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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・ルル←ゼロレク組+アニャ
・なぜかルルは死んでなかった!(ご都合主義)
・ナナに厳しい表現あり
・ルルが幸せなら、なんでもあり!
・捏造満載

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








 世界の為に死ぬなんて、そんな結果を求めるなんて、自分でも思ってはいなかった。

 確かに、優しい世界が出来た時、その場に自分のいる場所は無いのではないかと、思っていたのは確かだけれど。

 だからなのだろうか。

 唯一の親友の手で逝けたと思った時、走馬灯のように、今までの思い出(けして良い思い出ばかりではなかったけれど)が脳裏を駆け巡ったとき、それでも、幸せだと感じてしまった。この世に未練はなかった。

 どうせ、自分は世界中から憎まれている。そう自分が仕組んだのだから。

 ああ、でも、聡いあの子には気付かれてしまった。

 敢えて、感情を、心を読まれないように不用意に近づくことはしなかったのだが、最後の最後で、やはり、あの子の下でと思ってしまった。目の前で肉親に死なれる様子を、もう2度と見せるつもりなど無かったのに・・・。

 声が、聞こえた。あの子の泣き叫ぶ声。

「私はッ!お兄様さえいてくだされば、それで良かったのにッッ!!!」

 ああ、俺も、そう思っていたよ。でも、もう良いんだ。お前達に、世界中の人に、優しい世界をプレゼントするよ・・・。

 そこで、ルルーシュの意識は完全に途絶えた。





 悪逆皇帝が英雄ゼロによってこの世を去ってから1年が経った。全てが順調とは言わないが、各国は2度とあのような独裁者が現れないように、と互いに監視し合い、武力よりも対話を。そういう考えを持つようになってきていた。

「ゼロ・・・世界は平和と言えるのでしょうか?」

 実兄よりもほんの少し薄い、紫の瞳でヒタと見据えられて“ゼロ”は一瞬たじろいだ。

「・・・いいえ。まだまだ、平和とは言い切れないでしょうね。ナナリー代表もそうお思いだからこそ、そうお尋ねになったのでしょう?」

 ほんの一瞬の間を置いて“ゼロ”はナナリーの問いに答えた。

「そう、ですね。・・・たった1人の犠牲の上に成り立った平和なんて・・・脆いもの。私達が、もっと頑張らないと、いけないんですね。基盤ができていても、それをちゃんと活かせないと意味が無い。・・・幸い、ゼロがいてくださいますから、監視体制が整っていますが・・・でも、ゼロがいなくなってしまったら、この世界はどうなるのでしょうか。」

「・・・さぁ、未来に生きる者達次第なのではありませんか?・・・“私”はそこまでは責任は持てませんし、持つ気もありませんよ。」

 “ゼロ”の発言があまりにも冷たいので、ナナリーはビクリと身体を震わせた。

「ゼロ・・・?」

「“私”は世界にこの身を捧げると誓いました。ですから“私”がいる間は、争いを起こさせるつもりは毛頭ありません。・・・でも“私”が死んだ後まで、責任を持てと言われても困ります。」

「・・・はい。」

「・・・・・・“彼”がどこまで想定していたのか“私”でさえも知りえないことです。・・・ですから、早く、力をつけてください。いつまでも“私”やシュナイゼルがいるわけではないのですから。」

「・・・・・・はい。」

 頷くナナリーを残し、“ゼロ”はナナリーの執務室を出て行く。

「・・・貴方は、お兄様を奪った今の世界を許せないのですね・・・スザクさん。」

 それを見送ったナナリーは、悪逆皇帝の騎士として死んだ彼の名を呟き、盛大に溜め息をついた。





「・・・少し、言い過ぎたかな?」

 自室へ帰って来た“ゼロ”ことスザクは仮面を脱いで、はぁと溜め息をついた。あまりの多忙さに苛立っていて、ナナリーに当たってしまった感がある。

「悪い癖だ。・・・直さないと。」

 そう言いながら、自室のPCの電源を入れると、1件の匿名メールが届いているのに気づいた。

 また、各国の首脳からの依頼なのか、と疲労を覚えながらもそのメールを開き、文面を目で追ううちに、スザクの表情が見る間に喜色に染まる。

「やっぱり、君は、奇跡を起こす男だったね。」

 そう小さく呟くと、スザクは1日留守にすることを各位に連絡すると、出掛けるための変装を始めた。





 爽やかな風が通り過ぎる、オレンジ農園。オレンジの世話をしながら汗をぬぐい、奇妙な仮面で顔半分を覆った男は、後ろでオレンジのできを確認している少女を振り返る。

「そろそろ、休憩にしよう、アーニャ。」

「・・・わかった。」

 アーニャと呼ばれた少女は立ち上がって、パンパン、と足元を叩く。

「今年も豊作だな。」

 満足げに言った男に、アーニャはこくりと頷く。

「・・・ジェレミア、色々と世話の仕方を勉強してたから。」

「うむ。努力がこうやって形となって報われると、救われた思いになるな。」

 うんうん、と頷くと、ジェレミアはアーニャの頭をぽんぽんと軽く叩く。

「もちろん、アーニャが手伝ってくれているおかげでもあるぞ?」

「・・・。」

 アーニャは一瞬、目を真ん丸くした後、照れた様子で視線を逸らす。それを見て、苦笑をうかべたジェレミアは、そのアーニャを促し、自宅へと戻る。

 自宅の前まで来ると、扉の前に1人の女性が立っているのが見えた。特徴的なその緑髪を見て、ジェレミアは何かあったのだと直感した。

「・・・C.C.、お前がここに来るなど珍しい。何かあったのだな?」

「ああ。ここではあまり話せないな。中に。」

 そう言ったC.C.をアーニャと共に自宅の中に引きずり込むようにして入ると、ジェレミアはドアに鍵をかけて、C.C.に向き直る。

「・・・それで?」

「・・・ああ。あいつが目を覚ましたよ。」

「そうか!!」

 名を言わなくてもわかった。それは、隣にいたアーニャも同じだったようで、目を丸くした。

「だって、あの時・・・。」

「ああ。あいつは一度死んだ。だが、なぜかはわからないが遺体を静かな場所に運んだ後、コードが宿ってる様子もないのに、傷が塞がって心臓が動き出した。ただ、植物状態で目を覚ますことも無かった。事情が事情だからな。顔を見ないという条件で医者にも見せたが、手の施しようがなくて・・・後は、本人次第と言われたんだ。」

「・・・ジェレミアは、知ってたの?」

「ああ。ゼロレクイエムに関わった人間はすべて知っているぞ。」

「ロイド達には連絡した。ニーナと咲世子にはそこから連絡が行くだろ。」

「・・・スザクは・・・?」

 アーニャの問いに、C.C.は苦笑をうかべる。

「まあ、一部の連中には、バレバレだったがその名はあまり口にしない方がいいぞ?“あいつ”の名もそうだけどな?」

「・・・わかった。じゃあ“ゼロ”には連絡したの?」

「ああ。メールは入れておいた。来るか来ないかは、あいつ次第だが。」

 肩を竦めるC.C.に、アーニャは納得したように頷いた。

「・・・私も、行ってイイの?」

「駄目だったら、お前の前で話したりしないさ。・・・ジェレミア、すぐに発てるか?」

「もちろん。大丈夫だ。」

 即答して頷くジェレミアに、C.C.はクツリと笑った。

「1年経っても、ちっとも変わらないな。」

「無論、我が主は、敬愛するあの方ただお1人と定めたからな。」

「・・・そうか。」

 柔らかな笑みをうかべ、C.C.が微笑む。

「あいつにも言ってやれ。他のことには聡いくせに、自分に向けられる好意には無頓着で、言われなきゃ気付かないからな。」

「・・・ああ。」

 つられるようにして笑みをうかべたジェレミアの表情は、いつになく優しげなものだった。





 ここにはブリタニアで最も美しいと言われた庭があった。皇妃マリアンヌとその子供達が暮らした場所。今はもう、その面影はない。荒れ果てた、庭、宮殿。

「お前が、一番乗りか。・・・スザク。」

 ジェレミア達を伴ったC.C.が、彼の姿を認め、そう声をかけた。

「・・・ブリタニアの中心地にいたから。離宮までは大した距離じゃない。」

 そう言って振り返ったスザクは、ほんの少し、頬がこけていた。

「すこし、痩せたな?」

「そう?・・・あぁ、そうかもしれないな、あんまり、食事をとってる暇が無いんだ。」

「あっはぁ~・・・仮面つけてるしねぇ~、人前で食事とれないって、辛いよねぇぇ?」

 妙なトーンで話す声に、スザクは表情を和ませた。

「ロイドさん、セシルさん、咲世子さん・・・それに、ニーナまで。」

「久しぶりだねぇ、スザク君。・・・ホント、見ないうちに、少し痩せたねぇ?」

「ちゃんと、休憩を取らせてもらえてるの?」

「お久しぶりです、スザクさん。」

「久しぶり、スザク。・・・本当に、痩せたね。」

 まともに他人と顔を合わせるのは1年ぶり。スザクは、ホッと息をついた。

「最近、忙しさが増したので・・・。」

「僕らの目から見ても、忙しそうだもんねぇ~・・・。」

「まぁ、体力だけは有り余ってますから。・・・ご心配なく。」

 苦笑をうかべて、スザクはC.C.を振り返る。

「皆揃ったみたいだけど、ルルーシュは?」

「・・・この奥だ。」

 短く答えると、C.C.は皆の先頭に立ち案内し始める。それについて行こうと歩を進めたスザクの隣に、アーニャが並ぶ。

「・・・出てきて大丈夫だったの?」

「・・・うん。まぁ、少しくらいはね。・・・また、明日からが大変そうだけど。」

「そう。」

「・・・まさか、君まで来るとは思わなかった。」

「私は、ジェレミアのとこにいるから。・・・それに、記憶が戻ったの。」

「ああ、そういうことか・・・。事実を知ってしまったんだな。」

「うん。・・・シャルル陛下とマリアンヌ様の計画・・・ルルーシュ様のこと、ナナリー様のこと・・・。」

 アーニャは少し淋しそうに微笑んだ。

「私も・・・できることなら、ゼロレクイエムの施行者でありたかった。」

「・・・アーニャ。」

 スザクが困ったように己の名を呼ぶので、アーニャはクツリと笑った。

「ただの願望。気にしないで。」

「・・・ああ。」

 そんな2人を眺めつつ、ロイドはへにゃりと笑った。

「陛下がさぁ・・・死ななかったのって、何でかなぁ?」

「・・・科学者としては気になるか?」

 ジェレミアが眉を寄せると、ロイドはふるりと首を振った。

「ん~・・・まだまだ、陛下が望む、優しい世界になってないのかなぁって・・・だから、不甲斐ない僕達の為に、戻って来られた・・・そう思ったんだけどねぇ。」

「・・・そうかもしれんな。」

 ロイドの言葉に頷き、ジェレミアは深い溜め息をついた。

「我々は、あの方の想定通りに動けているのだろうか・・・?」

「・・・それを訊くために、これから陛下のところへ向かうんですよ、ジェレミアさん。」

 セシルが言えば、それもそうか、とジェレミアは表情を引き締めた。

「ルルーシュ、混乱してなければ良いんだけど・・・。」

「そうですね・・・突発的なことには弱くていらっしゃいましたから・・・。」

 ニーナの呟きに、咲世子が同意すると、ロイドもジェレミアもセシルもその様子を思い浮かべて、苦笑した。





 薔薇で作られたメイズの名残、それを見渡せる広場。そこに、1組の白いテーブルと椅子が置いてあり、そこから少し離れた場所に、1人の青年が立っていた。

「・・・ルルーシュ。」

 C.C.は、その青年の名をそっと声に乗せ、その背後に近付く。

「・・・おかえり。」

 くるりと振り向いたルルーシュに、全員がホッと安堵の息をついた。彼が、穏やかな笑みをうかべていたからだ。

「・・・久しぶり、ルルーシュ。」

 スザクが言えば、他の者達も口を揃えてルルーシュに言葉を投げかける。

「・・・ああ。久しぶりだな、皆。・・・スザクは少し、痩せたか。」

「はは。皆に言われたよ、それ。」

「忙しいんだろうな・・・。」

 目を細めるルルーシュに、スザクは苦笑して肩を竦める。そんなスザクから視線を外し、その隣にいるアーニャを見つめる。

「・・・アーニャ、父母に代わって詫びさせてほしい。・・・本当にすまなかった。いくら事情があったとはいえ、君の身体に宿るだけでなく、度々、その身体を勝手に使っていたというのは、到底、許されることではない。」

「・・・良い。ジェレミアにギアスを解いてもらったから。」

 気にするなというアーニャに、ルルーシュは苦笑をうかべた。

「そうか・・・そう言ってくれると助かる。」

 微笑むルルーシュの前にロイドが進み出る。

「・・・この世界は、陛下の想定通り、優しい世界になったのでしょうか?」

 珍しく生真面目な表情を作ったロイドに、ルルーシュは一瞬目を瞠るが、すぐに口元に笑みをうかべた。

「俺は、その土台を作った。優しい世界、明日を望む皆の為に。・・・今、皆はそれを実現する為に一生懸命になっているんだろう?・・・なら、それは俺の想定通りだよ。・・・出来上がったものの上に乗っかるだけだったなら、崩れるのも早いものだ。自分達が努力して作り上げるからこそ、長続きをさせよう、と思うんじゃないのか?」

「・・・ああ、そうか・・・そういう、ことだったんだ・・・。」

 思わずスザクが納得の声をあげる。

「陛下は、後に残った僕達のことを信じてくれたんですねぇ~。絶対に、優しい世界を構築するだろうって。」

 ロイドが呟けば、ルルーシュはふんわりと笑みをうかべた。

「ああ。皆のことを信じていたよ。・・・きっと、この世界を良い方向に持って行ってくれると。」

「・・・ルルーシュ様。・・・お身体は大丈夫なのですか?」

 あまりにも儚げな様子に、咲世子が心配そうに口を出す。すると、ルルーシュはこくん、と頷く。

「ああ・・・どこにも変わった様子はない。コードかと思ったんだが、そうでもないらしい。試してみたから間違いないぞ。」

「た、試したって、まさか・・・。」

 ニーナが顔を青褪めさせると、ルルーシュは苦笑した。

「大丈夫だよ、ニーナ。ちょっと、指先を針で突いただけだ。・・・コードなら、すぐにでも傷が塞がるはずだが、ほら、ご覧の通りだ。」

 絆創膏を貼った指を見せ、肩を竦める。

「私も、理由はよくわからない。・・・ただ、ルルーシュが“神”に明日が欲しいと願ったから・・・その影響で、ということかもしれん。」

 C.C.も曖昧にそういうばかりで、明確な答えを持つ者はいない。

「・・・良いじゃないですか。理由なんて。・・・陛下が生きていらした。それだけで。」

 そう呟くセシルに、そうだそうだと皆が頷く。

「・・・あー・・・さっきから気になっていたんだが、陛下と呼ぶのは止せ。もう、皇帝では無いのだし。」

 困ったようにルルーシュが言うと、皆が、あ、という顔をする。

「でもぉ~、僕にとって、陛下は陛下だけなんですよぉ・・・皇帝ちゃんも、ナナリー代表も、陛下って感じじゃないんですよねぇ~。」

 しかし、ロイドが駄々をこねるように言えば、ルルーシュは更に困ったような表情をうかべる。

「ロイド・・・。」

「私も、主はルルーシュ様ただお1人と、そう思っております。」

「・・・ジェレミア、お前まで・・・。」

「俺も。・・・最後に仕えたのは君だからね・・・。」

 スザクが言い出せば、ルルーシュはギョッとしてスザクを見つめる。

「そんな、驚かないでよ。・・・リセットしよう?ルルーシュ。・・・君は1度死んだ。それで、償いは充分じゃないか。」

「でも・・・。」

「スザクの言う通りだよ、ルルーシュだって、明日が欲しかったんでしょう?・・・幸せになったって、良いんだよ。」

 ニーナが穏やかに笑みをうかべて諭せば、ルルーシュは息を呑んだ。

 ニーナは特に、ユーフェミアの件を赦してはいないのだから、生き返ったルルーシュに複雑な思いを抱えているのではと思っていたからだ。

「・・・赦さないって、言ったよ?でも・・・頭を冷やして、この1年間考えたの。ユーフェミア様ならどう言ったかなって。・・・ねぇ、赦さないって、ユーフェミア様は、ルルーシュに言ったと思う?」

「・・・いや・・・彼女は優しいから・・・。」

 ルルーシュが首を振れば、ニーナは満足げに微笑む。

「うん。そうだよね。・・・だから、私もそうすることにした。だって、ルルーシュはちゃんと罰は受けたもの。・・・ね?」

 ニーナの言葉に、ルルーシュははにかんだ笑みをうかべた。

「・・・ありがとう、ニーナ。」

「・・・たとえ、世界中の人間がお前を悪逆皇帝だと罵っても、ここにいる者達は、お前の味方だ。」

 C.C.が言えば、ルルーシュはうっすらと涙ぐみながら頷く。

「・・・ああ。」

「・・・ところで、ルルーシュ様。こちらに住まわれる予定なのですか?」

 ジェレミアが訊ねる。

「・・・ああ。ここは放逐されているからな。それに、帝都とは目と鼻の先だが、灯台もと暗しで、見つかる心配も少ない。」

「だから、こいつの身体もここに置いておけたんだ。」

 ルルーシュが答えると、C.Cがそれを補足する。

「・・・まぁ、万が一のことがあっても“ゼロ”の権限を使えば良いしね。」

「スザク、それ、職権乱用。」

 アーニャが言うと、スザクはしれっと答える。

「良いさ。少しくらい。」

「そうそう~。ちょっとくらい良いよねぇ~?身を粉にして頑張ってるんだしぃ~。その為の“ゼロ”だもんねぇ~?」

 ロイドも楽しそうに手を叩いてスザクに同意するので、セシルや咲世子やニーナは苦笑をうかべる。

「・・・ならばルルーシュ様、もし、お許しいただけるのであれば、週に1度で構いません、拝謁に伺っても宜しいでしょうか?」

 ジェレミアが本題を口にすれば、ロイドもはいはい~と手をあげる。

「僕も~、僕も、会いに来たいです~~。」

「それなら、私もロイドさんの面倒を見ながら、一緒に。」

「あ・・・私も、研究の成果とか、見てもらいたいな。」

 セシルやニーナまで言いだして、ルルーシュは苦笑をうかべた。

「良いが、見つからないようにな?」

「「「「了解(です)!!」」」」

 4人が声を揃える。

「じゃあ、俺も、会いに来るね。仕事があるし、なかなか来れないとは思うけど。」

「ああ。わかったよ、スザク。」

「・・・私はルルーシュとここに住むぞ。こいつを1人にしておくとろくなことを考えないからな。」

「あ~~~ッ、ずるいよ~!!C.C.!!」

 ロイドが地団太を踏むと、C.C.はフフン、と鼻で笑う。

「私は今のところ、フリーだからな。居場所も得に特定しているわけでは無いし。」

「・・・では、私も、ご一緒にさせて頂きます。・・・世話役が1人いた方がよろしいでしょう?」

「ああ~~~!咲世子君まで!?良いなぁぁぁ!!」

 C.C.だけに良い思いをさせるかとばかりに咲世子が名乗り出れば、ロイドは更に悔しがった。

「・・・私はオレンジ農園があるからな・・・新鮮なオレンジを届けさせていただきます。ルルーシュ様。」

 ジェレミアは諦めの境地でそう言って、アーニャに視線を向ける。

「・・・私も、ジェレミアのオレンジ農園があるから、無理。・・・ちょっと、残念。」

 残念そうに言いながらも、オレンジ農園を辞めると言わないアーニャに、ジェレミアは思わず笑みをうかべる。

「・・・ありがとう・・・俺は、幸せ者だな・・・。」

 ふふ、と笑って、ルルーシュは目を細める。こんな未来を誰が予想できただろうか。当のルルーシュでさえ、こんな穏やかな日々を迎えられるとは思っていなかったのだ。

「そうだぞ、ルルーシュ。お前は愛されてるんだ。」

 C.C.が胸を張って自信たっぷりに言う。

「愛って・・・///」

 頬をほんのりと赤く染めたルルーシュに、皆がクスクスと笑う。





 1度は諦めた“幸せな明日”。

 それが、こんなにも簡単に手に入ったことに、ほんの少し恐怖を覚えたのは、今までこんなに幸せだと思えたことが無かったから。

 生きたかった。幸せになりたかった。優しい世界が欲しかった。

 “幸せになっても良い”そう言って貰えただけで、嬉しかった。

 心から、幸せだと思う。

 そして、願う。世界が優しくありますように、と。


 おしまい


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