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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・貴方と出会った日からシリーズ 続編
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・ミレイに軽くゼロバレ
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








 翌日:アッシュフォード学園


「っ・・・ルルーシュ、君!・・・ちょっと。」

 廊下を歩いていたルルーシュはカレンに呼び止められる。

「・・・カレン、さん?」

 人気のない方向までおとなしく引っ張られていき、ぴたりと止まったカレンを呼ぶ。

「朝比奈さんから聞いたわ。」

「・・・そうか。カレンは、黒の騎士団に良く差し入れに行くのか?」

「・・・という設定よ。」

 ルルーシュは軽く目を瞠る。カレンはその設定を貫いて、ルルーシュの事も誤魔化すと思ったからだ。

「設定?・・・ゼロが、考えた?」

「そうよ。・・・私は、黒の騎士団のエースパイロットだもの。そして、ゼロの親衛隊隊長。」

「・・・えっと・・・それは、俺に話して良いものなのか?」

 戸惑うルルーシュに、カレンは憮然と頷く。

「だって・・・。ルルーシュは、味方なんでしょう?」

「・・・あ、ああ。」

 主語は抜けていたが“黒の騎士団”の、という意味だと悟り、ルルーシュは頷く。

「それに・・・誤解して、辛く当ったりして・・・ごめんなさい。」

「・・・誤解?」

「世間を斜に見てって・・・。」

「ああ、あの時の。・・・あの時、カレンもいろいろと状況が悪かったんだろ?・・・そりゃ、カチンとくるよな。」

 ルルーシュが言えば、カレンはバツの悪そうな表情を浮かべる。

「色々知ってるのね・・・随分前から朝比奈さん達と連絡取ってたの?」

「・・・いや、直接連絡を取るようになったのは、つい最近かな。それに、あの時、あの人達は黒の騎士団にいなかったろ?」

「そういや、そうね。」

「そう・・・ゼロ、からの情報って言ったらどうする?」

「~~~っ!?」

 ルルーシュはクス、と笑う。随分と彼女に話してしまったな、と思いつつも、あまりにも効果のあった朝比奈の苦言が、ルルーシュの背中を押してくれた。それに、朝比奈はカレンだけでなく、ルルーシュにも苦言を呈した。曰く。味方なんだから、仲良くしないとね。だそうだ。

「ね、ねぇ、ゼロと・・・知り合い、なの?」

「当たらずとも遠からず。と言ったところか?・・・悪いけど、詳しくは話せない。」

 ルルーシュはそう言って、肩を竦める。

「そうでしょうね・・・だから、朝比奈さんは、私達の事、ゼロに相談したのね。」

「そういう事。・・・俺が相談したら?って言ったんだ。一応、これはオフレコな?会長が心配するし、リヴァルもそこまでは知らない。」

「・・・会長、か。」

「カレン?」

 意味深に呟いたカレンを見て、ルルーシュは首を傾げた。

「会長もルルーシュの行動の制限をするの?」

 その眼はやけに真剣で。

「・・・なるべくしたくない、と言ってくれているよ。」

 だから、ルルーシュも真面目に答える。

「そう。・・・なら良いの。・・・貴方も、大変だったのね、色々と。」

「まあね、じゃあ、カレン。・・・その時は打ち合わせ通りに。」

「了解。」

 クス、と微笑みあって、2人は離れ、背を向け歩きだす。 が、ふいにカレンが立ち止まり、振り返る。

「あ、そうだ、朝比奈さんと付き合ってるってホント?」

 ビクゥッ!バサバサ・・・。

 大きく体を震わせ、ルルーシュは手に持っていた書類を落とす。

「・・・あ・・・。」

「しょうがないわね・・・もう。」

 溜め息をついて書類を拾うカレンを見やり、誰のせいだと叫びたかったが、ルルーシュは黙って書類を拾う。

「・・・で?ホントのところは、どうなの?」

「・・・省吾さんに、聞いたんじゃないのか?」

「省吾さんって呼んでるの!?えっ、ホントに、恋人!?」

 カレンにガッと肩を掴まれ、すごい剣幕で尋ねられる。ルルーシュは勢いに負けてコクコクと頷いた。

「・・・あんたなら、引く手数多でしょうに・・・なんで、朝比奈さん。」

 その言葉に、いささかムッとしたルルーシュはついつい、反論してしまう。

「省吾さんを悪く言うな。・・・俺が一番信頼してる人なんだ。」

「好き、なの?」

「・・・怪我したって聞いて、何も考えられなくなって・・・つい、ボロを出しそうになるくらいには。」

「・・・・・・末期ね。」

「悪かったな。」

「悪くないわよ。・・・人の恋愛に口挟むつもりはないわ。・・・はい、書類。」

 肩を竦めたカレンは、拾った書類をルルーシュに渡すと、颯爽と歩いて行ってしまう。

「・・・気付かなかったな。結構ヒント出したんだけど。」

 ゼロの正体に未だ気づかないカレン。思い込みがそうさせているとわかってはいても、少しじれったい。だが、朝比奈の言う通り仲直りはできたのだから、良しとしようと自分を納得させ、ルルーシュも立ち上がる。

「何のヒント?」

 背後から声がかかる。ルルーシュはびくっとして、そろそろと後ろを振り返った。

「み・・・かい、ちょう。」

 ルルーシュは、ミレイ、と呼びそうになって、慌てて言い直す。

「ねぇ、ルルーシュ。・・・何の、ヒント?」

 どこから聞かれていたのだろう、とルルーシュは悩む。ミレイの表情は凪いだままで何も読み取れない。

「・・・何のことですか?」

 とぼけると、ミレイの目がキリリと吊り上がる。

「ルルーシュ殿下。なん・・・。」

「ミレイっ!」

 こんな処で、そんな呼称を使われては堪らない。ルルーシュは鋭く名を呼び、ミレイを黙らせる。

「・・・貴方は、もう、アッシュフォードを必要とされていないのですか?アッシュフォードはッ、そんなに信用なりませんかッ!?」

 けして、大きな声で叫ばれたわけではないのに、その言葉はズシリとルルーシュの心の中に落ちてくる。

「アッシュフォードが悪い訳じゃないよ、ミレイ。・・・だが、ミレイはアスプルンド伯と婚約したのだろ?・・・なら、俺は、俺達は、急所にしかなりえない。」

「・・・私が、婚約したからですか?・・・だから・・・。」

「いいや、もう、ずっと前から考えていたことだった。・・・一生を隠れ過ごす、それは、とてもじゃないが、耐えられることじゃない。ブリタニアがある限り、俺は・・・死んだままだ。」

「っ・・・。」

 ミレイの目が見開かれる。

 そんなことを思っていたのか、と思う。アッシュフォードの作り上げた箱庭を甘受してくれているのだとばかり思っていた。それなりに、楽しく過ごしているようだったから。なのに、それなのに・・・。

「ミレイ、次の日曜日、空けておいてくれ。・・・俺の大切な人を紹介するよ・・・。」

 そう告げて、ミレイの横を素通りする。呆然とする彼女の顔を見ていられなくなったからだ。

「・・・ゼロは、貴方なんですね?」

 ぼそりと呟かれた言葉。どうやら最初から聞かれていたらしい。ルルーシュは深く溜め息をつく。

 先入観のあるカレンより、客観的立場にいるミレイの方が、そのヒントに気づく確率は高かった。だから、気づいているものとして話をしていたのだ。まさか、言葉に出すとは思ってもいなかったが。

「・・・それならどうする?・・・軍に、引き渡す?」

 クスリ、と笑って振り返れば、ミレイの平手が飛んできた。

 パンッ!

「っ・・・ミレ、イ。」

「私をッ・・・見くびらないで。」

 ギッと睨まれ、ルルーシュは苦笑した。

「わかってますよ、会長。・・・試すようなことをして、すみませんでした。」

 平素の、ルルーシュ・ランペルージとして接する。それが、ここで求められるルルーシュの行動だ。

「・・・いいわ。・・・ルルちゃん、日曜日、楽しみにしてるわね。」

 だから、ミレイもその様に振る舞う。が、その瞳は揺らいでいた。だから、ルルーシュはそっとミレイの肩に手を置く。

「・・・心配しないでください。・・・アッシュフォードには感謝しています。俺達に今まで尽くして下さったこと、忘れていません。」

― だから、そんな風に、心配そうな顔をしないでほしい。今まで、充分、俺達は守られてきた・・・。

 微笑んでみせ、ルルーシュはミレイを置いて、その場を立ち去った。



 日曜日―郊外


「すっげーなぁ、ここ、貴族の所有物かなんかだろ?」

 大きな洋風の屋敷の中。感心したようなリヴァルの声。きょろきょろと辺りを警戒するカレン。そして、いつもと変わらないように振る舞うルルーシュとミレイ。

「あまり大きな声、出すな、リヴァル。耳に響くだろ。」

「あ、わり。」

 にっ、と笑うリヴァルに反省の色はないが、それが不快なわけではないから、ルルーシュもあまり強くは言わない。

 その時、カツリ、と複数の靴の音が聞こえ、皆がそちらに意識を向け、カレンが息を呑む。

「・・・よく来たな。」

「・・・この度は、こちらの場所を快く貸して頂き、ありがとうございます・・・桐原公。」

 ルルーシュが頭を下げれば、桐原はクツクツと笑う。

「いや、藤堂や四聖剣にも頼まれ、ゼロにも・・・そなたからも頼まれてしまえば、断ることもできんだろうて。」

「それは・・・すみません。」

「よいよい。・・・ここの鍵は藤堂に渡しておいた。好きに使ってくれて構わない。それから、わしはこれで帰るが、後ほど連絡を貰っても良いかな?」

 そう問われれば、ルルーシュは頷く。

「こちらからもご報告がありますので、ご連絡させていただきます。」

「わかった。では、ゆっくりしていきなさい・・・。」

 桐原が立ち去ると、息を呑んでいたカレンがルルーシュをつつく。

「ルルーシュ君、どうして、日本の・・・有力者の方と面識があるの?」

 リヴァルとミレイがいるためか、猫かぶりモードのカレンに、ルルーシュは肩を竦めて見せる。

「まあ、言ってみれば、スザク関連かな?」

 それだけで、カレンには通じた。皇族であることを伏せて、幼い頃の事情は説明済みだったから。

「スザク関連ってなんだよ~。」

 困ったように訊ねるリヴァルに、ルルーシュは説明してやる。

「スザクの家はな、元々は京都六家といって日本の有力者の一族だったんだ。枢木家って意外と権力持ってたんだぞ?スザクの父親は日本国首相だったしな。それに、京都六家の長であり、天皇である皇とも血が繋がっていて・・・今の皇の当主の神楽耶とは従兄妹同士だぞ。」

「ほえ~・・・スザクってすごかったんだなぁ・・・。」

「ま、今はブリタニアの騎士だけどな。」

 ばっさりと切り捨てると、ルルーシュはさっさと奥に進む。

「あ、待てってルルーシュ!」

 慌ててリヴァル達もついてくる。そして、奥の部屋の扉の前まで来ると、ルルーシュは立ち止まり、皆を振り返る。

「ここから先、聞くこと、見ること・・・全部、学園では口にするなよ?・・・特に、リヴァル。」

「うっ、わかってるってぇ・・・。」

 前科があるために大見得をきれないリヴァルは、弱々しく返す。ルルーシュは苦笑し、そして、扉に向き直る。

 コンコン

『はーい。』

 ノックをすれば、朝比奈の返事が聞こえ、ルルーシュは思わず表情を緩めた。そして、扉が開くと同時に身体に衝撃が来る。

「・・・っ!」

「会いたかったよ~~!ルルーシュ君!」

 ガバっと抱きついてきた朝比奈に、ルルーシュは思わずたたらを踏む。転ばなかったのは、朝比奈がさりげなくルルーシュを引き寄せたからだ。そのあたりの抜かりなさは、ルルーシュの体力の無さをよく理解しているところからきている。

「・・・怪我、大丈夫ですか。こんなにはしゃいで。」

 はぁ、と本気で溜め息をついた。先一昨日会っただろう、という意味を込めて。

「だいじょーぶ!!ラクシャータに痛み止め打ってもらったから!!・・・それよりルルーシュ君に会えなかった事の方が堪える~~~。あ~久々の生ルルーシュ君だぁ。」

 すりすりと頬ずりをされて、ルルーシュはしょっぱなから飛ばす朝比奈を引き剥がす。

「・・・皆が反応に困ってます。少し、控えてくださいよ・・・。」

 ルルーシュの言う通り、藤堂も他の四聖剣も、リヴァル達も固まっている。

「あ、ごめんね~!・・・つい。」

 にこぉ、と人好きのする笑みをうかべ、朝比奈は皆を招き入れる。

「初めましての人がいるね?」

「・・・ミレイ・アッシュフォードです。」

 アッシュフォードの名に、朝比奈の目が細められる。

「そう、君がそうなの。・・・ルルーシュ君から話は聞いてるよ。今まで、彼等を庇護してくれていて、どうもありがとう。」

「いいえ、お礼を言われることじゃありませんし、これからもそうするつもりですから。」

 挑戦的なミレイに、リヴァルとカレンは目を瞠り、朝比奈はキョトンとする。そして、ああ、と相好を崩した。

「もしかしなくても、バレちゃった?」

 ルルーシュに確認すれば是と頷く。つまり、ゼロだとバレたと朝比奈も気づいたのだ。

「そっか~。じゃ、改めて初めまして。朝比奈省吾です。」

 朝比奈が名を名乗れば、他の四聖剣も立ち上がり、名乗る。

「千葉凪沙だ。」

「卜部巧雪、よろしくな。」

「仙波峻河と申す。」

 そして、ゆっくりと立ち上がった藤堂がルルーシュと朝比奈の傍まで歩み寄る。

「藤堂鏡志郎・・・この四人の上司だ。」

 すっと手を差し出した先はミレイ。ミレイはその手を見つめ、フッと肩から力を抜いた。

「“奇跡の藤堂”に会えるなんて光栄だわ。」

 そう言って藤堂の手を握る。

「・・・すっげー!!!本当に“奇跡の藤堂”だぁ~~!!」

 重苦しい空気を吹き飛ばすように、リヴァルの感激の声があがる。

「かっこい~~!!すげ~っ、本物だぞ!ルルーシュ!!」

「・・・本物、だな。」

 クスクスと笑い、ルルーシュは藤堂を見る。

「こいつはリヴァル・カルデモンド、俺の悪友です。・・・こいつとも握手してもらっても良いですか?」

「・・・あ、ああ。」

 リヴァルのノリについていけないのか、藤堂の腰が引け気味だ。

 握手する手をブンブンと振り回すリヴァルを見て、朝比奈が心底おかしそうに笑う。

「あはは、藤堂さんがあんなに腰引けてるの初めて見る~。リヴァル君って、実は大物?」

「俺の悪友をやってるくらいですから。」

「ああ、ナルホド。」

 黒の騎士団にいる時よりも幾分かくつろいだ雰囲気の朝比奈に、ルルーシュもまとう空気を緩める。

「カレンさんも久しぶり~。いつも差し入れありがとう。」

「あ、いえ。・・・本当にお怪我、大丈夫なんですか?」

 猫かぶりモードのカレンを初めて見る、藤堂や四聖剣は僅かに表情を引き攣らせる。それに気づいたのはルルーシュだけだが、朝比奈の服の裾を引っ張る。

「・・・ん、ああ。うん。この通り。さっきも言ったけど、痛み止めが効いてるから。」

「本当は安静にしてるのが一番なのに・・・。」

 ルルーシュが暗におとなしくしていろと言うのだが、朝比奈はわかっていてスルーしてくれる。

「大丈夫だよ。ピンピンしてるから。」

「・・・はぁ、もういいです。」

 ルルーシュは今日何度目かわからない溜め息をついて、皆を促し、ソファーへと座った。

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