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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・W副長設定です!
・カップリングはありません
・完全捏造です
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・










「山崎退です!これからお世話になります!!」

「原田右之助。よろしく」

数日後、松平が連れてきた二人は“地味”と“ハゲ”だった。

「・・・地味とハゲ・・・強いのかよ」

ぼそり、と沖田が呟いたのを耳にして、松平は吹き出した。

「ぶはっ!!・・・いやいや、そりゃぁねぇよ!そーちゃん!・・・こう見えても二人とも優秀なンだよォ」

「えー、ホントかよ」

「ホントだよォ」

山崎と原田は、松平と互角に話す沖田を奇異な目で見つめる。

それに気づいた銀時がくつりと笑った。

「・・・生意気なガキだとか思うなよ?アイツは強いぞ」

「・・・アンタは?」

「坂田銀時ってんだ。今はここの道場で世話になってる」

訪ねた原田に答え、銀時はゆるく笑った。

「・・・で?何を話し合うんだ?」

ゆるんだ空気を引き締めるように土方の声が響く。

いつになく冷たい目をした土方に、松平は我が意を得たりと笑った。

「そうそう、トシはそれくらい慎重でいてくれねェとなァ・・・近藤がユルいから」

「え?ナニナニ?何の話なの、とっつぁん!?」

さりげなく貶された近藤が反応すれば、松平はようやく本題を口にした。

「オジサンさァ・・・この道場を母体にして特殊治安維持部隊を作りたいんだよねェ」

「・・・治安維持部隊だァ?」

土方の眉間に皺が寄る。

「そう、未だにゲリラを企てる連中に対抗するための、警察機構直下の部隊なんだよォ」

「・・・アンタ、銀時のことわかってて、ンなコト言ってんのか?」

眦を吊り上げて土方が言えば、近藤を始めとする道場の者達全員がハッとする。

「そ、そうだぞ、とっつぁん!!・・・銀時にとって幕府は鬼門なんだぞ!!」

「銀兄ィを捕まえるつもりなら、殺すぜィ?」

慌てる近藤と殺気だつ沖田に、松平は苦笑した。

「・・・捕まえるつもりはねェってオジサンは言ったろォ?・・・それに、お銀ちゃんの許可は得てるよォ」

「とっつぁん!!それはもういいから!つか、せめて“お”は取って!お願いだから!!」

「銀時!呼び方にツッコミ入れてる場合じゃねェだろ!・・・許可ってどういうことだ!!?」

土方の怒りの矛先が自分に向いて、銀時は心底面倒くさそうな表情をうかべた。

「・・・取引みてェなモンだよ・・・攘夷派に“俺”を利用させないために、幕府の狗になるってな」

「銀時ッ!」

「それにさァ・・・十四郎、刀を持ってみたいって言ってたろ?」

「それとこれとは別の話だろうがッ!!」

「落ち着け、トシ・・・なァ、銀時・・・ちゃんと説明してくれ、とっつぁんも。な?」

その一言で土方がグっと怒りを抑え込み、銀時が苦笑する。松平が目をつけた近藤の持つ力のひとつだ。

近藤には人をまとめる力がある。頑固なようで、自分の足りないところを素直に認めて人に頼ることができるおおらかさがある。

組織の長に任じるのに、これほどふさわしい人材はいないだろう。

「ちゃーんと話すよォ・・・そのために、もう一人呼んである・・・おーい、もういいぞォ」

「・・・失礼致します」

松平に呼ばれ障子戸を開けて入ってきたのは、理知的な顔立ちをした若者だった。

「じゃ、説明頼まァ、鴨ちゃん」

「・・・・・・松平公、お願いですからその呼び方は・・・」

「ん~?いいじゃないのォ、可愛いしさァ」

「・・・・・・はァ」

今のやり取りだけで彼が散々松平に遊ばれていることが察せられて、銀時は思わず同情の視線を送ってしまう。

「大変だな、アンタも」

「・・・君もか?」

「・・・ああ」

「・・・・・・上司としては理解のある良いお方なのだがな・・・」

溜息混じりに告げ、彼は恨めしげに松平を見やった。

「それで・・・説明してくれるんだろ?俺も詳しくは聞かされてないんだけど」

そんな彼を銀時が促す。

「あぁ・・・僕は伊東鴨太郎という。これから松平公が発案される“武装警察真選組”の基礎を作るように命じられている」

「「「武装警察真選組???」」」

近藤達が首を傾げる脇で、銀時は眉をぴくりと動かす。

「そう、武装警察。奉行所とは違う特殊警察だ。主な仕事は幕府に仇なす者の捕縛と武力介入が必要な事件の解決になる」

「まぁ、あとはオジサンの私兵としてのお仕事もプラスするけどねぇ~、一応警察機構直属ってことにしてあるからァ、オジサン以外では将軍の命令で動くこともあるって思っておいてよォ」

補足した松平がニヤリと笑って伊東に目配せをする。

「つまり逆に言えば、松平公と将軍以外には従わなくても構わない、ということだ」

くい、とメガネを持ち上げた伊東の目がギラリと光る。

「・・・僕はそこに惹かれてこの組織に所属することを決めた。安定と地位を得るという点では一番の近道だが、幕府に仕えるというのは色々な思惑に振り回されるということだ。それに比べ真選組に属すればその方面の煩わしさが半減するのは間違いない」

「ナルホドな・・・銀時にとっても悪い話じゃねぇってことか」

土方が呟く。

幕府のモノになるのであれば銀時が不自由な思いをするのではと危惧していたのだが、伊東の話から察するに幕府高官からの横槍は少なさそうだ。

松平という防壁が銀時を護る。つまりはそういうことなのだろう。

「とっつぁん・・・じゃあ、銀時はどういう立場になるんだ?」

近藤がそれでも心配そうに問う。

いくら幕府高官からの横槍が少ないといっても、大物攘夷志士である銀時となれば話は別だろう。

「・・・まぁ、最初はちょっと嫌な思いをさせちまうだろうなァ・・・」

「あー、幕府に忠誠を誓ったフリして頭を下げるくらい、なんでもねーよ?」

渋い表情をうかべた松平に、銀時はそう告げる。

戦争中は常時“白夜叉”としての自分を演じてきたのだから、一時幕府の飼い犬のフリをするくらい何でもない。

「銀時・・・」

人の良い近藤は、それでもと渋る様子を見せる。

「彼には真選組の幹部になってもらう。重役を担い、それを全うするのが幕府高官からの信頼を得る近道だ。・・・幸い、彼は戦術家としても優秀で、“とある方”から政治的知識も学んでいるようだ。問題はないだろう」

伊東が言えば、銀時はキョトンとした。

「・・・あれ?教えの内容とか知ってるんだ?」

彼の人の教えは弾圧されたその時点で家財道具もろとも全て抹消された。だというのに、伊東の言い方では内容も知っているようだったからだ。

「・・・僕はその教えを又聞きしたんだ。当時では進み過ぎているきらいもあったが、素晴らしい教えだと思う」

「そっか・・・」

安堵したような、それでいて今にも泣きそうな表情をうかべる銀時に、近藤達もその“とある方”という人物が銀時にとってとても大切な人なのだと悟る。

「奴の死生観ってのは、まァ、見事なモンだとオジサンは思ったねェ・・・立派な最期だったと刑を執行した連中も言ってたよ」

「・・・当然だろ。あの人はいつだって覚悟ができてたんだ。自分が死んでも志が残ると信じていたから」

教えられる限りのことを塾生達に伝え、師は江戸へ連れて行かれた。その時の塾生達は必ず師は帰って来ると信じていた。

だというのに師の遺髪のみが帰郷し、塾生達は自分達の考えが甘かったことを悟った。

「・・・最後の攘夷志士達の目的は、師の仇打ちであり遺骸の奪還であったというのは知っている。君が幕府に膝を折り、彼等からの信頼を得たならば・・・それも叶うかもしれない」

「ああ・・・実はそういう思惑もあった。もしかしたら、内側に入っちまった方が取り戻しやすいんじゃねェかって」

伊東の提案に頷き、銀時は皮肉気に笑った。

「・・・可能なのか、とっつぁん」

土方が確認すれば、松平は是と頷いた。

「根回しは済んでるぜィ・・・“白夜叉”が幕府に忠誠を誓うのであれば、幕府により管理されている遺骸を真選組管理という形にしても良いってさァ」

大物攘夷志士である“白夜叉”を目の届く範囲に置いておけるのならば、後生大事にしまいこむ必要もないということだろう。

更には“白夜叉”が幕府を護ると公言することによって、攘夷志士の残党が力を失うという副産物も期待しているのは間違いない。

「・・・そこに嘘があっても構わねェってコトか」

土方がそう言って眉間に深い皺を刻む。

「まぁ、要するに形なんだよォ。・・・“白夜叉”が幕府の味方に付いたっていうだけで、充分効果有りと見たんだろうさ」

松平は肩を竦めて続ける。

「タヌキジジィ共は自分達の立場が揺るがないと信じてる。だからこの件も俺に丸投げってワケだ。・・・まぁ、そこに付け入る隙があるんだがなァ・・・てな訳でな、近藤、トシ・・・俺を信じちゃくれねェか?この通りだ!」

頭を深々と下げた松平に目を丸くし、近藤と土方は顔を見合わせた。

「・・・トシ、どうする?・・・俺は、良いと思ってる。役所勤めになるだけで銀時のおっしょさんの遺骸が取り戻せるなら・・・それに、俺達が侍になれるんだ。滅多にない好機だろう?」

「・・・近藤さん。アンタがここの大将だ・・・皆、アンタの決定に従うさ」

土方が言えば、銀時にぴっとりとひっついていた沖田が立ち上がった。

「そうですよ、近藤さん・・・土方の顔色なんて窺う必要なんざねェです・・・俺達ァ、アンタに従います」

「トシ・・・総悟・・・」

近藤は感極まったように声を震わせ、それから頭を下げる松平に近寄って、その肩に手を置いた。

「とっつぁん、頭ァ、あげてくれ・・・アンタの気持ちはよくわかった・・・」

「・・・じゃあ」

「ああ、こっちこそ頼む・・・こんな田舎もんが集まった道場をすくいあげようってんだ、ありがたいと思いこそすれ、嫌だなんて思うわけねェよ」

ニッと笑って見せた近藤に、松平はホッと息を吐いた後、小さくガッツポーズを決めた。

「よしっ、“お銀ちゃん”げっとォ~」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、それが目的かいっ!!」

ベシッ!と容赦ない銀時のツッコミが松平の頭に直撃して、道場は笑いに包まれたのであった。


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