Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・騎士団幹部には皇族・ゼロバレ済み
・スザ→カレルル
・ギャグです!!
・スザクにかなり厳
・ルルは天然、カレンは黒!
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
― 見張られている・・・。
ルルーシュはいい加減知らぬふりを貫き通すことさえ面倒になってきた。
「なぁ、カレン・・・あれはどうにかならないのか?」
こそこそと後を尾行るスザクを軽く視線で示し、ルルーシュは溜め息をついた。
「・・・ごめんなさい、ルルーシュ。・・・私が余計な事さえ言わなかったら、こんなことには・・・。」
しゅん、としたカレンに、ルルーシュは素で慌てた。
「いや、カレンのせいじゃない!」
思わず大きな声が出て、ハッとルルーシュは自分で自分の口を塞ぐ。大声に目をまんまるにしたカレンは、その様子を見つめ、次の瞬間軽くふき出した。
「ふふ、やだわ。・・・ルルーシュったら。」
「す、すまない///」
2人の間に甘い空気が流れる。
そんな2人を柱の陰に隠れ、ギリギリと睨みつつ、スザクはぶつぶつと呟く。
「ルルーシュ。どうして・・・カレンをあんなに信用しきって・・・僕だって・・・。」
ある意味とても危ない人に見えるのだが、そこは、ここがアッシュフォード学園であるので、ああ、またやってる、的な空気にしかならないでいる。
それをさらに後ろの方から眺めるのは、他の生徒会のメンバーだ。
「・・・あ~あ、スザクの奴、すっかりストーカーだな~・・・。」
「ただのストーカーのうちはいいわよ~。実害はないからねぇ。でもねぇ・・・。」
「あの様子だと、なんか、怖いことになりそうですよね。」
リヴァルが溜め息をつき、そのリヴァルにミレイが肩を竦め、シャーリーが身震いする。3人が3人とも、スザクがルルーシュとカレンに何かをしやしないかとヒヤヒヤしているのだ。
「・・・ルルーシュ・・・万が一のことがあったら困るわ。注意していてね。」
「・・・ああ。」
カレンの心配は尽きないが、ルルーシュに忠告をしつつ、校門で別れた。
黒の騎士団・幹部のラウンジ
「・・・というわけなんです。ったく、どんだけルルーシュの負担になれば気が済むんだかっ!!」
帰って来たカレンのもたらした話は、幹部達の怒りに火をつけるのに充分過ぎるほどのものだった。
「・・・枢木の奴・・・自分の行動のせいでどんな影響が出るか、わかってねーのかよ!!」
怒りに任せて叫んだ玉城に、幹部達はうんうん、と頷く。
「・・・玉城に言われたらおしまいねぇ~。」
クツクツと笑ったのは、ラクシャータ。
「俺に言われたらって・・・あのなぁ、俺だってたまにはまともなことをだな・・・。」
「あらぁ、自覚があるのねぇ。いつもはふざけてるって。」
「う、うるせぇ!!・・・今は、俺のことじゃなくて、枢木のことだろうが!!」
玉城をからかって楽しんでいたラクシャータは、それもそうだと頷く。
「・・・殿下を完全にこっちに連れてくるのも、もうちょっと様子見しないと拙いのでしょ。なら、枢木の方を学園に行かせないようにすればいいんじゃないのぉ?」
ラクシャータの言葉に、幹部達は、その手があったか、と呟く。
「そうか、スザク君を戦場に張り付けておけば良いということか。成程な。」
藤堂が呟けば、四聖剣がそういうことなら、と地図を広げる。
「トウキョウ租界から引き離せば、枢木もそうそう簡単に学園には行けないですね。」
千葉が地図の両端を指す。
「ハコダテに各5師団を送って、ブリタニアに警戒をさせるんです。」
「でも、それだと、白兜が動くとは限らないでしょ。」
朝比奈が首を傾げると、千葉もそれがネックなんだと呟く。
「どうやってでも白兜を動かすような方法か・・・。」
卜部が腕を組む。
「紅蓮が動けば白兜が来るでしょうけど・・・それじゃあ、殿下が置いてきぼりということだものねぇ。」
「・・・殿下や紅月隊長が学園生活を謳歌しつつ、枢木だけを戦場に縛り付ける方法ですか・・・。」
ラクシャータとディートハルトもうんうん、と唸り始める。
「戦闘をしないようにすれば、紅蓮を持ち出しても大丈夫なのでは?・・・あちらも先制攻撃をできないような場所に陣を張れば、必然と膠着状態になる。」
仙波が提案する。
「成程~。さすが、仙波さん。・・・でも、だとすると、ハコダテじゃ、拙くないですか?」
「そうだな。・・・シズオカならどうだ?」
藤堂が地図の富士山を指す。
「ここなら・・・あちらも簡単には手を出せまい。活火山である富士山を誘発し噴火させたら、ナリタの二の舞どころでは済まないからな。」
「あくまで脅しってわけですね。」
扇が表情を明るくする。戦闘となると、どうしても被害が出るので、ゼロことルルーシュの指揮がないと不安なのだ。
「ついでに、枢木をギャフンと言わせようぜ!!・・・ゼロのことを知りもしないでギャンギャンと咬みついてきやがって!」
玉城の提案にそうだそうだと口を揃える幹部達。
「戦闘無しでどうやって・・・?」
カレンの待ったに、ピタリ、と玉城達が止まる。
「・・・せ、精神攻撃・・・とか?」
杉山が言うと、カレンが肩を落とす。
「あの擦れ違い男に、誰がどうやってダメージ与えられるほどの精神攻撃ができるの・・・;」
できるとしたら、ルルーシュ自身が嫌い、と言ってやることくらいだ。
「・・・ん・・・?ちょっと待って・・・。それよ。だって、あっちは私が黒の騎士団だって知ってるんだし、ルルーシュも騎士団の味方だってことは公言済みだし・・・。」
カレンがぶつぶつと呟き出す。
「ふふ・・・うふふふふ・・・。これならいけるわ。」
黒い笑みを浮かべたカレンに、幹部達は揃ってザザ、と距離を置く。
「か・・・カレン?」
恐る恐る扇が話しかける。
「扇さん!!」
「は、はいっ!!!」
思わず背筋を伸ばした扇に、カレンはにっこりと笑みを浮かべた。
「いい作戦を思いついちゃいましたv」
表情や声音は可愛いのに、なぜか背後に黒いオーラを感じた幹部達は、妹分として可愛がっているカレンの変化に、心の中で嘆いた。
― カレンが・・・黒い!!!
実際、カレン自身もいい加減にスザクが鬱陶しかったりするのだ。
騎士団の中では独占禁止だし、学園もクラスや生徒会の中では人目もあるのでなかなかゆっくりと話すこともできない。
クラブハウスのルルーシュ達の生活区域ではナナリーもいるので、どうしてもナナリー優先になる。
ということは、休み時間くらいしか二人っきりになることはできないのだ。なのに、あの男はとことん邪魔をしてくれる。
本人に自覚はないが、スザクに寛大なルルーシュさえも鬱陶しく思い始めているのに、どうしてカレンが鬱陶しく思わないでいられようか。
カレンの作戦を聞いた幹部達はカレンの相当な怒りを感じて、反論など出来るわけもなく、その作戦を決行することになったのだった。
クラブハウス・ルルーシュ達の生活区域
「という作戦なんだけど・・・良いかしら?」
「・・・カレン・・・すごいな、そんな、作戦思いついたなんて;」
「ふふふ・・・これでスザクも相当堪えるに違いないわ。」
「・・・本当にこんなんでスザクが精神的にショックを受けるものか?」
作戦の概要を話したカレンに、ルルーシュは首を傾げる。
「貴方だっていい加減わかったでしょ?スザクの貴方への執着心は並じゃないのよ。(ストーカーよ・・・あれは。ルルーシュがショックを受けるから言わないけど!!)」
「それは・・・まあ・・・。あんなにカレンと付き合うことに不満を持つとは思わなかったな。・・・騎士団員だからっていっても、今までは普通に接していたのに・・・。」
「まあ、普通というか・・・こんこんと説得されてたけどね。今じゃ、説得より前に抹殺されそうよ。視線だけで殺せたとしたら、だけど。」
「・・・はぁ。そこまでとはな。・・・わかった。カレンのためだし、協力するよ。」
ルルーシュが肩を落とし、首をふる。カレンはガッツポーズを決めた。
「ありがとうルルーシュ!!よしっ!!これで、スザクをギャフンと言わせてやれるわ!!」
未だになぜ自分が協力することでスザクに精神的ショックを与えられるのかわからないまま、ルルーシュは大喜びをするカレンを見つめ、優しげな笑みを浮かべた。
「(・・・まあ、いいか。カレンもこんなに喜んでいるのだし。)」
作戦当日・シズオカゲットー
黒の騎士団の犯行予告があり、ブリタニア軍はいつになく緊張した面持ちで配置についていた。
騎士団の主戦力が揃い踏みで富士山の八合目より上を乗っ取り、ブリタニア軍を威嚇している。軍が恐れているのは、ナリタでの二の舞。だから、紅蓮弐式の姿を認めた時、無理やりに攻め込むことを躊躇することになった。
「・・・く。総督がいらっしゃらない時に・・・。」
何の偶然か。コーネリアは別件で騎士共々トウキョウ租界を離れており、連絡を受けたユーフェミアとその補佐を務める政務官達ばかりがその場で右往左往していた。
「・・・お姉様がいらっしゃらないぶん、私がしっかりしなくては・・・。」
ぎゅ、と手を胸の前で握りしめ、ユーフェミアは呟いた。実際、一般に大きな被害の出るような作戦をルルーシュがやるわけがないと信じているので、気分は他の者達よりは落ち着いていた。
そして、ユーフェミアの騎士であるスザクもシズオカで待機していた。自分がいない間にルルーシュを騎士団に連れて行かれはしないかとハラハラしつつも、紅蓮があそこにいるということは、カレンもシズオカにいるということになるのだから、大丈夫だろうと思うことにする。
「スザクく~ん?・・・大丈夫ぅ?」
1人百面相をするスザクに、ロイドが微妙な表情を浮かべながら声をかける。
「あ・・・はい。」
「まあ、黒の騎士団の方も、ナリタの二の舞は避けたいところだろうしぃ?・・・短慮はしないと思うけど・・・一応、ランスを出しとこうねぇ?」
出撃を命じられたのだと気付いて、スザクはシャキっと背筋を伸ばす。
「はいっ!」
富士山・九合目
スザクの乗るランスロットが出てきたことを確認した騎士団サイドは、カレンから預かった作戦に必要不可欠の最終兵器をとある機器にセットする。
「・・・ここがお前の墓場だ、枢木ぃ!」
ニィ、と笑った玉城が後ろを振り返る。玉城の後ろでは、藤堂・四聖剣、そして、幹部達が控えていた。今日の作戦には一般の団員はいない。しいて言うなら、カレンの代わりということで零番隊のメンバーが周りを八合目でバリケードを張っているくらいだ。後は見える位置に幹部の乗るナイトメアを置いているだけ。
「これで、スザク君も少しは懲りるだろう。」
「まあ、いささか、こんなんでいいのか、と思わないでもありませんけど、でも、これが一番効き目があるというのなら・・・。」
藤堂と千葉が微苦笑をうかべる。
「いいじゃないですか。これも立派な作戦ですよ。ねぇ?卜部さん、仙波さん。」
朝比奈がニヤニヤと笑いながら言うと、卜部も仙波も苦笑を浮かべた。
「まあなぁ・・・枢木の自業自得だからな。」
「・・・ゼロと紅月が良いというのならば、異論はないな。」
藤堂と四聖剣が温度差はあっても乗り気なので、扇も安心してGOサインを玉城に出す。
「良し、玉城、いいぞ。」
「よっしゃぁ!行くぜ!」
玉城がポチ、とボタンを押す。
同時刻・ブリタニア軍司令室
「副総督!騎士団に動きが・・・っ!」
通信官の言葉に、ユーフェミアは画面を見る。そこには、どこから持ってきたものやら、大きな箱を持つナイトメアの集団が八合目に集まっていた。
「・・・何を・・・するつもりなんでしょう?」
どう見ても武器に見えないその箱をズームアップさせる。
「・・・これは・・・?」
司令室にいる全員が首を傾げる。
「・・・あっはぁ~。これって・・・どっからどう見ても、スピーカーにしか見えないんだけどねぇ。」
ロイドの言葉に、特派のメンツは固まる。黒の騎士団が何をしようとしているのかはわからないが、単なる作戦ではないということがわかったからだ。
「・・・何をするつもりなんだ?」
スザクも首を捻る。余計な刺激を加えないためにも傍に行くことはできないが、六合目付近の前線で何が起こってもいいように待機していたのだ。
八合目に集合した無頼・改の持つ箱を見つめ、眉を顰める。
そして、一部の人間のみ(むしろスザクのみ)に効く最終兵器が作動する。
― ザザザザザ・・・
スピーカーから流れ出る音に、ブリタニア軍は耳を澄ませた。
― スザクなんか大っキライだ~ッ!!!
「「「・・・は?」」」
司令室の面々が固まった。
ユーフェミアも目を丸くし、次の瞬間、こんな作戦をルルーシュが考えたのかと思って、ショックのあまり倒れてしまう。
「う~ん・・・ルルーシュ;;」
「ふ、副総督!!」
「ユーフェミア様!!」
そして、言われた当人も目を丸くして固まっていた。
「・・・・・・る、ルルーシュ・・・?」
― お前のせいで、カレンとゆっくりする時間が無くなったんだ!!俺はカレンとゆっくりと話がしたいだけなのに!!
「・・・え・・・えぇ?」
流れ続けるルルーシュの言葉が、グサグサとスザクの胸に刺さる。
― ちょっとは空気読め!!!というか、俺とカレンの邪魔するな!!・・・それ以前に、軍に入ってるお前なんか、友達じゃない!!
「・・・る・・・ルル~シュぅぅぅぅぅぅ、ひ、酷いよぅ。(泣)」
精神的な大打撃だ。見る間にランスロットとスザクの適合率が下がっていく。その間も同人物の声がスザクへ憂さ晴らしのような言葉を吐き出し続けている。
「あっちゃ~・・・これって、完璧にスザク君狙い撃ちなんだねぇ・・・。」
ロイドがたいして困ったようには見えない表情で、ぽつりと言った。
「・・・あの・・・これだけなんでしょうか?」
セシルが首を傾げ、ロイドを見上げると、ロイドは笑っているような困っているようなそんな微妙な表情をうかべ、首を傾げた。
「・・・ん~・・・たぶん?・・・というか、僕はぁ、このまま撤退をおススメするねぇ。パーツが使い物にならなくなっちゃうよ~。」
ロイドはそう言って、司令室の人間と掛け合い始めた。
「・・・というか、もう、手遅れのような・・・気がするんですけど。」
セシルが困ったように右手を頬に当て、ランスロットの操縦桿に突っ伏してピクピクしているスザクの映像を見つめた。
― カレンと俺が付き合うのがそんなに嫌だったのか!!だったら、男らしく正々堂々と面と向かって言えば良いだろ!!なのに、こそこそと隠れてカレンを監視したりして!!もう、ウンザリなんだよ!!!
ブリタニア軍の中で、枢木スザクへの印象が更に悪くなった瞬間だった。その後、回収されたランスロットの中で、スザクが蒼白な顔で俯き、ブツブツとつぶやく姿が発見された。
翌日・アッシュフォード学園
「昨日は楽しかったわね。ルルーシュ。」
「そうだな。・・・なんだか、久しぶりにゆっくりとできた気がするよ。」
昨日はスザクがいないということで、2人は放課後もゆっくりとデートを楽しむことができたのだ。
作戦の結果は報告を受けているものの、数分でブリタニア軍が撤退したとしかわからなかったため、今日にでもスザクの情報が入るのではと内心は落ち着かなかった。
「おっはよ~お二人さん!!」
明るい声に2人は振り返って口々に挨拶する。
「おはようございます、会長。朝から元気ですね。」
「おはようございます。」
「うむ。・・・まあ、元気じゃない人もいるんだけどねぇ。」
含みを持たせたミレイの言葉に、2人は揃って首を傾げた。
「・・・ここだけの話にしてね。・・・実は、今朝、ロイドさん・・・あ、私のフィアンセで、スザク君の直接の上司にあたる人なんだけれど、その人から連絡があって・・・スザク君はブロウクンハートだからしばらくお休みさせますって。昨日は軍務って言ってたけど、何があったのかしらねぇ?」
首を捻るミレイに、カレンは見えない場所でガッツポーズを決め、ルルーシュは本当にあんなものがスザクに効いたのかと目を丸くした。
「・・・ううう・・・ルルーシュぅぅぅ・・・。」
その日からしばらく、研究室の隅っこでうずくまるスザクが特派の日常の光景となった。
おしまい★
長編目次に戻る→
・騎士団幹部には皇族・ゼロバレ済み
・スザ→カレルル
・ギャグです!!
・スザクにかなり厳
・ルルは天然、カレンは黒!
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
― 見張られている・・・。
ルルーシュはいい加減知らぬふりを貫き通すことさえ面倒になってきた。
「なぁ、カレン・・・あれはどうにかならないのか?」
こそこそと後を尾行るスザクを軽く視線で示し、ルルーシュは溜め息をついた。
「・・・ごめんなさい、ルルーシュ。・・・私が余計な事さえ言わなかったら、こんなことには・・・。」
しゅん、としたカレンに、ルルーシュは素で慌てた。
「いや、カレンのせいじゃない!」
思わず大きな声が出て、ハッとルルーシュは自分で自分の口を塞ぐ。大声に目をまんまるにしたカレンは、その様子を見つめ、次の瞬間軽くふき出した。
「ふふ、やだわ。・・・ルルーシュったら。」
「す、すまない///」
2人の間に甘い空気が流れる。
そんな2人を柱の陰に隠れ、ギリギリと睨みつつ、スザクはぶつぶつと呟く。
「ルルーシュ。どうして・・・カレンをあんなに信用しきって・・・僕だって・・・。」
ある意味とても危ない人に見えるのだが、そこは、ここがアッシュフォード学園であるので、ああ、またやってる、的な空気にしかならないでいる。
それをさらに後ろの方から眺めるのは、他の生徒会のメンバーだ。
「・・・あ~あ、スザクの奴、すっかりストーカーだな~・・・。」
「ただのストーカーのうちはいいわよ~。実害はないからねぇ。でもねぇ・・・。」
「あの様子だと、なんか、怖いことになりそうですよね。」
リヴァルが溜め息をつき、そのリヴァルにミレイが肩を竦め、シャーリーが身震いする。3人が3人とも、スザクがルルーシュとカレンに何かをしやしないかとヒヤヒヤしているのだ。
「・・・ルルーシュ・・・万が一のことがあったら困るわ。注意していてね。」
「・・・ああ。」
カレンの心配は尽きないが、ルルーシュに忠告をしつつ、校門で別れた。
黒の騎士団・幹部のラウンジ
「・・・というわけなんです。ったく、どんだけルルーシュの負担になれば気が済むんだかっ!!」
帰って来たカレンのもたらした話は、幹部達の怒りに火をつけるのに充分過ぎるほどのものだった。
「・・・枢木の奴・・・自分の行動のせいでどんな影響が出るか、わかってねーのかよ!!」
怒りに任せて叫んだ玉城に、幹部達はうんうん、と頷く。
「・・・玉城に言われたらおしまいねぇ~。」
クツクツと笑ったのは、ラクシャータ。
「俺に言われたらって・・・あのなぁ、俺だってたまにはまともなことをだな・・・。」
「あらぁ、自覚があるのねぇ。いつもはふざけてるって。」
「う、うるせぇ!!・・・今は、俺のことじゃなくて、枢木のことだろうが!!」
玉城をからかって楽しんでいたラクシャータは、それもそうだと頷く。
「・・・殿下を完全にこっちに連れてくるのも、もうちょっと様子見しないと拙いのでしょ。なら、枢木の方を学園に行かせないようにすればいいんじゃないのぉ?」
ラクシャータの言葉に、幹部達は、その手があったか、と呟く。
「そうか、スザク君を戦場に張り付けておけば良いということか。成程な。」
藤堂が呟けば、四聖剣がそういうことなら、と地図を広げる。
「トウキョウ租界から引き離せば、枢木もそうそう簡単に学園には行けないですね。」
千葉が地図の両端を指す。
「ハコダテに各5師団を送って、ブリタニアに警戒をさせるんです。」
「でも、それだと、白兜が動くとは限らないでしょ。」
朝比奈が首を傾げると、千葉もそれがネックなんだと呟く。
「どうやってでも白兜を動かすような方法か・・・。」
卜部が腕を組む。
「紅蓮が動けば白兜が来るでしょうけど・・・それじゃあ、殿下が置いてきぼりということだものねぇ。」
「・・・殿下や紅月隊長が学園生活を謳歌しつつ、枢木だけを戦場に縛り付ける方法ですか・・・。」
ラクシャータとディートハルトもうんうん、と唸り始める。
「戦闘をしないようにすれば、紅蓮を持ち出しても大丈夫なのでは?・・・あちらも先制攻撃をできないような場所に陣を張れば、必然と膠着状態になる。」
仙波が提案する。
「成程~。さすが、仙波さん。・・・でも、だとすると、ハコダテじゃ、拙くないですか?」
「そうだな。・・・シズオカならどうだ?」
藤堂が地図の富士山を指す。
「ここなら・・・あちらも簡単には手を出せまい。活火山である富士山を誘発し噴火させたら、ナリタの二の舞どころでは済まないからな。」
「あくまで脅しってわけですね。」
扇が表情を明るくする。戦闘となると、どうしても被害が出るので、ゼロことルルーシュの指揮がないと不安なのだ。
「ついでに、枢木をギャフンと言わせようぜ!!・・・ゼロのことを知りもしないでギャンギャンと咬みついてきやがって!」
玉城の提案にそうだそうだと口を揃える幹部達。
「戦闘無しでどうやって・・・?」
カレンの待ったに、ピタリ、と玉城達が止まる。
「・・・せ、精神攻撃・・・とか?」
杉山が言うと、カレンが肩を落とす。
「あの擦れ違い男に、誰がどうやってダメージ与えられるほどの精神攻撃ができるの・・・;」
できるとしたら、ルルーシュ自身が嫌い、と言ってやることくらいだ。
「・・・ん・・・?ちょっと待って・・・。それよ。だって、あっちは私が黒の騎士団だって知ってるんだし、ルルーシュも騎士団の味方だってことは公言済みだし・・・。」
カレンがぶつぶつと呟き出す。
「ふふ・・・うふふふふ・・・。これならいけるわ。」
黒い笑みを浮かべたカレンに、幹部達は揃ってザザ、と距離を置く。
「か・・・カレン?」
恐る恐る扇が話しかける。
「扇さん!!」
「は、はいっ!!!」
思わず背筋を伸ばした扇に、カレンはにっこりと笑みを浮かべた。
「いい作戦を思いついちゃいましたv」
表情や声音は可愛いのに、なぜか背後に黒いオーラを感じた幹部達は、妹分として可愛がっているカレンの変化に、心の中で嘆いた。
― カレンが・・・黒い!!!
実際、カレン自身もいい加減にスザクが鬱陶しかったりするのだ。
騎士団の中では独占禁止だし、学園もクラスや生徒会の中では人目もあるのでなかなかゆっくりと話すこともできない。
クラブハウスのルルーシュ達の生活区域ではナナリーもいるので、どうしてもナナリー優先になる。
ということは、休み時間くらいしか二人っきりになることはできないのだ。なのに、あの男はとことん邪魔をしてくれる。
本人に自覚はないが、スザクに寛大なルルーシュさえも鬱陶しく思い始めているのに、どうしてカレンが鬱陶しく思わないでいられようか。
カレンの作戦を聞いた幹部達はカレンの相当な怒りを感じて、反論など出来るわけもなく、その作戦を決行することになったのだった。
クラブハウス・ルルーシュ達の生活区域
「という作戦なんだけど・・・良いかしら?」
「・・・カレン・・・すごいな、そんな、作戦思いついたなんて;」
「ふふふ・・・これでスザクも相当堪えるに違いないわ。」
「・・・本当にこんなんでスザクが精神的にショックを受けるものか?」
作戦の概要を話したカレンに、ルルーシュは首を傾げる。
「貴方だっていい加減わかったでしょ?スザクの貴方への執着心は並じゃないのよ。(ストーカーよ・・・あれは。ルルーシュがショックを受けるから言わないけど!!)」
「それは・・・まあ・・・。あんなにカレンと付き合うことに不満を持つとは思わなかったな。・・・騎士団員だからっていっても、今までは普通に接していたのに・・・。」
「まあ、普通というか・・・こんこんと説得されてたけどね。今じゃ、説得より前に抹殺されそうよ。視線だけで殺せたとしたら、だけど。」
「・・・はぁ。そこまでとはな。・・・わかった。カレンのためだし、協力するよ。」
ルルーシュが肩を落とし、首をふる。カレンはガッツポーズを決めた。
「ありがとうルルーシュ!!よしっ!!これで、スザクをギャフンと言わせてやれるわ!!」
未だになぜ自分が協力することでスザクに精神的ショックを与えられるのかわからないまま、ルルーシュは大喜びをするカレンを見つめ、優しげな笑みを浮かべた。
「(・・・まあ、いいか。カレンもこんなに喜んでいるのだし。)」
作戦当日・シズオカゲットー
黒の騎士団の犯行予告があり、ブリタニア軍はいつになく緊張した面持ちで配置についていた。
騎士団の主戦力が揃い踏みで富士山の八合目より上を乗っ取り、ブリタニア軍を威嚇している。軍が恐れているのは、ナリタでの二の舞。だから、紅蓮弐式の姿を認めた時、無理やりに攻め込むことを躊躇することになった。
「・・・く。総督がいらっしゃらない時に・・・。」
何の偶然か。コーネリアは別件で騎士共々トウキョウ租界を離れており、連絡を受けたユーフェミアとその補佐を務める政務官達ばかりがその場で右往左往していた。
「・・・お姉様がいらっしゃらないぶん、私がしっかりしなくては・・・。」
ぎゅ、と手を胸の前で握りしめ、ユーフェミアは呟いた。実際、一般に大きな被害の出るような作戦をルルーシュがやるわけがないと信じているので、気分は他の者達よりは落ち着いていた。
そして、ユーフェミアの騎士であるスザクもシズオカで待機していた。自分がいない間にルルーシュを騎士団に連れて行かれはしないかとハラハラしつつも、紅蓮があそこにいるということは、カレンもシズオカにいるということになるのだから、大丈夫だろうと思うことにする。
「スザクく~ん?・・・大丈夫ぅ?」
1人百面相をするスザクに、ロイドが微妙な表情を浮かべながら声をかける。
「あ・・・はい。」
「まあ、黒の騎士団の方も、ナリタの二の舞は避けたいところだろうしぃ?・・・短慮はしないと思うけど・・・一応、ランスを出しとこうねぇ?」
出撃を命じられたのだと気付いて、スザクはシャキっと背筋を伸ばす。
「はいっ!」
富士山・九合目
スザクの乗るランスロットが出てきたことを確認した騎士団サイドは、カレンから預かった作戦に必要不可欠の最終兵器をとある機器にセットする。
「・・・ここがお前の墓場だ、枢木ぃ!」
ニィ、と笑った玉城が後ろを振り返る。玉城の後ろでは、藤堂・四聖剣、そして、幹部達が控えていた。今日の作戦には一般の団員はいない。しいて言うなら、カレンの代わりということで零番隊のメンバーが周りを八合目でバリケードを張っているくらいだ。後は見える位置に幹部の乗るナイトメアを置いているだけ。
「これで、スザク君も少しは懲りるだろう。」
「まあ、いささか、こんなんでいいのか、と思わないでもありませんけど、でも、これが一番効き目があるというのなら・・・。」
藤堂と千葉が微苦笑をうかべる。
「いいじゃないですか。これも立派な作戦ですよ。ねぇ?卜部さん、仙波さん。」
朝比奈がニヤニヤと笑いながら言うと、卜部も仙波も苦笑を浮かべた。
「まあなぁ・・・枢木の自業自得だからな。」
「・・・ゼロと紅月が良いというのならば、異論はないな。」
藤堂と四聖剣が温度差はあっても乗り気なので、扇も安心してGOサインを玉城に出す。
「良し、玉城、いいぞ。」
「よっしゃぁ!行くぜ!」
玉城がポチ、とボタンを押す。
同時刻・ブリタニア軍司令室
「副総督!騎士団に動きが・・・っ!」
通信官の言葉に、ユーフェミアは画面を見る。そこには、どこから持ってきたものやら、大きな箱を持つナイトメアの集団が八合目に集まっていた。
「・・・何を・・・するつもりなんでしょう?」
どう見ても武器に見えないその箱をズームアップさせる。
「・・・これは・・・?」
司令室にいる全員が首を傾げる。
「・・・あっはぁ~。これって・・・どっからどう見ても、スピーカーにしか見えないんだけどねぇ。」
ロイドの言葉に、特派のメンツは固まる。黒の騎士団が何をしようとしているのかはわからないが、単なる作戦ではないということがわかったからだ。
「・・・何をするつもりなんだ?」
スザクも首を捻る。余計な刺激を加えないためにも傍に行くことはできないが、六合目付近の前線で何が起こってもいいように待機していたのだ。
八合目に集合した無頼・改の持つ箱を見つめ、眉を顰める。
そして、一部の人間のみ(むしろスザクのみ)に効く最終兵器が作動する。
― ザザザザザ・・・
スピーカーから流れ出る音に、ブリタニア軍は耳を澄ませた。
― スザクなんか大っキライだ~ッ!!!
「「「・・・は?」」」
司令室の面々が固まった。
ユーフェミアも目を丸くし、次の瞬間、こんな作戦をルルーシュが考えたのかと思って、ショックのあまり倒れてしまう。
「う~ん・・・ルルーシュ;;」
「ふ、副総督!!」
「ユーフェミア様!!」
そして、言われた当人も目を丸くして固まっていた。
「・・・・・・る、ルルーシュ・・・?」
― お前のせいで、カレンとゆっくりする時間が無くなったんだ!!俺はカレンとゆっくりと話がしたいだけなのに!!
「・・・え・・・えぇ?」
流れ続けるルルーシュの言葉が、グサグサとスザクの胸に刺さる。
― ちょっとは空気読め!!!というか、俺とカレンの邪魔するな!!・・・それ以前に、軍に入ってるお前なんか、友達じゃない!!
「・・・る・・・ルル~シュぅぅぅぅぅぅ、ひ、酷いよぅ。(泣)」
精神的な大打撃だ。見る間にランスロットとスザクの適合率が下がっていく。その間も同人物の声がスザクへ憂さ晴らしのような言葉を吐き出し続けている。
「あっちゃ~・・・これって、完璧にスザク君狙い撃ちなんだねぇ・・・。」
ロイドがたいして困ったようには見えない表情で、ぽつりと言った。
「・・・あの・・・これだけなんでしょうか?」
セシルが首を傾げ、ロイドを見上げると、ロイドは笑っているような困っているようなそんな微妙な表情をうかべ、首を傾げた。
「・・・ん~・・・たぶん?・・・というか、僕はぁ、このまま撤退をおススメするねぇ。パーツが使い物にならなくなっちゃうよ~。」
ロイドはそう言って、司令室の人間と掛け合い始めた。
「・・・というか、もう、手遅れのような・・・気がするんですけど。」
セシルが困ったように右手を頬に当て、ランスロットの操縦桿に突っ伏してピクピクしているスザクの映像を見つめた。
― カレンと俺が付き合うのがそんなに嫌だったのか!!だったら、男らしく正々堂々と面と向かって言えば良いだろ!!なのに、こそこそと隠れてカレンを監視したりして!!もう、ウンザリなんだよ!!!
ブリタニア軍の中で、枢木スザクへの印象が更に悪くなった瞬間だった。その後、回収されたランスロットの中で、スザクが蒼白な顔で俯き、ブツブツとつぶやく姿が発見された。
翌日・アッシュフォード学園
「昨日は楽しかったわね。ルルーシュ。」
「そうだな。・・・なんだか、久しぶりにゆっくりとできた気がするよ。」
昨日はスザクがいないということで、2人は放課後もゆっくりとデートを楽しむことができたのだ。
作戦の結果は報告を受けているものの、数分でブリタニア軍が撤退したとしかわからなかったため、今日にでもスザクの情報が入るのではと内心は落ち着かなかった。
「おっはよ~お二人さん!!」
明るい声に2人は振り返って口々に挨拶する。
「おはようございます、会長。朝から元気ですね。」
「おはようございます。」
「うむ。・・・まあ、元気じゃない人もいるんだけどねぇ。」
含みを持たせたミレイの言葉に、2人は揃って首を傾げた。
「・・・ここだけの話にしてね。・・・実は、今朝、ロイドさん・・・あ、私のフィアンセで、スザク君の直接の上司にあたる人なんだけれど、その人から連絡があって・・・スザク君はブロウクンハートだからしばらくお休みさせますって。昨日は軍務って言ってたけど、何があったのかしらねぇ?」
首を捻るミレイに、カレンは見えない場所でガッツポーズを決め、ルルーシュは本当にあんなものがスザクに効いたのかと目を丸くした。
「・・・ううう・・・ルルーシュぅぅぅ・・・。」
その日からしばらく、研究室の隅っこでうずくまるスザクが特派の日常の光景となった。
おしまい★
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