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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・完全捏造設定です!
・原作かなり無視しています!
・オリジナルキャラクターがわんさか出ます
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・










不思議なめぐり合わせによって出会った仲間達。戦場という環境の中にあってどれ程心の支えになったことか。

その関係は終戦後バラバラとなってしまった今でも、腐れ縁という形で残っていた。

しかし、それを知る者は少ない。







「あー・・・ヒマだー・・・」

「・・・だったら、仕事しろよ」

「そうネ、ヒマヒマ言うなら仕事するアルヨ、だからマダオって言われるネ!」

ソファーに寝転がり読みかけのジャンプを顔にのせてボソリと呟いた銀時に、すかさず子ども達のツッコミが入る。

「そうは言っても・・・依頼がないんじゃ、しょうがないでしょーが」

「・・・~っ!アンタ仕事する気あんのか!!宣伝も何もしてないんじゃ依頼が来るわけないだろうがぁぁあああっ!!!」

叫んだ新八が銀時の顔からジャンプを取りあげると、死んだ魚のような紅目がその顔を捉えた。

「あ~・・・新八君?牛乳飲んでる?カルシウム足りてる?あんまり怒ると血管切れちゃうよ~?・・・あ、でもいちご牛乳はあげないよ?俺んだからね?」

「銀さんッ!アンタって人はッ・・・!」

ピーンポーン・・・

のんびりと言われた言葉に新八がフルフルと震え、怒りを爆発させようとしたその瞬間、それを遮るかのようにチャイムが鳴った。

「・・・新八君~、ほらほら、お客さんかもよ~?」

ヒラヒラと手を振る銀時を軽く睨み、新八は溜息をつきながら玄関に向かい、戸を開けた。

「はーい、どちら様ですかー?」

そこにいたのは、薬売りのような格好をした男性だった。

「あ・・・えーと、ご依頼ですか?」

訊ねる新八に、男性はニコリと笑った。

「春霞と申します。坂田銀時さんは御在宅でしょうか?」

「は、はい・・・えと・・・じゃあ、あがってください」

「ありがとうございます。失礼いたします」

深々と頭を下げた男性・春霞を連れ、新八の後に続き事務所兼リビングに向かった。

「銀さんにお客さんですよ」

「あ?」

のんびりとテレビを眺めていちご牛乳をすすっていた銀時は、クルリと振り返り男の姿を視界に収めるとわずかに目を細めた。

「・・・ご無沙汰しております」

微笑んだ春霞に、銀時は溜息をついた。

「春霞?・・・おまえが万事屋まで来るってことは・・・マズイ事態でも起こってんのか?」

「夏霧の使いですよ・・・彼はあそこから出るにも色々と大変ですから」

言葉を濁して春霞は懐から書状を出し、それを銀時に渡した。

「夏霧、ねぇ・・・ナニ、お前らまだつるんでんの?」

のんびりと問うた銀時に、春霞は苦笑した。

「ええ、まぁ・・・それなりに」

「ふーん・・・」

無感動に相槌をうった銀時の脇で、神楽が首を傾げた。

「銀ちゃん、コイツ、ヅラの部下アルか?」

昔の知り合い(?)=攘夷志士=桂=桂の部下という式が神楽の頭の中で構成されたらしい。

銀時は神楽に向けて苦笑してみせ首を振った。

「いやいや神楽ちゃん、違うからね?・・・春霞はヅラじゃなくて、俺の・・・」

そこまで言いかけて銀時は口を閉ざす。

「俺の、何ネ?」

気になった神楽が詰め寄り、新八もじっと銀時を見つめてくる。

「あ~・・・なんつったら良いかな・・・」

「・・・私達は攘夷戦争時、銀時様の部隊【六花】に所属していたんですよ」

ガシガシと頭を掻いて言い難そうにしている銀時をフォローするかのように、春霞が答える。

「銀さんの部隊?」

首を傾げる新八に、銀時が慌てたように口を開く。

「っつってもよ、俺を入れて5人しかいなかったっつーか・・・って、春霞!余計なことしゃべんなって!!」

「良いじゃありませんか、桂さんとの関係を知っているくらいです。それなりに事情は話してあるのでしょう?」

おっとりと返されて、銀時はぐぅ、と呻く。

「ねェねェ、昔の銀ちゃんってどんなだったアルか!?」

興味津々といった神楽に訊ねられて、春霞はクスクスと笑う。

「元気なお嬢さん、攘夷戦争時の話は楽しいものじゃありませんよ。・・・ですが、そうですね・・・天人からは白夜叉と恐れられていましたが、銀時様は味方にはとても優しくて、桂さんや高杉さん、それに坂本さんと一緒にいる時はよく笑顔を見せていましたね」

「そうなんですか・・・」

「紅桜」の事件の際に高杉と決別した銀時。だが、高杉もまた大切な仲間だったのだと春霞の言葉から感じ取ってしまい、新八は困ったように眉根を寄せた。

「コラコラ、そんな深刻そうな表情すんじゃないの」

べし、と新八の眉間の辺りを軽く叩き、銀時は肩を竦める。

「す、すみません」

「で、銀ちゃんの部隊の5人って?どんな奴らネ?」

謝る新八の脇で、神楽は尚も【六花】について春霞にねだるように訊ねる。

「銀時様と私と夏霧、水澄、そして紅一点の氷柱の5人が【六花】と呼ばれていました。皆戦争孤児でしてね・・・銀時様が拾ってくださってその強さに憧れて勝手にひっついていたのが始まりなんですよ」

「そうアルか・・・」

「なんか、僕らと似てますね」

新八や神楽と銀時との出会いも似たようなもので、なんだかんだ言いながら銀時の傍にいる。

「そうですか、フフ・・・君らとは話が合いそうだ」

笑みをうかべたままの春霞に、新八と神楽は嬉しそうに頷く。

「春霞・・・あんまり余計なことこいつらに教えんなよ?」

「わかっていますよ、銀時様・・・あ、そういえばこの間、水澄を見かけましたよ?」

「江戸でか?」

「ええ、桂さんトコの攘夷党の連中と一緒にいましたよ」

「・・・・・・水澄・・・ったく、余計なことしてんじゃねぇだろうなぁ?」

「あ~・・・そうですねぇ・・・」

(例えば、桂を煽ってるとか、煽ってるとか、煽って・・・)

「って、まさか俺の居場所、ヅラに教えたのは水澄じゃねぇだろうな!!」

桂との再会の時を思い出し、銀時はハッとして叫ぶ。

「ありえますね・・・水澄は口が軽いから・・・」

頭を押さえた春霞が答えれば、銀時はガックリと肩を落とした。

「か~・・・だから水澄にゃ潜入を任せられねーんだ・・・」

「ああ、潜入させていたのですか」

思わず銀時が漏らした言葉に、春霞はおっとりと納得した。

「・・・!!」

ギョッとして立ち上がった銀時に、新八と神楽の視線が突き刺さった。

「銀さん・・・どういうことです?」

「銀ちゃん、何かワタシ達に隠してるアルか!?」

「あー・・・謀ったな、春霞・・・」

「フフフ・・・良いじゃありませんか、万事屋として一緒に過ごしている彼らにだって知る権利はありますよ」

常に笑顔の彼が実は一番の激情家であり、こうと決めたらテコでも動かない頑固者だということを思い出した銀時は深い溜息をついた。

「そういや、お前が一番しつこかったな・・・」

「私がしつこかったおかげで【六花】が結成されたわけですしね」

「・・・ったく。わかったよ・・・こいつらにも話してやればいいんだろ?夏霧の使いだなんてほんのついでで、こっちが本題かよ」

「いえ、夏霧の使いも緊急でと言われていたのですが・・・」

「おいぃい!?緊急って早く言えぇええ!!?」

慌てて書状を開いた銀時は、そこに書かれている内容に眉間のしわを深めた。

「・・・春霞・・・水澄と氷柱に至急連絡取れるか?」

「ええ、できますよ」

「例の場所に午後7時って伝えとけ・・・俺は調べることがある・・・新八、神楽」

「・・・はい」

「何ネ、銀ちゃん」

「・・・一緒に行くぞ」

また仲間外れにされるのかと身構えた子ども達に、銀時は困ったような、だが嬉しそうな笑顔をうかべてそう告げる。

「ハイ!」

「うん!!」

そんな3人の様子を見つめ、春霞は微笑んだ。







とある場所のとある門の前で、銀時はすぅ、と息を吸った。

「たのもーうッ!!!ってか多串くーん!税金ドロボー!!・・・金返せやコラァ!」

目一杯に叫んだ声はビンビンと空気を震わせた。

「ウルセェーんだよォぉおおッ!!借金取りかテメェはぁぁあああっ!!」

半ギレ状態で門から出てきた土方と、

「あー、旦那。お久しぶりでさァ」

のんびりと手をあげた沖田に出迎えられて、銀時はニヤリと笑った。

「よぉ、ちょっとアンタらに聞きたいことがあって来たんだけどー」

銀時が真選組に来ること自体珍しいのだが、それ以上に聞きたいことがあると言われて土方と沖田は互いに顔を見合わせた。



近藤の部屋に通された万事屋3人は、近藤と土方、沖田と向かい合って座っていた。

「・・・茂茂公のお気に入り?」

長い沈黙の後、口を開いたのは近藤だった。

「そ。将軍様がお気に召してるっていう幕臣がいるって噂、聞いたことナイ?」

薄く口元に笑みをうかべ訊ねる銀時に、近藤達は首を傾げた。

「トシ、聞いたことあるか?」

「いや・・・そんな話は一度だって・・・ってか、なんでテメェがそんなこと知ってんだ!?」

ギロッと睨まれて、銀時は肩を竦める。

「いやいや~多串君、万事屋なんて家業をしてるとねェ、色々と情報網ってのができるんだな~これが」

そう答えながらも、どうやらその存在を知らないらしい3人に銀時はホッとするのと同時に、それも後わずかで知られることとなるのかと思うとむず痒い気持ちになる。

「・・・で、なんで旦那はいきなりそんな事を聞きに来たんですかィ?」

沖田の問いにそれもそうだと近藤と土方は銀時に視線を向けた。

「さすが総一郎君、良いトコ気付くねェ」

「・・・総悟でさァ、旦那」

「いや、ちょっと調べて欲しくてなー・・・ほら一応、アンタらも幕臣じゃん?」

「一応ってなんだ!!!一応って!!」

がなる土方を抑えながら、近藤は首を傾げた。

「お、落ち着け、トシ・・・な、なぁ、万事屋?なんで、調べる必要がある?なんか、関係でもあんのか?」

普段はおバカさん丸出しの局長だが、たまに鋭いことを言ってくる。そんな感想を抱いて銀時はクツリと笑った。

「一番最初に関係してくるのはアンタらだろうなーと思ってさ・・・教えとけば貸しになるかな―なんて?」

後でその貸しに利子をたくさんつけて返して貰う気満々の銀時である。

「・・・万事屋・・・テメェ、何企んでやがる?」

「違う違う、何か企んでんのは俺じゃなくて、将軍様とそのお気に入りだって・・・ホントだよ~、確かな筋からの情報だし」

鬼の副長に睨まれても飄々とした態度を崩さない銀時に、土方のイライラはMAXに到達しようとしていた。

「旦那ァ、その確かな筋ってのは?」

「ん~・・・まだ、内緒」

ニヤリ、と笑う銀時から視線を外し、沖田は新八と神楽の表情を窺った。

2人はどこか戸惑ったような表情をうかべて銀時を見つめている。

(・・・この様子じゃ、こいつらも知らねーってコトですかィ)

「・・・まだ、と言ったな?」

銀時を真っ直ぐに見つめ、土方が呻くように問う。

「あ~、言ったかな?」

「とぼけんじゃねェ!!」

バァン!と畳を叩き、土方が身を乗り出した。

「テメェは何かを知ってるが、今は話す気はねェってこったろうが!!・・・一体、何を隠してやがる!!」

「・・・オメーらに関係あることだ。オメーらで調べな・・・そこまで親切にしてやる義理はねぇし」

銀時の死んだ魚のような目が、剣呑さを帯びる。

(・・・この気迫・・・!)

その目に気圧された土方はごくりと喉を鳴らし、それから指示を仰ぐように近藤へと視線を向けた。

「・・・わかった」

「近藤さん!?」

「万事屋の言う通りだ。自分達に関係してくることなら自分達で調べるべきだ。・・・だが、それならばなんでそんな事を教えに来た?」

真っ直ぐに視線を向けられて、銀時は目を細めた。

「さてな。それも調べたらわかるかもしれねぇよ?・・・それに、多串君がコソコソとジミー君に調べさせてることも・・・もうすぐわかる、かもな?」

「!!」

ギョッと目を見開く土方を見て、銀時は肩を揺らして笑う。

「正直すぎんだよ、土方君?・・・まぁ、とりあえず知りたいこともわかったし?これで万事屋は退散しまーす」

よっこらせ、と年配者のような掛け声をかけて立ち上がると、銀時はここに来てからずっと黙って己を見ていた子ども達に笑いかけた。

「ほら、行くぞ。新八、神楽」

そこでようやくあの騒がしい子ども達が一言も話していなかったことに、近藤と土方は気付く。

「・・・ッ待て、万事屋!」

「まだ話は終わってねェ!!」

「やめときなせィ・・・たぶん、聞いても無駄ですぜィ」

立ち去る銀時達を留めようと立ち上がった2人を引きとめたのは沖田だった。

「総悟?」

「・・・なんでだ?」

「旦那のあの目・・・近藤さんも土方さんも、俺と同じ印象を感じたんじゃないですかィ?」

そう問われて、土方は眉間にしわを寄せた。

「・・・一瞬、刃を首に突き付けられたような気がした・・・」

「トシ、お前もか・・・」

「!・・・近藤さんも?」

「そう・・・アレは“殺気”でさァ・・・何だかわからねェですが、旦那は俺達にその事を調べさせたいんでさァ」

「調べさせたい?・・・万事屋の野郎、俺達を何に巻き込もうとしてやがるんだ?」

銀時の背を見送りながらのんびりと呟いた沖田の言葉に、土方は不機嫌そうにぼやいた。







一方、真選組を後にした3人はしばし黙って道を歩いていた。

「・・・ねぇ、銀ちゃん・・・真選組で何を調べたかったアルか?」

沈黙に耐えかねて神楽が口にすれば、銀時は肩を竦めた。

「ん~・・・多串君がどのくらい本気なのかなぁ~ってのをさぁ」

「本気・・・ですか?」

「あのマヨの本気って、どういうことネ?」

尚も首を傾げる2人を振り返り、銀時はクツリと笑った。

「最後に、ちょーっとカマかけたでしょ?」

その言葉に新八があ、と声をあげた。

「もしかして、ザキさんに調べさせてるっていう・・・」

「おー、新八君せいか―い♪・・・そう、土方は山崎に俺のことを調べさせてる」

いつものような妙なあだ名ではなく彼らを呼ぶ銀時の表情が真剣なものになる。

「もしかして・・・白夜叉のこと・・・」

「そこまではいってないだろーな・・・でも、攘夷志士に関係あるとは思ってるってとこか?」

「桂さんや高杉さんとの関係に気付かれてるってことですか?」

新八が問えば、銀時は口元に手を当てる。

「どうだろうなー。ヅラや高杉もそうだが、辰馬との関係も調べられると困るネタがあるからなぁ・・・というわけで、どのくらい本気で調べてんのかを確認したかったわけよ」

「・・・どうしてですか?」

「んー?・・・そりゃ、これからアイツらと連絡を取り合うのに周囲を嗅ぎ回られるのは困るしな。わざわざ将軍のお気に入りの話をしたのだって監察の目をこっちから逸らす意味もあるってわけだ」

銀時は新八にあっさりと答え、肩を竦めた。

「・・・そういうことですか」

「で、アイツらってことは、ヅラやあのグラサン天パと連絡取るアルか?」

「ん?まぁ直接は取らねーよ?・・・だから、春霞を動かしてるってワケ」

「はー・・・今までそうやって情報収集してたんですか?」

呆れたように訊ねる新八に、銀時は苦笑した。

「まぁ・・・全部ってわけじゃないけどなー・・・っつーかよ、何にも言わなくても勝手に情報集めてくるからなぁ、アイツら」

そうぼやく銀時に、新八も神楽もクスクスと笑う。

「好かれてますね」

「さすが銀ちゃんアル!」

「あ~、まぁ・・・過保護だよなぁ・・・いつの間に立場逆転したんだかなぁ~・・・」

攘夷戦争時は確かに己が幼い彼らを守っていた。だが、今は彼らが己を守ろうとしている。

今もまた、己のために駆けずり回っている【六花】のメンバーを思い浮かべ、銀時は何とも言えない表情をうかべたのだった。


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