼等に教えるようにっていう、三代目のたっての希望で、こんな交流会を開いたんだけど。」
なあ、と話を振られた焔雷も、ナルトを抱えたまま、あっさりと面を取る。
「ああ。・・・カカシには話が通っていたはずだが?」
カカシを軽く睨みつけるその瞳の色は、静かな水面を思わせる青。
基本、顔の造り自体はいじっていないナルトとサスケ。だが、色彩が全く違うために、そうとは気付かれにくい。
「おい。か、カカシ・・・。」
アスマに呼ばれ、カカシが振り返る。
「ははは。説明し忘れてたね・・・。」
困ったように笑う。どうやら本気で忘れていたらしい。
「おいおい・・・。勘弁してくれ。心臓に悪い。」
ガックリと肩を落とすアスマ。しかし、暗部のツートップの顔を拝めるのは、ラッキーとしか言いようがない。
「・・・っつーか、何考えてんだ?三代目は。」
まともなツッコミをしたのは、シカマルだ。
「俺達が表でも動きやすくする為だよ。」
「「「「「「表?」」」」」」
全員が首を傾げる。
「・・・ああ、俺達は、暗部専任じゃないからな。」
「そうそう。今のカカシ君みたいに暗部兼任だし。」
焔雷と蒼藍がサラッと爆弾発言をする。どっちに反応したものやら、ピキッと固まった一同を眺め、カカシは溜息をつく。
「・・・酷いなー。俺がまだ暗部兼任してるの暴露するなんて。」
「俺達とカカシ君は一蓮托生だろ?」
ニコッと笑えば、蒼藍の神秘的なイメージが崩れ、親しみやすさが溢れてくる。
「うあ、相変わらずの殺人的笑顔。・・・まぶしいねぇ。」
棒読みで言うカカシは、流石に慣れているから騙されない。
「ちっ、もったいねぇ。カカシ、今の蒼藍の笑顔、今すぐ返しやがれ。」
「えー。・・・どうやって返せっていうワケ?」
「とりあえず、忘れろ!記憶の彼方にフッ飛ばせ!」
かなり無理を言ってくれる焔雷に、地が出てるぞ、とカカシはぼやく。
段々と漫才のようになってきている2人の会話に、固まっていた一同が正気を取り戻す。
「・・・え、ええ?・・・これが、暗部のツートップ・・・嘘でしょ?」
サクラが呟く。確かに、と頷くのは固まっていた者達全員だ。
なかなかに受け入れがたい光景が目の前で繰り広げられている。・・・のらりくらりとかわすカカシに、ぎゃんぎゃんと噛み付く焔雷。(暗部のツートップの1人、一応。)思わず、偽者じゃないかと疑いたくなる。(確かに偽者。だって、影分身。)
「一応、嘘じゃないんだけど。」
脇から声がして、言い合う2人を除き、全員がギョッとしてそちらを見る。
いつの間にか言い合う2人そっちのけで、お茶を用意していたらしい蒼藍が、テーブルに一式を揃えていた。(ちゃっかりとナルトも焔雷から逃れて、蒼藍を手伝っていた。)
「・・・まあ、暗部って言ったところで、君らと大して変わらないさ。他愛ない話に花を咲かせたり、冗談を言ったり、あんな風に言い合ったり、ね。」
落ち着いた様子で話す蒼藍に、説得力があると思うのは、アスマと紅。
「・・・焔雷さんも、ずっとあんな感じなんですか?」
紅の問いに、蒼藍は苦笑しながら頷く。
「そう。あんな感じ。・・・でも、今日はとびっきりかな?カカシ君に噛み付くタイミングが早かったし。」
「タイミングって・・・いつもだったら、どうなんスか?」
「もうチョイ、我慢してるかな。・・・ま、君らがいるから、テンションがあがってるんだろ。それに、(変化した後の)素顔を暗部の仲間達以外に晒すのも初めてだから。」
「・・・あ、あの・・・それで、ど・・・どうして、私達、だったんです、か?」
シカマルに答える蒼藍に、意を決したようにヒナタが問う
「・・・いきなり確信だな。」
くつり、と笑う蒼藍に、ヒナタはビクリと怯えて、うつむく。
「ご、ごめんなさい。」
「いや、謝る必要は無いけどさ。・・・というか、そこなんだよね、本当に君らが疑問に思うべきは。」
蒼藍は皆に席に着くように勧めて、自分も席に座る。因みに、焔雷とカカシは言い合っているままだ。どうやら、蒼藍に丸投げしたらしい。軽く蒼藍は溜息をついて、自分を見つめる面々に視線を向ける。
「・・・少し、昔話をしようか。」
語ったのは、四代目火影の話。
「九尾を命がけで倒したことは有名だけど、その他の事はあまり知られて無いだろう?・・・例えば、四代目はカカシ君の担当上忍だったとか、木ノ葉の黄色い閃光という二つ名があったとか・・・・・・うずまきナルトの父親だったとか。」
「「「「「「!!!!?」」」」」」
息を呑み、皆がナルトに視線を向ける。
「・・・。」
ナルトは無言で蒼藍を見つめる。その様子が普段の様子と全く違うので、サクラが心配そうに見つめる。
「・・・四代目の名前は波風ミナト。この名も口にする者は少ない。」
「波風?・・・うずまきじゃないんですかー?」
イノが問う。ナルトの父親なら、うずまきであると思うのが自然だろう。
「まあ、いろいろあって、母親の姓を名乗らせてる。・・・ナルトの母親の名はうずまきクシナ。元渦の国のくノ一だった女性だよ。」
「その、いろいろってのは?」
次に口を開いたのはキバ。
「・・・遅かれ早かれ君らも耳にするだろうから、ここで告げてしまおうか。」
にこり、と笑う蒼藍の表情はさわやかだ。
「ま、待ってください!・・・三代目の緘口令が!!」
紅が立ち上がる。それを目で制して、蒼藍は肩を竦める。
「だから、それが、この任務なんだよ。・・・四代目が九尾を倒した。確かに、倒した。でも、それは、九尾の陰のチャクラだけだ。」
「陰のチャクラ・・・?」
「そう。・・・陰と陽、2つに分けられた九尾のチャクラ。その陰のチャクラを屍鬼封尽という術で滅ぼした。・・・では、残りの陽のチャクラはどこに行ったか?・・・わかるか?」
「・・・いろいろな事情、緘口令、で、九尾。・・・つまり、ナルトが関係してるってことかよ。」
シカマルが口にすると、蒼藍の笑みが深くなる。
「そう。これだけのヒントで言い当てるなんて、さすがだ。・・・つまり、九尾の陽のチャクラの器として、自分の息子を選んだ四代目は、四象封印を二重にかけた八卦の封印式で、その臍の緒に封じたワケだ。・・・これで面白くないのは、九尾に家族や親しい者を殺された里人達だな。ナルトが直接悪さをしたワケではないが、憎んだり、恨んだりした。」
その件まで来ると、皆の表情が硬くなる。気付かなかったわけじゃない。むしろ、公の場所で平然とナルトを蔑んだり、嫌悪の表情で見る大人だっていたのだ。
「まあ、その為に、暗部がナルトの監視兼護衛役及び教育係を請け負ったわけだ。・・・時には、暴力をふるう里人や忍もいたんでね。」
実際は時にはどころではない。大げさでなくても、ほぼ毎日、そんな仕打ちを受けていたのだ。
そのほとんどを受身で流していた幼い自分。ただただ、自分の存在を許して欲しかった。だが、その行為は大人しく受けていてもエスカレートするばかり。
だから、力を得た。だから・・・仮面をつけた。
「・・・酷い。」
ぽつり、と口にしたのはチョウジ。お菓子を食べる手を休めて、じっと蒼藍を見つめる。
「あなた達は、ナルトをずっと守ってきたんだね。」
「・・・守る、か。まあ、俺達の存在はその為にあると言っても良いな。」
「・・・では、俺達に話す事で表でも動きやすくなる、というのは、ナルトの護衛がしやすくなるということか?」
今まで黙って事の次第を見ていたシノが、話を戻す。
「・・・いや。・・・少し、違うな。・・・俺達の、俺と焔雷の表の姿は、“これ”じゃない。素性がバレるとマズイから、変化してるんだ。」
「今の姿自体が変化なんですか!?」
「そう。暗部用の姿。・・・おい!いつまで俺に丸投げしてるつもりだよ。焔雷!」
紅の問いに答えた蒼藍だったが、いい加減に後ろの騒ぎに腹が立ってきたのか、後ろを振り向いて不機嫌な声を出す。
ぎゃあぎゃあと後ろで騒いでいた焔雷とカカシは、その声にピタリと動きを止める。さすがに怒ったかと蒼藍の表情を伺う。
「・・・スマン。」
呆れたようにしているものの、目がマジだ。それだけで怒りのバロメーターが見えた焔雷は、素直に謝る。
「これは、俺と焔雷の任務だぞ。・・・俺がここまで話したんだから、後はお前がやれよ。」
「・・・って、一番重要なところじゃねぇか。・・・はぁ、まあいい。」
しっかりと今までの流れを聞いていた焔雷は、溜息一つと共に蒼藍の隣に座ると、今度は自分に向けられる視線を甘受する。
「・・・まあ、つまりだ。俺達は、お前達の側にいる誰か、という事だ。」
「え?・・・た、例えば・・・同じ、下忍、とか?・・・ま、まさかですよねぇ!」
うふふ。と笑うサクラに、焔雷はフッと笑う。
「いや、そのまさかだぜ、サクラ。」
焔雷のしぐさとその口調は誰かを髣髴とさせる。サクラはハッとその口調の持ち主を見た。他の下忍達も気付いたのか、同様に“彼”を見ている。
「・・・サスケ・・・君?」
「・・・当たりだ。」
サスケは今までの不機嫌な表情はどこに行ったとばかりにニコリと笑った。と、同時に焔雷がポン、という軽い音と共に消える。
呆然とする同期達に、サスケはしゃあしゃあと言ってのけた。
「アレは影分身だ。お前らが気付いた時点で術が解けるように仕組んでおいたんだ。」
― なんつー高度な。
アスマと紅はそんな難易度の高い術を使っているなんて、平然と口にするサスケに心の中で同時につっこむ。
「じゃあ、蒼藍さん、も?」
「そ。誰だか当てられるかなー?・・・当たったら、俺は消えるよ。影分身だからな。」
頬杖を付いて楽しそうに同期達を見やる蒼藍に、カカシは苦笑を浮かべる。
「ホントに、いたずら好きだよね。」
ポツリ。
溜息と共に呟いた声は存外、部屋に大きく響いた。
「「「「「「いたずら・・・?」」」」」」
全員がもしや、と思いながら呟く。
「・・・って、ナルトォ!!?」
キバが叫ぶと、蒼藍が苦笑を浮かべ、ポン、と消える。
「カーカーシーく~~~ん?」
ナルトがカカシを睨みながらゆらりと立ち上がる。
「ひぃっ!・・・ご、ゴメン!!ほんっとうに、ごめんなさい!許して!!」
カカシは何故だか怯えて後ずさる。それはそうだろう。相手はドベのナルトではない。思い切り本気を出せるのだから。
「・・・だ・めv」
にこぉっと笑うその笑顔は、大変可愛らしい。が、カカシは顔が真っ青だ。
「諦めろカカシ。・・・こいつの(楽しみの)邪魔をした、お前が悪い。」
サスケが清々しいと言わんばかりに笑顔をうかべる。
「・・・か、勘弁して?・・・ねっ、ナルト。」
「ふふふふふ・・・。俺、素でいたずら大好きだから?」
ナルトはむんずとカカシの腕を掴むと、空いている右手で片手印を組む。その印を見たカカシは更に顔を蒼白にする。
「ひーっ!!!その術はやめてー!!!(泣)」
「問答無用!!・・・時空間忍術“閉鎖闇”」
ずむ。
カカシの体が黒い球体に呑まれる。
「・・・“銀の月”お得意の時空間忍術。・・・マジでお前が蒼藍なのか、うずまき。」
アスマが戸惑いの表情で見つめてくるのに、ナルトはくつりと笑った。
「そうだってばよ?アスマ先生。」
「・・・嘘・・・じゃあ、第7班って・・・。」
サクラが呻くように言う。
「暗部の班みたいなもんだな。・・・表から見れば結構バランスの取れてる班だが、真実を知るものに取っちゃ、パワーバランスが悪すぎだろ。」
サスケが肩をひょい、と竦める。サクラは眩暈を感じてふらりと体を揺らす。
「っと。・・・大丈夫?サクラちゃん。」
倒れかかったサクラを軽く支え、ナルトは苦笑する。それを見たサクラは思わず頬を赤く染める。
「え・・・ええ。(カッコいーじゃない!しゃーんーなろーっ!)」
「・・・サクラ、お前もか。」
サクラの内なる声が聞こえた気がして、サスケの表情が曇る。表で好きだ好きだと連呼しているサクラが相手となると、ナルトだって悪い気はしないだろう。
「・・・な、ナルト君、す、すごかったんだね。」
こちらも頬を赤く染めたヒナタが、うっとりとナルトを見上げる。
「・・・;(そうだった、こいつもいたんだった。)」
サスケはあまりの害虫(サスケ談)の多さに、頭を抱える。これでは牽制どころの問題ではない。害虫を増やす一方だと気付く。
「・・・ともかく!ナルトと俺は暗部のツートップだ。これから、大きな騒動が起こる可能性がある。そのためにも、お前達に知っておいて貰わなけりゃならなかった。それはわかったな!?」
「ああ・・・で、その大きな騒動って何なんだ?」
シカマルが首を傾げると、サスケは少し考える素振りをした後、口を開く。
「・・・ある忍が、木ノ葉崩しを狙っている。俺達はそれを止めなきゃなんねぇ。だが、その際にお前らに気付かれる事無く動く事は、かなり厳しい。その時になってバレて説明しろだのと言われるのは、堪らないからな。だから、三代目の思惑(余計なお節介)にのってやる事にしたんだ。」
サスケの簡潔な説明に、皆が納得したように頷く。ナルトの事についても“蒼藍”が順を追って説明した所為か、すんなりと受け入れられていた。
「ごめんなさい。・・・ナルト、サスケ君・・・私、ずっと、足手まといだったのね。」
サクラがしんみりと呟く。恐らく、この中で一番ショックを受けているのは彼女だろう。同じ下忍として、班の仲間として、大変な任務だって懸命にこなしてきた。でも、それが、自分さえいなければ、簡単に成される事であったと、今更ながらに知らされたのだから。
「サクラ・・・それは。」
「そんな事無いよ。」
サスケの言葉をさえぎり、ナルトがサクラの手を掴む。
「俺達は、サクラちゃんが頑張ってる姿に、負けられないって思ってた。・・・な?サスケ。」
「ああ。・・・下忍の任務は面倒な事が多い。いい加減うんざりする事もある。だが、サクラが頑張ってる姿を見ると、俺達も頑張らなきゃなと思えたんだ。」
サスケはニヤリと笑ってみせ、ナルトの手ごとサクラの手を掴む。
「俺達は下忍第7班、スリーマンセルだろ?」
「・・・・・・ええ!!」
サクラに笑みが戻る。それを見たナルトとサスケは互いに視線を向け、ホッと安堵の笑みを浮かべた。
「・・・まあ、丸く収まったところでワリィんだが、カカシはあのままで平気なのか・・・?」
アスマがおずおずと訊ねると、ナルトがあ、と声をあげる。
「やべ。・・・解!」
慌てて術を解除し、カカシの傍に走り寄る。
「・・・あの、大丈夫?カカシ君。」
「~~~~酷いよ!あの術をかけられたヤツは、再起不能になる事だってあるんだって、ナルト、自分で言ったじゃない!!・・・勘弁してよ!発狂するかと思った!!!!」
完全に涙目のカカシがナルトに掴みかかる。
「・・・あ~・・・ゴメンね?」
コトリ。と首を傾げて、苦笑混じりに謝ったナルトは、カカシの頭を撫でる。
「後で、家にある禁術書、好きなだけ読ませてあげるからさ。ね?」
「・・・好きなだけ?」
「うん。・・・なんだったら、じいさまにおねだり(強請って)して、新しいの貰ってきてあげる。」
― っておい。そりゃまずいだろうがよ。
ナルトとカカシ、サスケ以外の全員が心の中でつっこむ。
「・・・じゃあ、新しいの2本強奪してきてくれたら・・・。」
― って、強請らせるんかい!!
アスマと紅が心の中でカカシにつっこむ。
「わかった。それで手を打とうね。・・・サスケ。」
「ああ。こっちは任せとけ。」
どんどんと話が進むが、皆はついていけていない。呆然と“じゃあ”と手を振って部屋を出て行ってしまうナルトを見送る。
「・・・ってかよ、俺ら、これからどうしたら良いんだ?」
皆の心の声を代表して呟いたのは、やはりというか、シカマルだった。普段からやる気なし、もとい、冷静な為に、立ち直るのも早い。
「ゆっくりしていけよ。任務はこれだけだし。ナルトもすぐ戻ってくる。・・・それに、もうちょっとしたら、任務で出てる他の暗部達も戻ってくるだろうしな。そしたら、紹介してやる。」
「へー。じゃあ、ゆっくりと待たせてもらうか。・・・ついでに、ナルトとサスケが暗部に入った経緯とか、聞かせてもらおうじゃねーか。」
ニヤリ。
シカマルが黒い笑みをうかべたのを見て、サスケも同様の笑みを浮かべる。
「・・・言っとくが、ナルトの隣に在るのは、常に俺のポジションだからな。」
「へえ、じゃあ、お前を倒せば、ナルトの隣のポジションが空くわけだな!」
サスケの挑発に乗ったのは、キバ。その上、無言でシノとヒナタが加わる有様だ。
「(ブチ)・・・いい度胸じゃねぇか。この際だから、ハッキリと教えてやるよ。」
そんなこんなで、本人のいない場所でナルト争奪戦が勃発したのだった。
「・・・サスケ君って、あんなだったんだ。」
その争いを見た某同班の少女が呟いたとか何とか。
*おまけ*
「・・・何、この有様。」
三代目におねだり(強請り)をして禁術書を手に入れてきたナルトは、キョトンとその惨状を見つめる。
「いや・・・えーと。サスケが暴走しちゃって。」
ナルトが喰らわせた時空間忍術が意外と尾を引いていたカカシでは止められなかったらしい。
「・・・あ、そう。・・・まあ、本気出したわけじゃないみたいだし。(本気なら皆死んでるっての。)良いんじゃない?」
「「「「「「良いわけあるか!!!」」」」」」
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「さてと、今日は焔雷と蒼藍だけだったよね?・・・蒼藍はどこ?」
パン、と一つ手を打ち、カカシが空気を換えるように明るい声を出す。
「・・・アイツは、中だ。」
焔雷はナルトを抱えながら、扉を開け、皆を促しながら部屋の中に入っていく。
「・・・なんなんだ、アイツ。」
シカマルが眉間に深いしわを刻む。ナルトに馴れ馴れしい焔雷の様子にイラっとしたのだ。それは隣にいたキバも同じ思いだったようで、こくりと頷く。
「・・・なんでナルトのヤツ、あんなにべったり引っ付いてんだよ。」
そして、シカマルとキバは同じ思いを抱いているだろうもう1人の同期に視線を向ける。
「「・・・・!?」」
息を呑んだ2人。シカマルとキバが見たのは、うっすらと口元に笑みを浮かべたサスケの表情だった。その視線に気付いたのか、サスケがこちらを向く。
「?・・・なんだよ。」
「「イヤ。・・・なんでも。」」
サスケのあんな笑みは始めて見る。と思いながらも、背筋が寒くなるような感覚を受ける。まるで、何かを企んでいるような、その、笑顔に。
そして、全員が詰め所に入ると、スラリとした長身で少し長めの銀髪の暗部が出迎えてくれる。その面は白い狐。
「・・・銀の髪・・・白狐の面・・・“銀の月”蒼藍。」
呆然と呟くのは、アスマ。あまりにも有名すぎる忍が目の前にいるのだから、当然といえば当然なのだが。
「どうも、(この姿では)始めまして。アスマさん、紅さん。・・・それから、下忍の皆もな。」
にっこりと笑いながら、蒼藍は面を取ってみせる。
「・・・って、良いんですか!?素顔を晒してっ!」
ギョッとした紅が声をあげると、蒼藍は肩を竦める。
「あれ??訊いてなかったのか?・・・今日は、俺達の事を彼等に教えるようにっていう、三代目のたっての希望で、こんな交流会を開いたんだけど。」
なあ、と話を振られた焔雷も、ナルトを抱えたまま、あっさりと面を取る。
「ああ。・・・カカシには話が通っていたはずだが?」
カカシを軽く睨みつけるその瞳の色は、静かな水面を思わせる青。
基本、顔の造り自体はいじっていないナルトとサスケ。だが、色彩が全く違うために、そうとは気付かれにくい。
「おい。か、カカシ・・・。」
アスマに呼ばれ、カカシが振り返る。
「ははは。説明し忘れてたね・・・。」
困ったように笑う。どうやら本気で忘れていたらしい。
「おいおい・・・。勘弁してくれ。心臓に悪い。」
ガックリと肩を落とすアスマ。しかし、暗部のツートップの顔を拝めるのは、ラッキーとしか言いようがない。
「・・・っつーか、何考えてんだ?三代目は。」
まともなツッコミをしたのは、シカマルだ。
「俺達が表でも動きやすくする為だよ。」
「「「「「「表?」」」」」」
全員が首を傾げる。
「・・・ああ、俺達は、暗部専任じゃないからな。」
「そうそう。今のカカシ君みたいに暗部兼任だし。」
焔雷と蒼藍がサラッと爆弾発言をする。どっちに反応したものやら、ピキッと固まった一同を眺め、カカシは溜息をつく。
「・・・酷いなー。俺がまだ暗部兼任してるの暴露するなんて。」
「俺達とカカシ君は一蓮托生だろ?」
ニコッと笑えば、蒼藍の神秘的なイメージが崩れ、親しみやすさが溢れてくる。
「うあ、相変わらずの殺人的笑顔。・・・まぶしいねぇ。」
棒読みで言うカカシは、流石に慣れているから騙されない。
「ちっ、もったいねぇ。カカシ、今の蒼藍の笑顔、今すぐ返しやがれ。」
「えー。・・・どうやって返せっていうワケ?」
「とりあえず、忘れろ!記憶の彼方にフッ飛ばせ!」
かなり無理を言ってくれる焔雷に、地が出てるぞ、とカカシはぼやく。
段々と漫才のようになってきている2人の会話に、固まっていた一同が正気を取り戻す。
「・・・え、ええ?・・・これが、暗部のツートップ・・・嘘でしょ?」
サクラが呟く。確かに、と頷くのは固まっていた者達全員だ。
なかなかに受け入れがたい光景が目の前で繰り広げられている。・・・のらりくらりとかわすカカシに、ぎゃんぎゃんと噛み付く焔雷。(暗部のツートップの1人、一応。)思わず、偽者じゃないかと疑いたくなる。(確かに偽者。だって、影分身。)
「一応、嘘じゃないんだけど。」
脇から声がして、言い合う2人を除き、全員がギョッとしてそちらを見る。
いつの間にか言い合う2人そっちのけで、お茶を用意していたらしい蒼藍が、テーブルに一式を揃えていた。(ちゃっかりとナルトも焔雷から逃れて、蒼藍を手伝っていた。)
「・・・まあ、暗部って言ったところで、君らと大して変わらないさ。他愛ない話に花を咲かせたり、冗談を言ったり、あんな風に言い合ったり、ね。」
落ち着いた様子で話す蒼藍に、説得力があると思うのは、アスマと紅。
「・・・焔雷さんも、ずっとあんな感じなんですか?」
紅の問いに、蒼藍は苦笑しながら頷く。
「そう。あんな感じ。・・・でも、今日はとびっきりかな?カカシ君に噛み付くタイミングが早かったし。」
「タイミングって・・・いつもだったら、どうなんスか?」
「もうチョイ、我慢してるかな。・・・ま、君らがいるから、テンションがあがってるんだろ。それに、(変化した後の)素顔を暗部の仲間達以外に晒すのも初めてだから。」
「・・・あ、あの・・・それで、ど・・・どうして、私達、だったんです、か?」
シカマルに答える蒼藍に、意を決したようにヒナタが問う
「・・・いきなり確信だな。」
くつり、と笑う蒼藍に、ヒナタはビクリと怯えて、うつむく。
「ご、ごめんなさい。」
「いや、謝る必要は無いけどさ。・・・というか、そこなんだよね、本当に君らが疑問に思うべきは。」
蒼藍は皆に席に着くように勧めて、自分も席に座る。因みに、焔雷とカカシは言い合っているままだ。どうやら、蒼藍に丸投げしたらしい。軽く蒼藍は溜息をついて、自分を見つめる面々に視線を向ける。
「・・・少し、昔話をしようか。」
語ったのは、四代目火影の話。
「九尾を命がけで倒したことは有名だけど、その他の事はあまり知られて無いだろう?・・・例えば、四代目はカカシ君の担当上忍だったとか、木ノ葉の黄色い閃光という二つ名があったとか・・・・・・うずまきナルトの父親だったとか。」
「「「「「「!!!!?」」」」」」
息を呑み、皆がナルトに視線を向ける。
「・・・。」
ナルトは無言で蒼藍を見つめる。その様子が普段の様子と全く違うので、サクラが心配そうに見つめる。
「・・・四代目の名前は波風ミナト。この名も口にする者は少ない。」
「波風?・・・うずまきじゃないんですかー?」
イノが問う。ナルトの父親なら、うずまきであると思うのが自然だろう。
「まあ、いろいろあって、母親の姓を名乗らせてる。・・・ナルトの母親の名はうずまきクシナ。元渦の国のくノ一だった女性だよ。」
「その、いろいろってのは?」
次に口を開いたのはキバ。
「・・・遅かれ早かれ君らも耳にするだろうから、ここで告げてしまおうか。」
にこり、と笑う蒼藍の表情はさわやかだ。
「ま、待ってください!・・・三代目の緘口令が!!」
紅が立ち上がる。それを目で制して、蒼藍は肩を竦める。
「だから、それが、この任務なんだよ。・・・四代目が九尾を倒した。確かに、倒した。でも、それは、九尾の陰のチャクラだけだ。」
「陰のチャクラ・・・?」
「そう。・・・陰と陽、2つに分けられた九尾のチャクラ。その陰のチャクラを屍鬼封尽という術で滅ぼした。・・・では、残りの陽のチャクラはどこに行ったか?・・・わかるか?」
「・・・いろいろな事情、緘口令、で、九尾。・・・つまり、ナルトが関係してるってことかよ。」
シカマルが口にすると、蒼藍の笑みが深くなる。
「そう。これだけのヒントで言い当てるなんて、さすがだ。・・・つまり、九尾の陽のチャクラの器として、自分の息子を選んだ四代目は、四象封印を二重にかけた八卦の封印式で、その臍の緒に封じたワケだ。・・・これで面白くないのは、九尾に家族や親しい者を殺された里人達だな。ナルトが直接悪さをしたワケではないが、憎んだり、恨んだりした。」
その件まで来ると、皆の表情が硬くなる。気付かなかったわけじゃない。むしろ、公の場所で平然とナルトを蔑んだり、嫌悪の表情で見る大人だっていたのだ。
「まあ、その為に、暗部がナルトの監視兼護衛役及び教育係を請け負ったわけだ。・・・時には、暴力をふるう里人や忍もいたんでね。」
実際は時にはどころではない。大げさでなくても、ほぼ毎日、そんな仕打ちを受けていたのだ。
そのほとんどを受身で流していた幼い自分。ただただ、自分の存在を許して欲しかった。だが、その行為は大人しく受けていてもエスカレートするばかり。
だから、力を得た。だから・・・仮面をつけた。
「・・・酷い。」
ぽつり、と口にしたのはチョウジ。お菓子を食べる手を休めて、じっと蒼藍を見つめる。
「あなた達は、ナルトをずっと守ってきたんだね。」
「・・・守る、か。まあ、俺達の存在はその為にあると言っても良いな。」
「・・・では、俺達に話す事で表でも動きやすくなる、というのは、ナルトの護衛がしやすくなるということか?」
今まで黙って事の次第を見ていたシノが、話を戻す。
「・・・いや。・・・少し、違うな。・・・俺達の、俺と焔雷の表の姿は、“これ”じゃない。素性がバレるとマズイから、変化してるんだ。」
「今の姿自体が変化なんですか!?」
「そう。暗部用の姿。・・・おい!いつまで俺に丸投げしてるつもりだよ。焔雷!」
紅の問いに答えた蒼藍だったが、いい加減に後ろの騒ぎに腹が立ってきたのか、後ろを振り向いて不機嫌な声を出す。
ぎゃあぎゃあと後ろで騒いでいた焔雷とカカシは、その声にピタリと動きを止める。さすがに怒ったかと蒼藍の表情を伺う。
「・・・スマン。」
呆れたようにしているものの、目がマジだ。それだけで怒りのバロメーターが見えた焔雷は、素直に謝る。
「これは、俺と焔雷の任務だぞ。・・・俺がここまで話したんだから、後はお前がやれよ。」
「・・・って、一番重要なところじゃねぇか。・・・はぁ、まあいい。」
しっかりと今までの流れを聞いていた焔雷は、溜息一つと共に蒼藍の隣に座ると、今度は自分に向けられる視線を甘受する。
「・・・まあ、つまりだ。俺達は、お前達の側にいる誰か、という事だ。」
「え?・・・た、例えば・・・同じ、下忍、とか?・・・ま、まさかですよねぇ!」
うふふ。と笑うサクラに、焔雷はフッと笑う。
「いや、そのまさかだぜ、サクラ。」
焔雷のしぐさとその口調は誰かを髣髴とさせる。サクラはハッとその口調の持ち主を見た。他の下忍達も気付いたのか、同様に“彼”を見ている。
「・・・サスケ・・・君?」
「・・・当たりだ。」
サスケは今までの不機嫌な表情はどこに行ったとばかりにニコリと笑った。と、同時に焔雷がポン、という軽い音と共に消える。
呆然とする同期達に、サスケはしゃあしゃあと言ってのけた。
「アレは影分身だ。お前らが気付いた時点で術が解けるように仕組んでおいたんだ。」
― なんつー高度な。
アスマと紅はそんな難易度の高い術を使っているなんて、平然と口にするサスケに心の中で同時につっこむ。
「じゃあ、蒼藍さん、も?」
「そ。誰だか当てられるかなー?・・・当たったら、俺は消えるよ。影分身だからな。」
頬杖を付いて楽しそうに同期達を見やる蒼藍に、カカシは苦笑を浮かべる。
「ホントに、いたずら好きだよね。」
ポツリ。
溜息と共に呟いた声は存外、部屋に大きく響いた。
「「「「「「いたずら・・・?」」」」」」
全員がもしや、と思いながら呟く。
「・・・って、ナルトォ!!?」
キバが叫ぶと、蒼藍が苦笑を浮かべ、ポン、と消える。
「カーカーシーく~~~ん?」
ナルトがカカシを睨みながらゆらりと立ち上がる。
「ひぃっ!・・・ご、ゴメン!!ほんっとうに、ごめんなさい!許して!!」
カカシは何故だか怯えて後ずさる。それはそうだろう。相手はドベのナルトではない。思い切り本気を出せるのだから。
「・・・だ・めv」
にこぉっと笑うその笑顔は、大変可愛らしい。が、カカシは顔が真っ青だ。
「諦めろカカシ。・・・こいつの(楽しみの)邪魔をした、お前が悪い。」
サスケが清々しいと言わんばかりに笑顔をうかべる。
「・・・か、勘弁して?・・・ねっ、ナルト。」
「ふふふふふ・・・。俺、素でいたずら大好きだから?」
ナルトはむんずとカカシの腕を掴むと、空いている右手で片手印を組む。その印を見たカカシは更に顔を蒼白にする。
「ひーっ!!!その術はやめてー!!!(泣)」
「問答無用!!・・・時空間忍術“閉鎖闇”」
ずむ。
カカシの体が黒い球体に呑まれる。
「・・・“銀の月”お得意の時空間忍術。・・・マジでお前が蒼藍なのか、うずまき。」
アスマが戸惑いの表情で見つめてくるのに、ナルトはくつりと笑った。
「そうだってばよ?アスマ先生。」
「・・・嘘・・・じゃあ、第7班って・・・。」
サクラが呻くように言う。
「暗部の班みたいなもんだな。・・・表から見れば結構バランスの取れてる班だが、真実を知るものに取っちゃ、パワーバランスが悪すぎだろ。」
サスケが肩をひょい、と竦める。サクラは眩暈を感じてふらりと体を揺らす。
「っと。・・・大丈夫?サクラちゃん。」
倒れかかったサクラを軽く支え、ナルトは苦笑する。それを見たサクラは思わず頬を赤く染める。
「え・・・ええ。(カッコいーじゃない!しゃーんーなろーっ!)」
「・・・サクラ、お前もか。」
サクラの内なる声が聞こえた気がして、サスケの表情が曇る。表で好きだ好きだと連呼しているサクラが相手となると、ナルトだって悪い気はしないだろう。
「・・・な、ナルト君、す、すごかったんだね。」
こちらも頬を赤く染めたヒナタが、うっとりとナルトを見上げる。
「・・・;(そうだった、こいつもいたんだった。)」
サスケはあまりの害虫(サスケ談)の多さに、頭を抱える。これでは牽制どころの問題ではない。害虫を増やす一方だと気付く。
「・・・ともかく!ナルトと俺は暗部のツートップだ。これから、大きな騒動が起こる可能性がある。そのためにも、お前達に知っておいて貰わなけりゃならなかった。それはわかったな!?」
「ああ・・・で、その大きな騒動って何なんだ?」
シカマルが首を傾げると、サスケは少し考える素振りをした後、口を開く。
「・・・ある忍が、木ノ葉崩しを狙っている。俺達はそれを止めなきゃなんねぇ。だが、その際にお前らに気付かれる事無く動く事は、かなり厳しい。その時になってバレて説明しろだのと言われるのは、堪らないからな。だから、三代目の思惑(余計なお節介)にのってやる事にしたんだ。」
サスケの簡潔な説明に、皆が納得したように頷く。ナルトの事についても“蒼藍”が順を追って説明した所為か、すんなりと受け入れられていた。
「ごめんなさい。・・・ナルト、サスケ君・・・私、ずっと、足手まといだったのね。」
サクラがしんみりと呟く。恐らく、この中で一番ショックを受けているのは彼女だろう。同じ下忍として、班の仲間として、大変な任務だって懸命にこなしてきた。でも、それが、自分さえいなければ、簡単に成される事であったと、今更ながらに知らされたのだから。
「サクラ・・・それは。」
「そんな事無いよ。」
サスケの言葉をさえぎり、ナルトがサクラの手を掴む。
「俺達は、サクラちゃんが頑張ってる姿に、負けられないって思ってた。・・・な?サスケ。」
「ああ。・・・下忍の任務は面倒な事が多い。いい加減うんざりする事もある。だが、サクラが頑張ってる姿を見ると、俺達も頑張らなきゃなと思えたんだ。」
サスケはニヤリと笑ってみせ、ナルトの手ごとサクラの手を掴む。
「俺達は下忍第7班、スリーマンセルだろ?」
「・・・・・・ええ!!」
サクラに笑みが戻る。それを見たナルトとサスケは互いに視線を向け、ホッと安堵の笑みを浮かべた。
「・・・まあ、丸く収まったところでワリィんだが、カカシはあのままで平気なのか・・・?」
アスマがおずおずと訊ねると、ナルトがあ、と声をあげる。
「やべ。・・・解!」
慌てて術を解除し、カカシの傍に走り寄る。
「・・・あの、大丈夫?カカシ君。」
「~~~~酷いよ!あの術をかけられたヤツは、再起不能になる事だってあるんだって、ナルト、自分で言ったじゃない!!・・・勘弁してよ!発狂するかと思った!!!!」
完全に涙目のカカシがナルトに掴みかかる。
「・・・あ~・・・ゴメンね?」
コトリ。と首を傾げて、苦笑混じりに謝ったナルトは、カカシの頭を撫でる。
「後で、家にある禁術書、好きなだけ読ませてあげるからさ。ね?」
「・・・好きなだけ?」
「うん。・・・なんだったら、じいさまにおねだり(強請って)して、新しいの貰ってきてあげる。」
― っておい。そりゃまずいだろうがよ。
ナルトとカカシ、サスケ以外の全員が心の中でつっこむ。
「・・・じゃあ、新しいの2本強奪してきてくれたら・・・。」
― って、強請らせるんかい!!
アスマと紅が心の中でカカシにつっこむ。
「わかった。それで手を打とうね。・・・サスケ。」
「ああ。こっちは任せとけ。」
どんどんと話が進むが、皆はついていけていない。呆然と“じゃあ”と手を振って部屋を出て行ってしまうナルトを見送る。
「・・・ってかよ、俺ら、これからどうしたら良いんだ?」
皆の心の声を代表して呟いたのは、やはりというか、シカマルだった。普段からやる気なし、もとい、冷静な為に、立ち直るのも早い。
「ゆっくりしていけよ。任務はこれだけだし。ナルトもすぐ戻ってくる。・・・それに、もうちょっとしたら、任務で出てる他の暗部達も戻ってくるだろうしな。そしたら、紹介してやる。」
「へー。じゃあ、ゆっくりと待たせてもらうか。・・・ついでに、ナルトとサスケが暗部に入った経緯とか、聞かせてもらおうじゃねーか。」
ニヤリ。
シカマルが黒い笑みをうかべたのを見て、サスケも同様の笑みを浮かべる。
「・・・言っとくが、ナルトの隣に在るのは、常に俺のポジションだからな。」
「へえ、じゃあ、お前を倒せば、ナルトの隣のポジションが空くわけだな!」
サスケの挑発に乗ったのは、キバ。その上、無言でシノとヒナタが加わる有様だ。
「(ブチ)・・・いい度胸じゃねぇか。この際だから、ハッキリと教えてやるよ。」
そんなこんなで、本人のいない場所でナルト争奪戦が勃発したのだった。
「・・・サスケ君って、あんなだったんだ。」
その争いを見た某同班の少女が呟いたとか何とか。
*おまけ*
「・・・何、この有様。」
三代目におねだり(強請り)をして禁術書を手に入れてきたナルトは、キョトンとその惨状を見つめる。
「いや・・・えーと。サスケが暴走しちゃって。」
ナルトが喰らわせた時空間忍術が意外と尾を引いていたカカシでは止められなかったらしい。
「・・・あ、そう。・・・まあ、本気出したわけじゃないみたいだし。(本気なら皆死んでるっての。)良いんじゃない?」
「「「「「「良いわけあるか!!!」」」」」」
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