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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・カレルルでデート!
・デート中にディートとスザクの妨害が!
・ギャグ!
・捏造満載

以上、同意できる方のみ↓へ・・・









「カレン・・・日曜日は、その・・・空いているか?」

「えっ・・・ええ。作戦が無いなら、大丈夫だけど・・・。」

 廊下で擦れ違いざまにルルーシュに腕を掴まれて、階段の脇に連れて行かれたかと思ったら、そんなことを言われてカレンはドギマギとしながら答える。

「・・・じゃあ、一緒に出かけよう。」

 ルルーシュは至って真面目に言っている。それがわかって、カレンはコクンと頷いた。

「・・・良かった。・・・じゃあ、日曜日朝10時に、校門前で。」

「ええ。」

 嬉しそうに笑むルルーシュを見て、カレンも表情を和らげる。

「ルルーシュ~~~ッ(泣)」

 遠くの方で、リヴァルが叫んでいる。それにハッとしたルルーシュが、バツの悪そうな顔をする。

「スザクの足止め頼んだんだ。・・・ごめん、じゃあ。」

「わかったわ。」

 ルルーシュの背を見送ったカレンは、しばらく夢見心地の状態でそのまま突っ立っていたのだが、ふと我に返って、心の中で叫んだ。

「(これって、デートのお誘い!!?)」

 そう気付いてしまったら、平常心ではいられなくなってしまい、ルルーシュのいる教室になど戻れるわけもなく。結局カレンは、そのまま仮病を使って早退をしてしまった。



 黒の騎士団アジト・幹部達のラウンジ


「・・・ど、どうしようッ///」

 昼前にアジトへやって来たカレンが、かなり動揺した様子だったので、旧扇グループの幹部達は色めきたった。

「・・・ど、どうした、カレン?」

「学校で何かあったのか?」

「カレン?」

 口々に問う幹部達の前で、カレンはへなへなとその場に座り込んだ。

「・・・る、ルルーシュに、デートに誘われましたぁ~///」

 その言葉に、幹部達はそうかそうか、デートか、と納得しかけて、ハッとする。

「「「「な、何~~~~っっっ!」」」」

― あの鈍感皇子が、カレンをデートに誘うなんて!!!

 全員の心が一致した瞬間だった。



 ようやく落ち着いた様子のカレンに飲み物を渡しつつ、井上は苦笑をうかべる。

「(デートに誘われて、こんなに動揺するなんて、本当に初心よねぇ♪)・・・さて。デートに誘われたって言ったけど、どこに行くの?」

「へっ・・・あ、その・・・学園の中だったからかな・・・どこに行くかは言わなかったんです///」

 ほんのりと頬を紅潮させて、カレンは俯く。その姿を見て、井上はくつくつと肩を震わせて笑う。

「・・・そ。・・・じゃあ、当日はゼロにお任せってことね?」

「・・・は、はい///」

 普段、黒の騎士団のエースとして、紅蓮弐式を駆っている時とは全く違う妹分の姿に、井上はついついお節介ながらも応援したくなってしまう。

「いつ行くかは決まってるんでしょ?着る服は決めた?」

「・・・はい。日曜日に・・・服は・・・い、井上さん、私、何着れば良いでしょうか?デートなんて、初めてで・・・。」

「そうね~・・・カレンの好きな服を着れば良いと思うわ。だって、ゼロはカレンがカレンだから好きでいてくれるんでしょ?なら、別人のようになる必要って、ないと思うの。」

 こくん、とカレンは頷く。井上の言っていることは尤もだ、と思ったからだ。それに、ルルーシュにはカレンの色々な部分を見られている。今更取り繕ったって、彼の眼には異様にしか映らないだろう。

「・・・ありがとうございます。井上さん。」

「いいえ。・・・デート、頑張ってねv」

「~っ///・・・はいッ。」

 井上に改めて言われて、ますます頬を紅潮させたカレンだったが、素直に頷き、ラウンジから出ていく。

 それを見送ってから、井上はラウンジの後方を向いて叫んだ。

「・・・ええい!女々しい!!妹分の幸せをどうして喜べないのッ!!」

 そう。ルルーシュとカレンがデートということで、かなり複雑な思いを抱いたらしい男共が、いじいじといじけていたのである。(カレンの視界には入っていなかったらしい;)

 曰く。カレンのことは本当の妹みたいで可愛い。ルルーシュのこともあのほっとけない所がとっても可愛い。つまり、両方を可愛いと思っているわけだが、その2人が本気でくっついてしまうのも淋しいらしい。

「まったく、しょうもないわね。」

 呆れる井上の声がラウンジに響く。だが、その場にいたのは何も旧扇グループだけではなかった。ラウンジを覗く影。それに井上が気付くことは最後まで無かった。



 日曜日・アッシュフォード学園校門前


 休みの日だからか、学園内は閑散としている。校門で1人待ちながら、カレンはそわそわと辺りを窺っていた。

「・・・会長達に見つかりでもしたら・・・絶対からかわれるッ。」

 だからこそ、ルルーシュもこそこそと隠れるようにして、デートに誘ったのだろう。それがわかっているから、カレンもなるべく学園では平静を装うようにしていた。が、やはりルルーシュの傍に行けば、動きはぎくしゃくとしてしまう。ルルーシュの猫かぶりに慣れた生徒会の面々は、そんなカレンの様子に絶対気付いていたはずだ。

「でも、今日デートとか、絶対、わかんないだろうしッ・・・。」

「・・・何が?」

「○×▽□○×△ッッッッ~!!!?」

 突如、背後から声をかけられて、カレンは声にならない悲鳴をあげて後ろを振り返る。

「・・・か、カレン?どうしたんだ?」

 そんなカレンを見て、慌てたのは、声をかけてきた相手・・・ルルーシュだった。

「な・・・何でもないッ・・・ちょ、ちょっと驚いただけ・・・。」

 胸のあたりを押さえてそう言ったカレンに、ルルーシュはほんの少し首を傾げて、そうか?と呟いた。

「・・・なら良いんだが。・・・あ、ええと、待たせてしまってすまない。」

 不審そうにしながらも、律儀に謝ってくれるルルーシュが愛しい。

 あのまま、ルルーシュの本当を知らないでいたら、こんなところもあるんだと知らないまま、嫌い続けていたのかもしれない。そう思うと、桐原のお節介にはいくら感謝しても足りないくらいだ。

 もちろん、ルルーシュの可愛いうっかりにも感謝だ。そうでなかったら、今頃はまだ、ゼロとその親衛隊隊長、生徒会の仲間、それだけの関係だったのだから。

「ううん。全然・・・待ってないわ。」

 そう言いつつ、カレンは何だか恋人みたい(実際恋人だが)と思う。

「ふふ・・・なんだか、今更だが、ようやく恋人らしいことをしているな。俺達は。」

 ルルーシュもカレンと同様のことを思ったらしく、はにかんだ笑みでそう言ってくれる。

「そうね///」

 急に気恥かしくなって、カレンはスッとルルーシュから目を逸らした。と、その時、カレンの目には見たくないものが映ってしまった。

「(でぃ・・・でぃーとはるとぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!?)」

 物陰に隠れていたディートハルトとバッチリ目が合ってしまい、さぁ~っと顔を青褪めさせるカレンに、ルルーシュは首を捻る。

「どうしたんだ?」

「・・・い、いいえ!・・・い、行きましょ、ルルーシュ。」

「あ、ああ?」

 グイッとルルーシュの腕に自分の腕をからめて、カレンは“それ”に背を向けて歩き出す。

「・・・で、どこに行くか、わかってるのか?」

「う・・・知らない。」

 勢いに任せた行動だった為に、今更な質問をされて、カレンは呻く。

「・・・ふふ。しょうがないな。」

 苦笑したルルーシュは、今度は自分が前に出て、カレンをエスコートし始める。さすが元皇族。レディの扱いはお手の物なのだろう、とカレンは変な感心をしてしまった。



 そしてやって来た、租界のショッピングモール。何か買いたいものがあるのかと聞けば、ルルーシュはあっけらかんと答えた。

「デートと言えば、ショッピングなんだろう?」

 どうやら、どこかで仕入れてきた情報を元に行動しているらしいとわかって、カレンは苦笑してしまう。ルルーシュは根っからのマニュアル人間のようだった。

「そうね。・・・じゃあ、ナナリーちゃんに何かお土産でも買っていきましょうか。今日は、お留守番してくれてるんでしょ?」

「!・・・ああ、そう、だな。」

 ナナリーの名前を出せば、ほんの少し驚いた様子でカレンを見て、ルルーシュは優しい笑みをうかべる。

「・・・カレン。」

「ん~?」

 ナナリーのお土産をと、品定めを始めたカレンに、ルルーシュは呟くように言う。

「・・・本当に、ありがとう。」

 改めて礼を言われて、カレンは弾かれたようにルルーシュの方を向く。

「な、何?いきなり・・・。」

「・・・いや。だって、カレンはナナリーのことをいつだって気にかけてくれるだろう?」

「だって、ナナリーちゃんは、ルルーシュの大切な妹でしょう?私が貴方が、その“あの行動”を取るようになった理由を理解したのだって、それがナナリーちゃんの為って気付いたからなのよ?」

 照れ隠しのせいか、少し怒ったように早口で言うと、カレンはさっさと近くにあった店の中に入り込んでしまった。

「・・・それでも、俺は、君の言葉に、こんなに救われてる・・・。」

 ルルーシュはぽつりと呟いて、それから、店の外に陳列しているアクセサリー類に目をやる。

「・・・こういうの、あんまりつけてないけど・・・女の子だし、興味はあるよな・・・。」

 いつだって、ルルーシュの事情を優先してくれるカレンに、たまには報いたい。そう思って勇気を出してデートに誘った。

 だから、カレンが純粋に喜んでくれているようで、ルルーシュはそれだけで嬉しかった。それなのに、留守番をしているナナリーにまで気を配ってくれるカレンに、もう、涙を流して喜びたい気持ちに駆られていた。

 ルルーシュは、アクセサリーを眺めながら、ある1つの髪飾りに視線が止まった。大きな翡翠色の石がはめられているシルバーの髪飾り。きっと、彼女の緋色の髪に映えるだろうと考え、ルルーシュは即決した。

「・・・すみません、これ、下さい。」



 一方、店の中に入ったカレンは、はぁ~と溜め息をついた。

「・・・また、可愛気のない言い方しちゃった・・・もう、なんで、私はこうなのよ・・・。」

 それに、店の外にルルーシュを置いてきぼりにしてしまった。申し訳ない気持ちでいっぱいになりつつも、頭を冷やす意味で、ナナリーへのお土産を選ぼうと棚を見て回る。

「それにしても、デート中にナナリーの名前を持ち出すってどうなのかな。」

「っ!?」

 何の気配も感じさせずに背後にいた者からの言葉に、カレンはギョッとして振り返る。

「・・・ね?カレン。そう思わなかった?」

「・・・スザク・・・あんたねぇ・・・。」

 イラッとしたのは当然だと思って貰いたい。まさか、ディートハルトだけでなく、こいつまで邪魔しに来ているとは!!ディートハルトはとりあえず実害無しだが、こいつは実害ありまくりだ。

 睨むカレンに、スザクはしれっとしている。

「・・・なに?デートの邪魔するなって?・・・冗談じゃない。このまま黒の騎士団に連れて行かれてもたまらないからね。監視だよ監視。」

 スザクの言い様に、カレンは以前、スザクを挑発してしまったこと(※『親愛なる貴方』参照)を激しく後悔した。

「・・・ルルーシュに見つかれば、嫌われるわよ。」

「・・・・・・う。」

 最後の手段とばかりに呟けば、スザクが呻く。

「安心しなさいよ。別に、ルルーシュを黒の騎士団に無理やり連れてくなんてしないから。(元々黒の騎士団はルルーシュのものだし。)だから、邪魔しないで。これはルルーシュの好意なの。私の我儘じゃないの。わかったら、さっさとどっか行ってよ。」

 シッシッと犬でも追い払うようなカレンの仕草にムッとしつつも、ルルーシュに嫌われたくない一心で、スザクは姿を消す。

「・・・ったく、あれだけ気配に聡いルルーシュに気付かれずに私に近づくなんて、どんだけ人間離れしてるのよ。」

 呆れたように呟いて、カレンは小さなオルゴールを手に取る。

「・・・これなら、音が出るし、ナナリーちゃんも楽しめるわよね。」

 フッと口元を綻ばせる。デート中にナナリーの名を出したのはどうか、などとスザクは言っていたが、カレンはそうは思わなかった。だって、ナナリーがルルーシュの全てだから。

 だから、ナナリーに留守番をさせてまでデートに誘ってくれたルルーシュのその気持ちが嬉しかったから。きっと、ルルーシュ自身にお礼を言ったって、意味が無いのだ。ナナリーを労うことこそが、ルルーシュにとって一番嬉しいことなのだから。

「すみませ~ん、これ、下さい!!」

 カレンはそのオルゴールを握りしめて、レジへと向かった。



 カレンが店の外に出ると、ルルーシュがにこやかに出迎えた。

「店の中はどうだった?」

「うん。(あの邪魔さえ入らなければ)いっぱいイイのがあったわよ。ルルーシュも入れば良かったのに。」

「ああ、俺は・・・外で売ってる物の方が良かったから・・・。」

 見ると、ルルーシュの手には小さな紙袋が乗っていて。ナナリーに渡すのだろうかとカレンの表情が緩む。

「・・・ふぅん、何買ったの?」

「髪飾り・・・。」

 ルルーシュの選択に、カレンはあれ?と思う。ナナリーへのお土産にしては、気配りが無い。どんなに美しいものでも、ナナリーには見えないのだ。だから、音色が楽しめたり、実用的な物だったりの方が、ナナリーは喜ぶ。

「・・・ルルーシュ・・・。」

 不審げな表情をうかべたカレンに、ルルーシュは苦笑をうかべた。

「君にだよ、カレン。」

「へッ!?」

 思わず素っ頓狂な声をあげて、カレンはルルーシュを見上げる。

「君に・・・プレゼントのつもりなんだけど・・・。」

 ルルーシュが差し出した紙袋を、カレンは震える手で受け取る。

「・・・中、見ても良い?」

「ああ。」

 ルルーシュが頷くのを見て、カレンはその紙袋を裂かないように開ける。

「・・・わぁ・・・キレイ・・・。」

 カレンが感嘆の声をあげる。

 シルバーに翡翠色の石がはまった、美しい髪飾り。

「君の緋色の髪に、絶対似合うと思って。」

 照れくさそうなルルーシュの言葉に、カレンは思いっきり感動してしまう。

「~~~~~~っ///あ、ありがとう~~!」

 大きな瞳に涙をたくさん溜めてそう言うカレンに、ルルーシュはハンカチを渡す。

「何も泣かなくたって・・・。ほら、せっかくのショッピングモールだ。他にも何かイイ物がないか、見てみよう。」

 受け取ったハンカチで涙を拭くカレンに、すらりとした綺麗な指の、大きな手が差し出される。

 いつもは、ナナリーを守るこの手が、自分に向けられている。今、この瞬間だけ、ルルーシュはカレンの為だけにいる。それはとても貴重なことだった。カレンはにっこりと微笑んで、その手を取る。

「・・・デートは、やっぱり、手を握らないとな。」

 ぽつり、と言ったルルーシュに苦笑が漏れるが、それでもカレンは構わなかった。カレンとのデートの為に、一生懸命調べてくれたのだろうから。

「ルルーシュ。」

「ん?」

 名を呼べば、視線をこちらに向けてくるルルーシュに、カレンはとびっきりの笑顔を向けた。

「今日はありがとう!」

「・・・ふふ、いきなりなんだ?・・・デートはまだまだこれからだぞ?」

「わかってるわ。・・・ルルーシュ、バテないでね?」

「もちろん。その為にモール内は入念にチェック済みだ。」

「っぷ、あはは!やだ、もう!ルルーシュったらッ。」

「大真面目だぞ。俺は。」

「うんうん・・・わかってるってば。」

 憮然とするルルーシュに、カレンの笑いが止まらない。最初は困ったようにしていたルルーシュだが、カレンが楽しそうなので良いか、と開き直り、一緒に笑いだす。

「ククク・・・。」

 そんな2人が笑いながら進む様子を、ディートハルトが懸命にビデオに収めていた。

「・・・殿下ぁ・・・何と、楽しそうにぃぃぃ・・・紅月さん!羨ましすぎです!!」

 呻くその怪しい人物が、一般客の目にとまれば、通報されること間違い無しだが、そこはジャーナリスト。何とも巧妙に隠れながら撮っているので、一般客に見つかることは無かった。



 そして、もう1人の邪魔者は・・・。


「・・・何でカレン?どうしてカレン?・・・やだなー。腹立つなー。僕だって、ルルーシュのこと大好きなのにー・・・。」

 店の陰から2人を覗き見ながら、ぼそぼそと呟く姿が、目撃されたが、彼の皇女の騎士だということがよく知られていたためか、皆、素知らぬふりをして通り過ぎていったのだった。


 おしまい


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