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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・完全捏造設定です!
・原作かなり無視しています!
・オリジナルキャラクターがわんさか出ます
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・










銀時がその場を去ると、真選組の3人は大きく息を吐いた。

「・・・もう、わけわからん」

近藤がぼやくと、土方は眉間にしわを寄せた。

「野郎、桂どころか高杉とまで絡んでやがったか・・・」

「でも、仲良さそうには見えませんでしたぜィ、むしろ、手下を入れて探らせてるって感じに見えましたがねィ」

沖田が言えば、土方は頷く。

「の、ようだな。・・・気付かれてるのがわかってて潜入させてるって時点で、以前の関係がうかがえるようなもんだが、今現在は深い付き合いではないってトコか」

「しかし・・・春霞殿までいるとはなぁ・・・」

「あー、あの人らの話を聞いた限りじゃ、保科様も一枚噛んでそうでさァ」

近藤が更にぼやくと、沖田は城を見上げた。

「夏霧って言ってたな・・・それが保科様ってことかよ」

「ありゃ、実名じゃなく便宜上の呼び名ってトコですかねィ?」

「だろうな。桂や高杉と違って“坂田銀時”の名前はどこの歴史録にも載ってねェ。実名を明かさぬように気をつけてたってことだ」

土方が言えば、沖田は首を傾げた。

「・・・そうですかねィ?・・・何だか俺は逆なような気がしてますぜィ?」

「「逆?」」

近藤と土方が異口同音に言葉を発する。

「手下の4人はともかく、旦那については・・・二つ名が先立ち過ぎて実名が広まらなかった。なんて、思ったりしてるんですがねィ」

「ん?・・・そんな有名な奴っていたか?」

近藤が首を傾げれば、土方がハッと目を見開いた。

「“白夜叉”?・・・以前山崎から報告があったな。本当の名は誰も知らねェ、白き英雄」

「・・・詳しく知りたいでさァ」

「確か、資料は残っているはずだ。・・・屯所に戻るぞ」

そうして急いで屯所に戻って行った3人を見つめる影があった。

「・・・ん~、ジミー君は意外と優秀らしいよ?ヅラ」

「ヅラじゃない桂だ!・・・というか、大丈夫なのか?銀時」

一度は本気でそのまま帰ろうとした銀時だったが、こっそりと水澄の後を尾行(つけ)ていたらしい桂と鉢合わせして、逆に真選組の様子を窺う羽目になったのだ。

「まぁ、夏霧がいるからなー」

「持つべき者は優秀な部下か」

「・・・とはいえ、アイツらが“白夜叉”にまで辿り着くとは思わなかったなァ・・・かなり情報は制限されてたはずなのによォ」

「幕府側にしても攘夷志士側にしても“白夜叉”の名は簡単に口に出来ぬものだからな」

「特に幕府にしてみたら、天導衆に仇のように憎まれてる俺の存在はマズイんだろうな。・・・多分、オメェや高杉以上に」

呟く銀時に、桂は心配そうな視線を向けた。

「銀時・・・」

「俺ァ、壊れた人間だ。見た目にゃフツーに見えるが、高杉以上に壊れてる。いつか、俺ん中に残ってる獣の部分が牙を剥く・・・なーんてな?冗談だよ、本気にしたァ?」

「銀時!お前ッ・・・」

「とにかく、俺ァ大丈夫だ。・・・今はまだ、黙って見てろ」

有無を言わせないような真剣な声音に、桂はゴクリ、と喉を鳴らした。





― 万事屋銀ちゃん

「と、言うわけでェ、たぶん近いうちにお迎え来るから心の準備だけはしておけよー」

「と、言うわけでェ・・・ってわかるかぁあああああッ!!!!」

「イテッ、イテテッ・・・イテェよ、新八君~」

バシバシと叩かれる銀時は、のんびりとした調子で抗議した。

「一体何なんですか!!ふらっと出て行ったかと思ったら、帰って来るなりお迎え来るとか、縁起でもない事言わないでくださいよ!!!」

「・・・ん?あ、俺、お迎え来るとかしか言ってねェか。そうかそうか。頭ん中で完結してたわ説明」

「余計悪いわぁああああああッ!!!!」

ヒートアップする新八に、銀時は困ったように笑う。

「いやー、すまんすまん」

「いきなりすぎてびっくりしたでしょうが!!!」

「落ち着くネ、新八。銀ちゃんがいきなりすぎるのは今に始まったことじゃないヨ」

神楽が呆れた様子でそう言うと、新八も大きな溜息をついてソファーに座った。

「まぁ、そうだけどさ。・・・なんか、今回は僕達完全に置いてきぼりじゃないですか」

「ん、だから、わるかったって。・・・これからは仲間外れも無いから。な?」

銀時が笑みをうかべれば、新八も神楽もウッと呻いて互いに顔を見合わせる。

「(銀ちゃん悪いモノ喰ったアルか?あんな笑顔見たことないヨ)」

「(わかんないけど、とりあえず銀さんから目を離しちゃいけないってことはわかった。絶対危険なこと考えてるよ、あの人!)」

「・・・あのー、もしもし?聞こえてるからね!?内緒話になってないからね!!」

変わらないノリの子ども達にホッとしつつ、銀時は思わずツッコミを入れたのだった。



― 真選組屯所

「・・・銀色の髪に血を浴び戦場を駆る姿はまさしく“白夜叉”」

山崎に持ってこさせた資料を眺めながら、土方はその部分を読み上げた。

「銀色の髪・・・ですかィ」

「・・・これ、攘夷戦争に参加していたっていう爺さんから聞いたんですけどね・・・この“白夜叉”の素性だけは、覚えてないとか言って、頑として口を割らなかったんですよ。桂や高杉のことはベラベラと喋ってたんですから、覚えてないわけないのにですよ?」

「聞く限りじゃあ“白夜叉”ってのは、攘夷浪士ん中でも特別な存在って感じですねィ」

「“白夜叉”の周りには常に天人共の死体の山ができてたって話でした・・・それが、旦那だなんて・・・」

想像も出来ないし、したくもない。というのが山崎の本音なのだろう。だがそれを言葉にすることはなかった。

「だが、今は奴が“白夜叉”だったってことはあまり重要ではないだろう。・・・上様や保科様が“白夜叉”を巻き込んで何をするつもりなのかが問題だ」

近藤が言えば、土方も同意する。

「そういうこった。・・・本来ならしょっぴいて事情でも聞きてェトコだが、勅命がある以上はそれもできねェ」

「・・・旦那が保科様を調べろなんて言って脅してきたのは、これを想定してのことなんですかねィ?」

「かもしれねェな・・・だが、保科様が俺達に命じるよりも早く野郎の正体に気付いて拘束していたとしても、勅命により城に連れて行くのは変わりはねェ」

「旦那にとっちゃ、どちらに転んでも大丈夫な状況だからこそ、動いたって事ですかね・・・」

山崎の問いに頷き、土方は溜息をついた。

「まさか野郎がここまで頭が回るとは思わなかったな・・・」

「むしろ、保科様が裏で糸を引いてるような気がしますぜィ」

「それも全て野郎のためってか?・・・保科様達にとって野郎はそれだけの存在って事か」

「・・・俺達にとっての、近藤さんってとこですかねィ」

沖田の言葉に、土方は思わず納得してしまった。

そうだとしたら頷ける。もし近藤が危機的状況にあったのなら。それを救うことのできる術を己が持っていたら。

きっと、己は迷わずその術を使うだろう。そのせいでどんな不利益が生じようとも。

「まぁ、とりあえず・・・野郎を城に連れていけば、なんかわかんだろ」

トーンを落としてそう呟くと、土方は空を見上げて紫煙を吐きだした。



ピーンポーン

翌朝、チャイムの音で銀時は目を覚ました。

「・・・何だァ?こんな朝早くに・・・」

まだ新八は来ておらず、神楽は寝汚いためこの程度の音では起きない。

仕方なく起きあがった銀時は寝巻のまま玄関の戸を開ける。

「・・・あー・・・れぇ?多串君に総一郎君にゴリラさん・・・と、ジミー君?」

「誰が多串だ!ゴルァ!!」

「総悟でさァ、旦那ァ」

「・・・酷い・・・」

「・・・・・・山崎ですってば、旦那」

それぞれから返ってきた反応を見ながら、銀時は首を傾げた。

「何?こんな朝早くからさァ?・・・まだ、寝てたんですけどォ?」

「話がある。あがらせてもらうぞ」

土方がそう言い、真選組の4人はズカズカと部屋の中に入って行った。

「・・・あー・・・アイツらが聞いていない間に済ませたい話、ね」

その背を見送り、銀時はボソリと呟いた。





「・・・で?話ってなんですかァ?」

いつもの装いに着替えた銀時は、ソファーの向かい側に座る真選組の面々を静かに見つめる。

「・・・テメェは、攘夷浪士か?」

ストレートに訊ねてきた土方に銀時は目を丸くした。

「あらら~、真選組の頭脳たる副長さんらしくないねェ、ちょっとストレートすぎじゃない?」

そんな銀時の軽口に、土方はテーブルを強く叩いた。

「正直に、答えやがれ・・・!」

「・・・落ち着けって、あんま煩くすると神楽が起きるだろ?」

笑顔を消し、銀時が声のトーンを抑えて告げる。

「・・・誰のせいだよッ」

「あー、はいはい。俺のせいね?・・・まぁ、その質問に答えるとすると、今はノーかな?というか、攘夷志士に攘夷浪士かって聞いたら速攻で斬られんぞ?」

志を持ち戦う侍という意味を持つ志士と主を持たず野に放たれた浪人という意味の浪士。たった一文字ではあるがそこには大きな違いがある。

のんびりとした調子で答える銀時に、土方は苦虫を噛み潰したような表情になって質問を続ける。

「・・・今は、と言ったな」

「あー、若気の至りってヤツかねェ?まぁ、喧嘩っ早いお年頃だったわけよ。俺もさ」

「それで、伝説になるほど天人共を大量に斬り伏せてきたってのか?・・・喧嘩っ早いの一言で済むような話じゃねェだろうが」

「・・・真選組の監察は優秀だねェ・・・“白夜叉”の名を嗅ぎつけるとは思わなかった」

クツリと笑った銀時に、真選組の4人はぞくり、と悪寒を感じた。

「・・・み、とめるのか?自分が“白夜叉”だって・・・」

「だって、オメーらは確信してんだろ?否定するだけ損じゃねーか。めんどくせェ」

耳をほじくっていた銀時はその指をフッと吹いて、ソファーから立ち上がる。

「ガキ共も知ってるよ、俺が元攘夷志士で“白夜叉”と呼ばれてたことはな。ヅラの奴がベラベラと喋りやがったし・・・それに、鬼兵隊との一件もあったしな」

それは、真選組が介入する前に事が済んでいた、あの桂一派と高杉率いる鬼兵隊との衝突の事を示しているのだと4人は気付いた。

「旦那・・・」

「あの一件はヅラと俺を狙ったもんだ。内輪の問題だったからな、オメーらに介入されずに済んで心底良かったと思ってるよ」

戸惑ったように見上げてくる山崎に笑みを向け、銀時は事務机に寄りかかる。

「で?他に聞きたいことはねェの?」

「旦那は、何を企んでるんですかィ?」

銀時は今なら全てを答えてくれる雰囲気だ。それならばと沖田が問う。

「ん~、企む・・・企む、ねェ・・・俺も実際のところはわからねーのよ。アイツらが勝手に動いてる部分が大きいんでね。・・・言ったろ?俺は今は攘夷なんて考えを持っちゃいねェ。だが、過保護な連中が俺の為に動いてくれているのを止める程、達観してもいねェ」

「アイツらってのは・・・?」

土方がじっと銀時の表情を窺いながら訊ねる。

「ヤダねェ、知らないフリ?・・・お宅ら、俺の後を尾行(つけ)て、一部始終聞いてたでしょうが」

「「「!!!」」」

気付かれていたのかと驚く真選組の3人を見て、銀時は意地の悪い笑みをうかべる。

「もうちょっと気配なり何なりを消す訓練しないとねェ・・・俺等みたいに死線を潜り抜けて来た人間にゃ、わずかな衣擦れの音ですら敏感に感じ取ることが出来るんだよ」

一瞬の気の緩みが命取りの戦場。飛び交う怒号、舞い散る赤、敵も味方も入り乱れて感覚が狂ってしまいそうになるくらいに溢れる殺気。

それらを思い返す度に、口に苦いモノが広がる。

「と、言っても。第一線を退いて10年も経てば感覚は鈍ってるけどなー」

そうやって軽口をたたいてないとドロドロとした感情が溢れてきそうで、銀時は赤い瞳を瞼の下に隠した。

「・・・で、夏霧ってのが、テメェの言う茂茂公のお気に入りの幕臣ってことは間違いねェか?」

「・・・ん?ああ、そうだよ。夏霧は今は幕府の中で保科って名乗ってるはずだ。アイツは戦争中に俺が拾ったんだ・・・まだ元服前のガキだったからな。戦争で両親共に亡くして、拾った時には手負いの獣みてェで手がつけらんなかったんだぜ?」

懐かしむように答える銀時に、保科の今の様子しか知らない近藤達は戸惑った様子を見せた。

「今は、随分違うだろ?・・・アイツはどっちかってーと戦略タイプだ。春霞もそうだな。残りの2人は戦術タイプ。あの激戦を生き抜いたっていう事実からもわかる通り、あの4人はそこらにいる連中よりかはずっと強い」

「・・・今日は、良く喋るな」

土方がボソリと呟く。

「オメーらもわかってるだろうが、夏霧がいる以上俺は捕まらねェし捕まっても無罪放免だ。だから、余裕ぶっこいてまーす。なーんてな?」

クツクツと笑い、銀時はそう言って玄関の方へ歩いて行く。

「あ、おい!万事屋・・・!」

近藤が腰を浮かせた時、ガラガラと銀時が玄関の戸を開ける音がした。

「・・・どーしたのォ、新八君。こんなトコで固まってないで入ればァ?」

苦笑をうかべている銀時に、新八は眉根を寄せた。

「・・・えっと、良いんですか?」

「いーよ。大丈夫だから・・・入れって」

半ば強引に連れて来られた新八は、異様な雰囲気の事務所兼リビングの様子に身を竦ませる。

「あ、あのー、僕お茶を入れてきます・・・」

「イイって。税金泥棒にんなもん出す必要ないから」

本人達の前であっさりと言ってくれる銀時は、きっと心臓に毛が生えていると思う新八だったりする。

「・・・ぎ、銀さん・・・あの・・・えっと・・・」

「だから、夕べ言っただろうが。お迎え来るから心構えだけはしとけって」

「それは、そうですけど・・・って、神楽ちゃんは?」

「あー、まだ寝てんよ。起きてくるまでほっとけ。起こすのは手間がかかるからな」

「それは、わかってます・・・てか、空気が重いんですよ!何なんですかこの空気!何か話してないと気分が滅入っちゃいますよ!!」

「うんうん、そーだねェ。それもこれもぜ―んぶ、あの税金泥棒のせいだからねェ?俺のせいじゃないからねェ?」

「そこで責任転嫁!?ってか、アンタ本当に心臓に毛が生えてんだろ!!!」

「あっはっは。何言ってんのォ、新八く―ん。心臓に毛が生えるわけないじゃーん」

「モノの例えだ例え!!!わかってて茶化すんじゃねェぇえええ!この天パがぁああああ!!!」

新八のツッコミが炸裂する。ようやくいつもの調子が出て来たなと銀時は笑みをうかべる。

「~ッ・・・何がおかしいんですか!」

「いやー、やっぱ、新八はこうでないとなァ?」

「・・・・・・何なんですか、その何でもわかってます的な顔」

ムッとした様子で見つめてくる新八の頭を撫で、銀時は静かに答えた。

「・・・わかってんよ。オメェらが不安がってんのはな」

「わかってないですよ・・・どんどん僕達の知らない銀さんになってっちゃうじゃないですか・・・」

「ん。・・・大丈夫だって、置いてったりしねーから」

あやすように頭を撫で続ける銀時の袖をしっかりと掴み、新八は口を一文字に結んだ。





それから神楽が起きると朝食も取らず、銀時達は真選組に連れられて城へと向かっていた。

「銀ちゃん、腹減ったアル・・・飯食わせろアル」

「あー、ホント横暴だよねェ、朝飯も食わせないで連行だよ?拷問かっつーの」

「・・・神楽ちゃんにごはん食べさせないなんて絶対問題起こしますよ。城で。間違いなく。僕ら責任なんて取りませんからね」

「ウルセェ!!元々はテメーのせいだろうがァ!万事屋ぁ!!」

グダグダと後ろで文句を言う万事屋3人に、土方がキレる。

「えー、銀さんなーんにも知らされてないヨー、マジで。夏霧が呼んでるってのは聞いてたけどォ、そこら辺何も知らされてないからァ」

「そうネ!それに朝ごはん食べさせなかったのはお前達アル!」

「そうですよ・・・せめて卵かけご飯(TKG)くらいは食べさせてから来た方が良かったですって、絶対」

「ウルセェッつってんだろうがぁああああああ!!」

「ウルセェのはアンタでさァ。・・・・・・土方コノヤロー死ね」

ボソ、と脇で呟いた沖田に、土方はこめかみに血管を浮き立たせる。

「総悟、テメェ・・・」

「ちょっとー!トシィ!総悟ォ!!また城内でケンカしないでねぇええ?」

一触即発の部下2人にハラハラしどうしの近藤の肩を、銀時はポンと叩いた。

「大変だな、局長さん」

「・・・・・・万事屋ァ」

ハチャメチャなお子様達を抱える銀時だからこそ近藤の気持ちは痛いほどわかる。そんな銀時の言葉に近藤は感動したように見つめてくる。

「まぁ、夏霧相手だし大丈夫だって。上様も結構おおらかっつーか、のんきっつーか・・・よっぽどじゃなけりゃ怒らねェと思うよー」

銀時自身、故意ではないが将軍を酷い目に遭わせた自覚のある事象は何度かある。だが、そのせいで処分されたことは一度も無い。

もしかしたら、夏霧が何かしたのかもしれないが。

「・・・なんでテメェが上様の性格を知ってやがる」

お決まりで土方が絡んでくると、銀時は鬱陶しそうに眉間にしわを寄せた。

「あー、キャバクラで会ったりぃ?床屋で会ったりィ・・・つか、お宅らの上司が連れ回してんでしょうが」

それを言われるとさすがに反論のしようもなく、真選組は黙り込む。

「で、ジミー君、まだ着かねーの?結構走った気がするんだけど?」

運転をしていた山崎に銀時は訊ねる。

「・・・あー、もうちょっと我慢してください旦那。真正面から入るわけにはいかないんです」

「あ、そう。そういうことね」

納得した銀時は座席にもたれかかった。

「銀ちゃん、美味いもん出るアルか?」

「さあなァ・・・あー、でも、夏霧におねだりしてみな?アイツ、ああ見えて子ども好きだから、お菓子くらいはくれるかもよー」

「わかったアル。銀ちゃんにねだれって言われたって言うネ」

「おー、言え言え。ついでに俺らの分もねだっとけ」

銀時が言えば、真選組の4人はギョッとする。

「お、おい、万事屋」

「んー?」

気のない返事に、近藤は困ったように首を傾げる。

「だ、大丈夫なのか?いくら昔の部下と言っても・・・今は幕府の中枢にくいこんでいるお偉方だぞ?」

「あー、ナイナイ。それはナイ。もしアイツが必要な場所以外で偉そうにしてたとしたら、春霞がバッサリぶった斬ってるわ」

そんな銀時の自信たっぷりの言葉に、真選組の4人や新八、神楽までもが首を捻る。

銀時は夏霧の性格も春霞の性格もよく知っている。それに、【六花】を名乗るあの4人の関係性は簡単に言葉では言い表せない。他人には友人と紹介しているものの、それ以上の絆があの4人にはある。

だから、銀時の自信の根拠を皆に伝えることは難しい。

「・・・まぁ、会ってみりゃわかるよ。俺の前じゃ人変わるからなァ、アイツ」

外面が完璧にはがれた夏霧を“保科”としての顔しか知らない連中が見たら、さぞや驚くだろうと低く笑う。

そんな銀時を不思議そうに見やりながら、一行は城の裏に車を停めて避難路から将軍と夏霧の待つ部屋へと向かった。


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