Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・カレルル+ジェレ・しーちゃん
・騎士団糾弾
・いろいろ矛盾は無視の方向で!
・ルル救済話ですから、ルルさえ幸せならなんでもアリ(笑)
・題名通り、捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
― まただ。また私は信じきることができなかった。だから、ルルーシュは・・・。
「C.C.は記憶を失ったんだ・・・。」
悲しそうに俯くルルーシュの声。ナナリーも失って、C.C.も・・・。ならば、ルルーシュは今、何のために“ゼロ”を演じているのだろう。
ナナリーに否定された時は、リフレインに手を出そうとした彼。今、彼の心中はどうなっているのか、カレンにはわからなかった。
だから・・・
「カレン、君はこの中でも特別優秀な駒だったよ。そう、全ては盤上のこと・・・ゲームだったんだよ、これは」
以前、カレンが言った通り“ゼロ”を演じ続けた彼の言葉を、嘘と見抜けなかった。
「・・・カレン、君は生きろ・・・。」
ぽつりと呟かれた言葉。奇跡的にカレンに届いたその呟き。身を翻したカレンの目の前で彼は銃撃され、そして、突如現れた蜃気楼と共に消えた・・・。
「カレン、おまえはギアスという力で意思を捻じ曲げられている可能性があるんだ。」
扇がカレンの肩を掴む。
「ジェレミアが味方についたのもそのせいだと思われる。・・・紅月、気をしっかり持て。」
千葉がその脇で口を出す。
「・・・どうして・・・それを知ったんですか?」
カレンはなぜこんな事態に陥ったのかとにかく知らなければならなかった。そうでなければ、ここに残ってしまった自分が、許せなかった。
「シュナイゼルが教えてくれた。・・・ギアスのことも、奴の素性のことも。もっと早く、省吾の言うことに耳を貸していれば・・・くそっ!」
藤堂がバン、と机を叩く。
「ずっと俺達を騙してたんだ、あいつは!」
あれほど信じていた玉城までもがそんな事を口にした。
「・・・助けてくれたのも嘘?」
カレンは思わず呟いていた。あの時、たった一人で皆を救いにきたルルーシュ。あれも嘘と言ってしまうのか。この人達は。
「彼はゲームと言った。・・・あそこで俺達を救わなければ、ゲームオーバーということだったんだろう。」
いつになく厳しい表情で扇が言う。カレンはああ、ダメだ、と思う。もう、この人達に何を言っても無駄だ、と。たとえ、消える間際にカレンに対して呟いた“生きろ”という言葉を伝えても、騙されている、とか、ギアスのせいだ、とか言われるに違いない。
― カレン、誇りに思って良い。君が決めたんだ、君が選んだんだ・・・この私を。
救出したバベルタワーでの会話。カレンはその時の事を思い出していた。ルルーシュのあの言葉を信じるならば。C.C.から聞いたギアスの条件づけを、そして、効果を信じるならば・・・ギアスを使って自分達を従わせているわけではないと、今、こうして証明しているではないか。・・・ルルーシュをブリタニアに売るという、最悪の方法で。
ルルーシュならば、もっと徹底したギアスのかけ方をするだろう。そう、高亥の時のように。
「・・・そうだ。私だって・・・。」
神根島でルルーシュを見捨てた。スザクの言葉に迷い、逃げたのだ。
「カレン。わかってくれたか?」
扇がホッと息をつく。どうやら勘違いをされたらしいとわかったが、カレンは弁解しなかった。状況を把握した今、一刻も早くルルーシュの元に行かなければ。彼はあの場で死ぬ気だった。場所を変えても、彼が死のうとするなら、止められるものは、最早あの蜃気楼に乗っていたパイロットのみ。
― 任せられないわね。“ゼロ”の・・・いいえ、“ルルーシュ”の親衛隊長はこの紅月カレンなんだから!
くるりと身を翻したカレンに、皆がきょとりとする。
「カレン?」
「・・・紅月?」
口々に呼ぶ声を無視し、カレンは扉に向かう。
シュッ! ドン!
突然開いたドアの向こうにいた人物に体がぶつかる。
「・・・いっ・・た・・・ごめんなさい。」
そう言って、カレンは顔をあげ、ギョッと固まった。
「・・・お、オレンジ・・・。」
パクパクと口を開閉するカレンを見やり、ジェレミアはうっすらと微笑んだ。
「・・・我が主の騎士か。君とは直接対したことがあったな。」
ジェレミアが戦線を離脱せざるを得なくなったあの戦いのことだと思い当たり、カレンは気まずげに頷く。
「いいのだ。あの時のことは恨んではいない。むしろ、感謝すらしている。あの時のことが無ければ、今、私はここにはいまい。」
カレンはハッとする。本当にジェレミアはギアスに操られているのか?ならば、なぜ、こんな会話をする?
「・・・我が主はどこにおられる?」
ジェレミアが周りを見回す。
「部屋にはC.C.がいるのみ。・・・ロロも見当たらぬ。」
「・・・ジェレミア卿、貴方もルルーシュに操られているのです!」
突如そう叫んだ女、ヴィレッタに視線をやり、ジェレミアは周りの騎士団員達の反応を見る。
「・・・そうか・・・そう言うことか。」
呟いて、ジェレミアはカレンを見る。
「・・・シュナイゼルに聞いたんですって。」
カレンは冷めた視線で騎士団員達を見る。その視線に含まれるものに気づいたのは、ジェレミアのみ。
「・・・そうか。シュナイゼル殿下が。・・・我が主は黒の騎士団の末を見たか。」
溜め息交じりの言葉に、ヴィレッタが首を傾げる。
「・・・ジェレミア卿?」
「・・・あり得んのだよ、ヴィレッタ。・・・君は、見ていたのではないか?ロロの絶対停止のギアスにかかることなく、ロロ・篠崎両名を退けた私を。」
「・・・っ!」
ヴィレッタが息を呑む。
カレンは確信した。ジェレミアはギアスにかかっていない。
「私のこの左目はおもちゃではない。・・・ギアスキャンセラーという力が宿っている。」
「ギアス・・・キャンセラー?」
騎士団幹部の面々が首を傾げる。
「ギアスを無効化し、解除する力だ。・・・どれ、試してみようか?」
ニィ、と笑ったジェレミアが左目を開いた瞬間、青い光が斑鳩を包む。
カレンの意識の奥で眠っていた記憶が呼び覚まされる。シンジュクでのことを聞かれたあの時。ルルーシュがかけたギアスはその時1回のみ。その後もかけようとしていたが、かけられなかった。
「・・・1人につき1回のみ・・・か。」
カレンが呟く。
「え?・・・何も起こらないじゃねぇか。」
玉城が幾分かがっかりしたような声を出す。
「・・・それは、ギアスにかかっていないということだな。ギアスにかかっていれば、ほら、その紅蓮のパイロットのように、記憶の互い違いが治るはずなのだ。」
その言葉に、扇はひゅ、と息を呑む。つまり、自分達はギアスにかかっていなかった、ということに他ならない。
「・・・私が決めた。・・・私が選んだんだ・・・彼を。ルルーシュを。」
「おい、カレン!?」
玉城が目を見開く。
「記憶を改竄されたルルーシュを救出したのは私。・・・リフレインで過去に戻ろうとしたルルーシュに、無理やり“ゼロ”として戻って来いと諭したのも私・・・。そう、彼に“ゼロ”を演じきって私達を騙しきれと言ったのは、私!!」
スッと顔をあげたカレンに、もう迷いは何もなかった。
「カレン!?」
今のカレンの言葉に、幹部達は目を見開く。記憶の改竄とはなんだ。リフレインで過去に戻ろうとしたとはどういうことだ。疑問は尽きないのに、言葉に出す事が出来ない。
「やれやれ、ここにいる意味はなくなったようだ。・・・君も行くのか?」
ジェレミアに訊ねられ、カレンは当然のように頷く。
「ええ。それと・・・C.C.も。」
記憶を無くしても、ルルーシュを気遣っていた彼女。
「そう、だな。・・・ここに置いておくのもまずかろう。」
ジェレミアの同意を得て、カレンは走り出す。彼女を止めるものはもういない。
「我が主は・・・最後に何かを為そうとするならば、皇帝の元へ行くはず。」
「・・・皇帝は・・・。」
「・・・神根島。」
「それはまた・・・因果は巡るというけれど。」
カレンは溜め息をつく。最初に“ゼロ”の正体を知り、裏切った場所である神根島。そこでまた、何かが起ころうとしている。
「・・・でも、今度は違う。・・・もう、私は、彼を!!」
紅蓮聖天八極式の翼を開く。その手にはC.C.を抱えて。
「・・・あのっ・・・ご主人様はっ!」
叫ぶC.C.にカレンはなるべく優しく答えてやる。
「これから、貴女のご主人様の元に行くのよ。・・・大人しくしていて?お願いだから。」
「ご主人様の元に・・・。」
大人しくなったC.C.にやるせなさを感じたが、今はそんなことを考えている場合ではない。
「待ってて、ルルーシュ。・・・今度こそ。」
呟いて、斑鳩を後にする。
波の音だけが響く。目の前にはアヴァロン。だが、攻撃してくる様子はない。
「・・・すでに、神殿内に入った後か・・・。」
呟いたルルーシュは、空気の振動を感じて、フッと後ろを振り返る。
「・・・っ!?」
ごく間近まで来ていた、ナイトメア2機。見慣れたそのフォルムとカラーリング。
「・・・紅蓮・・・サザーランド・ジーク・・・カレンと、ジェレミア、か?」
2機が着陸した瞬間、紅蓮の指の隙間から、緑の髪の少女が飛び降りてくる。
「ご主人様っ!」
「・・・C.C.まで・・・。」
目を見開くルルーシュの足元に転がるように走り寄って、C.C.は目に涙を浮かべる。
「良かった。ご主人様・・・!」
「ルルーシュ様!」
ジークからはジェレミアが降りてくる。
「申し訳ございません!・・・必要な時にお傍にいることができませんでした!!」
膝をつき、首を垂れる。
「・・・ジェレミア・・・いや、ナナリーを探してくれていたのだろう?・・・ありがとう・・・。」
ぼそぼそと呟くように言うルルーシュ。この2人がルルーシュの後を追ってくることは何となく期待していた。ジェレミアはすでに全てを知った上で忠誠を誓っていたし、C.C.にはルルーシュしかいない。
だが・・・
「・・・ルルーシュ。」
彼女を傷つけた。信じろと言った口で、駒だと、そう告げた。きっと深く傷ついたに違いないのに。
「・・・カレ・・・ン。」
目の前にいる彼女の目を見た瞬間、ルルーシュは確信した。彼女は日本も騎士団も捨てて、己の元にやって来てくれたのだと。
「私を、この、紅月カレンを見くびらないで!・・・私は貴方の親衛隊長なのよ。」
「・・・“ゼロ”の、だろう?」
「いいえ。“ゼロ”もそうだけれど、“ルルーシュ”の親衛隊長でもあるわ。」
はっきりと言いきったカレンに、ルルーシュは呆然とする。
「・・・今度こそ守るわ。・・・もう、迷わない。もう貴方の嘘になんか騙されてやらない!・・・だから、私を置いていかないで、ルルーシュ・・・。」
そっとルルーシュの手を取って、カレンはギュッと握りしめる。
「私は、貴方と一緒なら・・・貴方のためならば、何だってできる!」
「・・・カレン・・・。」
ルルーシュは名を呼んで、ふわりと笑う。その柔らかい笑みに、カレンはボッと頬を赤く染める。
「・・・ありがとう。・・・それから・・・すまない。」
「謝らないでよ!・・・私が決めたの。私が選んだのよ。・・・貴方を。そうでしょう?」
バベルタワーでの言葉。それをそっくりそのまま返されて、ルルーシュは苦笑した。
「・・・そうだったな・・・。」
「・・・こほん、お話の途中、申し訳ございません・・・その、ロロはどこに?」
堪りかねたジェレミアが訊くと、ルルーシュはフッと視線を落とす。
「・・・ギアスの使い過ぎで・・・死んだよ。・・・でも、ロロのおかげで思い出した。俺にはまだ、やるべきことが残されている。」
「・・・皇帝を止めること、ですね。」
「・・・そうだ。奴の企みを止める。・・・共に来てくれるか?」
ルルーシュの問いに、それぞれが頷く。
「もちろんよ!」
カレンは胸を張り、
「イエス・ユア・マジェスティ!」
ジェレミアは敬礼し、
「・・・あの、えっと・・・ご主人様が行かれる所でしたら、どこへでも。」
C.C.はおずおずと。
「・・・行こう・・・これが、最後の戦いだ。」
― それが、どんな結果になろうとも。
そして、神根島で最後の戦いが始まる・・・
おしまい
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・カレルル+ジェレ・しーちゃん
・騎士団糾弾
・いろいろ矛盾は無視の方向で!
・ルル救済話ですから、ルルさえ幸せならなんでもアリ(笑)
・題名通り、捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
― まただ。また私は信じきることができなかった。だから、ルルーシュは・・・。
「C.C.は記憶を失ったんだ・・・。」
悲しそうに俯くルルーシュの声。ナナリーも失って、C.C.も・・・。ならば、ルルーシュは今、何のために“ゼロ”を演じているのだろう。
ナナリーに否定された時は、リフレインに手を出そうとした彼。今、彼の心中はどうなっているのか、カレンにはわからなかった。
だから・・・
「カレン、君はこの中でも特別優秀な駒だったよ。そう、全ては盤上のこと・・・ゲームだったんだよ、これは」
以前、カレンが言った通り“ゼロ”を演じ続けた彼の言葉を、嘘と見抜けなかった。
「・・・カレン、君は生きろ・・・。」
ぽつりと呟かれた言葉。奇跡的にカレンに届いたその呟き。身を翻したカレンの目の前で彼は銃撃され、そして、突如現れた蜃気楼と共に消えた・・・。
「カレン、おまえはギアスという力で意思を捻じ曲げられている可能性があるんだ。」
扇がカレンの肩を掴む。
「ジェレミアが味方についたのもそのせいだと思われる。・・・紅月、気をしっかり持て。」
千葉がその脇で口を出す。
「・・・どうして・・・それを知ったんですか?」
カレンはなぜこんな事態に陥ったのかとにかく知らなければならなかった。そうでなければ、ここに残ってしまった自分が、許せなかった。
「シュナイゼルが教えてくれた。・・・ギアスのことも、奴の素性のことも。もっと早く、省吾の言うことに耳を貸していれば・・・くそっ!」
藤堂がバン、と机を叩く。
「ずっと俺達を騙してたんだ、あいつは!」
あれほど信じていた玉城までもがそんな事を口にした。
「・・・助けてくれたのも嘘?」
カレンは思わず呟いていた。あの時、たった一人で皆を救いにきたルルーシュ。あれも嘘と言ってしまうのか。この人達は。
「彼はゲームと言った。・・・あそこで俺達を救わなければ、ゲームオーバーということだったんだろう。」
いつになく厳しい表情で扇が言う。カレンはああ、ダメだ、と思う。もう、この人達に何を言っても無駄だ、と。たとえ、消える間際にカレンに対して呟いた“生きろ”という言葉を伝えても、騙されている、とか、ギアスのせいだ、とか言われるに違いない。
― カレン、誇りに思って良い。君が決めたんだ、君が選んだんだ・・・この私を。
救出したバベルタワーでの会話。カレンはその時の事を思い出していた。ルルーシュのあの言葉を信じるならば。C.C.から聞いたギアスの条件づけを、そして、効果を信じるならば・・・ギアスを使って自分達を従わせているわけではないと、今、こうして証明しているではないか。・・・ルルーシュをブリタニアに売るという、最悪の方法で。
ルルーシュならば、もっと徹底したギアスのかけ方をするだろう。そう、高亥の時のように。
「・・・そうだ。私だって・・・。」
神根島でルルーシュを見捨てた。スザクの言葉に迷い、逃げたのだ。
「カレン。わかってくれたか?」
扇がホッと息をつく。どうやら勘違いをされたらしいとわかったが、カレンは弁解しなかった。状況を把握した今、一刻も早くルルーシュの元に行かなければ。彼はあの場で死ぬ気だった。場所を変えても、彼が死のうとするなら、止められるものは、最早あの蜃気楼に乗っていたパイロットのみ。
― 任せられないわね。“ゼロ”の・・・いいえ、“ルルーシュ”の親衛隊長はこの紅月カレンなんだから!
くるりと身を翻したカレンに、皆がきょとりとする。
「カレン?」
「・・・紅月?」
口々に呼ぶ声を無視し、カレンは扉に向かう。
シュッ! ドン!
突然開いたドアの向こうにいた人物に体がぶつかる。
「・・・いっ・・た・・・ごめんなさい。」
そう言って、カレンは顔をあげ、ギョッと固まった。
「・・・お、オレンジ・・・。」
パクパクと口を開閉するカレンを見やり、ジェレミアはうっすらと微笑んだ。
「・・・我が主の騎士か。君とは直接対したことがあったな。」
ジェレミアが戦線を離脱せざるを得なくなったあの戦いのことだと思い当たり、カレンは気まずげに頷く。
「いいのだ。あの時のことは恨んではいない。むしろ、感謝すらしている。あの時のことが無ければ、今、私はここにはいまい。」
カレンはハッとする。本当にジェレミアはギアスに操られているのか?ならば、なぜ、こんな会話をする?
「・・・我が主はどこにおられる?」
ジェレミアが周りを見回す。
「部屋にはC.C.がいるのみ。・・・ロロも見当たらぬ。」
「・・・ジェレミア卿、貴方もルルーシュに操られているのです!」
突如そう叫んだ女、ヴィレッタに視線をやり、ジェレミアは周りの騎士団員達の反応を見る。
「・・・そうか・・・そう言うことか。」
呟いて、ジェレミアはカレンを見る。
「・・・シュナイゼルに聞いたんですって。」
カレンは冷めた視線で騎士団員達を見る。その視線に含まれるものに気づいたのは、ジェレミアのみ。
「・・・そうか。シュナイゼル殿下が。・・・我が主は黒の騎士団の末を見たか。」
溜め息交じりの言葉に、ヴィレッタが首を傾げる。
「・・・ジェレミア卿?」
「・・・あり得んのだよ、ヴィレッタ。・・・君は、見ていたのではないか?ロロの絶対停止のギアスにかかることなく、ロロ・篠崎両名を退けた私を。」
「・・・っ!」
ヴィレッタが息を呑む。
カレンは確信した。ジェレミアはギアスにかかっていない。
「私のこの左目はおもちゃではない。・・・ギアスキャンセラーという力が宿っている。」
「ギアス・・・キャンセラー?」
騎士団幹部の面々が首を傾げる。
「ギアスを無効化し、解除する力だ。・・・どれ、試してみようか?」
ニィ、と笑ったジェレミアが左目を開いた瞬間、青い光が斑鳩を包む。
カレンの意識の奥で眠っていた記憶が呼び覚まされる。シンジュクでのことを聞かれたあの時。ルルーシュがかけたギアスはその時1回のみ。その後もかけようとしていたが、かけられなかった。
「・・・1人につき1回のみ・・・か。」
カレンが呟く。
「え?・・・何も起こらないじゃねぇか。」
玉城が幾分かがっかりしたような声を出す。
「・・・それは、ギアスにかかっていないということだな。ギアスにかかっていれば、ほら、その紅蓮のパイロットのように、記憶の互い違いが治るはずなのだ。」
その言葉に、扇はひゅ、と息を呑む。つまり、自分達はギアスにかかっていなかった、ということに他ならない。
「・・・私が決めた。・・・私が選んだんだ・・・彼を。ルルーシュを。」
「おい、カレン!?」
玉城が目を見開く。
「記憶を改竄されたルルーシュを救出したのは私。・・・リフレインで過去に戻ろうとしたルルーシュに、無理やり“ゼロ”として戻って来いと諭したのも私・・・。そう、彼に“ゼロ”を演じきって私達を騙しきれと言ったのは、私!!」
スッと顔をあげたカレンに、もう迷いは何もなかった。
「カレン!?」
今のカレンの言葉に、幹部達は目を見開く。記憶の改竄とはなんだ。リフレインで過去に戻ろうとしたとはどういうことだ。疑問は尽きないのに、言葉に出す事が出来ない。
「やれやれ、ここにいる意味はなくなったようだ。・・・君も行くのか?」
ジェレミアに訊ねられ、カレンは当然のように頷く。
「ええ。それと・・・C.C.も。」
記憶を無くしても、ルルーシュを気遣っていた彼女。
「そう、だな。・・・ここに置いておくのもまずかろう。」
ジェレミアの同意を得て、カレンは走り出す。彼女を止めるものはもういない。
「我が主は・・・最後に何かを為そうとするならば、皇帝の元へ行くはず。」
「・・・皇帝は・・・。」
「・・・神根島。」
「それはまた・・・因果は巡るというけれど。」
カレンは溜め息をつく。最初に“ゼロ”の正体を知り、裏切った場所である神根島。そこでまた、何かが起ころうとしている。
「・・・でも、今度は違う。・・・もう、私は、彼を!!」
紅蓮聖天八極式の翼を開く。その手にはC.C.を抱えて。
「・・・あのっ・・・ご主人様はっ!」
叫ぶC.C.にカレンはなるべく優しく答えてやる。
「これから、貴女のご主人様の元に行くのよ。・・・大人しくしていて?お願いだから。」
「ご主人様の元に・・・。」
大人しくなったC.C.にやるせなさを感じたが、今はそんなことを考えている場合ではない。
「待ってて、ルルーシュ。・・・今度こそ。」
呟いて、斑鳩を後にする。
波の音だけが響く。目の前にはアヴァロン。だが、攻撃してくる様子はない。
「・・・すでに、神殿内に入った後か・・・。」
呟いたルルーシュは、空気の振動を感じて、フッと後ろを振り返る。
「・・・っ!?」
ごく間近まで来ていた、ナイトメア2機。見慣れたそのフォルムとカラーリング。
「・・・紅蓮・・・サザーランド・ジーク・・・カレンと、ジェレミア、か?」
2機が着陸した瞬間、紅蓮の指の隙間から、緑の髪の少女が飛び降りてくる。
「ご主人様っ!」
「・・・C.C.まで・・・。」
目を見開くルルーシュの足元に転がるように走り寄って、C.C.は目に涙を浮かべる。
「良かった。ご主人様・・・!」
「ルルーシュ様!」
ジークからはジェレミアが降りてくる。
「申し訳ございません!・・・必要な時にお傍にいることができませんでした!!」
膝をつき、首を垂れる。
「・・・ジェレミア・・・いや、ナナリーを探してくれていたのだろう?・・・ありがとう・・・。」
ぼそぼそと呟くように言うルルーシュ。この2人がルルーシュの後を追ってくることは何となく期待していた。ジェレミアはすでに全てを知った上で忠誠を誓っていたし、C.C.にはルルーシュしかいない。
だが・・・
「・・・ルルーシュ。」
彼女を傷つけた。信じろと言った口で、駒だと、そう告げた。きっと深く傷ついたに違いないのに。
「・・・カレ・・・ン。」
目の前にいる彼女の目を見た瞬間、ルルーシュは確信した。彼女は日本も騎士団も捨てて、己の元にやって来てくれたのだと。
「私を、この、紅月カレンを見くびらないで!・・・私は貴方の親衛隊長なのよ。」
「・・・“ゼロ”の、だろう?」
「いいえ。“ゼロ”もそうだけれど、“ルルーシュ”の親衛隊長でもあるわ。」
はっきりと言いきったカレンに、ルルーシュは呆然とする。
「・・・今度こそ守るわ。・・・もう、迷わない。もう貴方の嘘になんか騙されてやらない!・・・だから、私を置いていかないで、ルルーシュ・・・。」
そっとルルーシュの手を取って、カレンはギュッと握りしめる。
「私は、貴方と一緒なら・・・貴方のためならば、何だってできる!」
「・・・カレン・・・。」
ルルーシュは名を呼んで、ふわりと笑う。その柔らかい笑みに、カレンはボッと頬を赤く染める。
「・・・ありがとう。・・・それから・・・すまない。」
「謝らないでよ!・・・私が決めたの。私が選んだのよ。・・・貴方を。そうでしょう?」
バベルタワーでの言葉。それをそっくりそのまま返されて、ルルーシュは苦笑した。
「・・・そうだったな・・・。」
「・・・こほん、お話の途中、申し訳ございません・・・その、ロロはどこに?」
堪りかねたジェレミアが訊くと、ルルーシュはフッと視線を落とす。
「・・・ギアスの使い過ぎで・・・死んだよ。・・・でも、ロロのおかげで思い出した。俺にはまだ、やるべきことが残されている。」
「・・・皇帝を止めること、ですね。」
「・・・そうだ。奴の企みを止める。・・・共に来てくれるか?」
ルルーシュの問いに、それぞれが頷く。
「もちろんよ!」
カレンは胸を張り、
「イエス・ユア・マジェスティ!」
ジェレミアは敬礼し、
「・・・あの、えっと・・・ご主人様が行かれる所でしたら、どこへでも。」
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