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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・カレンとルルが逆行!
・ご都合主義です!ツッコミは無しな方向で
・捏造満載

以上、同意できる方のみ↓へ・・・









 気づいたら、自分は学園にいた。

 退屈だと思っていたブリタニア史の授業。つらつらと教科書を読みあげる教師。呆然とその姿を見ながら、カレンは、ああ、と溜め息をついた。

「なんだか、良くわかんないけど・・・振り出しに戻る、か。・・・まぁ、せっかく戻って来たんだもの、前向きに考えなきゃ。・・・二度と、ルルーシュにあんな真似はさせないようにしないとね。」

 カレンは呟き、まずは現状を把握しようとする。一番に確認しなければならないのは、“戻って来た”のが、自分だけなのか、ということだった。もしそうなら、自分の出来ることなど限られてしまっている。

 ただ、幸運なことに、自分はアッシュフォード学園中等部に入学済みであり、(当時は何の興味も無かったものだから気にもしなかったが)なんという偶然か、ルルーシュと同じクラスだった。

「・・・学園の人間に積極的に関わろうなんてこの頃は思ってなかったものね・・・。」

 苦い笑みをうかべて、カレンはルルーシュの方へと視線を向ける。そこには、授業を聞いているフリをしながら居眠りをする、彼の姿。

「そりゃそうよねぇ・・・皇族だったら、ブリタニア史なんて、小さな頃から叩きこまれてるはずだし。」

 もともと、学校に通う必要もない程、優秀な頭脳を持っている彼。完全に授業を睡眠の時間に充てている。

「かーわい。・・・ほっぺとか、まだぷくぷくしてるし。」

 知り合った時よりもずっと幼いその姿。環境のせいか、周りのクラスメイト達よりは大人びているが、やはり最後に見た彼の姿からすれば、幼く見えるのは当然。

 だから、そんな姿で寝こけているのを見たら、20も過ぎた年齢から“戻って来た”カレンの目には“可愛い”としか映らない。

 と、言いつつも、自分もまだ成長過程にある姿であるのだが。

 今度こそ、自分の気持ちを素直に伝えようと思う。言えずに終わってしまうことが、どれだけ辛いかよくわかったから。今度は、シャーリーにも遠慮はしない。

「・・・ルルーシュ、好き。」

 ぽつりと呟いて、その姿を見ていたら、やおら、教科書を読み上げていた教師がフッと視線を彼の方に向けるのを視線の端で捉え、あ、と思う。

 教科書を閉じた教師は、ツカツカと彼の傍に歩み寄り、軽く彼の頭を持っていた教科書で叩いた。







 長い長い夢を見た。そんな気分だった。ただし、目覚めは最悪。自分がいるところがどこなのかと把握した瞬間に視界に入った目の前に立つ教師の口元が引き攣る。

「・・・ランペルージ・・・問いに答えなさい・・・。」

 教師はこめかみに血管を浮立たせながら、声を抑えてそう言った。ルルーシュは、ようやく今の事態を呑みこんだ。そして、教師の問いを待つ。

 ちなみに、ルルーシュはどんな問題が来ても答えられる自信があった。なぜなら、今はブリタニア史の時間。授業なんぞ訊かなくたって、とっくの昔に叩きこまれている内容なのだ。むしろ、この先に起こることだって答えてしまえる。

 案の定、ブリタニアの建国は何年か、という引っかけ問題を出してきた教師にあっさりと答えてみせ、ルルーシュはお咎めなしを勝ち取った。

 授業が終わり、開放的な気分に浸りながらも、ルルーシュは一体どういう原理で“戻って来た”のかとその優秀な頭脳をフル回転で働かせていた。

「(なぜだ?・・・ここは明らかに過去だ。女子の制服は中等部のもの。つまりは、4年以上は前ということ。)」

 今が何年何月何日なのか、携帯を鞄から探り出し、自分の目で確認し、愕然とした。

「(ご・・・5年前・・・。)」

「・・・ルルーシュ君って、ブリタニア史に詳しいのね。」

 と、その時、女子生徒の声が耳に届く。

 笑いを含んだその言葉があまりにも耳に心地よく聞こえて、ルルーシュは笑みを取り繕って、そちらを向き、ビシリと固まった。

 クスクスと笑うその姿は、どこからどう見たって自分の良く知る少女のもの。

「・・・あ、えっと・・・シュタットフェルト、さん?」

 とりあえず名を呼んでみると、彼女は少し怒った様子をみせた。

「その名前、あんまり好きじゃないの。カレン、って呼んでくれる?ルルーシュ君。」

「・・・カレン、さん?」

「さんもいらないのに。・・・まぁいいわ。・・・でも、さすがね。ブリタニア史は完璧なんじゃないかしら?」

 その笑顔が眩しかった。最後の最後まで、彼女の言う通りに騙し続けてみせた。だが、随分と傷つけてしまった。それだけは申し訳なく思っていたのだが“戻って来た”のなら、それもやり直せるのだろうか、と思う。

 ただ、同じことを繰り返すつもりは毛頭なかった。ナリタ事変も、行政特区日本も・・・悪逆皇帝も。あの様なことは一度きりで充分だ。

 そこまで考えて、カレンが接触を計ってきた理由を正確に理解したルルーシュは、苦笑をうかべた。

「じゃあ、カレンって呼ぶことにするよ。君も、ルルーシュで良い。・・・ブリタニア史が完璧なのは当然だよ。幼い頃、家庭教師に叩きこまれたからね。」

「そうよね。必須科目でしょうしね。」

 最初のブリタニア史云々は“戻って来た”のかどうか知る為のカマかけだったのだろう。ルルーシュの返答に、カレンの表情が笑み崩れる。

「そうなんだ。必須科目なんだよ。・・・それに、ブリタニア史は好きな方なんだ。」

「へぇ、びっくり。・・・ルルーシュって、ブリタニアの国是はあんまり好きじゃなかったって言ってなかったかしら。」

 実際は“大っ嫌い”だが。そう言いかけて、ここが教室であることを思い出したルルーシュは、苦笑をうかべた。

「まぁ、妹が身体的弱者だからね。あまり良くは思えないけれど。・・・カレンは?今の国是をどう思う?」

 とある大前提をもって交わされる会話に、クラスメイト達が聞き耳を立てている。

 いつの間に、ルルーシュとカレンがこんなに仲良くなったのか全くわからない為、どうなっているのかわからず、目を白黒させている者もいる。

「そうね、私も弱者に分類されるから、良くは思えないわね。」

 イレヴンは弱者、それも支配される側だ。だから、ブリタニアが憎い。その気持ちは変わらない。

「・・・そうだよな。今、調子はどうだ?」

 ルルーシュの問いは、レジスタンスのことを訊ねている、とカレンは思った。だから、ほんの少し、儚げな笑みを見せながら、それを口にした。

「ええ、今の時期はとっても調子がイイの。」

 久々に病弱を装うカレンを見て、ルルーシュは苦笑をうかべる。だが、ちゃんと質問の真意が伝わったことはわかったので、忠告を含めて、応える。

「だとしても、あまり、無理はしない方が良い。無理をして悪化でもしたら、それこそ、目も当てられないから。」

「ええ。わかってるわ。」

 素直に頷いたカレンは、駄目もとで訊ねた。

「ねぇ、ルルーシュ。・・・“また”付き添ってくれる?」

 それは、もう一度黒の騎士団を立ち上げるかどうかの確認だった。ルルーシュは一瞬眉を顰め、それから、フッと笑みをうかべた。

「・・・俺で良いのなら、な。」

「貴方が良いのよ。・・・貴方じゃないとダメ。」

 カレンが言った言葉に、クラスがざわめいた。取りようによっては告白しているようなものなのだから。

「・・・カレ、ン?」

 さすがのルルーシュも目を丸くしていて、カレンはクスッと笑った。

「知らなかった?・・・私、ずっと、貴方のことが好きだったのよ?」

 あっさりと、カレンが笑みをうかべてそんなことを言ってくれたので、ルルーシュは顔を真っ赤にさせて固まり、教室中にクラスメイトの叫びが響いたのだった。







 屋上


「・・・で、どうなっている?」

 2人きりになって、ようやく互いに素の状態で話が出来るようになった。

「さぁ?・・・私も、ついさっき“戻って来た”ばっかり。貴方の方が、こういうの、わかるんじゃないの?」

「・・・いや・・・ギアスでは無いと思う。コードにもこんな力はないし・・・。」

「コード?」

 首を傾げるカレンに、ああ、知らなかったか、とルルーシュは呟く。

「・・・C.C.が持っている力だ。コードを引き継ぐと、不老不死・ギアスを与える能力が発現する。他にも色々な能力を授かるらしいが、俺も良くはわからない。」

「・・・C.C.って不老不死だったのね・・・。」

 初めて知った事実に、カレンは愕然とする。

「不老不死から解放されることがあいつの望みだった。・・・でも、叶えてやれなかったな。」

 ルルーシュは遠くを見つめ、フッと溜め息をついた。

「・・・でも、世界は概ね平和だったわよ。スザクもナナリーも頑張ってた。・・・知らないだろうけど、扇さんが日本の首相になったのよ。」

「・・・へぇ。あいつがな。」

 クツリ、と笑うその表情に、負の感情はない。

「裏切られたことは、何とも思ってないわけ?」

「・・・シュナイゼルがうまく丸めこめただけだろう?それに、真実が歪曲されて伝わったとはいえ、やったことは事実だ。憎まれても仕方ない。」

 あっさりとそう言った彼に、カレンは溜め息をつく。

「そういうの・・・もうやめにしない?」

「そういうのって?」

「諦め癖っていうの?・・・それから、何でもかんでも、自分のせいって言うの。」

「だが・・・。」

「やめるって言って。・・・この時代ではまだ、貴方は“何もしていない”の。だから、今から仕方ないとか言わないで。」

 カレンの言葉に、ルルーシュはヒュッと息を呑み、それから、無意識に入っていた身体の力を抜いた。

「・・・わかったよ。」

「うん。それでよし。」

 ニッコリと笑ったその表情に、ルルーシュは思わず表情が緩めた。

「・・・やっぱりカレンは元気一杯な姿が良いな。」

「っ///・・・い、いきなり、な、何言い出すの!?」

 照れた様子で言うカレンに、ルルーシュはクツクツと笑った。

「そう思ったんだよ。病弱カレンさんはちょっと、な。」

「・・・しょうがないじゃない。自宅から通う為にも必要だったんだから。」

「保健室で昼寝するにも丁度良いしな?」

「もう!からかわないで!!」

 未だにクツクツと笑うルルーシュを背中を、カレンは思いっきり叩く。

バシン!

 大きな音がして、ルルーシュが前のめりになる。

「っつ・・・はぁ、暴力反対。」

「あのね、あんたがそれ言うわけ?」

「・・・はいはい。すみませんでした。」

「うわ、気持ちが全くこもってない謝罪。」

 じと目で見つめてくるカレンに、意地悪をしてみたくなって、ルルーシュはそっと彼女の耳元に口を近づける。

「・・・すまない、カレン・・・赦してくれ。」

「~~っ///・・・・・・ちょ、ちょっと!!耳元でいきなりフェロモンボイス出さないでよ!!・・・お願いだから、結婚詐欺師にだけはならないでよね。」

 顔を真っ赤にしたカレンが、バッと離れて耳を押さえながら叫ぶ。

「ああ、それはないから、大丈夫。」

「どうしてよ?」

 きっぱりと言うルルーシュに、カレンが訝しげに問う。

「・・・俺は、ブリタニアへ反旗を翻す。だから、そんな暇はない。」

「・・・あ。」

「このまま、黙って見ているわけにはいかないだろ。・・・皇帝を止めなければ、世界中の人間が“個”を失ってしまう。」

 父の計画が、今、まさに進んでいるのだと思うと、居ても立ってもいられない。

「まずは神根島を何とかしなければ。後は、ギアス響団と、皇宮にも同じような施設があったから潰さないと・・・。」

「・・・どうやって、やるつもり?黒の騎士団でやるにしたって、色々制約があるでしょ?」

「そうなんだよな・・・せめて、スザクが“戻って来て”くれていれば・・・。」

「もしくは、ユーフェミアとか。」

 カレンが言えば、ルルーシュはそうだな、と呟いてそれから、フッと笑みをうかべた。

「・・・やり直しが出来るなんて思ってもいなかったな。」

「そうね。・・・でも、もう、二度とあんな真似、させないからね?」

「俺だって、二度もあんな思いをするのはごめんだ。」

「・・・うん。」

 ルルーシュにその選択をさせてしまったのは、自分達だと、そう理解していたカレンはフッと視線を落とす。その様子を目に入れたルルーシュは、少し考えるようなそぶりを見せてから、あ、と声をあげた。

「・・・何?」

 カレンが不審げに訊ねれば、ルルーシュはクスッと笑った。

「カレン、さっきの告白のことなんだけど。」

「っ!?・・・あ、えと・・・その・・・じょ、冗談・・・じゃないから!!」

 咄嗟に誤魔化そうとした自分を叱咤し、カレンは素直になるんだ、とそう念じて、ルルーシュを見つめる。

「・・・そう。」

 ルルーシュは俯いてしまう。裏切り者の自分の告白なんて、受け入れて貰えなくて当然、そうカレンが諦めかけた時、ルルーシュがフッと笑う。

「・・・ルルーシュ?」

「ああ、いや。カレンは知らなかったかもしれないけど・・・。」

 ルルーシュはちょいちょい、とカレンを手招く。

 首を傾げつつも傍に寄ったカレンに、ルルーシュは耳打ちをした。

“俺にとって、カレンはとっても大切で、一番気の許せる女の子だったんだぞ?”

 背筋がぞくぞくとするほど、甘い声。そんな声で、そんなこと言われたら、自惚れてしまう。

「・・・だ、だから、耳元で、そんな声・・・出さないで・・・。」

 弱々しく言い返すカレンに、ルルーシュはクツリと笑う。

「さっきのお返し。・・・公衆の面前で告白されるのは、結構恥ずかしいんだ。」

「・・・う、ゴメンナサイ。」

「まあ、いい。君の気持ちが知れたからな。・・・自惚れるぞ、良いのか?」

 確認なんかするな、と言いたかったが、先程の影響がまだ残っているせいで、コクコクと頷くことしかできない。

「・・・じゃあ、カレン。一緒にぶっ壊そうか。ブリタニアを。」

「・・・ええ!・・・ぶっ壊してやりましょう!!」







 14歳の秋、奇跡的な再会を果たした2人は、再び、ブリタニアに対抗するための組織“黒の騎士団”を密やかに結成した。

 最初は2人きりの組織。そこから、どんどんと味方を増やし、カレンの兄である紅月ナオトの結成したレジスタンスグループも吸収し、4年後には、以前の黒の騎士団を凌ぐ規模の組織となっていた。

 そして、以前の騎士団と今の騎士団が大きく違う点が3つあった。

 1つめは、ゼロが幹部達の前では仮面をつけていないこと。

 2つめは、その幹部達は、ゼロから事情をすべて説明された上で納得し、彼の下へ付いているということ。

 そして、3つめは、ゼロの傍に寄り添う共犯者が、緑髪の魔女ではなく、紅の少女だということ。

 再びの反逆が、今、始まる・・・。


 おしまい


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