Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
注意
・カレン糾弾
・スザクとC.C.はルルが大好き設定
・さり気なく、黒の騎士団も糾弾
・暗め?
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「いってきまーす!」
朝食を食べる余裕も無く、焼き上がってトースターから飛び出したパンをくわえて家を飛び出す。
カレン・シュタットフェルトではなく、紅月カレンとしてアッシュフォード学園に復帰したカレンは、充実した日々を送っていた。
未だ、世界の情勢は落ち着かないが、“英雄ゼロ”の名の下に、徐々に話し合いの方向へと向かっている。
それは、ルルーシュが残した、最後の希望。
最後の最後で、彼の意図に気付いたカレン。そして、他の黒の騎士団のメンバーも“英雄ゼロ”の登場で、ルルーシュの悪逆非道な行いが、意図されたものだと気付いたらしく、後に皆で集まった時に、何とも言えない気分でそれを話題にしていた。
だが、その事実を、皆は公表しないことで合意した。
一、独裁を赦さず。
一、武力をもって他国に侵略することを赦さず。
身分を放棄し、財団として存在している元ブリタニア皇族も、2度と権力を持つことはないと明言している。
それは、全て、ルルーシュが悪逆皇帝として存在していたことが、反面教師になっていたからだった。
今更なのだ、と皆は言った。カレンも、そう思った。
それに、それが、彼の望みなのだとも思ったのだ。
最後まで、彼は嘘つきだったと、カレンは自嘲する。
「おはよー、カレン」
「おはよ!」
クラスメイトに笑みを向け、カレンは自分の席に座る。
今は落ち着いたが、最初は、黒の騎士団として、悪逆皇帝と戦った英雄の1人だ、と随分ともてはやされた。
自分は、英雄でも何でもない。そうは思ったものの、自分が否定すれば、他のメンバーのことまで否定することになるため、カレンは敢えて黙ってその賛辞を受け入れていた。
授業が始まると、カレンは真剣な眼差しを教師に向けていた。退屈だと思っていた授業が、今ではこんなにも楽しい。学校に通えることが、世界が平和になってきている証だからだ。
こうしていると、昔に戻ったようで、つい、昔の面影を探してしまう。
ルルーシュやスザク、ナナリー、ミレイ、リヴァル、シャーリー、ニーナ・・・生徒会のメンバーは、バラバラになってしまった。
自分が抜けてから、生徒会に入った、元ラウンズの2人も、それぞれの道を進んでいる。そう、ジノに聞いた。
放課後、いつも皆で集まっていたクラブハウスにある生徒会室も、戦後、修復され、昔の面影は無い。
それでも、その場所は、カレンにとって思い出深い場所だった。だから、家に帰る前に、その場で思い出に浸ることが、カレンの日課となっていた。
だから、今日も、カレンはその場で様々なことを思い出していた。
ミレイの思いつく、とんでもないイベントに巻き込まれていたあの時、あの頃が、一番幸せだったのかもしれないと、そう思う。
「ルルーシュってば、いつも、結局会長に振り回されて・・・」
苦笑をうかべ、するりと机に指を走らせる。
「まさか、お前の口から、その名を再び聞くことになるとはなぁ・・・」
冷たい声が背後から聞こえ、カレンはドキっとして振り返る。
「・・・し、C.C.・・・?」
彼女は最初の宣言通り、最後までルルーシュの傍にあった。
カレンは、その美しい黄金の瞳が、自分を責めるような色を宿したことに気付いた。
「お前が、ルルーシュの名を、口にするのか?」
C.C.が、そう問いかけてくる。
「な、何よ・・・思い出に浸ってもいけないって言うの?」
責められるように言われれば、つい、反抗したくなる。カレンがそう言って睨みつければ、思いの外、強い視線で見つめ返される。
「いや、お前の中では“その程度”なのかと思っただけだ」
C.C.の言葉に、カレンは眉を寄せた。
「・・・その程度?」
「ルルーシュに対しての、想いのことだよ」
首を傾げたカレンの耳に、C.C.とは違う、だが、聞き慣れた声が聞こえた。
「・・・ッ、スザク・・・!」
カレンは、もう2度と、彼の仮面を取った姿を見ることはないだろうと思っていただけに、驚きを隠せなかった。
「久しぶりだね、カレン・・・」
その手で親友であり主であった人を殺した青年は、その表情に深みを増し、緑の瞳は悲しみの色をたたえていた。
「ど、して・・・」
言葉が続かないカレンに、スザクは静かに告げた。
「カレン、どうして、君は笑っていられるんだろう?」
「っ!?」
「どうして、ここに来て、思い出に浸れるんだろう?」
スザクの単調な声に、カレンはゾクリとするのを感じる。
「どうして、ルルーシュの名を口にできるんだろう?」
怒るのでもなく、泣くのでもなく、ただ、その悲しみの色をたたえた双眸でカレンを見つめ、スザクは問いかける。
「ねぇ、どうして?カレン」
「っ・・・き、訊きたいのは、こっちよ!・・・どうして、ルルーシュのあんな計画に・・・賛成したのよ!」
「あんな計画?・・・君に、何がわかる?・・・外からしか見ていなかった君に」
「わ、わかるわよ!・・・ルルーシュが徹底的に悪役を演じて、ゼロを英雄に仕立てあげて、世界をまとめようっていう計画だったんでしょ?!」
「・・・知ったような口を」
忌々しげにC.C.が呟く。
明らかに敵意を示すC.C.と、一切の感情を殺いだようなスザク。彼らが何を考えて己の前に現れたのかわからず、カレンはただ、混乱する。
「ルルーシュは、そんな単純な思考の持ち主じゃない・・・わかってるだろ?・・・いや、もう、忘れた?」
スザクが表情を変えないまま、コトリと首を傾げる。その仕草がまるで人形のようで、カレンはゾクリと全身が粟立つのを覚えた。
「忘れているだろうさ、そうでなかったら、こんなにも楽しそうに学校生活を過ごせるわけがないからな」
「キレイなもの以外は、全て忘れる?・・・随分と都合が良い頭だ」
「・・・な、何なのよ!!何が言いたいわけ!?」
持ち前の気の強さが徒となって、素直に怯えることも、気を失うこともできず、カレンは問う。
「別に、何も?」
スザクはあっさりと答えた。
― 何も、お前に伝えることはない。
そう言われた気がして、カレンはカッとなる。
「いきなり来て、訳の分かんないこと言って!・・・一体何しに来たのよっアンタ達!!」
「何って・・・」
「・・・決まっているだろう?お前がアイツの“想い”に応えられるに足る者か、見極めに来た」
無表情でスザクが首を傾げ、C.C.がイライラとしながら告げる。
「・・・な、ナニよ、それ・・・」
「確かに、アイツは争いのない世界を望み、自分を悪役に仕立て・・・必要上“英雄ゼロ”を残した。だが、間もなく“英雄ゼロ”は表舞台から姿を消す。・・・影響力のある人間がいつまでも表舞台に立つのは、独裁と変わらないからな」
突然説明しだしたC.C.に、カレンは目を白黒させる。
「・・・ルルーシュは、そこまで考えてた。・・・僕の考えの足らない部分を補う為に、シュナイゼルを殺さず、ギアスで“ゼロ”に従うように命じた。・・・黒の騎士団とナナリーとシュナイゼルを処刑しようとしたのも、それは全て、自分が悪で、君達が正義と思わせるためだった」
「全てはアイツの思った通りの方向に進んでいる・・・だが、事情を全て知り、残された者は・・・」
C.C.の表情が痛みを耐えるかのように歪む。
「このままじゃ、前に進めない」
スザクがポツリと言う。
「ルルーシュの願いは、争いの無い世界を作ること。その為に悪逆皇帝なんて演じていた。・・・なんて、皆が知る必要はない。・・・でも、ある程度の事情を知りながら、それを“無かったこと”のように扱われるのは“ゼロレクイエム”の執行者たる僕達には、我慢ならないことだ」
「・・・アンタ達は・・・私を、どうしたいのよ・・・」
スザクやC.C.と距離を取るように後退しながら、カレンは問う。
「別に、どうしようとも思ってない」
「そう、お前の行く道に私達が手を出すことはない。・・・それは、アイツの望みに反するからな」
「・・・でも」
「私達の望みは・・・英雄などともてはやされる、裏切り者共が、早くボロを出して失脚してくれないかということだけだ」
スザクが淡々と、C.C.が敵意を露わに、カレンへと寄って来る。
「・・・っ!」
「安心しろ、身体を傷つけるような真似はしないさ」
「そう・・・ちょっとだけ、擬似体験してもらうだけだよ」
「・・・ぎ・・・じ、たいけ、ん?」
トン、と壁に背中がつき、カレンはヒッ、と引き攣ったような声をあげた。
「「ルルーシュの生きて来た時間を味わえ」」
スザクがカレンの腕を押さえ、C.C.がカレンの額に触れる。
「・・・君の精神は、どの程度保つかな?」
スザクの何の感情もうかばない瞳がカレンを見据える。
「そうそう、ちなみに、他の、元・黒の騎士団の面子は、5分と保たなかったぞ」
クツクツと暗い笑みを漏らしたC.C.は、そのままカレンにルルーシュの記憶を垂れ流した。
「っや・・・いやああああぁああっっ!!」
絶叫がクラブハウスの中に響いた。
「・・・呆気ないな」
「ある意味“リフレイン”なんかより、よっぽど効果があるからね、君のは」
一度くらったことのあるスザクは、ようやく表情を動かし、苦々しく呟く。
「アレは、お前の動きを一時止めるためにやっただけだ。・・・それに、自分の後悔を思い出させただけなんだから、別に良いだろうが」
「・・・まぁ、文句は言わないけど・・・」
チラリ、と床に倒れ伏すカレンを見やり、スザクは溜息をついた。
「完全に“壊れて”ないよね?」
「そんなヘマを私がすると思うか?」
「なら良いけど・・・」
「フフ・・・完全に壊れてしまったら、つまらないだろう?これからアイツらがどうやってこの世界で生きていくのか、それを観察するのも一興だな」
「まぁ、表舞台から姿を消すんだから、これくらいの娯楽はないとね」
頷いたスザクに、C.C.はクツクツと笑う。
「娯楽、とは・・・言うようになったな、スザク」
「まぁ、ね・・・持論を翻すようだけど、要は結果が全てだよ・・・最初は味方だった彼等がルルーシュの敵となり、敵だった僕達が味方になった・・・それだけで、僕達は彼等を責められる」
「お前はちゃんとアイツと和解したろう?・・・なのに、アイツらはルルーシュが与えたモノを当たり前のように持っている。その分の代償は払ってもらうさ」
「うん」
頷いたスザクは、C.C.に笑みを向ける。
「じゃあ、これからどこに行く?」
「そうだな・・・まずは、オレンジ畑でも見に行くか」
「それ、いいね」
楽しそうに話しながら、2人はクラブハウスを後にする。
残されたカレンは、のろのろと起きあがり、呆然と天井を見上げた。
「・・・っ」
フラッシュバックする、“ルルーシュの生きて来た時間”。
気が狂いそうなのに“狂わせてもらえない”苦しさ、これを一生抱えていけというのか。
― 断罪
そんな言葉が脳裏に過る。
スザクもC.C.も、ただ、“ルルーシュの記憶を見せただけ”だ。他には何もしていない。
だが、それは、呪いのようにカレンの脳にまとわりつき、離れない。
「お願ぃ・・・もう、止めて・・・赦してぇ・・・」
カレンは手で顔を覆い、泣き崩れた。
時間が巻き戻せるならば、あの選択の時に戻りたいと、そう願いながら。
FIN
戻る→
・カレン糾弾
・スザクとC.C.はルルが大好き設定
・さり気なく、黒の騎士団も糾弾
・暗め?
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「いってきまーす!」
朝食を食べる余裕も無く、焼き上がってトースターから飛び出したパンをくわえて家を飛び出す。
カレン・シュタットフェルトではなく、紅月カレンとしてアッシュフォード学園に復帰したカレンは、充実した日々を送っていた。
未だ、世界の情勢は落ち着かないが、“英雄ゼロ”の名の下に、徐々に話し合いの方向へと向かっている。
それは、ルルーシュが残した、最後の希望。
最後の最後で、彼の意図に気付いたカレン。そして、他の黒の騎士団のメンバーも“英雄ゼロ”の登場で、ルルーシュの悪逆非道な行いが、意図されたものだと気付いたらしく、後に皆で集まった時に、何とも言えない気分でそれを話題にしていた。
だが、その事実を、皆は公表しないことで合意した。
一、独裁を赦さず。
一、武力をもって他国に侵略することを赦さず。
身分を放棄し、財団として存在している元ブリタニア皇族も、2度と権力を持つことはないと明言している。
それは、全て、ルルーシュが悪逆皇帝として存在していたことが、反面教師になっていたからだった。
今更なのだ、と皆は言った。カレンも、そう思った。
それに、それが、彼の望みなのだとも思ったのだ。
最後まで、彼は嘘つきだったと、カレンは自嘲する。
「おはよー、カレン」
「おはよ!」
クラスメイトに笑みを向け、カレンは自分の席に座る。
今は落ち着いたが、最初は、黒の騎士団として、悪逆皇帝と戦った英雄の1人だ、と随分ともてはやされた。
自分は、英雄でも何でもない。そうは思ったものの、自分が否定すれば、他のメンバーのことまで否定することになるため、カレンは敢えて黙ってその賛辞を受け入れていた。
授業が始まると、カレンは真剣な眼差しを教師に向けていた。退屈だと思っていた授業が、今ではこんなにも楽しい。学校に通えることが、世界が平和になってきている証だからだ。
こうしていると、昔に戻ったようで、つい、昔の面影を探してしまう。
ルルーシュやスザク、ナナリー、ミレイ、リヴァル、シャーリー、ニーナ・・・生徒会のメンバーは、バラバラになってしまった。
自分が抜けてから、生徒会に入った、元ラウンズの2人も、それぞれの道を進んでいる。そう、ジノに聞いた。
放課後、いつも皆で集まっていたクラブハウスにある生徒会室も、戦後、修復され、昔の面影は無い。
それでも、その場所は、カレンにとって思い出深い場所だった。だから、家に帰る前に、その場で思い出に浸ることが、カレンの日課となっていた。
だから、今日も、カレンはその場で様々なことを思い出していた。
ミレイの思いつく、とんでもないイベントに巻き込まれていたあの時、あの頃が、一番幸せだったのかもしれないと、そう思う。
「ルルーシュってば、いつも、結局会長に振り回されて・・・」
苦笑をうかべ、するりと机に指を走らせる。
「まさか、お前の口から、その名を再び聞くことになるとはなぁ・・・」
冷たい声が背後から聞こえ、カレンはドキっとして振り返る。
「・・・し、C.C.・・・?」
彼女は最初の宣言通り、最後までルルーシュの傍にあった。
カレンは、その美しい黄金の瞳が、自分を責めるような色を宿したことに気付いた。
「お前が、ルルーシュの名を、口にするのか?」
C.C.が、そう問いかけてくる。
「な、何よ・・・思い出に浸ってもいけないって言うの?」
責められるように言われれば、つい、反抗したくなる。カレンがそう言って睨みつければ、思いの外、強い視線で見つめ返される。
「いや、お前の中では“その程度”なのかと思っただけだ」
C.C.の言葉に、カレンは眉を寄せた。
「・・・その程度?」
「ルルーシュに対しての、想いのことだよ」
首を傾げたカレンの耳に、C.C.とは違う、だが、聞き慣れた声が聞こえた。
「・・・ッ、スザク・・・!」
カレンは、もう2度と、彼の仮面を取った姿を見ることはないだろうと思っていただけに、驚きを隠せなかった。
「久しぶりだね、カレン・・・」
その手で親友であり主であった人を殺した青年は、その表情に深みを増し、緑の瞳は悲しみの色をたたえていた。
「ど、して・・・」
言葉が続かないカレンに、スザクは静かに告げた。
「カレン、どうして、君は笑っていられるんだろう?」
「っ!?」
「どうして、ここに来て、思い出に浸れるんだろう?」
スザクの単調な声に、カレンはゾクリとするのを感じる。
「どうして、ルルーシュの名を口にできるんだろう?」
怒るのでもなく、泣くのでもなく、ただ、その悲しみの色をたたえた双眸でカレンを見つめ、スザクは問いかける。
「ねぇ、どうして?カレン」
「っ・・・き、訊きたいのは、こっちよ!・・・どうして、ルルーシュのあんな計画に・・・賛成したのよ!」
「あんな計画?・・・君に、何がわかる?・・・外からしか見ていなかった君に」
「わ、わかるわよ!・・・ルルーシュが徹底的に悪役を演じて、ゼロを英雄に仕立てあげて、世界をまとめようっていう計画だったんでしょ?!」
「・・・知ったような口を」
忌々しげにC.C.が呟く。
明らかに敵意を示すC.C.と、一切の感情を殺いだようなスザク。彼らが何を考えて己の前に現れたのかわからず、カレンはただ、混乱する。
「ルルーシュは、そんな単純な思考の持ち主じゃない・・・わかってるだろ?・・・いや、もう、忘れた?」
スザクが表情を変えないまま、コトリと首を傾げる。その仕草がまるで人形のようで、カレンはゾクリと全身が粟立つのを覚えた。
「忘れているだろうさ、そうでなかったら、こんなにも楽しそうに学校生活を過ごせるわけがないからな」
「キレイなもの以外は、全て忘れる?・・・随分と都合が良い頭だ」
「・・・な、何なのよ!!何が言いたいわけ!?」
持ち前の気の強さが徒となって、素直に怯えることも、気を失うこともできず、カレンは問う。
「別に、何も?」
スザクはあっさりと答えた。
― 何も、お前に伝えることはない。
そう言われた気がして、カレンはカッとなる。
「いきなり来て、訳の分かんないこと言って!・・・一体何しに来たのよっアンタ達!!」
「何って・・・」
「・・・決まっているだろう?お前がアイツの“想い”に応えられるに足る者か、見極めに来た」
無表情でスザクが首を傾げ、C.C.がイライラとしながら告げる。
「・・・な、ナニよ、それ・・・」
「確かに、アイツは争いのない世界を望み、自分を悪役に仕立て・・・必要上“英雄ゼロ”を残した。だが、間もなく“英雄ゼロ”は表舞台から姿を消す。・・・影響力のある人間がいつまでも表舞台に立つのは、独裁と変わらないからな」
突然説明しだしたC.C.に、カレンは目を白黒させる。
「・・・ルルーシュは、そこまで考えてた。・・・僕の考えの足らない部分を補う為に、シュナイゼルを殺さず、ギアスで“ゼロ”に従うように命じた。・・・黒の騎士団とナナリーとシュナイゼルを処刑しようとしたのも、それは全て、自分が悪で、君達が正義と思わせるためだった」
「全てはアイツの思った通りの方向に進んでいる・・・だが、事情を全て知り、残された者は・・・」
C.C.の表情が痛みを耐えるかのように歪む。
「このままじゃ、前に進めない」
スザクがポツリと言う。
「ルルーシュの願いは、争いの無い世界を作ること。その為に悪逆皇帝なんて演じていた。・・・なんて、皆が知る必要はない。・・・でも、ある程度の事情を知りながら、それを“無かったこと”のように扱われるのは“ゼロレクイエム”の執行者たる僕達には、我慢ならないことだ」
「・・・アンタ達は・・・私を、どうしたいのよ・・・」
スザクやC.C.と距離を取るように後退しながら、カレンは問う。
「別に、どうしようとも思ってない」
「そう、お前の行く道に私達が手を出すことはない。・・・それは、アイツの望みに反するからな」
「・・・でも」
「私達の望みは・・・英雄などともてはやされる、裏切り者共が、早くボロを出して失脚してくれないかということだけだ」
スザクが淡々と、C.C.が敵意を露わに、カレンへと寄って来る。
「・・・っ!」
「安心しろ、身体を傷つけるような真似はしないさ」
「そう・・・ちょっとだけ、擬似体験してもらうだけだよ」
「・・・ぎ・・・じ、たいけ、ん?」
トン、と壁に背中がつき、カレンはヒッ、と引き攣ったような声をあげた。
「「ルルーシュの生きて来た時間を味わえ」」
スザクがカレンの腕を押さえ、C.C.がカレンの額に触れる。
「・・・君の精神は、どの程度保つかな?」
スザクの何の感情もうかばない瞳がカレンを見据える。
「そうそう、ちなみに、他の、元・黒の騎士団の面子は、5分と保たなかったぞ」
クツクツと暗い笑みを漏らしたC.C.は、そのままカレンにルルーシュの記憶を垂れ流した。
「っや・・・いやああああぁああっっ!!」
絶叫がクラブハウスの中に響いた。
「・・・呆気ないな」
「ある意味“リフレイン”なんかより、よっぽど効果があるからね、君のは」
一度くらったことのあるスザクは、ようやく表情を動かし、苦々しく呟く。
「アレは、お前の動きを一時止めるためにやっただけだ。・・・それに、自分の後悔を思い出させただけなんだから、別に良いだろうが」
「・・・まぁ、文句は言わないけど・・・」
チラリ、と床に倒れ伏すカレンを見やり、スザクは溜息をついた。
「完全に“壊れて”ないよね?」
「そんなヘマを私がすると思うか?」
「なら良いけど・・・」
「フフ・・・完全に壊れてしまったら、つまらないだろう?これからアイツらがどうやってこの世界で生きていくのか、それを観察するのも一興だな」
「まぁ、表舞台から姿を消すんだから、これくらいの娯楽はないとね」
頷いたスザクに、C.C.はクツクツと笑う。
「娯楽、とは・・・言うようになったな、スザク」
「まぁ、ね・・・持論を翻すようだけど、要は結果が全てだよ・・・最初は味方だった彼等がルルーシュの敵となり、敵だった僕達が味方になった・・・それだけで、僕達は彼等を責められる」
「お前はちゃんとアイツと和解したろう?・・・なのに、アイツらはルルーシュが与えたモノを当たり前のように持っている。その分の代償は払ってもらうさ」
「うん」
頷いたスザクは、C.C.に笑みを向ける。
「じゃあ、これからどこに行く?」
「そうだな・・・まずは、オレンジ畑でも見に行くか」
「それ、いいね」
楽しそうに話しながら、2人はクラブハウスを後にする。
残されたカレンは、のろのろと起きあがり、呆然と天井を見上げた。
「・・・っ」
フラッシュバックする、“ルルーシュの生きて来た時間”。
気が狂いそうなのに“狂わせてもらえない”苦しさ、これを一生抱えていけというのか。
― 断罪
そんな言葉が脳裏に過る。
スザクもC.C.も、ただ、“ルルーシュの記憶を見せただけ”だ。他には何もしていない。
だが、それは、呪いのようにカレンの脳にまとわりつき、離れない。
「お願ぃ・・・もう、止めて・・・赦してぇ・・・」
カレンは手で顔を覆い、泣き崩れた。
時間が巻き戻せるならば、あの選択の時に戻りたいと、そう願いながら。
FIN
戻る→
PR
☆ 目次 ☆
PC・スマホ版目次
こちらから各ページに移動できます♪
TOP : 注意事項など
BLOG : 拍手お返事や創作日記など・・・不定期更新
☆ 感 想 ☆ : 感想書き込みコーナー
MAIN
☆コードギアス☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆コードギアス R2☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆NARUTO☆
*ここでの木ノ葉*
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆銀魂☆
*長編(シリーズもの)*
☆捧げ物(企画)☆
☆頂き物☆
★ただいまの拍手★
にょたルル(時間軸R2で皇族復帰ver)前提、第17話
CLAP : 拍手゚+。(o'д'ノノ゙☆パチパチパチ。+゚
LINK : 素敵なサイト様へ・・・
GO!!→→→
BLOG : 拍手お返事や創作日記など・・・不定期更新
☆ 感 想 ☆ : 感想書き込みコーナー
MAIN
☆コードギアス☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆コードギアス R2☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆NARUTO☆
*ここでの木ノ葉*
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆銀魂☆
*長編(シリーズもの)*
☆捧げ物(企画)☆
☆頂き物☆
★ただいまの拍手★
にょたルル(時間軸R2で皇族復帰ver)前提、第17話
CLAP : 拍手゚+。(o'д'ノノ゙☆パチパチパチ。+゚
LINK : 素敵なサイト様へ・・・
GO!!→→→