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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・騎士が枢木さんじゃなくて星刻さんだったら
・ルルの正体は星刻にはバレ済み
・星刻はルルの騎士になりたい人
・騎士団には厳しい
・皇族さん達、物分かり良すぎ
・捏造満載

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








― ゼロが死亡。


 黒の騎士団からの知らせに星刻は愕然とした。

 なぜ、そう簡単に指揮官の死亡を発表するのか、星刻には解せなかった。指揮官1人を失っただけで、黒の騎士団がどうなってしまうのか、それは1年前のブラックリベリオンで痛感しているはずなのに。

「まさか・・・。」

 その考えが外れていますように、と願いながら、星刻は神楽耶や天子を伴って斑鳩に急いだ。





「ゼロは我々を利用していただけだ。」

「裏切ったのはゼロの方だ。」

「ゼロはブリタニアの皇族だった。」

「俺達は駒に過ぎなかった。あいつはこの戦争を、俺達の戦いをゲームのように楽しんで。」

 幹部達の表情は憎悪に染まっていて見るに堪えなかった。それ以上に彼を誤解し、そして、自分達の行動を正当化する発言をこれ以上聞いていたくはなかった。

 幼い天子は元より、神楽耶でさえも、比較するべき真実を知らない以上、幹部達の話を信じるしかない。しかも、ブリタニア側から提出されたという資料まである。

「(彼が恐れていたことが、当たったか。・・・シュナイゼル、彼が一番警戒していた相手だからな。・・・なぜ、私は彼の傍にいなかったんだ!)」

 グッと拳を握り締め、星刻は身を翻してブリッジを後にする。そのまま神虎に乗り込んで、ドックを発艦する。その場にいた誰もが、星刻が戦況を把握しに行ったか、ゼロの捜索に向かったか、と思ったハズだ。

「敵側からの情報を鵜呑みにするとは。何と愚かな・・・。」

 何度か星刻は幹部にも事情を話した方が良いと説得したものの、ゼロが頑として、正体を明かそうとしなかった。

 それは、黒の騎士団の幹部達が本当の意味で信用ならなかったからだろうと星刻は理解した。

「まさか・・・紅月君までとは。」

 事情を知っていたはずのカレンが、あの場にいたことも星刻にとっては信じられない光景の一つだった。そんなにも簡単に信じられなくなるものなのか、と呆れさえした。

「天子様には申し訳ないが、やはり、彼の方が心配だ。・・・早まった行動をしていなければいいのだが。」

 そう呟きながら神虎を駆る星刻の視線の先に、見慣れたナイトメアを発見する。

「あれは・・・サザーランド・ジーク?」

 彼に忠節を誓ったというジェレミア・ゴッドバルトの専用機であるナイトメアを発見した星刻は、そちらに通信を繋いだ。

「黎星刻か・・・。」

 ジェレミアの表情は訝しんだもの。星刻も裏切ったのではと思っているのだろう。

「彼は、どこにいる?」

「貴様は、我が主の敵か?それとも・・・。」

「味方だ!黒の騎士団は抜けてきた。・・・信じられぬというのなら、斑鳩を撃ち落として見せようか?」

 そう言った星刻の表情をまじまじと見つめ、ジェレミアは一つ溜め息をついた。

「わかった。・・・主は今、ブリタニア本国に潜伏している。」

「本国にだと!?」

「ああ・・・私も、今、連絡を頂いて向かっている最中だ。運が良かったな、黎星刻。」

 ジェレミアには連絡があった。しかし、自分には無かった。そのことに軽い嫉妬を覚えて、星刻は眉間にしわを寄せた。

「彼は、無事なんだな?」

「当然だ。ロロが黒の騎士団から守ったらしい。・・・今は、C.C.と枢木と3人で行動をしている。」

「枢木!?なぜ!?」

「詳しいことはわからん。ただ・・・我らが主から離れている間に、様々な状況の変化があったということだけは頭に入れておけ。・・・主にくだらない質問などするなよ?」

 ジェレミアの言葉にカチンとくるが、星刻は大人しく頷いた。何しろ、ジェレミアに置いて行かれたら、自分は彼の元には行けないだろうことは重々承知していたからだ。



 ブリタニア本国、某所


 たどり着いたその場所で、己の姿を目に入れた彼が呆然と呟く。

「星刻・・・なぜ。」

「私は・・・そんなに信用ならなかったか?」

 敢えてそう訊ねた星刻に、ジェレミアのキツイ視線が向けられる。

「だが、お前は・・・天子に。」

「あの方に恩義があったのは確か。永遠の契りを交わしたのも確か・・・だが、あの方以上に、君が心配だった。」

 星刻が正直な心境を話せば、ルルーシュは、深い溜め息を落とした。

「お前まで、裏切り者と罵られるぞ?」

「構わない。」

 きっぱりと言い切れば、ジェレミアからの視線が柔らかくなる。そして、星刻はつい先ほどまで敵だった人物に視線を向ける。

「それで、彼は?」

「ああ・・・いろいろ話し合った結果、共同戦線を張ることにした。俺は黒の騎士団という牙を失い、こいつも皇帝へ牙を向けたからな。ラウンズという地位はほとんど意味を為さなくなるだろうし。」

 以前、枢木スザクは幼い頃からの友人だ、と説明された時は驚いた。しかも、ラウンズの地位を得る為にルルーシュを皇帝に売ったというではないか。それが、今はこうして手を組んでいる。

 ルルーシュの懐の深さに感心を通り越して、呆れてしまう。

「君は・・・どこまでお人よしなんだ。」

「まったくだ。」

 どうやら、同じ思いをしていたらしいC.C.に同意され、星刻は苦笑をうかべる。

「まぁ、そういう君だからこそ、真実を知る人間はついてくるのだろうが。」

 ここにいる面子が、今でも彼の傍にあるのは、彼の人柄をよく知っているから。そして、枢木スザクも彼の優しさを知っているが為に結局は憎みきれなかったのだろう。

「星刻が味方になってくれるのなら、少し、計画を変えないといけないな。」

 ポツリ、と呟いたルルーシュに、スザクがピクン、と反応する。

「・・・変える?」

「ああ、変えると言っても登場人物を、というところだよ、スザク。大まかなところは変わらない。・・・星刻、俺達の考えた計画はこうだ。」

 そう言って話してくれたルルーシュ達の計画に、星刻は仰天した。

「・・・君が死ぬなど、そんな馬鹿なことをする必要はない!そんなことをしなくとも、世界を平和にする方法など、いくらでもあるだろう!!それに・・・君が悪役を演じる必要はどこにもない!」

 C.C.もスザクも、ルルーシュの覚悟を前にして反対出来なかったのだろう。それに、反論しても言い負かされるだけだ。だが、星刻はルルーシュを言い負かすつもりだった。

「だが、他に悪役を作るのは面倒だ。俺が演じた方が何かとやり易い。」

「駄目だ。悪役なら、シュナイゼルが良い。」

「奴を操る為には、奴を引きずり出さなければならない。それをどうする?」

「ブリタニア皇宮を囮にする。・・・フレイヤは奴らが握っているのだろう?あれは悪の象徴だ。それを使っている奴は悪役に適している。元々、フレイヤの開発チームを抱えていたのは、シュナイゼルだというじゃないか。」

「汚名を雪ぎたい人がいる。彼女はギアスで・・・。」

「直接の表現は避けるとしても、それ以外の方法で汚名を雪ぐ手はあるだろう?それを君が考えつかないわけがない。違うか?」

「・・・。」

 ルルーシュは困ったように眉根を寄せた。星刻があまりにも粘るので、言葉を詰まらせてしまったのだ。

「ルルーシュ。・・・俺も、それで良いと思う。君は・・・生きて償うべきだ。」

 スザクが星刻の肩を持つと、ルルーシュは目を丸くする。

「お前が・・・それを言うのか?」

「・・・君の、計画に賛同したのは、それ以外に方法はないと思ったからだ。・・・でも、彼が来て、計画の幅が広がったのなら・・・君が生きて明日を迎えられる計画が出来るなら・・・それが良いと思う。だって、ユフィは一言だって、君を責める言葉を言ったりはしなかった・・・。」

「・・・枢木もこう言っている。計画は練り直すべきだ。」

 星刻の一言に、ルルーシュの揺らいだ心が凪いだ。

「わかった・・・。星刻の言う通りにする。」

 深い溜め息をついたルルーシュに、星刻は苦笑を浮かべつつも、どうしても譲れないと思ったことを思い出して、口に出す。

「そう言えば、ナイト・オブ・ゼロの役は、枢木がやる予定だったんだな?」

「ああ。」

 頷くルルーシュに、星刻は顔を近づけた。

「その役、私にやらせてもらいたい。」

「し、星刻?」

「な、何を言うか、黎星刻!・・・殿下!それならば、私めに、その役を!!」

「元々、俺の役目なんだけど?」

 戸惑うルルーシュの前で、ジェレミアと星刻とスザクの3人が睨みあって互いに牽制をしあう。

「お、おい・・・。」

「ふ。モテモテだな、ルルーシュ。」

 C.C.だけが我関せずといった風に笑い、その様子を傍観し始める。

「ちょ、ちょっとまて、何でいきなりそんな話になるんだ?俺は・・・!」

「「「(殿下/ルルーシュ)は黙ってて(ください/くれ)!」」」

「ぁぅ。」

 3人の剣幕に圧されて、ルルーシュは結局自分の騎士のことなのに・・・とぼやきながら、その様子を眺めるしかなかったのだった。





 1ヶ月後


 ブリタニア皇宮からの緊急放送が入り、1ヶ月の間、沈黙を続けていた皇帝の登場を今か今かと待っていた人々が、謁見の間に勢揃いしていた。

 皇帝の子供達は、次兄・次姉の不在に首を傾げる者もいたが、その答えさえも父帝が応えてくれるだろうという淡い希望を抱いていた。

 そして、全世界へと中継がされる中、舞台の袖から颯爽と歩いて来る白を基調とした装束を着た人物を目に入れて、謁見の間がざわめく。

「え?」

「嘘でしょう?」

「まさか!?」

 こちらに向き直り、ニコリと笑ったその容姿に、彼の幼い頃を知る兄弟達は揃って目を丸くした。あの閃光のマリアンヌの長子であり、父帝にも目をかけられ、高位の皇位継承者達がこぞって彼と交流を持っていたという帝国第11皇子。

「ルルーシュ、やはり生きていたんだね?・・・ナナリーが見つかった時に、もしかしてと思ってはいたけれど。」

 ニコニコと、人の良さそうな笑みをうかべて、長兄のオデュッセウスが玉座に近づく。

「ええ。地獄より舞い戻って参りましたよ、兄上。」

「で、これはなんの冗談だい?父上はどうしたんだ?」

「前皇帝は・・・この世界を破滅させる計画を実行しようとしていたため、私が殺しました。よって、私が次の皇帝になります。これは、ブリタニアの国是に則っていますね?」

「あ~、ああ。・・・そ、そうだ、ったかな?」

 ルルーシュは笑顔なのに、その笑顔からとてつもない威圧を感じて、オデュッセウスは妹達を振りかえった。

「・・・ルルーシュ、お父様の世界を破滅させる計画とは何なのですか?」

 ギネヴィアが仕方無しとばかりに口を開けば、ルルーシュはあっさりと答えた。

「神を殺す。・・・それが、前皇帝の計画でした。神とは概念的な存在ではなく、集合無意識のことです。姉上、我々の心や記憶の集まりを無に帰してしまえば、この世界はどうなります?」

「意思のない世界になるわ。・・・そうでしょ?ルルーシュ兄様。」

 ギネヴィアの隣にいたカリーヌが答えると、ルルーシュは頷いた。

「その通りだよ、カリーヌ。・・・だから、その計画を止めた。そして、計画を止めたことにより、前皇帝はこの世界の神にその存在を否定され、飲み込まれてしまった。」

 ルルーシュの説明に、その場にいた者達は納得してしまった。誰も、彼が嘘をついているなどとは思わなかった。

 なぜなら、皇帝は何やら怪しい研究をしているという噂がずっと昔から言われ続けていて、国政には何の興味も向けず、殆ど宰相であるシュナイゼルに任せきりだったことを、この場の全員が知っていたからだった。

「・・・私が皇帝となることに、異存はないな?」

 けして、張り上げているわけではないのによく通るその声に、全員が視線をルルーシュに向け、そして、全員が服従の証として、敬礼をする。

「「「「「イエス・ユア・マジェスティ!」」」」」

「では・・・ラウンズとは独立した我が直属の騎士を紹介しよう。」

 その言葉と共に、舞台の袖から1人の人物が姿を現した。





 その中継を見ていた黒の騎士団達は、袖から現れた人物に仰天した。

「うそ、星刻・・・?」

「星刻様!?」

 合衆国中華の面々が愕然とその名を呼ぶ。笑みをうかべるルルーシュの横に立っているのは、行方知れずとなっていた黎星刻、その人だったからだ。

「あの方と・・・星刻総司令が!?」

 神楽耶もまた、かつての黒の騎士団のCEOと総司令が揃ってブリタニアの皇帝とその騎士として現れたことが信じられずにいた。

「・・・きっと、ギアスだ!」

 扇が叫ぶ。その言葉に、幹部達もそうだ、なんて卑怯なんだ、と叫び出す。

「落ち着きなさい!・・・皇帝に・・・ブリタニアに通信を繋ぎなさい!」

 騒然となった幹部達を一喝し、神楽耶はオペレーターにそう命じた。





「ルルーシュ。奴らから通信が入ったぞ。」

 中継を終えて、休憩をしていると、C.C.がそう言って私室に入ってくる。

「・・・案外早かったな。もう少し混乱していると思ったが。」

「神楽耶じゃないかな。」

 感心したルルーシュに、スザクがぽつりと答える。ナイト・オブ・ゼロ改め、皇帝の直属の騎士の役目を降ろされた彼は、どこか不満そうだったが、じゃんけんで負けてしまったが為に、涙を呑んで裏方に徹していた。(因みに、ジェレミアは親衛隊長の役が残っていたので、そちらに配置されている。)

「成程な。彼女はとても優秀だからな。」

 クスクスと笑うルルーシュに、星刻は肩を竦めた。

「しかし、彼女だけでは黒の騎士団は動かせないだろうな・・・。」

「ああ。さて、星刻も一緒に通信を聞くんだろう?」

「もちろん。私は君の騎士だしな?」

 スザクにあてつけるように言えば、スザクがムッとする。が、ルルーシュの手前、不満を訴えることなく、スザクは資料を揃えて、腕に抱える。

「・・・じゃあ、俺は外に出てるから。」

「なんだ。お前も一緒にいれば良いのに。」

「余計に話が混乱するだろうし、俺は普通に裏方で良いよ。」

 ルルーシュが首を傾げると、スザクは肩を竦めて私室を出て行く。

「・・・遠慮など要らないのに。」

「彼のプライドの問題だろう?・・・そっとしておいてやると良い。」

 ルルーシュの鈍感な発言に苦笑を浮かべつつ、星刻はモニターのスイッチを入れる。

「・・・繋ぐぞ?」

 C.C.の確認に頷き、ルルーシュと星刻はモニターを見つめる。

 手前に映ったのは、神楽耶と天子。そして、背後に黒の騎士団の面々が揃っている。

「・・・星刻・・・どうして?」

 天子が泣きそうな顔をして呟く。

「申し訳ないと思っております、天子様。ですが、貴女に外を見せたことで、私の役目は終わったと思っております。」

「星刻様!・・・貴方は、ゼロ、ルルーシュ皇帝にギアスという力で操られているのではありませんか!?」

 叫んだのは香凛だった。星刻は毒されているなと胸中で呟き、首を横に振った。

「いいや、違う。」

「星刻、目を覚ませ!」

 星刻の否定の言葉を信じられないらしい洪も、必死に叫んでくる。

「違うと言っているのに。・・・そもそも、1人につき1回しか使えないギアスを、そんな風に無駄遣いなどしない。そうだろう、ルルーシュ。」

「まぁ、星刻相手だったら、もっと別のギアスをかけるな。」

 クツクツと笑うルルーシュに、星刻は視線を向ける。

「例えば、どんなギアスを?」

「・・・うん?・・・そうだな、黒の騎士団の中にいたまま、組織を掻き回せ、とか?」

「ああ。それは有効そうだ。」

 視線を合わせてクスクスと笑う2人に、黒の騎士団の幹部達が喚きだす。

「一体、何をするつもりなんだ!!」

「ブリタニアを支配して、世界まで支配するつもりか!!」

「裏切り者!!」

 散々言いたいことを言ってくれる幹部達に、最初は笑顔だった星刻だが、こめかみに血管が浮き立ち始め、眉間に深いしわが刻まれる。

「・・・星刻、落ち着け。」

 ポソリ、と囁くルルーシュは平然としているが、それでも傷つかないわけが無いのだ。なのに、彼は冷静を保っている。だから。

「君が怒らないなら、私が怒る。それで良いだろう?」

 そう宣言すると、ルルーシュから困ったような笑みを向けられる。それを肯定と捉え、星刻は執務机を力いっぱい叩いた。

バン!

 という音が鳴って、騎士団の幹部達が一瞬、息を呑む。

「・・・黙って聞いていれば勝手なことばかり。・・・裏切り者はお前達の方じゃないか!!ルルーシュがいつ我々を裏切ったというんだ!ブリタニアの宰相の言葉にまんまとのせられて。敵側の資料だけを参考にして、何が真実だ!」

「千草が教えてくれた!!」

「彼女は皇帝直属機密情報局の人間だろう?それにギアスのことは知っていても、その時の状況を知らないのに、何故それが真実だと断定できる!?」

「それは!枢木とルルーシュの会話から!!」

「都合のいい部分だけ聞かされていたとしてもか?」

「・・・っ。」

 扇の反論もあっさりと潰し、星刻は勢いを殺がれた幹部達を見つめる。

「お前達は、もう少し考える頭を持っていたと思っていたが、私の見込み違いだったな。あの場で言ってやっても良かったが、それでは彼を追えなくなるだろうと思ったからな。・・・お前達の相手をするのは時間の無駄のようだ。」

 呆れた声を出して、星刻は頭を振った。

「星刻・・・。」

 言い過ぎだと視線で訴えてくる愛しい者に笑みを向ける。

「ルルーシュ、君が心を痛める必要はない。奴らはそれ以上に君を傷つける言葉を吐いたんだからな。」

「その通りだな。」

 今まで傍観を決め込んでいたC.C.も口を挟み、ニヤリと笑う。

「・・・計画の全てが終わるのを、そこで指を銜えて見ていろ。・・・まぁ、日本にもお情けはくれてやるそうだぞ?ルルーシュは優しいなぁ?」

 意地悪な笑みを見せて、C.C.は星刻に視線を向けて来た。なんだと首を傾げれば、彼女が口を開く。

「もう、お前は言いたいことは言ったか?」

「ああ。・・・それに、これ以上こいつらと話していたら、自分の血管が保たない気がするしな。」

「ふふ、だそうだ。・・・じゃあ、これで、失礼するよ。二度と、お前達との通信には応じないから、そのつもりでな。」

 反論の余地も与えず、C.C.はブチ、と電源を引っこ抜いた。

「・・・C.C.・・・星刻・・・。」

 困ったように自分達の名を呼ぶルルーシュに、星刻は苦笑をうかべた。

「これくらいは良いだろう。日本を返還してやるんだ、厭味の1つくらいは言わないとな?」

「その通りだぞ、もう少し言ってやりたかったが、あっちの言い分はこれ以上聞きたくなかったから電源を引っこ抜いた。」

「・・・お前達は・・・まったく。」

 ルルーシュはそう言って、苦笑をうかべたのだった。





 その後、ブリタニアは善政を敷いた。エリア解放はその最たるものだった。そして、ルルーシュ皇帝は当然のこととして復興見舞金を各国に送り付け、しかし、その返礼を受取ろうとはしなかった。

 多くの国がその善政に共感を示し、同盟を結んでいく中、日本だけは決して同盟を受け入れられることはなかったという。


 おしまい


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