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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・R2・21話以降捏造
・ルルは実は女の子
・生き返り組多数
・ジェレミアのキャンセラー有効活用!
・斑鳩&ダモクレス組へ厳しい表現アリ
・捏造満載

以上、同意できる方のみ↓へ・・・









 その時、部屋の外がにわかに騒がしくなる。

「・・・ああ、ここにいた。・・・ルルーシュ、ここに皆、揃ってるよ。」

 ドアが開き、アッシュフォードの制服姿のスザクが顔を出したかと思ったら、ドアの外に顔を向け、ついさっきまで話題にのぼっていた皇帝の名を呼んだ。

「・・・どこにいるかと思ったら、ここにいたのか。」

 紫色のドレスを着たまま歩きまわっていたらしく、ルルーシュは乱れた裾をはたく。その後ろには、アーニャとジェレミアが控えている。

「ルルーシュ、お疲れ様。」

 ユーフェミアがにっこりと笑って労いの言葉を口にする。

「ああ。・・・今、アッシュフォードの皆と連絡が取れて、会長の準備が出来次第、こっちに向かうって。あ、あと、ユフィに、ニーナから伝言で、私も会えるのを楽しみにしてますって。」

「そう。ニーナ達もようやくこちらに来れるのね。神根島から移動して、アッシュフォードに行った時は、説明だけして、そのままこちらに渡って来てしまったから・・・。」

「俺達は、あのままエリア11にいるのは危険だったからね。」

 微笑むユーフェミアに、スザクが肩を竦める。

「・・・それにしても、あれほど心配のしすぎですと言ったのに。スザクったら。」

 クスクスと笑うユーフェミアに、スザクは苦虫を噛み潰したような表情をうかべる。

「・・・それは、言わないで・・・ユフィ・・・。」

 がくっと肩を落としたスザクに、ユーフェミアはとうとうお腹を抱えて笑いだす。

「ホント、枢木卿ってば、天井から降ってくるんだもの。びっくりしちゃった。・・・しかも、ルル姉様の騎士って言うし。」

 カリーヌがユーフェミアを見つつそう言えば、ユーフェミアは笑いの余韻を残したまま、肩を竦めた。

「ふふ。私は一度死んでますし、ラウンズだったスザクを降格させるのも、勿体ないでしょう?」

「まあ、そっか。・・・で、アールストレイム卿もこっちについて・・・他のラウンズは、シュナイゼル兄様の方かしら?」

「さぁ、どうかな?案外、独自で動いているかもしれないな。」

 ルルーシュがカリーヌに微笑みかけて、小首を傾げる。

「でもでも!・・・ルル姉様には勝算があるんでしょ?」

 カリーヌは勝ち気に笑むと、ルルーシュに抱きついて、その顔を見上げる。

「っと・・・まあ、ね。・・・スザクやアーニャ、ジェレミアもいるから、あんまり心配はしてない、かな?」

 カリーヌを抱きとめてそう答えると、カリーヌはやっぱりね、と嬉しそうに笑った。

「あっはぁ~、陛下ぁ~、ランスロットと蜃気楼の調整終わりましたよぉ~?」

「ちょっと、ロイドさん!ノックも無しに入ったらいけませんってば!!」

 ロイドとセシルが突如乱入してきて、ルルーシュ達はギョッとするが、スザクとジェレミアだけはその雰囲気に慣れているのか、平然としている。

「・・・ロイド、その口調はどうにかならんのか。」

「あっはぁ~、そう言われてもねぇ・・・あ、そうそう、陛下、スザク君を借りたいんですけどねぇ、よろしいですかぁ?」

 ジェレミアの注意を受け流し、ロイドはへらへらと笑って、ルルーシュを見る。

「・・・構わないけれど・・・動作テストを始めるのか?」

「そうなんです~。ニーナ君のあれを待ちたいところなんですけどぉ、その前に、最終調整をしておかないと~・・・あ、あとぉ~陛下の蜃気楼もお手隙の時でよろしいんで、お願いしますぅ~。」

 そのロイドの言葉に、オデュッセウス達が反応した。

「ルルーシュ!まさか、君は戦場に出るつもりじゃないだろうね!?」

「駄目よ!戦場なんて出て、万が一のことがあったらどうするんです!!」

「ルル姉様!!ルル姉様はもう皇帝なんだから、危ない真似はしちゃダメ!!」

 3人の猛反対に、ルルーシュは目を白黒させて、口元をひきつらせた。

「あ、いや・・・蜃気楼はフレイヤを止めるには必要で・・・。」

「「「絶対にダメ(だよ/です/だってば)!!!」」」

「ほ~ら、言われちゃった。・・・大丈夫だよ、計算式は外部入力にすれば良いんだし。出来ますよね、ロイドさん。」

 ケラケラと笑いながら、スザクがロイドにふると、ロイドも自信満々に頷く。

「もっちろ~ん。・・・となると~、蜃気楼は自動操縦にして、皇宮の守備に絶対守護領域を展開っていう風にします~?」

「じゃあ、蜃気楼は、僕が乗るよ。」

 スッと手をあげたのは、ロロ。

「ロロ!?・・・ダメだ、あの機体は、私専用で。」

「うん。でも、僕も一応乗れるよ。絶対守護領域の計算式とかは全部外部から姉さんが入力すればいいんだよ。・・・ほら、僕なら、万が一の時でも絶対停止の結界があるし。」

 慌てて止めようとしたルルーシュに、ロロはあっけらかんと言う。

「対人は良いが・・・物理的な攻撃は避けられないんじゃ・・・?」

「絶対守護領域を破れるような物理攻撃って言ったら、フレイヤとかモルドレッドの4連ハドロン砲くらいだよ?・・・モルドレットは仲間だし、フレイヤは・・・スザクさんと姉さんが止めるんでしょ?」

 渋るルルーシュに、ロロはそう言って笑みをうかべる。

「っ・・・ロロ。」

 絶対に引かないと言った様子のロロに、ルルーシュは、困ったように眉根を寄せる。

「諦めなよ、ルルーシュ。・・・ここにいる皆、ルルーシュに危険な真似はして欲しくないんだ。大丈夫。ロロの言う通り、アーニャは味方だし、フレイヤは俺達が止める。・・・そうだろ?」

 とうとう、スザクまで口を出してきて、ルルーシュは渋々折れる。

「うぅ、わかった・・・じゃあ、アーニャ。」

「・・・なに?」

「・・・蜃気楼(ロロ)を狙う機体は根こそぎ排除だ。」

「・・・ルル様、目が本気(と書いてマジと読む)。・・・わかった。」

 アーニャがほんのわずかに怯えた様子で頷けば、シャーリーが苦笑する。

「ルルったら・・・ナナちゃんへのシスコンよりも、ロロへのブラコンのほうが凄いんじゃない?」

「まったくだ。・・・やっと妹離れしたと思ったのに。」

 C.C.までも呆れた様子で言うので、その場の全員が思わず笑い出す。

「・・・しょ、しょうがないだろう?・・・だって、もう二度と・・・失いたくないんだから。」

 頬を赤く染めて、俯きながらそう言ったルルーシュに、全員が胸を撃ち抜かれたのは、言うまでもない。

「姉さんッ!・・・僕ッ、一生、姉さんの傍にいるからねッ!!」

 その中でも、ロロは感涙し、思わずルルーシュに抱きついてしまい、全員から密かに、睨まれたりしたのだった。





 ブリタニアの改革は着実に進んだ。貴族制を緩め、民間からも多くの官吏を採用し、貴族と庶民、それぞれの意見に皇帝がしっかりと耳を傾けられるように位置づけられた。そして、エリアも全て開放し、それぞれの自治を暫定政府に委ねている。それらは全て、皇帝の鶴の一声で推し進められたが、反対意見は全くあがらなかった。

 様々な政策を推し進めた結果、ブリタニアは随分と変わったが、その分、皇帝の仕事が増え、さすがのルルーシュもお疲れモードだった。

「ラウンズもシュナイゼル兄様も黒の騎士団も・・・まったく動かないな。」

「・・・きっと、待っているんですよ。」

 ルルーシュのぼやきに、ユーフェミアがクス、と笑う。

「私が、残虐非道な行いをするのを、か?」

「ふふ、そこまでは・・・でも、攻め込む理由を探してると思いますよ。」

「私も、そう思う。・・・フレイヤを打ち込むにしたって、それ相応の理由が無いと、責められるのはシュナイゼル殿下達の方だと思うし。」

 ニーナの捕捉に、ルルーシュは頷く。

「・・・まあ、おかげさまで、こっちは色々と準備ができて助かってるけどね。」

「ルルーシュ!!」

「ルル様!」

 そこへ、スザクとアーニャが走り込んでくる。

「ど、どうしたんだ?血相を変えて・・・。」

 目を丸くしたルルーシュだが、次のアーニャの言葉に、更に目を見開くことになる。

「エニアグラム卿が、ラウンズの居住区の地下の演習室に拘束されてた。」

「「「「えっ!?」」」」

 その場が一時騒然となる。

「俺とアーニャとジェレミア卿とで、トレーニングしようって話になって、ラウンズの演習室に行ったら、鍵がかかっててさ、無理やりこじ開けたら、エニアグラム卿が拘束されてて・・・もう、びっくりしたよ。ジェレミア卿が医務室に連れて行ったけど・・・話、聞く?」

 スザクが訊ねると、ルルーシュはこくん、と頷いて立ち上がる。

「・・・行こう。」





 医務室に行くと、ジェレミアと咲世子が出迎えてくれる。

「咲世子、もう、怪我は良いの?」

「はい、ルルーシュ様。」

 ニコリと微笑む咲世子に、ルルーシュはホッとする。が、寝ているノネットの様子を見ると、表情を強張らせた。

「一体、いつから・・・。」

 衰弱したノネットを見て軽くショックを受けているルルーシュに、ジェレミアが告げる。

「どうやら、ヴァルトシュタイン卿とシャルル陛下の会話を偶然聞いてしまい、計画を知ってしまったために、拘束されていたようです。」

 今は、鎮静剤を打って寝かせているノネットを見ながら、ジェレミアは溜め息をついた。

「2ヶ月余り、ずっとここにいたのか。食料は?」

「最初の頃は演習室にあった栄養補給用のゼリーやら、プロテインやらで空腹を紛らわせていたようですね。それも1ヶ月程で底をついてしまったらしく・・・。」

 ルルーシュはフッと溜め息をついた。

「皇帝の計画を潰して、この皇宮に私達が入って来てしまったからだな。」

「陛下・・・。」

「ルルーシュ、何でも自分のせいにしない。」

 ジェレミアが困った様子を見せると、スザクがルルーシュを軽く小突いた。

「わかってる。」

 ルルーシュは苦笑し、咲世子を振り返る。

「彼女の世話を、頼めるか?」

「お任せ下さい、ルルーシュ様。」

「頼む。」





 それから数日後、神聖ブリタニア帝国に、超合衆国の名で会談の要請が入る。

「・・・向こうも痺れを切らしたようだな。」

 鼻で笑いながらC.C.が言えば、ユーフェミアがくすくすと笑う。

「いくら待ったって、攻め込まれるような理由を作るわけないのに・・・お姉様たちはどうなんでしょうか?・・・黒の騎士団とは別行動?」

「黒の騎士団とシュナイゼル達は手を組んだんじゃねぇか?理由無しで攻められないのはお互い様だろうしな。」

 そう卜部が言えば、ルルーシュが頷く。

「だろうな。・・・理由が無いなら、作れば良い。シュナイゼル兄様なら考えつきそうなことだ。」

「よっしゃ、ようやく俺達の出番だな!」

 ニヤリと笑ったのは吉田だ。それに同意する者は多数で、皆、やる気満々だ。

「・・・やり過ぎない程度にな?」

 そんな面子を見て、困ったように笑うルルーシュに、ニヤリと笑って仙波が答えた。

「善処する。」



 そして、会談当日。


 超合衆国議長国・合衆国日本のアッシュフォード学園。そこにやって来た皇帝一行の姿はとにかく奇妙だった。

 皇帝ルルーシュとその騎士スザク、アーニャ、ジェレミア以外が全員バイザーを着用し、黒い軍服に身を固めていたからだ。

 頭からすっぽりと被る形になっているバイザーはそれぞれの顔を隠しているので、感情が読み取れない。しかも、彼等は学園に着いた時から一言も話していない為、余計に気味が悪い。

「ようこそ・・・ルルーシュ皇帝。」

 超合衆国議長である神楽耶が、真っ直ぐにルルーシュを見つめてくる。その脇を固めているのは、黒の騎士団の幹部達とシュナイゼル達とラウンズだった。想定通りの行動に、ルルーシュは艶やかに微笑み、席に着く。

「超合衆国の名でしたけれど、合衆国日本と合衆国中華の関係者しかいらっしゃらないのですか?」

「いいえ、他の国の代表達は遠方ゆえ、衛星中継で参加して頂いております。」

 神楽耶の言葉と同時に、周りのモニターの電源がONになり、それぞれの合衆国の代表達の顔が映る。

「・・・それで、今回の会談の意図はなんでしょう?」

「こちらにいるシュナイゼル殿下より訴えがありました。ルルーシュ皇帝は帝位を簒奪し、権力を意のままにしている、と。」

 神楽耶の言葉に、ルルーシュは眉根を寄せた。

「まるで、私が圧政を布いているような言い方ですね?」

「違うのですか?」

 ルルーシュは神楽耶からシュナイゼルに視線を移す。そして、得体の知れない笑みをうかべるシュナイゼルに、ルルーシュはそっと溜息をついた。

「私は正式に皇帝に認められました。それは、中継をご覧になっていた方ならわかって戴けると思いますが?」

「・・・正式とは言い難いと思います。」

 こわばった表情のナナリーが前に進み出てくる。シュナイゼルの陰になっていて見えなかったが、最初からいたようだ。

「理由は?」

 穏やかに問いかければ、おや、とシュナイゼルが目を瞠ったことに気付く。

「・・・お父様を殺したのでしょう?それは、簒奪とは言いませんか?・・・それに、お姉様、貴女はほんの少し前まで反逆者でした。」

 “ゼロ”という名は出さない。当然、他の合衆国の代表も見ているからだ。だが、ルルーシュししてみれば“ゼロ”の名が出てくれた方がありがたい。

「認めよう。私はシャルル皇帝の恐ろしい計画を止める為、そして、優しい世界を構築する為に、ブリタニアへ反逆していた。・・・それは、ここにいる方々はよくご存知だろう?・・・だって、私こそが“ゼロ”だったのだから。」

「「「「!!?」」」」

 ざわりと会場がざわめく。神楽耶達もシュナイゼル達も、あっさりとルルーシュが“ゼロ”の名を出したことに、仰天している。

「我がブリタニアに知らぬ者はいない。・・・私が“ゼロ”であったことは、臣民全てが知っている。ああ、国内放送で報じただけだから、他の国の者には知りえないことかもしれないが。」

 ニッコリと笑ったルルーシュに、ナナリーは眉根を寄せた。

「ならば伺います、どうして、ユフィ姉様を殺したのです!?・・・ギアスという恐ろしい力を使って、ユフィ姉様を操り、日本人を殺せと命じたのは、お姉様だと伺いました!!」

「結果から言えば、そうなる。・・・私は、確かにギアスという力を持っているし、ユフィに日本人を殺せ、という言葉を言ったのも確か。」

 またもざわりと会場がざわめく中で、ルルーシュの発言に動揺する黒の騎士団の幹部達は、シュナイゼルをちらちらと横目で確認している。

 それを見たスザクは、くつりと笑った。

「何がおかしいのですか?枢木卿。」

 神楽耶がキッと睨むと、スザクは肩を竦めた。

「いや、シナリオが滅茶苦茶に崩されて、大変だろうなぁと思ってね。」

「・・・っ。」

 スザクが厭味を言っていることに気づいた神楽耶は、悔しそうに唇を噛んだ。

「別に、今更言葉を選ばなくたっていいんだよ、神楽耶。・・・言いたいことを言えば良い。・・・いくらでもどうぞ?」

 挑発するスザクに、神楽耶は我慢できずに立ち上がった。

「スザクッ!!・・・なぜ、敵同士であったゼロ様とそのように手を組んでいるのですか!?」

「話し合って、和解したからだよ。」

「和解・・・ユフィとのことは、そんな簡単に許せるものだったのか!?」

 あっさりと和解という言葉を口にしたスザクに、コーネリアが食ってかかる。

「簡単になど許していません。・・・どれだけ、俺とルルーシュがじっくり話し合ったか、貴女方が知らないだけです。コーネリア殿下。」

「なッ!?」

 笑みすらうかべて答えるスザクに、コーネリアは絶句する。

「では。」

 このままでは不利と悟ったシュナイゼルがとうとう口を出す。

「・・・和解した理由を聞かせてもらおうかな?」

 その言葉に、ルルーシュの朱唇が笑みの形を作る。そのルルーシュの表情にシュナイゼルがハッとする。

「シュナイゼル兄様・・・和解した理由と仰いましたね?」

 クスクスと笑うルルーシュはすでに勝ちを確信していた。スッと立ち上がり、その美しいドレスの裾を翻し己の背後に従っていた黒い軍服の集団に振り返り、小首を傾げてみせた。

「さぁ、お前達の出番だよ?・・・理由を聞かせて欲しいというのだから、好きなだけ聞かせてさしあげろ。」

 そのルルーシュの言葉とともに、全員がバイザーを外して投げ捨てる。

「「「「「!!!?」」」」」

 背後から、息を呑む気配がして、ルルーシュはクスッと笑った。

「そ、そんな・・・。」

 呻いたのは、扇だった。死んだと思っていた者達が、それも、自分達の敵側として目の前にいるのだから当然だろう。

「扇、お前にはがっかりだよ。・・・杉山、南、玉城も。自分達が耳にしたものが全て真実とは限らない。そういう判断すらもできなかったのか?」

「今まで私達を率いてくれたゼロを、あんなにあっさり見限って、敵側に売り払うなんて、最低よね。しかも、ゼロを売る見返り、日本を返して貰う、だったかしら?・・・それって、超合衆国への裏切りにもなるって気付いてた?」

 吉田と井上が冷笑をうかべながら言えば、モニターに映っている代表達が眉根を顰めた。

「・・・カレンだけはルルを守ってくれると思ったのに。酷いよ。ルルは、一生懸命、日本の人達に故郷を返そうって、自分の戦いは、ナナちゃんの為だけじゃなくなった、そう思って、心を定めたのに。」

「しゃ、シャーリー・・・嘘でしょ?」

「シャーリーは生き返ったんだよ。ルルーシュのおかげでな。」

 カレンの呻きに、リヴァルが答える。

「そう。ルルちゃんが明日を迎えるために。シャーリーだけじゃない、ここにいる生き返り組、皆が必要だって、そう、ルルちゃんが心の奥底で願っていたから、皆、生き返ったのよ。」

「ルルーシュの願いは、優しい世界の構築。そして、皆が希望ある明日を迎えられること。それを邪魔するってことは、世界の前進を止めるってことだよ、カレン。・・・私、もう少し、カレンは信念を持って動いてるんだと思ってた。すごく、がっかりしてる。」

 ミレイとニーナの言葉にカレンは言い返せない。

「なあ、奇跡の藤堂さんよ・・・奇跡は厳島で使い尽しちまったかよ?」

 今度は卜部だ。最早、四聖剣として仕えていた時の敬愛の欠片すら無い。

「卜部さん!!」

 千葉が声を荒げるが、仙波の一睨みでその勢いが殺がれる。

「・・・卜部の憤りも尤もと思え。卜部はその命をかけて、ゼロを守った。日本の民を救ってやってくれ、そうゼロに言い残して。ゼロはその約束を忘れてはいなかった。なのに、お前達はそのゼロを、あろうことか敵側に売り払おうとした。・・・恥を知れ!!」

 仙波の怒声に騎士団の幹部達はビクリと身体を震わせる。

「お姉様。」

「ユフィ、お前・・・。」

 呆然とするコーネリアに、ユーフェミアは眉を顰める。

「ルルーシュが私に自分の欲の為だけで、あのようなギアスをかけたと思っておいでですか?よく知りもしないで、ゼロを断罪した貴女方と、ルルーシュを会談させるわけには参りません。・・・いくらルルーシュが良いと言っても、ここにいる私達だけでなく、ブリタニア臣民全てがそれを許しませんよ。」

 表情が厳しいままのユーフェミアは、ナナリーに視線を向けた。

「・・・ナナリー、貴女は、ルルーシュさえいれば、それで良かったのではなかったの?」

「ユフィ姉様ッ。」

「残念だわ。貴女はルルーシュの実妹だから・・・ルルーシュのことを理解して、ルルーシュの嘘さえも見抜けると思ったのに。」

「それは・・・。」

「ルルーシュを一番傷つけたのは、貴女よ?ナナリー。」

 ユーフェミアの言葉は厳しい。ナナリーはすっかり顔を青褪めさせて俯いてしまった。

「ユフィ!父上の恐ろしい計画というが、それこそ、ルルーシュの虚言ではないのか!?」

「コーネリア、シャルル前皇帝の恐ろしい計画は虚言などではない。」

「ノネット!」

 しまったと表情を歪めるのは、ビスマルクだ。

「ヴァルトシュタイン卿、その節はどうも。・・・おかげさまで、私は干乾びて死ぬところだったよ。」

 ギロリとノネットに睨まれ、ビスマルクは苦々しい表情をうかべる。そのノネットが語ったシャルルの恐ろしい計画に、全員が仰天した。

「もし、ルルーシュ陛下が止めていなかったら、今頃、この世界は死んでいたところだ。お前達は陛下に感謝こそすれ、恨んだり憎んだりするなど、以ての外だ!!」

「ルル様の敵に容赦はしない。・・・このまま、戦うつもりなら、私が記録にしてあげる。」

 ノネットの怒気とアーニャの冷気にラウンズも沈黙したまま。

「まあ、安心して反省してなよ?・・・ルルーシュは俺達が守るから。」

「陛下のご厚意だ。いつ、攻めて来ても構わんぞ?・・・こちらは相応の準備は済ませてあるからな?」

「ま、姉さんから何かを奪うつもりなら、僕達が根こそぎ排除してあげるよ。」

 スザクやジェレミアに続いて発言し、だから安心してね?とにっこり笑うロロの、笑っていないその眼に、全員がぞっと肌を粟立てた。

「「「「「ほら、かかって来い!女帝陛下は我らが守る!!!」」」」」

 その後、超合衆国は解体し、殆どの国がブリタニアと同盟国になった。

 そして、黒の騎士団は、その裏切り行為が証明されて断罪され、シュナイゼル達は反逆者として拘束され、軟禁状態で一生を過ごすことを余儀なくされたのだった。


 おしまい


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