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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

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注意
・時期は騎士任命~神根島
・ナリタ事変は回避
・クロヴィス暗殺回避
・いろいろ捏造

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








 昔の人は上手く言ったもので・・・。まさに季節は秋。“○○の秋”と言う程に、何をするにもちょうど良い時節だ。





「ん~・・・ムズムズする。」

「秋なのに花粉症ですか?大変ですね。」

 書類を見やりながらの言葉に、ミレイはムッとしてその言葉を発した当人を睨む。

「心が無いわねぇ~。ん~?副会長???」

「・・・大丈夫ですか?お薬は飲みましたか?・・・風邪かもしれません、すぐに病院に!さよこさ・・・。」

「あ~~~!わかった!ごめんなさい!」

 一瞬で心配そうな表情を作った後、矢継ぎ早に言い、更には咲世子まで呼ぼうとしたルルーシュに、ミレイはとうとう観念して謝った。

「ルル、すっごい・・・いつもなら会長にからかわれて終わりなのに。」

 シャーリーが呟くと、リヴァルとニーナがうんうん、と頷き、カレンが呆れたようなそんな表情をうかべた。

「・・・ルルーシュ、何か心配事?」

 ぽつりと訊ねたのはスザク。幼い頃の知り合いであるがゆえに、ルルーシュの様子を見て何かを感じ取ったらしい。

「・・・いや。」

 首を振るルルーシュだが、スザクの言葉を聞いた一瞬、眉を顰めたのには全員が気付いた。

「ルルーシュ?」

 さすがのミレイも心配そうにルルーシュの顔を見つめ、首を傾げる。

「何でもありませんよ。それよりも会長、変な企画とかやろうと考えている暇があるなら、この書類の束を片付けて下さいね。」

 視線を落としたルルーシュに、それ以上聞くことが出来ず、ミレイとスザクが思わず視線を絡ませる。だが、それは一瞬のことで、先にミレイが視線を外し、苦笑いをうかべた。

「あら~・・・わかっちゃった?・・・でも、こうもイベントにふさわしい季節だと、何かやりたくならない?」

「なりません。」

 ルルーシュにばっさりと切り捨てられて、ミレイはうう、と詰まる。こういう時は、引き下がった方が良いということを知っているミレイは、それ以上言うことなく、大人しく書類に向かう。

 それを見ていたリヴァル達も、ルルーシュの機嫌が悪いのだと気付いて、触らぬ神に祟りなしとばかりに書類の方に没頭した。




 全ての書類が片付き、ルルーシュが職員室へと持って行くと言って生徒会室を出て行った後、全員が深い溜め息をついた。

「ルル、すっごい機嫌悪そうだったけど・・・リヴァル、何か知ってる?」

「いや~・・・さすがに、知らねーわ。スザクは?」

「・・・僕も、思い当たることは特に・・・。会長は?」

「私だって、わからないわよ~・・・。」

「・・・でも、ルルーシュの機嫌が悪いのって、心配事があるから、なんでしょう?」

 そう言ったニーナに、皆の視線が集まる。

「・・・だ、だって、スザクがそう聞いた時に、眉、顰めてたし。」

「そうね。・・・私もそう思うわ。・・・スザク君、聞き出すことってできないの?(こんなの続いたら、息が続かないわ。)」

 カレンが表面上はおしとやかに、それでも、胸中では毒づきながら小首を傾げると、スザクはうーん、唸る。

「聞けないこともないけど・・・2人きりになって、ほんの少しでも機嫌を良くしてからじゃないと・・・。」

「じゃあ、その役はスザクに決定な、お前、ルルーシュのこと、よくわかってんじゃん。」

「ええっ・・・う~・・・わかったよ。でも、失敗したらごめん、もっと機嫌悪くなるかも。」

 スザクは苦笑いをうかべて、肩を落とした。





 夜。クラブハウスに残ったスザクは、ルルーシュの勧めるままに食事を御馳走になり、食後のお茶を飲んでいた。ちなみに、ナナリーは咲世子と共に自室に戻っている。

「・・・美味しいね、このお茶。」

「そうか?・・・咲世子さんが美味しいからと取り寄せてくれたんだ。」

「へぇ~・・・。」

 スザクはカップの中をしげしげと見つめる。

「スザク・・・。」

「ん?」

「・・・お前、皆から、俺が機嫌が悪い理由を聞きだせって言われたんだろ?」

 ルルーシュから言い出されて、スザクは苦笑する。

「ん。・・・僕の方が、聞きだしやすいだろうからって。・・・それで、どうなの?話したくなければ話さなくて良いよ。皆には失敗したって言っておくから。」

「いや・・・理由という理由は無いんだが・・・この間からずっと嫌な予感がするんだ。」

「嫌な予感?」

「・・・ああ、お前、ユフィの騎士だろ?何か聞いてないか?・・・大物がこのエリアに来るとか・・・。」

「大物・・・。」

 フッと表情に影が落ちたスザクを見て、ルルーシュは確信する。

「誰か来てるんだな?お忍びで・・・。」

「・・・シュナイゼル殿下だよ。」

「・・・兄上が・・・そうか・・・あの人が来ているのか。」

 どおりで、と呟いたルルーシュに、スザクは首を傾げた。

「見つかる心配は今のところないと思うよ?・・・式根島の方に行ってるから・・・。」

「式根島?」

「うん、遺跡?の調査、とかって言ってたけど・・・。」

「・・・遺跡、か。何の遺跡かとか言っていたか?」

「さぁ・・・そこまでは。」

 そう言ったスザクに、ルルーシュは嘆息した。

「そうだよな、お前までそんな情報が流れてくるハズがないな。あの人のやることだからな・・・。」

「それと、ルルーシュ。・・・ユフィがね、最近、前総督の絵が飾ってある部屋に入り浸ってるんだ。」

「・・・クロヴィスの?」

「う、うん。」

 同じ異母兄でも呼称は違うのか、と思いながら、スザクは続ける。

「えっと・・・君達母子の絵をじっと見てるんだ・・・どこかで見られたとか、すれ違ったとか、そういうことはない?」

「・・・たぶん、ない、と思うが。」

 実際はゼロとして河口湖で会っている。あの時、気付いたのなら、とてつもなく拙い。

「そう?・・・僕が気付いたのはそれ位だけど・・・これは、皆には言えないね・・・。」

「そうだな。・・・だが、会長には言った方が良いだろうな。理事長にも相談しておかなくては・・・。」

「僕も、一応、気をつけておくよ。・・・何か、動きがわかったら、君に連絡するようにする。」

「そうしてくれ・・・。」

 ルルーシュはそう言って、天井を見上げ、呟いた。

「・・・この嫌な予感が当たらなければ良いが・・・。」


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