Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
注意
・W副長設定です!
・カップリングはありません
・完全捏造です
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
ゆったりとした歩調で、死装束を身にまとった男が刑場へと現れる。
首を落とすための穴の前に立ち、男は深々とたすき掛けをした処刑人に頭を下げた。
「・・・ご苦労様です」
周りにいた処刑人達はその男の態度にいたく感銘を受けた。
が、数多くの罪人を処刑してきた彼等はそこで心を揺らすほど未熟ではなかった。
膝をつき、白い項を晒したその男の脇に立った処刑人は一息に刃を振り下ろした。
***
刑場に向かう間、松陽は座敷牢の前に立っていた少年のことを思い出していた。
まっすぐな視線を己に向けてきた少年を見て、萩に残してきた教え子達を思い出した。
「貴方は、なぜこのように囚われているのか?」
そう訊ねた少年の服装や自由に城内を歩き回っているところから察するに、かなり身分の高い家の生まれ―――おそらく将軍家ゆかりの家―――の若君だろうと予測した。
「見当もつきません・・・私はただ、子供達に勉強と剣術を教えていただけです」
正直に答えれば、少年は表情を曇らせた。
「やはり・・・そうなのか・・・」
少年は呟いて、松陽を見つめた。
「私が貴方は無実だと訴えれば・・・」
「おやめなさい、悪くすれば貴方の身にも災いが降りかかるやもしれません・・・それよりも、もし、私の教え子達に会う機会があったなら伝えて欲しいことがあるのです、頼めますか?」
松陽の言葉に少年は苦しそうな表情をうかべるが、小さく頷いた。
「・・・皆が私の誇りです。そう伝えてください」
もっと言いたいことはあった。けれど、目の前の少年が己の教え子に出会う確率はかぎりなく低い。そんな彼に重荷を背負わせたくはなかった。
ただの自己満足として、誰かに聞いて欲しかっただけなのかもしれない。
唯一の心残りは、彼等の成長した姿を見られないということ。魂を込めた最後の教えは既にしたためた。検閲が入っても大丈夫な内容だから、そのまま故郷へと届くだろう。
伝言を託した少年が見張り番に見つかる前に追い返し、松陽は壁にもたれて空を眺めた。
***
「おのれ、よくも・・・よくも先生を!!」
「許さんぞ・・・我ら松陽門下が、必ずや先生のご無念を晴らしてみせる!!」
師の遺書と遺髪だけが帰郷し、門下生一同が慟哭した。
ただ一人、銀時だけは彼等を離れたところから見つめ、そっと視線を落とした。
「・・・・・・必ず帰ってくるって、言ったのに・・・」
うつむいた銀時の側に、桂が歩み寄る。
「・・・銀時、お前も行くだろう?」
「え?どこに?」
首を傾げた銀時に溜息をついて、桂は説明してやる。
「聞いてなかったのか?相変わらずだな、お前は。・・・攘夷戦争だ。国に抗議するためには、ある程度の組織力も必要だろう?」
「皆、行くの?」
「当然だろ!!」
走り寄って来た高杉が、ぼんやりとしたまま問い返した銀時を軽く睨む。
「ふーん・・・じゃあ、俺も行く」
松陽先生と約束したから。
そう告げた銀時は身を翻して、部屋を出ていった。
銀時を見送った桂と高杉はそろって溜息をつく。
「・・・大丈夫だろうか、銀時は」
「大丈夫なわけあるか。アイツ、泣いてねェんだぞ?」
松陽の死亡の報を受けてからずっと上の空でぼーっとしている。松陽の死を受け入れられていないのだ。
「・・・気をつけて見ていてやるしかあるまい・・・」
「先生の仇討ちさえ叶えば、きっと元に戻る」
高杉は断言するが、桂は妙な不安を覚えていた。
そして、その不安は的中し、戦争に参加したことにより銀時の心はすり減り、銀時を中心とした流れは桂と高杉ではどうしようも出来ない事態へと発展していくのである。
戻る →
・W副長設定です!
・カップリングはありません
・完全捏造です
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
ゆったりとした歩調で、死装束を身にまとった男が刑場へと現れる。
首を落とすための穴の前に立ち、男は深々とたすき掛けをした処刑人に頭を下げた。
「・・・ご苦労様です」
周りにいた処刑人達はその男の態度にいたく感銘を受けた。
が、数多くの罪人を処刑してきた彼等はそこで心を揺らすほど未熟ではなかった。
膝をつき、白い項を晒したその男の脇に立った処刑人は一息に刃を振り下ろした。
***
刑場に向かう間、松陽は座敷牢の前に立っていた少年のことを思い出していた。
まっすぐな視線を己に向けてきた少年を見て、萩に残してきた教え子達を思い出した。
「貴方は、なぜこのように囚われているのか?」
そう訊ねた少年の服装や自由に城内を歩き回っているところから察するに、かなり身分の高い家の生まれ―――おそらく将軍家ゆかりの家―――の若君だろうと予測した。
「見当もつきません・・・私はただ、子供達に勉強と剣術を教えていただけです」
正直に答えれば、少年は表情を曇らせた。
「やはり・・・そうなのか・・・」
少年は呟いて、松陽を見つめた。
「私が貴方は無実だと訴えれば・・・」
「おやめなさい、悪くすれば貴方の身にも災いが降りかかるやもしれません・・・それよりも、もし、私の教え子達に会う機会があったなら伝えて欲しいことがあるのです、頼めますか?」
松陽の言葉に少年は苦しそうな表情をうかべるが、小さく頷いた。
「・・・皆が私の誇りです。そう伝えてください」
もっと言いたいことはあった。けれど、目の前の少年が己の教え子に出会う確率はかぎりなく低い。そんな彼に重荷を背負わせたくはなかった。
ただの自己満足として、誰かに聞いて欲しかっただけなのかもしれない。
唯一の心残りは、彼等の成長した姿を見られないということ。魂を込めた最後の教えは既にしたためた。検閲が入っても大丈夫な内容だから、そのまま故郷へと届くだろう。
伝言を託した少年が見張り番に見つかる前に追い返し、松陽は壁にもたれて空を眺めた。
***
「おのれ、よくも・・・よくも先生を!!」
「許さんぞ・・・我ら松陽門下が、必ずや先生のご無念を晴らしてみせる!!」
師の遺書と遺髪だけが帰郷し、門下生一同が慟哭した。
ただ一人、銀時だけは彼等を離れたところから見つめ、そっと視線を落とした。
「・・・・・・必ず帰ってくるって、言ったのに・・・」
うつむいた銀時の側に、桂が歩み寄る。
「・・・銀時、お前も行くだろう?」
「え?どこに?」
首を傾げた銀時に溜息をついて、桂は説明してやる。
「聞いてなかったのか?相変わらずだな、お前は。・・・攘夷戦争だ。国に抗議するためには、ある程度の組織力も必要だろう?」
「皆、行くの?」
「当然だろ!!」
走り寄って来た高杉が、ぼんやりとしたまま問い返した銀時を軽く睨む。
「ふーん・・・じゃあ、俺も行く」
松陽先生と約束したから。
そう告げた銀時は身を翻して、部屋を出ていった。
銀時を見送った桂と高杉はそろって溜息をつく。
「・・・大丈夫だろうか、銀時は」
「大丈夫なわけあるか。アイツ、泣いてねェんだぞ?」
松陽の死亡の報を受けてからずっと上の空でぼーっとしている。松陽の死を受け入れられていないのだ。
「・・・気をつけて見ていてやるしかあるまい・・・」
「先生の仇討ちさえ叶えば、きっと元に戻る」
高杉は断言するが、桂は妙な不安を覚えていた。
そして、その不安は的中し、戦争に参加したことにより銀時の心はすり減り、銀時を中心とした流れは桂と高杉ではどうしようも出来ない事態へと発展していくのである。
戻る →
PR
☆ 目次 ☆
PC・スマホ版目次
こちらから各ページに移動できます♪
TOP : 注意事項など
BLOG : 拍手お返事や創作日記など・・・不定期更新
☆ 感 想 ☆ : 感想書き込みコーナー
MAIN
☆コードギアス☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆コードギアス R2☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆NARUTO☆
*ここでの木ノ葉*
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆銀魂☆
*長編(シリーズもの)*
☆捧げ物(企画)☆
☆頂き物☆
★ただいまの拍手★
にょたルル(時間軸R2で皇族復帰ver)前提、第17話
CLAP : 拍手゚+。(o'д'ノノ゙☆パチパチパチ。+゚
LINK : 素敵なサイト様へ・・・
GO!!→→→
BLOG : 拍手お返事や創作日記など・・・不定期更新
☆ 感 想 ☆ : 感想書き込みコーナー
MAIN
☆コードギアス☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆コードギアス R2☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆NARUTO☆
*ここでの木ノ葉*
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆銀魂☆
*長編(シリーズもの)*
☆捧げ物(企画)☆
☆頂き物☆
★ただいまの拍手★
にょたルル(時間軸R2で皇族復帰ver)前提、第17話
CLAP : 拍手゚+。(o'д'ノノ゙☆パチパチパチ。+゚
LINK : 素敵なサイト様へ・・・
GO!!→→→