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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・最年少暗部シリーズをお読みになりましたか?(大前提ですよ?)
・スレシカスレナルです!
・二次創作であることをお忘れなく

以上、同意できる方のみ↓へ・・・









「こらぁーッ!!ナルトぉぉぉぉ!!!」

 今日も、晴れ渡った空の下、アカデミー教師、イルカの怒声が響き渡った。



暗部詰め所


「はぁ・・・疲れたぁ・・・。」

 暗部の詰め所にやって来たナルトは、そのまま、パタリとソファーに倒れ込んだ。

「今日も派手にやってたからなぁ?」

 クツクツと笑いながら、千坐がその頭を撫でる。

「ちょ~っと、この設定に無理あったんじゃないの~?」

 カカシもナルトの背中をさすりながら、苦笑をうかべる。

「でもさぁ~、これくらいダメっぷりをアピールしとかないと、色々、マズいじゃん?」

 もうすぐアカデミー卒業の時期となる。そうなると活発化するのがナルトを卒業させまいとする動きだった。

 ナルトは既に2回卒業試験に落ちている。それもそのはず。卒業試験がナルトの(表向き)不得手な忍術・分身の術だったからだ。

「で、今期は卒業試験、合格するつもりなの?」

 カカシが心を読んだかのように訊ねてくる。

「ん~・・・悩んでるんだよね~。シカは合格しろって言うだろうなぁ・・・。」

「あ~・・・シカマル君は今期、卒業予定だしねぇ。一族の目もあるから、わざと落ちるのはタブーだし。」

「そーなんだよね・・・あーぁ。どうしようかなぁ・・・いきなり得意になりましたぁ!っていうのもおかしいしなぁ。」

「ナル・・・絶対、卒業しろよ。」

 ぼやいた瞬間、背後から突如言われて、ナルトは仰天して飛び上がった。

「し、シカ!?」

 カカシや千坐もそうだが、ナルトが他人の気配に気づかないのは、とても珍しい事だ。だが、シカマルは肩を竦めただけ。

「なんだ、黒神の力はナルにも通じんのか。」

「・・・通じんのか。って、通じるに決まってるだろ!何年、相棒やってるんだよ!?」

 ナルトが慌てながらも言い返せば、シカマルはニヤリと笑う。

「あ~・・・約3年だったか?」

「・・・シカ、最近、意地悪だよな。・・・こういうの、なんて言うんだっけ?・・・鬼畜?ドS?」

「イヤイヤ、そこまで言われるほどじゃねぇし!」

「・・・む~。」

 不機嫌なナルトにシカマルは苦笑をうかべた。

「悪かったって。反省してる。・・・でも、絶対、一緒に卒業したいんだよ。」

「う~ん。でもさぁ・・・上層部がさぁ・・・。」

 苦笑いをうかべるナルトに、シカマルは眉間に深いしわを刻んだ。

「ったく、あの石頭どもが。・・・ナルがいなきゃ、木ノ葉なんてとうの昔に攻め滅ぼされてるっつーの。」

「・・・ん~。その内の半分は俺を狙ってる奴らの襲撃だけどな?」

 ナルトが言えば、シカマルはがくりと肩を落とした。

「ナル・・・それ言ったら、本末転倒・・・。」

「確かになぁ・・・でもな、ナルト、お前だけが木ノ葉の秘匿するものじゃない。五影のうちの一つを擁する里だからこそ、狙ってくる奴らもいるんだよ。」

 千坐が言い聞かせるように言えば、ナルトは素直に頷く。

「うん。わかってる~。」

「まぁ、それは置いておくとしてもさ、ナルトは卒業したいの?したくないの?」

 次いで、カカシがそう訊ねてくるので、ナルトはキョトン、とした。

「俺はね、お前が卒業したいと言うのなら、いくらでも力を尽くすよ?」

「カカシ君・・・俺は・・・。」

「素直に言ってくれれば良いんだよ?・・・自分の気持ちを正直にね。」

 カカシの言葉にナルトは目を細めた。

「・・・ん。俺、卒業したいよ。シカや皆と一緒に。」

 今年はちょうどナルトと同じ年の子ども達が卒業の年。それなのに、ナルトだけが、取り残されるようなことになったら、さすがに淋しい。

「よし、じゃあ、卒業する方向で決まりだね。」

 ニコリと笑ったカカシに、ナルトも笑顔で頷く。その様子を見ていたシカマルと千坐もホッと息をつく。

 そんな中、詰め所にいたもう1人の暗部が口を開いた。

「で、ナルト君はどうやって合格するつもりですか?」

「ああああああ・・・それだよ、さっきから、それで悩んでるんだってば~~~!!」

 ナルトは頭を抱えて呻いてしまう。。

「じゃあ・・・一度落ちて、温情で合格っていうのはどうです?」

 突如割り込んできたその人物の言葉に、ガバリと起き上がり、ナルトは目を輝かせた。

「それ!!それイイ!!」

「・・・で、それ、どうやるんスか?水波(みなみ)さん?」

「うん?・・・まぁ、任せてくださいよ。」

 ニコニコと、人好きのする笑みをうかべ、兼任暗部・水波は、そう、シカマルに答えた。



卒業試験当日・アカデミー某所


「・・・分身の術!!」

 ボフン!・・・へろっ。

「「「・・・。」」」

 教室に沈黙が落ちる。イルカが怒りに震え、もう1人の試験官であるミズキもぽかん、とその出来損ないの分身を見つめている。

「(・・・はぁ~・・・ナルの奴、ここまでやるか?)」

「(あの分身はないだろう、さすがに。・・・やりすぎじゃねぇのか、あいつ;)」

 同じ教室で自分達の番を待っていたシカマルとサスケが感心を通り越して、呆れてしまっていると、イルカの怒声が響いた。

「うずまきナルト!失格!!!」

 宥めるミズキの言葉にも頷かず、イルカはとにかく失格だと告げる。

「(・・・まぁ、イルカせんせの判断も尤もだよなぁ・・・あんな分身しか作れないんじゃ、いざ任務って時に、全く役に立たないどころか、自分の命すらあぶねーからな。)」

 イルカの判断は厳しいと思われるかもしれないが、確かに、中途半端なまま忍にするわけにはいかない。それは里の為にならないばかりか、本人の命にすら関わってくることだからだ。

「(・・・しかし、本当に動くのか?)」

 シカマルはこっそりと“彼”の様子を窺う。水波の話では絶対に動くということだったが、情報班もまったく捉えていない“ネタ”なので、何とも言い難い。水波は情報ソースを明かさなかったが、確かな情報であると太鼓判を押していたから、かなり信用できる筋からの情報のようだった。





 卒業試験が終わり、合格と不合格が発表される中、校庭のブランコで1人座っているナルトに、大人達の容赦ない言葉と、嫌悪が混じった視線が向けられる。

「・・・ケッ。誰のおかげで、平穏無事に暮らせてると思ってんだよ。」

 ボソ、と呟いたシカマルの頭を、シカクがガシガシと力任せに撫でる。

「しょうがねぇだろ?・・・言いたい奴には言わせとけ。・・・そのうち、わかる時が来る。カカシ達が、黙ってるわけねぇからな。」

 シカクの言葉に妙に納得してしまったシカマルは、仲の良い級友達がほぼ全員合格しているのを確認し、苦笑をうかべた。

「やれやれ、今年のルーキーは有望株ばっかりだな。」

「旧家、名家生まれや秘伝の術を継承する一族がぞろぞろとこの年代に集まってるのも、なんかの運命かねぇ・・・まぁ、旧家っていやぁ、ナルトも一応、旧家になるんだよなぁ。」

「え!そうなのか?」

「おう。・・・と言っても、木ノ葉じゃねえけどな?」

 その言葉にピンときたシカマルは、眉を顰めた。

「あそこだって、忍の里があるんだろ?・・・ナルトを迎えに来るって言うのは・・・。」

「ないな。あそこには九尾を抑える力がねぇ。だから、地団太踏んで悔しがってるのさ。」

「・・・ということは、樹の奴は、すでに渦の国を抜けてるってことか。」

 シカマルの呟きに、シカクはにやりと笑った。

「まぁ、そういうこったな。・・・九尾を抑えられるだけの力を持っている個人、となると、かなり絞られるだろ?」

「・・・まぁな。・・・ったく、メンドクセー。さっさとあぶりだして、やっちまえばイイのに。」

「そう言うな。・・・そこは大人の事情ってヤツだ。ま、勘弁してやれや。」

「メンドクセー、大人の事情なんて知るかよ。・・・って言いたいところだが、一応暗部の一員だしな。里の事情が優先されるってことくらいはわかってんよ。」

「よしよし、だいぶ大人になったじゃねぇか。」

 ニヤニヤと笑うシカクに、シカマルは不機嫌に視線を向け、溜め息をついた。

「はぁ・・・ほんっとに、メンドクセー・・・。」



 一方、アカデミーの外に出て、とぼとぼと歩くナルトは、獲物が引っかかるのを待っていた。

「・・・ナルト君。」

 呼びかけられて、そちらを向くと、笑顔のミズキがいた。

「・・・・・・ミズキ、せんせ?」

 首を傾げ、ナルトはミズキに近寄る。

「話が、あるんだけれどね?」

 そんな誘いの言葉に、ナルトは内心でほくそ笑んだ。

「(かかったな?)・・・・・・イイってばよ。」

 なるべく落ち込んだ様子を見せて、こくりと頷く。そのままナルトはミズキを自分のアパートまで案内し、そのベランダで話し始める。

「・・・卒業、したいかい?」

 一も二もなく頷き、ナルトはミズキを見つめる。

「なら・・・君にとっておきの秘密を教えよう。」

 ミズキが語ったのは、火影邸にある『封印の書』の中にある術を覚え、それをイルカに見せれば卒業できる、という魅力的なものだった。

 『封印の書』は禁術ばかりを集めた危険な書物。そのことを知っているナルトは内心呆れながらも、水波の情報が正しかったことを悟り、笑みをうかべた。

「よっしゃ!!ぜってー、合格してやるってばよ!!!」

 ガッツポーズを決めたナルトに、ミズキは作り物の笑みをうかべた。

「・・・じゃあ、頑張って。」



 その夜


 ナルトは火影邸に忍び込んでいた。

「・・・ナルトか?」

 ばったりと三代目に出くわし、ナルトはギョッとする。

「じいさま。」

「・・・ああ、水波が言っておった、アレか。」

 どうやら報告は受けていたらしく、三代目は破顔する。

「・・・ごめんね、騒がせるけど。」

「いや。・・・ドサクサに紛れん限りは、(卒業は)無理じゃろうて。」

 苦笑をうかべた三代目に、ナルトはニヤリと笑った。

「というわけで、じいさま?・・・手引きしたなんて上層部に思われないように、ぶっ倒れててねぇ?」

「;;;・・・な、ナルトや・・・?その印は・・・なにかのう・・・?なんだか、見覚えがあるんじゃがのう?」

「え~・・・えへへ?」

 にっこにっこと笑うナルトの手元で組まれているのは、時空間忍術。

「・・・ま、待て待て・・・普通、ここは、もっと実害のない術をだな!」

「え~、それじゃ、つっまんないし~。俺“お色気の術”とかさ、ノリで作ったけど、シカが使うの嫌がるんだよね~。」

 曰く、所構わず誑し込むな、ということらしい。

「というわけでぇ、ごめんね、じいさま。・・・手加減はするからさぁv」

 目を細め、上機嫌でそうのたまったナルトは、術を発動した。

「やめっ・・・!」

「時空間忍術“閉鎖闇”」

 この術は攻撃対象者を闇で包み、体時間を狂わせる術。精神の脆弱な者ならば、物の数分で発狂するような代物だ。

 その闇から逃れようとするものの、三代目は呆気なくその闇に包まれた。その瞬間、火影邸に三代目の悲鳴が響き渡った。

「っぎゃぁぁぁあああああっっ!」



 その数時間後、意識を取り戻した三代目が、本気で怒りながら上忍、中忍を召集し、うずまきナルトの探索を命じたのは言うまでもない。



 同時刻。影分身に『封印の書』を持たせ、森に置いて来たナルトは、蒼藍の姿で火影邸の前に立っていた。

「・・・蒼藍、とりあえず追っ手が放たれたぜ?」

 隣に立ったのは、鋭裏の姿をしたシカマル。

「ん。・・・ちょっと、じいさまを怒らせすぎたかな?」

「大丈夫じゃねぇの?・・・ちょっと頭冷やせば、手加減されまくったことは明らかなんだしさ。」

 シカマルは肩を竦め、火影邸を眺める。

「ん~そっか。・・・よし、じゃあ、後のことは置いといて、今は、水波君と合流しようか♪」

「だな。」

 2人は頷きあい、瞬身で移動する。



 森についた2人は、先に様子を窺っていた水波に近寄る。

「水波君。」

「ああ、ナルト君、お疲れ様です。」

「どぉ?」

 ナルトの問いに、水波は目を細めた。

「はは、なかなかに良い具合ですよ。・・・いや~、それにしても、イルカさんって、意外と(表の)ナルト君のこと、わかってるんですねぇ。」

 水波が指さす方を見ると、たった今、イルカとミズキが対峙しているところだった。

「・・・イルカ先生。・・・そっか。」

 ナルトが思わず笑みをうかべると、隣にいたシカマルは苦笑をうかべた。

「イルカ先生にも話しちまえばイイじゃねぇか。・・・どうせ、アカデミーも卒業するし、な。」

「ん~・・・でもさぁ・・・大丈夫、かな?」

「大丈夫だろ。だって、お前のこと何にも知らねーのに、唯一認めてる大人じゃねぇか。」

 シカマルの言葉に、ナルトがそうかなぁ、とまだ不安げに呟くと、水波がシカマルに加勢する。

「私も、イイと思いますよ。・・・下忍になれば、サスケ君だけでなく、もう何人か表でのフォロー役も必要になってくるでしょうしねぇ。」

 その水波の一言が後押しとなった。ナルトは渋々とだが頷き、苦笑いをうかべた。

「・・・下忍かぁ。なんか、シカじゃないけど、めんどくさそうー。」

「お前なぁ・・・ずっと陰に徹するわけにはいかねーんだぞ?」

「わかってるってば。」

 ナルトはそう言って、眼下の状況を見守る。巻き物を持った影分身のナルトが、ミズキを影分身の術でボコボコにするのを確認し、下に降りようとする。

 が、そっと、水波に抑えられ、首を傾げる。

「水波君?」

「あれ。」

 水波の指す方を見ると、影分身のナルトに額当てを渡し、イルカが合格を言い渡していた。

「・・・卒業、おめでとう。」

 イルカの言葉に、思わず影分身のナルトだけでなく、自分まで泣けてきそうになって、ナルトはグイッと目の辺りを腕でこすり、白狐の面をつける。

「・・・行くぞ、鋭裏。水波君は先行してじいさまに報告。」

「りょーかい、蒼藍。」

「はい、わかりました。」

 頷いた水波が消えると、ナルトとシカマルは暗部の姿のまま、影分身のナルトとイルカの前に降り立った。

「・・・っわ・・・あ、暗部!?」

「感動的な場面で申し訳ないが、その巻き物を渡して頂けますか、イルカ先生?」

 突然の暗部の出現に驚いた様子を見せたイルカだったが、ハッとしてナルトが持っていた巻き物を蒼藍に渡す。

「あ、あの・・・こ、こいつは、ミズキに・・・。」

「わかっている。利用されただけ。・・・今回はそう処理されることになるだろう。大丈夫、咎められることはないように取り計らう。」

「あ、ありがとうございます!!」

 満面の笑みで礼を言われて、蒼藍はくつりと笑った。

「いや。・・・お礼を言われるようなものでもないんだけれどね。」

「蒼藍・・・。」

 自虐的な響きに、鋭裏は面の下で眉を顰める。

「蒼藍・・・って、まさか・・・。」

 目を丸くしてじろじろと蒼藍を見つめるイルカに、蒼藍と鋭裏はギョッとする。

 最近では、二つ名が先行して名前を思い出せる者はかなり少なくなって来ていたはずだった。だが、この真面目を体現するこの教師はしっかり名前まで把握していた様子で・・・。

「“銀の月”蒼藍さん!・・・ということは、その隣にいるのはもしかして、“月影の刃”鋭裏さん!?」

 しっかり、イコールで結びつけてくれた。

「・・・よく、ご存知で。」

 戸惑った様子で言えば、イルカは苦笑した。

「いえ、たまたまですよ。最近、お2人の資料を火影様より預かって、覚えておけと言われたものですから。」

「・・・・・・・・・手加減は必要なかったな、あのクソジジィ。」

 ぼそ、と呟く声に、イルカがギョッとする。

「そ、蒼藍さん?」

「蒼藍で良い。俺は貴方より年下だ。」

「え・・・えええっっ!?」

「あ、因みに、俺もあんたより、年下ですよ?」

 鋭裏までそんな事を言い出して、イルカは呆然としてしまう。

 先程からこんな調子なので、ナルトが大人しすぎるのにも気づいていないらしい。

「ナルト・・・。」

 蒼藍が名を口にする。すると、イルカがハッとしてナルトを見下ろす。すると、ナルトはニカリと笑って、蒼藍に抱きついた。

「蒼藍!!・・・えと、任務完了、だってばね!」

 抱きつくと同時にそう言うので、蒼藍はコクンと頷く。任務完了、とはミズキに対しての囮役のことだ。

「御苦労さん。・・・ああ、それと、もう、良いから。」

「・・・へ?・・・でも。」

 戸惑うナルトに、蒼藍は面を外し、笑みをうかべた。

「・・・もう、良いから。」

「・・・ん、わかったってば。」

 それで全てを悟ったのか、ナルトはポン、という音と共に消えてしまう。

「な!ナルト!!?・・・影分身?じゃあ、本体はどこにッ。」

 瞬身の術とは違うその独特な消え方は、明らかに影分身であり、先程の蒼藍との会話も相まって、イルカは軽く混乱してしまっていた。

「イルカ先生、本体はここ。」

 クツクツと笑う蒼藍に視線を向け、イルカはカクン、と首を傾げた。

「あ、あの?」

「だ~ぁから、目の前にナルトの本体がいるんスよ、イルカせんせ。」

 呆れた様子で鋭裏も言う。

 まさか、とイルカの口が動くので、蒼藍は苦笑をうかべながら、変化を解いた。

「!?・・・な、なる、と?」

「そう、だってばよ。イルカ先生!」

 ニコ、と笑うナルトに、イルカはパクパクと口を動かす。

「イルカせんせ、俺も、イルカせんせの知ってる人間なんスけど。」

 鋭裏が言えば、イルカはショックを受けつつも、鋭裏の方へ視線を向ける。それと同時に変化を解く。

 そこにいたのは、メンドクセーが口癖の、いつもナルトとつるんでいた、シカマル。

 更に仰天してしまって、イルカは一瞬、気を飛ばしかける。が、そこは精神面を鍛えあげた中忍だ。倒れるという無様な真似だけはしなかった。

「ナルトとシカマルが・・・蒼藍と鋭裏・・・なのか?」

 ごくり、と息を呑んで、イルカが問うてくる。だから、ナルトもシカマルも素直に頷く。

「そう。俺と、シカが“木ノ葉の双璧”と呼ばれる“銀の月”と“月影の刃”だ。」

「まぁ、これを知ってんのは、一部の暗部と火影様、それから、サスケぐらいっスけどね。」

「サスケも知ってるのか?!」

「まぁ、いろいろあって。・・・あ、詳しい話は後で良い?ここで話すにはいろいろ制約もあるし。ちょっと、文句を言いたい人もいるしねぇ?」

 スッと視線を天に向け、遠見の水晶でこちらを見ているだろう三代目を睨みつける。

「・・・程々にな、ナル。じゃねーと、じいさん死んじまうぞ。」

「わかってるって。」

 そんな2人の様子に、イルカはしばらく呆然とし、それから、フッと身体の力を抜いた。

「・・・つまり、今までのは全部演技か?」

「まぁ、地の部分もあるけど。・・・概ね。」

 気まずそうに答えるナルトに、イルカは苦笑をうかべた。

「成程、上層部を誤魔化すためか。」

「まぁ、そういうとこかな。・・・本当は表には出ないで陰に徹しようと思ってたんだけど、それを許さない人達が多くって。・・・だから、少しずつ、ゆっくり皆に認めていってもらおうかなって。」

「なるほど。・・・で、何で、俺に教えてくれたんだ?」

「・・・うん、まぁ、アカデミー卒業して、下忍になると、色々と不都合も生じてくるから、フォローできる人間を増やそうっていうのが目的かな?・・・さすがにサスケやシカマルだけじゃ、フォローできない部分も出てくるしな。」

「素直じゃねぇなぁ・・・イルカせんせに懐いてるくせに。」

「う、うるさい!!」

 ニヤニヤと笑いながら言うシカマルに、ナルトが顔を真っ赤にする。アカデミーで見るような姿だが、その雰囲気は鋭さを保ったまま。

 教え子にとんでもないものがいたことを知ったイルカは、思わず苦笑をうかべた。

「わかったわかった。・・・じゃあ、後で詳しい話、聞かせて貰うからな?」

「「はーい。」」

 元気よく“子供らしい”返事をした2人にイルカは堂に入ってるなぁ、と思わず感心し、2人を伴って、火影邸へと向かった。



火影邸


「そうか。」

 一言そう言って、三代目は目を細めた。

「イルカや、この子等を受け入れてくれてありがとう。」

「・・・いえ。たとえ、私より強くても、私の自慢の教え子達ですから。」

 二コリ、と笑ったイルカに、三代目も目元を緩める。

「ありがとう・・・おぬしには、この子等の心の支えになってやって欲しい。」

「わかりました。・・・ナルト、シカマル、俺に出来ることがあったら、何でも言ってくれ。な?」

「ありがと、イルカせんせ。」

「これからもよろしく。」

 今は支障があるから、と蒼藍と鋭裏の姿になっている2人が頷く。

「ところでじいさま・・・俺とシカが動かなかったら、どうやってイルカせんせに言うつもりだったのかなぁ?」

 にたり。

 ナルトの笑みが黒くなる。こういう時は放っておくのが一番とばかりにシカマルがイルカの袖を引き、後ろに下がる。

「し、シカマル?」

「巻き添え食いたくなきゃ、下がった方がイイっすよ。」

 疑問符をうかべるイルカにそう言って、シカマルは黒神の力を使って結界を張る。

「・・・本気で怒ったナルはおっかねーからなぁ。」

 ぼやいた瞬間、チリッと空気が震え、ナルトのオリジナル技、時空間忍術“閉鎖闇”が繰り出された。

「・・・あ~・・・じいさん、ありゃ、暫くは再起不能だな。」

 里最強の忍の称号を持つ火影を再起不能にするナルトと、それを当たり前のように見ているシカマルに、末恐ろしいと思ったイルカだった。


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