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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・完全捏造設定です!
・原作かなり無視しています!
・オリジナルキャラクターがわんさか出ます
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・











「それで?・・・“ヤツ”の情報ってのは?」

ひとしきり銀時と土方をからかった後、高杉が話を戻した。

「・・・あ~・・・えーと、テメーら落ち着いて聞けよ?つか、誰か晋助押さえといて。キレて暴れ出さないように」

「あ゛ぁ゛??」

「あ、じゃあ、俺が押さえておくよ」

銀時の言葉に眉間にしわを寄せた高杉を、久坂が羽交い絞めにした。

「テメッ、玄!何しやがるッ!」

「いや、銀が言い渋る情報ってだけでも危なそうなのに“ヤツ”絡みじゃ、絶対に晋は暴れるだろうと思って」

「多分、玄ちゃんの押さえ方は正解かも・・・」

「・・・実はな、夏霧の調査で“ヤツ”の所在が判明したのだ」

苦笑する銀時の横で、桂が口を開く。

高杉は暴れるのを止め、桂を凝視した。

「テメェは知ってたのかよ、ヅラ」

「ヅラじゃない桂だ。・・・知っていたというか、ウチにいる銀時の部下に喋らせた」

「・・・銀時の部下?誰だ」

「水澄だ」

「・・・ああ、アイツか」

水澄の名前を聞いただけで納得した高杉に、新八と神楽が首を傾げた。

「銀さんも口が軽いって言ってましたけど、そんなに有名なんですか?」

「名前聞いただけで納得って、どんだけネ」

「いやぁ、本人にはそのつもりが無くても、うっかり喋っちまうんだよなァ」

「その度に落ち込んでいたな」

銀時と桂が答えると、幼馴染の面々もうんうんと同意するように頷く。

「腕は確かなんだけどね~」

「猪突猛進型というか・・・潜入にはむかんな」

「逆に、氷柱ちゃんとかは女の子ってコトもあるけど、潜入は得意だよねぇ。なにせ、すんなりと鬼兵隊に馴染んじゃってたし」

入江や古田、久坂が揃って高杉に視線を向ける。

「六花の成り立ちを考えれば、銀時と未だに繋がってるだろうとは思ってたぜェ?・・・ただ、最近まで一切他と連絡を取り合う姿を見せなかったのは見事だったなァ」

「連絡を取り合う姿を見せなかったっていうより、取ってなかったんだよ。俺にだってつい最近まで連絡はなかったしな。ヅラが俺を勧誘し始めた頃から春霞が直接会いにくるようになったんだけどォ」

「じゃあ、水澄のうっかりのせいか」

「あ、やっぱヅラに俺の居場所教えたのアイツか!!」

「責めてやるなよ?それでなくともかなり落ち込んでいたのだ。蒸し返すと慰めるのが面倒だと思う位にな」

桂が若干ウンザリと言えば、銀時は溜息をついた。

「何?アイツ、お前等の隠れ家の敷地にきのこでも生やした?」

「きのこどころではない。アレは腐海だ」

「わォ」

「・・・おい、そこまででイイだろ・・・“ヤツ”の居場所とやらを早く教えろ」

イラだちを隠そうともせずに高杉が言えば、銀時と桂は顔を見合わせて肩を竦めた。

「ったく、晋ちゃんは余裕がねェなァ・・・まぁ、わからなくはねェけど」

「・・・“ヤツ”は萩に出向していた。天導衆の私兵団としてな」

「「「「!!」」」」

幼馴染4人がギョッとする。

「ん~?萩ちゅうコトは、おんしらの故郷かァ?」

坂本が訊ねれば、桂が頷く。

「ああ」

「・・・どうやら“白夜叉”を探してるみたいなんだけどォ、見つからなかったみたいで明後日江戸に帰ってくるんだと」

「じゃあ、今すぐ萩にッ!」

銀時の言葉に高杉が過剰に反応した。が、久坂が押さえていたために自由に動けず恨めしげな視線を彼に向けた。

「待て、晋。まだ銀の話の途中だ」

「そーそ。話は最後まで聞こうな?晋助・・・一応、六花は六花で作戦があるみたいなワケだよ。で、俺達が先生の仇をとってる間にアイツらは城の方で何かをやらかすつもりらしいんだわ」

「・・・つまり、俺達が派手にヤツを相手にしなければならないワケか」

古田が言えば、入江がポンと手を打った。

「ああ、ナルホド。・・・俺達は陽動なワケね~」

「まぁ、仇を討たせて貰えるだけマシだよ。しかも、上様公認ってコトはお咎め無しなんだろう?」

久坂がのんびりと銀時に訊ねれば、苦笑が帰って来た。

「そーいうことだろうなァ・・・六花の作戦は俺にも秘密らしいし?大人しくアイツらの作戦に乗っておこうかな―と俺は思うんだけど。オメーらはどう思う?」

「「「「「銀時に同意」」」」」

桂、坂本、久坂、入江、古田の5人が口を揃えて答えた。唯一無言だった高杉に全員の視線が向く。

不機嫌そうに眉を寄せていた高杉は、その視線に耐えかね軽く息をついた。

「俺も・・・先生の仇さえ討てりゃ、後はどうでも良い」

「良し、決まりだな・・・真選組も問題ねーだろ?」

高杉の答えにニカリと笑い、銀時は真選組の4人を振り返る。

「ああ。一応、保科様に依頼された一部隊は城に向かわせることになってるが、俺達幹部と残りの連中はオメーらに従えって言われてっからな」

土方が答えると、銀時は満足げに頷く。そして、子ども達に優しげな眼差しを向けた。

「・・・新八も、神楽も大丈夫な?」

「ハイ!」

「大丈夫ネ!」

元気の良い返事が返って来て、その場の空気がその瞬間だけ和む。

「・・・じゃあ、わしはいっぺん快援隊の船に戻るぜよ~」

坂本が言えば、すかさず入江が手を上げた。

「はいはーい、俺、短刀がたくさんあると助かる~。あと、長巻!」

「・・・俺には刀を一振り用意してくれ。それで充分だ」

古田も短く要求する。

廃刀令のご時世だ。一般人として暮らしていた者は刀など、とうに手放している。

それがわかっていて坂本が帰ると言い出したのに2人は気付いたのだ。

「久坂はどうするがか?」

「ん、俺はイイよ。晋に預けておいたから」

久坂が答えれば、銀時と桂が目を瞠った。

「ふーん。やっぱァ、玄ちゃんには無理強いとかできねーんだ。晋助は」

「識の高杉、才の久坂・・・だからな。知識は優っていても口では勝てぬだろう」

「フン・・・ただ、武器を預かっただけだ」

実際に、何度も口説きに行って断られているなどとは口が裂けても言えない高杉である。

久坂も苦笑するものの、その事に言及はしない。

「他に、必要なものは有るがか?」

坂本が問えば、銀時がそろりと手を上げた。

「なんじゃ、銀時?」

「・・・・・・糖分」

いかにも銀時らしい要求に、その場の全員が思わず噴き出して笑った。

「笑うなァッ!!銀さん糖分ないと死んじゃうの!力出ないわけ!ポパイだってホウレンソウないと力出ないじゃん!!」

「こんな時に甘味なんてねだるんじゃないヨ、銀ちゃん。だからマダオって言われるネ。第一、ポパイって何ヨ?」

「そうですよー逆ギレはみっともないですからね、銀さん。というか、ホウレンソウで力出るんですかそのポパイって人」

「あれ~?もしかしなくても、これはジェネレーションギャップ??ねェ!これ、メジャーじゃねーのぉおお!?つか、年齢バレちゃう的なヤツぅうううッ!?」

夜の港に、銀時の声が悲しく響いた。



― 萩

「・・・夕焼け、か」

「どうなさいましたか?」

空を見上げた男はクツリと笑う。それを見た部下の1人が首を傾げた。

「いや・・・15年前の事を思い出しただけだ」

「15年前と言いますと、吉田松陽の暗殺を命じられた時の?」

「ああ、あの炎上した屋敷の跡地を見て来たせいか、いささか感傷的になったか。・・・吉田松陽、アレも面白い男だとは思ったが、それ以上に興味をそそられたのはあの白い子鬼だ」

「子鬼、ですか?」

「俺の肩に刀傷があるだろう?アレは吉田松陽にやられたものではない。・・・あの子鬼にやられたのよ」

「・・・貴方が、子どもに?」

声音でわかる。部下は心底驚いている。

男はますます愉快だと笑い、目を細めた。

「ただの子どもではない。そう、あの時からアレは片鱗を見せていた。その証拠に攘夷戦争末期では白夜叉などと大層な名で呼ばれていたからな」

「白夜叉!?・・・あの伝説の?」

「そうだ。戦争時にまみえたが・・・疲労や空腹故か子どもの時分よりも力が落ちていたように思ったな」

至極残念そうに言う男に、部下は頷く。

「末期ではほとんど幕府からの支給は無かったはずですから。・・・むしろ邪魔にすら思われていたんですよ、ヤツ等は」

「クク・・・国を想って戦っていた若者を切り捨てたのだからな。今の幕府に縋るものなど有りはせぬ。あの裏切りは幕府が我等へ従属したという証であり、二度と幕府のために命を賭けようなどと力ある者に思わせぬためのものだ」

将軍は傀儡となり、幕府の力などあってないようなもの。

城下でも天人が幅を利かせ、民は支配されることに慣れ切ってしまい、一部の力ある者は幕府を見限り討幕を声高に叫ぶ。超過激派攘夷浪士となった高杉がいい例だ。

「真選組は?」

「あの狗どもは、侍でありたかったのだろう。だから、どんな屈辱を受けても我等に従うしかない。・・・幕府のために動いているように見せてはいるが、真実、己のために動いているのよ」

「ああ、それでいつも反抗的な目を向けてくるのですね」

「プライドが無いわけではないだろうからな。・・・しかし、萩にもあの子鬼はいなかったか・・・」

部下は男の言葉に目を瞠った。

攘夷浪士を多く出したこの地の調査をするという名目で萩に来たものの、若者はごっそりと消えていて、いるのは老人のみ。攘夷浪士の家族も離散して、萩に残っている者はいない。

何の進展もなく三月も過ぎようとしていたこの時に、ようやく上司の目的を聞いたのだから無理もない。

「・・・白夜叉を探していたのですか」

「上の方々のご命令でもあるからな。どうしても死体を目にしなければ安心できないらしい」

「ある意味、高杉や桂以上に影響力のある男ですからね」

「そう、アレが動けば今まで大人しくしていた攘夷戦争参加者が立ちあがる可能性すらもある。悪い芽は早めに摘んでおかねばな」

「今更、天に唾を吐くような真似をするでしょうか?」

「・・・さて、わずかなきっかけでも、子鬼の神経を逆撫ですれば動くだろう。・・・そうそう、どうやら春雨とやりあったという銀髪の侍が俺の探す子鬼ではないかという情報が届いた」

「春雨と、ですか。ではもう白夜叉は・・・」

「いや、それが春雨はその侍を取り逃がしたらしい。しかも犠牲が多かったのは春雨の方だったそうだ。・・・桂とその侍、たった2人にあの春雨が翻弄されるとは・・・クク、実際に見たら、さぞ愉快だったろうな」

「笑い事ではないように思いますが・・・」

「さて、子鬼は大人しくしておるかな?それとも、俺と再びまみえた時のためにその牙をせっせと磨いでいるやもしれんな」

夕陽を見つめながら男が口の端をあげる。

「“黒夜叉”様・・・」

「そう・・・俺と同じく夜叉の名を冠する子鬼。攘夷戦争で伝説となるほどに天人を斬った男。俺はアレと会うのを楽しみにしているのだ・・・もう、亡き師の年齢を超えたころか。どのような男に育ったのか早く会いたいものよ」

「江戸に・・・いるでしょうか?」

「いるだろう。江戸で春雨とやりあったようだしな・・・クク、灯台もと暗しとはこのことだ」

「萩まで来たというのに、結局、江戸ですか。・・・意図的にだとしたら、白夜叉は相当のキレ者ということですね」

「・・・まぁ、師を失った地で平然と暮らすことが出来なかったのやもしれんがな」

低く笑った男に、部下は溜息をついた。

「江戸と言っても広いですよ?しかも人は多いし特徴が銀髪だけでは・・・」

「名なら知っている」

「え?」

「白夜叉と呼ばれた、あの子鬼の名・・・吉田松陽はアレをこう呼んでいた・・・銀時、と」

忘れるものか。

そう男は呟く。

あの時、吉田松陽が己の身を呈して庇い、尋常ならざる殺気を放ち己に向かってきた子鬼。

朋友を斬られ、怒りをあらわに斬りかかって来た“白夜叉”。

その名を男は一度たりとも忘れた事はなかった。

「さて、江戸で会ったならば名を呼んでやろうか」

そう、愛しい者を呼ぶように優しく、憎悪をかきたてるように忌まわしく。





高杉達との再会の後、銀時達は一度解散して翌日の朝を迎えていた。

「あ、おはようございます!銀さん」

「おはようネ、銀ちゃん」

「・・・おー、おはよ」

家には戻らず万事屋に泊まった新八と、いつになく早く起きていた神楽に元気よく挨拶をされて一瞬驚いたように目を瞠るが、銀時は緩く笑って返事をした。

「朝ご飯出来てますからさっさと食べてくださいね。今日は明日の打ち合わせを吉原桃源郷でやるんでしょう?」

「あー・・・随分と張り切ってんじゃないのォ、新八君もオトコノコだったわけかァ」

「足手まといになりたくないですから・・・自分の出来る限りの事をやるつもりです」

「ん、そっか」

目を細めた銀時に、神楽が抱きつく。

「銀ちゃん、ワタシも頑張るネ!」

「おう、期待してるぞ、神楽」

笑みをうかべて神楽の頭をひと撫ですると、銀時は食事が用意されている机の前に座った。

「よし!飯だ飯ィ!」





食事を終えた銀時達が万事屋の外に出ると、そこには既にそれぞれ私服に身を包んだ真選組の4人の姿があった。

「あ~、おはよ。ごくろーさん」

何とも言いようのない気まずさに、とりあえず銀時は挨拶をしてみた。

「おはよう!」

「・・・おう」

「・・・おはよーごぜぇやす」

「・・・どうも、旦那」

ニカリと笑って挨拶を返してきた近藤以外は、やはり気まずいと言わんばかりの微妙な表情をうかべている。

「えーと、これから吉原に行きたいと思いまーす」

気まずいままに銀時が言えば、子ども達がお~、とわざとらしく声をあげた。

「ツッキー達に会うの、久しぶりネ」

「あー、そういやそうだな・・・日輪や晴太も元気かねェ」

「無理言ってお座敷貸して貰うんですし、お土産とか持って行った方が良いですかね?」

「そら、辰馬が用意するだろ。アイツ、宇宙土産とか沢山持ってくるって言ってたし・・・そん中からアイツらに選ばせればイイじゃねェか」

「宇宙土産とか・・・まともなもの、有るんですかね?」

「ちょっとは、まともなのも有るだろ・・・たぶん・・・」

そう言っておきながら、だんだん自信がなくなってくる銀時。

「・・・一応、買っていきません?お菓子でも何でも・・・ほら、要は気持ちですから」

「だな」

だから、新八が提案すれば、あっさりと頷いた。

「吉原って・・・一体、テメェはどこまで顔を広げてんだ?」

そんな銀時を呆れたように見やり、土方が溜息をつく。

「あ?・・・そんなん、わかるわけねーじゃん。どこの誰までが俺のコトを知ってるかなんて」

「・・・いや、フツーわかるだろ・・・」

土方が思わずツッコミを入れれば、銀時はムッとした表情をうかべた。

「だって、マジでわかんねーもん。万事屋なんて商売してっと依頼人は山のようにいるし、仕事によっちゃ敵対する人間もいるし・・・攘夷戦争に関係してたヤツなら、白夜叉のことを容姿くらいまでなら知ってるだろーし・・・」

「あー・・・聞いた俺が悪かった・・・」

くどくどと呟く銀時に、土方は諦めたように謝罪した。

「土方さーん、ちったァ考えてから発言してくだせェ。旦那の顔が広いのは今に始まったことでねェでしょうが」

沖田が言えば、土方はムッツリとして視線を逸らす。

わかってはいたのだ。銀時の事を知る人間がどれ程いるのかは。なぜなら、山崎に散々銀時の事を探らせたのは土方自身だったからだ。

その時に知ったのは、彼の事を知る人間の多さ。そして、まったく見えてこない過去。万事屋としての銀時は知っていても、それ以前の銀時を知る人間がほとんどいなかったのだ。

「・・・まさか、伝説にまでなった白夜叉だったとはな」

ボソリと呟いた声が耳に届いたのか、銀時がきょとりと目を瞬かせた。

「何?」

「いや・・・テメェの過去を探らせた時には、それを知る人間がほとんどいなかったが・・・白夜叉として探れば、知ってる人間は山のようにいたからな・・・」

「まぁ、あの時はとにかく生きることだけに精一杯で周りを見る余裕もなかったから・・・自分が何と呼ばれようと気にならなかったし、幹部になった幼馴染連中と辰馬だけが俺を名前で呼んでて、それで充分だって思ったんだよ」

「それで“坂田銀時”の名は広まらなかったわけか」

「ん~・・・じゃないのォ?後は、故意にその名を消されたか。・・・幕府にとっても攘夷志士にとっても“白夜叉”は“もろ刃の剣”だったからねェ」

幕府は天導衆に憎まれている白夜叉の存在ごと抹消したいと願い、攘夷志士達は白夜叉を神格化することで希望の灯火としたかった。

だから“坂田銀時”の名をもみ消して幕府は知らぬ存ぜぬを貫き通し、攘夷志士は“英雄”だ“軍神”だと祀り上げたのだ。

「・・・酷い・・・銀さんだって、1人の人間なのに」

新八が苦々しげに呟く。

「ま、おかげで指名手配とかはされなかったけどねェ・・・それに、当時はこの名を気安く呼ばれたくはなかったんだよ」

銀時の言葉に、子ども達や真選組の面々は首を傾げた。

「・・・理由、聞いても良いですかィ?」

沖田が問えば、銀時は頷く。

「・・・銀時って名前は、松陽先生が最期に口にした言葉だったんだ」

「それは・・・」

つまり彼等の師である吉田松陽は、銀時の目の前で死んだということになる。

桂や高杉達がやけに銀時の事を気にしていたのは、こういう理由だったのかと納得した。

「先生は、俺を庇って死んだんだ。アイツに、背中を袈裟懸けに斬られて・・・事切れるその瞬間まで俺を気遣ってた」

淡々と告げているようにも見えるが、それは銀時自身の古傷を抉るようなものだと気づいた土方は、その背を思いっきり叩いた。

「い゛ッ!・・・何すんだ、ゴルァ!!」

「フン・・・さっさと行くぞ。土産も買うなら急がなけりゃならねェだろうが」

タバコの煙を銀時の顔に向けて吐きかけると、土方はそう言って銀時に背を向けた。

「(素直じゃねー奴。でも、アリガトな)・・・多串君、煙いんですけどォ」

土方の気遣いに感謝しつつも、眉間にしわを寄せて銀時はその背から視線を逸らした。

「土方のヤロー・・・気に食わねェですねィ・・・この場で抹殺しちまいましょうかねィ」

「バカ言うなヨ、サドヤロー。ヤツ等との戦いの時にドサクサに紛れてヤった方が、後腐れないネ」

「ああ、ナルホドねィ・・・確かに、後腐れがないにこしたこたァねェな」

そんな2人のやり取りを面白く思っていなかったらしい沖田と神楽がコソコソと相談を始める。

「ちょっと、そこォ!!なに危ない事計画してんのォォオ!!」

それを偶然耳に入れてしまった新八は即座にツッコミを入れる。





今日も、ツッコミキャラはフルスロットルで健在だった。


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