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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意:

※スレたナルトですよ??
※カカスレナル風味ですが、あくまでも保護者的立場です。
※オリジナルキャラー千坐(せんざ)ーが出てきます。彼も保護者です。
※設定の捏造は当たり前です。
※二次創作であることをお忘れなく。


以上、同意できる方のみ↓へ・・・









 ナルトが暗部の任務をこなすようになって、半年がたった。彼が任務にあたる姿は凛々しく、その方法においても、美しく芸術的といえるほど。そんなナルトの事が、噂にならない訳がなく・・・。

「ふぇ?・・・月からの使い?」

 ことりと首を傾げたのは、己の前に座る幼子。しかして、その実体は、最近噂になっている、暗部“月からの使い”蒼藍。

「そう。最近、正規部隊にいる友人から聞いたんだ。」

「・・・それ、俺の事なの?」

「そうだよ。」

 心底不思議そうに尋ねるナルトに、向かい合わせで座っていた黒髪の少年がにっこりと笑って頷く。

「・・・で、どういった理由で、そんな名前になったんだって?」

 “イタチ君の事だから、ちゃんと聞いて来たんでしょ?”そう言われ、黒髪の少年、うちはイタチは苦笑する。

「あぁ。・・・なんでも、月の光を受けて舞うように戦う姿と、銀髪から連想したみたいだ。」

「・・・へぇ~。・・・変なの。カカシ君みたいなのならわかりやすいのに。」

 頬杖をついて、ナルトは興味なさげに呟く。

「あぁ、“コピー忍者”?」

「そー。そういうのが良かったなぁ。」

 そうだろうかと首を傾げたのはイタチ。カカシ自身がどう思っているかは知らないが、イタチにはそんなに良い二つ名とは思えない。

「例えば、どんなのが良かったんだ?」

「んーとねぇ・・・。」

 しばし、ナルトは考え込んだ。

「同じ月を使うなら・・・“銀の月”かな。」

「あぁ、良いね。」

 イタチはにこりと笑う。

 一族の名がその背に重くのしかかるために、家族の前でさえ滅多に表情を動かさない彼。だが、暗部の中では“うちは”も何も関係がない。だから、暗部の中は心地が良い。必然的に表情は緩くなる。

「イタチ君、俺、自分で名乗ろうかなぁ?」

「や・・・それは、やめといた方が;」

「ん~でも・・・“月からの使い”ってのやだ。」

 いくら、大人びていても、ナルトは己の弟サスケと同じ、5歳児。自分の感情には正直だ。

「・・・そうだね・・・わかった。俺がなんとかしてあげよう。」

「ホント!?さっすがイタチ君!」

 ニコニコと笑うナルトの目に、企みが成功したような色は無いが、なぜかのせられた気分になる。

「・・・まぁ、こればかりは、俺1人じゃ無理だし。・・・先輩方にご協力願おうか。」

 イタチは、深く溜息をついた。

「ふぅん・・・なるほどねぇ。」

 面白いと言わんばかりに口元を歪め、カカシが呟く。

「俺1人でどうかできるものでもないので・・・カカシさんや千坐さんにも協力して頂きたくて・・・。」

「イタチ。」

 イタチが半ば必死に先輩暗部である2人を説得しようとしているのを見て、カカシは苦笑を浮かべ、その名を呼んだ。

「お前、ナルトに随分と振り回されてるな。・・・大変だろ?あいつに気に入られて。」

 くつくつと笑う。

「はあ。」

 今ひとつわかっていないイタチに、千坐が続けて言う。

「あいつ、気に入った相手にワガママを言うのがクセなんだよ。・・・しかも無自覚でな。」

「だんだんこっちは試されてる気になってくるんだよ“本当にお前は俺の味方か”って聞かれてるみたいで。」

「・・・あ。」

 思い当たる節があるのか、イタチが目を見開く。

「わかるだろ?」

 ニッと笑い、カカシはイタチを見つめる。

「・・・はい。」

「ま、気に入られた証拠だと思うんだな。」

「そうそう。聞けないワガママを言い出したら、ダメと言うのも必要だぞ。しつけはきっちりしないとな?」

「し・・・しつけ;」

 現役暗部の中でも実力者の2人が、子育てのプロみたいな言葉を言うのだから、何とも不思議な気持ちになる。

「イタチの所にも5歳児がいるだろう?」

「いるにはいますけど・・・あんなに会話が成り立ったりしませんよ。」

 肩を落とし、イタチは溜息をつく。弟のサスケとは、ナルト程に会話が成り立った事はない。同じ5歳なのに、環境でここまで違いが出るものかと愕然とした覚えがある。

「ナルト君は特別です。」

 そう言ったイタチは、ふっと息をつく。

「・・・そうかねぇ?俺は6歳で中忍に昇格したけどねぇ・・・。お前だって、そんなに変わらないでしょ。」

「・・・それは・・・。」

 イタチは言葉に詰まる。そんなイタチを見て、カカシはヒョイと肩をすくめる。

「ま、それは置いておくとして・・・俺達はどうすれば良いんだ?・・・協力というくらいだ。何か案があるんだろ?」
「あ、ハイ。・・・正規部隊と暗部の合同任務の時に・・・。」

 イタチは促されるままに、その計画をカカシ達に説明し始めたのだった。




 正規部隊との合同任務。それは、いつもの暗部達だけの任務とは違い、かなりの気力を要する。

「今回、正規部隊の部隊長を務める奈良だ。よろしく頼むぜ。」

「暗部の部隊長の畑です。よろしくお願いします。」

「おぅ。あのコピー忍者か。・・・しかし、暗部が堂々と名乗っても良いのか?」

「俺は、ま、顔が割れてますからね。」

 面をスッと外し、肩をすくめる。

「ほー・・・噂と違わぬ美形だなぁ?」

「ハハ、そりゃどうも。・・・ま、俺よりも美形なのが暗部にいますけどねぇ?」

「なにぃ!?・・・今、いんのか?」

 身を乗り出したシカクに、カカシは苦笑する。

「いますけど。・・・とりあえず、任務終了後にして下さいよ?」

「・・・ちっ。わぁったよ。」

 舌打ちしたシカクに、カカシは深く溜息をつく。そんなやり取りを見て、ポカンとしていた者が1人。

「大丈夫か?蒼藍。」

 心配した千坐が、暗部姿に変化したナルトの肩を叩く。

「・・・あ、あぁ。」

 やっと返事をするものの、その赤い瞳は珍獣を見るような色を浮かべている。

「(いきなり、奈良上忍はキャラが濃すぎだったか?)」

 千坐は心配のあまり、眉間にしわを寄せる。

「では、奈良さん。正規部隊の方は任せましたよ?」

「おぅ。・・・注意事項があったら言ってくれ。暗部の逆鱗には触れたく無いんでね。」

 そう言って、シカクはニヤリと笑う。

「ま。極力、話しかけないで下さい。同じ里の忍でも、暗部は素性を知られるのを嫌います。・・・用があるなら、俺に。」

「・・・わかった。」

 カカシ以外の暗部達を見やり、シカクは頷いた。今回の任務は、暗部4名に正規部隊4名の8人体制で行われる、ランクSの任務だ。シカクの率いる正規部隊は、シカク以外全員が暗部との任務は初めて。だからこそ、暗部のカカシに直接言わせる形にして、深く立ち入らないように注意したのだ。

「ヤレヤレ。・・・おぃ、余計な事に首を突っ込むなよ?・・・特に、暗部のやることにはな。」

 シカクは、隊員にそう言うと、カカシに出発を促す。

「・・・じゃ、行きましょう。」

 カカシは面を着けなおし、他の暗部を見る。ショック(?)から抜け切れていないナルトと、珍しく不機嫌丸出しの千坐。それに、何を考えているか全くわからないイタチ。

「(だーいじょぶかねぇ・・・こんなんで;)」

 ひっそりと溜息をつき、カカシは親指を立て、クイッと右に向けた。瞬間、暗部3名が移動を始めた。

「おし、俺たちも行くぞ!気ィ抜くなよォ!」

 シカクの号令で、正規部隊も動き出す。

「・・・火影様も面倒な人を寄越したもんだ。・・・あの子の二つ名を変えるどころか、正体までバレちゃいそう;」

 残されたカカシは、気合いを入れ直す。

「ま。・・・奈良サンなら大丈夫だと思うけどねぇ。」

 己の恩師の友人だった彼ならば。・・・そう思ってしまうのは、あまりにもナルト自身の味方が少ないからだ。今のうちは良い。だが、アカデミーに通い始めたら、どうなるのだろう?

 暗部のまま過ごさせるつもりは毛頭ない。必ず、正規部隊にナルトを入隊させなければ。と思っている。そのためには、まずはアカデミーに通わせなければなるまい。・・・いくら、ナルトに実力があるといっても、正規の手順を踏まなければ意味がない。

「はー。今は任務の事だけを考えよ。」

 カカシはひとしきり呟いた後に、任務地である木ノ葉の北の森の外れに向かった。


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