Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・時間軸は神根島直後
・カレルル←ユフィ(ユフィin黒の騎士団)
・カレンにのみゼロバレ済み&恋人同士
・黒ユフィがいます
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「私、ユーフェミア・リ・ブリタニアと申します。・・・ゼロはいらっしゃいますか?」
そう言ってにっこり笑った、ピンク色のお姫様に、その場にいた、黒の騎士団の面子はビシッと固まった。
学校を終えて、黒の騎士団のアジトにやって来たルルーシュは、アジト内が妙に騒がしいことに気づいて、首を傾げた。
「・・・いったい、何なんだ?」
ぽつりと呟くのと同時にか、部屋の前から、聞き慣れた少女の声が聞こえた。
「ゼロ!カレンです。・・・入ります。」
僅かな間の後、シュッとドアが開く。
「・・・カレン?この騒ぎは何だ?」
首を傾げるルルーシュに、カレンは溜め息をついた。
「・・・驚いたわよ。というか、現在進行形で驚いてるわ。」
仮面を取っているルルーシュの、その首を傾げる仕草にドキドキしながら、カレンは告げた。
スザクが白兜のパイロットと知って、動揺した末に、カレンに正体を見破られて、早、数週間。衝突することもたまにはあるが、一応“恋人”という関係に落ち着いたルルーシュとカレンだったが、無防備に近いルルーシュに、未だに慣れないカレンである。
「?・・・驚いている?」
「皆、固まっちゃってるわよ。・・・というか、私だって、貴方から事情を聞かされてなかったら、同じ反応したと思うわ。」
そう言うカレンに、更に首を傾げつつ、ルルーシュは仮面を被り、カレンを伴ってゼロの部屋を出た。
幹部のラウンジ、その真ん中のソファーにちょこんと座っているピンクのお姫様に、幹部達はどうしたものかと悩んでいた。
突如現れた彼女に敵意が見えなかったため、思わず中に通してしまったが、これはブリタニアの罠だろうか?と疑心暗鬼に陥っていたりする。
「扇ぃ~・・・ゼロにどう説明すんだよ~・・・。」
心底、困ったように玉城が言う。いつも強気でゼロにくってかかる玉城だが、さすがにこれはゼロが悪いというよりは、中に通してしまった自分達が悪いので、怒られるのではないかとビクビクしている。
「・・・と、言われても・・・。」
が、扇だって困っている。外にそのままだと、団員達が動揺するし、かといって、こうして中に入れてしまったことは、非常にマズイのではないかと思うのだ。
「・・・と、藤堂さん・・・。」
扇の助けを求める視線に、藤堂も眉根を寄せる。
「理由を聞いても、ゼロに会わせろの一点張り。・・・帰りそうにもないので、団員達の動揺を防ぐために中に通したと正直に報告すればよろしいかと。」
見かねた仙波が助け船を出すと、藤堂も、扇も、ああ、と呟いて頷く。
頭の良いゼロのことだ。誤魔化そうとすればするほど、その矛盾をついて、余計に怒られるに違いない。ならば、最初から正直に話してしまえば良いのだ。
そう思ったら、現金なもので、扇の緊張がほぐれる。そして、改めてピンクのお姫様を見る。
「・・・あれがコーネリアと母を同じくする妹とは思えないな・・・。」
ボソ、と呟く。
ブリタニアの魔女と恐れられるコーネリアと、目の前にいる砂糖菓子のようなピンクのお姫様は、全くと言って良いほど雰囲気が違う。
「・・・あの。」
そんな扇の視線を感じたのか、ピンクのお姫様が扇の方を向く。
「・・・何だ?ユーフェミア副総督。」
扇はある程度警戒を示しながら応じる。
「ゼロはまだですか?」
「・・・そう訊かれても、俺達には、わからない。彼は神出鬼没だから。」
そう答えれば、お姫様は、ほんの少し、眉を顰めた。
「・・・そうですか。ここも、あの人の安らげる場所ではないのですね。」
ユーフェミアの言葉に、幹部達は一斉に首を傾げた。ニュアンス的に、ユーフェミアがゼロの正体を知っているように聞こえたからだ。
「あの・・・。」
「なっ!?」
扇が口を開いたのと、背後から驚愕の声があがったのはほぼ同時だった。
振り返った幹部達は、一斉に顔をひきつらせた。
「・・・ぜ、ゼロ。カレン・・・。」
明らかに狼狽したゼロと、その後ろに控えつつも、ユーフェミアを睨みつけているカレン。一触即発のような雰囲気だ。
「・・・る、ゼロ!!・・・やっぱり、来ちゃいました。」
ゼロを見た瞬間、その傍に駆け寄ったユーフェミアは、ニッコリと可愛らしく微笑んで小首を傾げた。
「・・・来ちゃいましたって・・・君は、副総督だぞ?立場を少しは考えて・・・いや、それより、選任騎士の枢木スザクは何をして・・・ああ、いや、あいつが君を止められるわけがないか。」
はぁ、と溜め息をついたゼロは、やはり、ユーフェミアとは親しい間柄のような話し方だ。
「・・・ゼロ。」
「ああ、そうだな。カレン。・・・それで、ユーフェミア副総督、君は一体何をしに来たのか、訊かせて頂けないだろうか?」
カレンに促されたゼロは、ユーフェミアに改めて訊ねる。
「・・・え?・・・決まってるじゃありませんか。私も黒の騎士団に入ることにしたのです。」
「・・・・・・は?」
「何ですって!?・・・冗談じゃないわよ!なんで、副総督のあんたが黒の騎士団に入るのよ!!大体、ゼロが何の為に戦ってるかわかっててやってるの!?」
「知っています!ゼロが最も大切にしている妹の為・・・そして、ブリタニアに奪われた、お母様の死の真相を知る為、そうでしょう!?・・・私はちゃんと知っています!!」
思わぬところで、ゼロの戦う理由を知ってしまった幹部達は、まじまじとゼロを見てしまう。
「・・・カレン・・・。」
周りが見えていないらしい、カレンの腕を掴んで、ゼロは自分に引き寄せる。
「っ///・・・あ、す、すみません、ゼロ。」
一瞬、頬を赤く染めるものの、周りを改めて確認したカレンは、すぐさま顔を青ざめさせる。今、かなり際どいところまで、このピンクのお姫様は暴露してしまったらしい。
「ユーフェミア副総督。貴女が私の事情をよくご存知なのは、わかった。・・・だから、今、ここで、そのように暴露しないで頂きたい。“ゼロ”は記号なのです。人間らしい事情などあってはいけない。」
ゼロのその言い様には、さすがの扇も引っかかった。
「ちょ、ちょっと待ってくれ、ゼロ。・・・記号だなんて言わないでくれ。俺達だって、それぞれ事情があって、戦っている。君だって、戦う理由があって良いはずだ。」
「そうだな。だが、それと、お前達にその事情を知られるのとは、少し違うとは思わないか?」
「そ、それは・・・。」
「お前達は、私にそれぞれの戦う理由を話したか?・・・家族の為、己の矜持の為・・・様々理由はあるだろうと私は思っているが、詳しく話して貰った覚えはないな。」
「う・・・。」
「従って、私もお前達に、私の事情を全て話すという必要性を感じない。よって、全てを知っているユーフェミア副総督には、口をつぐんで頂きたい、とお願いしている。」
たたみかけるように言ったゼロに、反論すら出来ず、幹部達は黙り込む。ゼロが言っていることは正論で、もっともだ、と思ってしまったからだ。
「・・・ならば、これだけは聞かせてもらおう。・・・なぜ、ユーフェミア副総督は、お前の事情を知っている?」
唯一、冷静に切り返した藤堂に、ゼロは肩を竦める。
「・・・それも話す必要性を感じない。」
「いや、必要だな。なぜ、副総督ともあろう人間が、黒の騎士団に入りたがり、このように押し掛けてきたのか、騎士団の団員達は知りたがるだろう。その時、幹部達には説明責任が生じる。」
「・・・ふぅ、正論、だな。」
正論には正論、とばかりに疑問をぶつけてきた藤堂に、ゼロはユーフェミアを見て、深く溜め息をついた。
「まったく、このお転婆皇女が。もうちょっと考えて行動をしろというのに。」
「ご、ごめんなさい・・・お異母兄様。」
その声にほんの少し苛立ちを感じたユーフェミアがしゅん、として呟く。その呟きに、一瞬、全員が固まった。
「・・・・・・お、おにい、さま?」
まず始めに、ディートハルトが我に返る。ずっとカメラを回していた彼だが、そのカメラは降ろされ、驚愕の表情をうかべている。
「あっ・・・えと、ち、違います!!」
「・・・否定したら、余計に墓穴だ、ユフィ。」
もう、頭を抱えるしかない。ゼロは必死に否定したユーフェミアの頭をこつん、と小突いて、カレンに視線を送る。
「・・・あ~!これだから、ブリタニアはぁぁぁッ!」
「ん?・・・ということは、カレンも知ってたのか?」
扇の視線がカレンに向く。
「はぅっ・・・ご、ごめんなさい。」
「あ・・・いや、その・・・まぁ、カレンは親衛隊だし・・・なぁ?」
「あ、ああ。」
「まぁ、知ってても、おかしくないっつーか・・・。」
「そっか、ゼロはユーフェミア副総督の兄なのか~・・・。」
素直に謝ったカレンに、扇も怒るに怒れず、視線を幹部達へ向ける。幹部達も同様のようで、同意を示したが、最後の杉山のぼやきに、全員が、ん?と考え込んでから、バッとゼロを見て、叫んだ。
「「「「「えええええっっ!!?」」」」」
「・・・反応が遅い・・・まったく。」
「ということは、仮面を被っている理由は・・・。」
「まあ、多少なりとも顔は売れているのでな。・・・だから、素顔を曝せない。」
扇の確認に、ゼロはあっさりと答える。
「・・・な、なるほど。」
「っていうか!扇!訊くことが違うだろ!・・・やい!ゼロ!お前、ブリタニアの皇族なのかよ!!」
玉城が扇に突っ込むという珍しい行動をした後、いつものようにゼロにくってかかると、ゼロは肩を竦めた。
「元、皇族だ。・・・今は、死んだことになっているからな。」
「し、死んだって・・・。」
「まあ、いろいろ事情はあるが、説明する必要性を感じないと、さっき、言ったな?」
「・・・う。で、でも!な、何で皇族が、ブリタニアに反逆なんて・・・。」
「それは、先ほど、ユフィが言ったな。最愛の妹の為、そして、母の死の真相を知る為、だ。」
粘る玉城に、ゼロは溜め息をつきつつ答える。
「妹って・・・。」
ちらりとユーフェミアを見た井上に、ゼロは首を横に振る。
「妹、といっても、同母妹のことだ。ユーフェミアや他の兄弟は全て母が違う。」
根がお人よしなルルーシュ。そのことがよくわかっているカレンは、このまま済し崩しに全て答えてしまうのではないかと思い、ゼロのスーツを引っ張る。
「・・・ゼロ。」
「カレン・・・?」
不思議そうに問うゼロに、カレンは溜め息をついた。
「駄目よ。誘導尋問に引っかかっちゃ。」
「・・・あ。」
ゼロは思わずといった風に仮面の口元に手をやる。
「貴女、お異母兄様とは随分親しいようですね。・・・神根島の時よりも、ずっと。」
突如、ピンクのお姫様が眉根を寄せてそう言ったので、幹部達はギョッとする。ユーフェミアのご機嫌がナナメなのは、訊かなくてもわかる。
「親しかったら悪いの?・・・私はゼロの恋人ですから。」
「「「「「はっっ!?」」」」」
皆がギョッとする中、女同士の戦いの火蓋が切って落とされた。
「恋人?・・・お異母兄様の?貴女が?」
「ええ、そうよ?悪い?」
「まぁ・・・お異母兄様ったら、ご自分に無い物を求めた結果、このような方を選んだのかしら?」
上から下を舐めるように見つめてから溜息をついたユーフェミアに、カレンは口元を引き攣らせる。
「(ひくっ)・・・へぇ、意外と、イイ性格してるのねぇ?」
「あら、お褒め頂き光栄です(にっこり)。」
完全に火花が散る中で、ゼロことルルーシュは、困り果ててしまった。
「ユフィ、カレン;あの、ケンカは・・・。」
「「(ゼロ/お異母兄様)は黙ってて(くださいっ)!」」
「・・・は、はい。」
止めようとするものの、2人の少女の剣幕に引き下がるしかないルルーシュだったりする。
「な、なぁ、ゼロ・・・ユーフェミア副総督はどうするんだ?」
「・・・帰せるものなら帰したいが。」
「お異母兄様ッ!私、絶対帰りませんからねッッ!!・・・無理やり帰そうとしたら、お姉様やシュナイゼルお兄様、お父様にだって、言いつけますから!」
「・・・ユフィ、それだけは勘弁してくれ;」
目下反逆中の身にしてみれば、知られたらマズイ相手トップ3をあげられて、ルルーシュは早速白旗をあげる。
「この、我儘皇女!!ゼロに迷惑かけないでよ!!」
「貴女こそ、お異母兄様にまとわりついて、足を引っ張ってらっしゃるんじゃありませんかっ!?」
「なんですってぇぇぇぇ!!」
もう、なんだか、言い合いが止まらない。深々と溜息をついたゼロに同情を寄せながら、幹部達はこれからにぎやかになるなぁ~、と現実逃避をしたのだった。
「「(ゼロ/お異母兄様)は絶対譲(らないんだからッ/りませんからッ)!!!」」
おしまい
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・時間軸は神根島直後
・カレルル←ユフィ(ユフィin黒の騎士団)
・カレンにのみゼロバレ済み&恋人同士
・黒ユフィがいます
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「私、ユーフェミア・リ・ブリタニアと申します。・・・ゼロはいらっしゃいますか?」
そう言ってにっこり笑った、ピンク色のお姫様に、その場にいた、黒の騎士団の面子はビシッと固まった。
学校を終えて、黒の騎士団のアジトにやって来たルルーシュは、アジト内が妙に騒がしいことに気づいて、首を傾げた。
「・・・いったい、何なんだ?」
ぽつりと呟くのと同時にか、部屋の前から、聞き慣れた少女の声が聞こえた。
「ゼロ!カレンです。・・・入ります。」
僅かな間の後、シュッとドアが開く。
「・・・カレン?この騒ぎは何だ?」
首を傾げるルルーシュに、カレンは溜め息をついた。
「・・・驚いたわよ。というか、現在進行形で驚いてるわ。」
仮面を取っているルルーシュの、その首を傾げる仕草にドキドキしながら、カレンは告げた。
スザクが白兜のパイロットと知って、動揺した末に、カレンに正体を見破られて、早、数週間。衝突することもたまにはあるが、一応“恋人”という関係に落ち着いたルルーシュとカレンだったが、無防備に近いルルーシュに、未だに慣れないカレンである。
「?・・・驚いている?」
「皆、固まっちゃってるわよ。・・・というか、私だって、貴方から事情を聞かされてなかったら、同じ反応したと思うわ。」
そう言うカレンに、更に首を傾げつつ、ルルーシュは仮面を被り、カレンを伴ってゼロの部屋を出た。
幹部のラウンジ、その真ん中のソファーにちょこんと座っているピンクのお姫様に、幹部達はどうしたものかと悩んでいた。
突如現れた彼女に敵意が見えなかったため、思わず中に通してしまったが、これはブリタニアの罠だろうか?と疑心暗鬼に陥っていたりする。
「扇ぃ~・・・ゼロにどう説明すんだよ~・・・。」
心底、困ったように玉城が言う。いつも強気でゼロにくってかかる玉城だが、さすがにこれはゼロが悪いというよりは、中に通してしまった自分達が悪いので、怒られるのではないかとビクビクしている。
「・・・と、言われても・・・。」
が、扇だって困っている。外にそのままだと、団員達が動揺するし、かといって、こうして中に入れてしまったことは、非常にマズイのではないかと思うのだ。
「・・・と、藤堂さん・・・。」
扇の助けを求める視線に、藤堂も眉根を寄せる。
「理由を聞いても、ゼロに会わせろの一点張り。・・・帰りそうにもないので、団員達の動揺を防ぐために中に通したと正直に報告すればよろしいかと。」
見かねた仙波が助け船を出すと、藤堂も、扇も、ああ、と呟いて頷く。
頭の良いゼロのことだ。誤魔化そうとすればするほど、その矛盾をついて、余計に怒られるに違いない。ならば、最初から正直に話してしまえば良いのだ。
そう思ったら、現金なもので、扇の緊張がほぐれる。そして、改めてピンクのお姫様を見る。
「・・・あれがコーネリアと母を同じくする妹とは思えないな・・・。」
ボソ、と呟く。
ブリタニアの魔女と恐れられるコーネリアと、目の前にいる砂糖菓子のようなピンクのお姫様は、全くと言って良いほど雰囲気が違う。
「・・・あの。」
そんな扇の視線を感じたのか、ピンクのお姫様が扇の方を向く。
「・・・何だ?ユーフェミア副総督。」
扇はある程度警戒を示しながら応じる。
「ゼロはまだですか?」
「・・・そう訊かれても、俺達には、わからない。彼は神出鬼没だから。」
そう答えれば、お姫様は、ほんの少し、眉を顰めた。
「・・・そうですか。ここも、あの人の安らげる場所ではないのですね。」
ユーフェミアの言葉に、幹部達は一斉に首を傾げた。ニュアンス的に、ユーフェミアがゼロの正体を知っているように聞こえたからだ。
「あの・・・。」
「なっ!?」
扇が口を開いたのと、背後から驚愕の声があがったのはほぼ同時だった。
振り返った幹部達は、一斉に顔をひきつらせた。
「・・・ぜ、ゼロ。カレン・・・。」
明らかに狼狽したゼロと、その後ろに控えつつも、ユーフェミアを睨みつけているカレン。一触即発のような雰囲気だ。
「・・・る、ゼロ!!・・・やっぱり、来ちゃいました。」
ゼロを見た瞬間、その傍に駆け寄ったユーフェミアは、ニッコリと可愛らしく微笑んで小首を傾げた。
「・・・来ちゃいましたって・・・君は、副総督だぞ?立場を少しは考えて・・・いや、それより、選任騎士の枢木スザクは何をして・・・ああ、いや、あいつが君を止められるわけがないか。」
はぁ、と溜め息をついたゼロは、やはり、ユーフェミアとは親しい間柄のような話し方だ。
「・・・ゼロ。」
「ああ、そうだな。カレン。・・・それで、ユーフェミア副総督、君は一体何をしに来たのか、訊かせて頂けないだろうか?」
カレンに促されたゼロは、ユーフェミアに改めて訊ねる。
「・・・え?・・・決まってるじゃありませんか。私も黒の騎士団に入ることにしたのです。」
「・・・・・・は?」
「何ですって!?・・・冗談じゃないわよ!なんで、副総督のあんたが黒の騎士団に入るのよ!!大体、ゼロが何の為に戦ってるかわかっててやってるの!?」
「知っています!ゼロが最も大切にしている妹の為・・・そして、ブリタニアに奪われた、お母様の死の真相を知る為、そうでしょう!?・・・私はちゃんと知っています!!」
思わぬところで、ゼロの戦う理由を知ってしまった幹部達は、まじまじとゼロを見てしまう。
「・・・カレン・・・。」
周りが見えていないらしい、カレンの腕を掴んで、ゼロは自分に引き寄せる。
「っ///・・・あ、す、すみません、ゼロ。」
一瞬、頬を赤く染めるものの、周りを改めて確認したカレンは、すぐさま顔を青ざめさせる。今、かなり際どいところまで、このピンクのお姫様は暴露してしまったらしい。
「ユーフェミア副総督。貴女が私の事情をよくご存知なのは、わかった。・・・だから、今、ここで、そのように暴露しないで頂きたい。“ゼロ”は記号なのです。人間らしい事情などあってはいけない。」
ゼロのその言い様には、さすがの扇も引っかかった。
「ちょ、ちょっと待ってくれ、ゼロ。・・・記号だなんて言わないでくれ。俺達だって、それぞれ事情があって、戦っている。君だって、戦う理由があって良いはずだ。」
「そうだな。だが、それと、お前達にその事情を知られるのとは、少し違うとは思わないか?」
「そ、それは・・・。」
「お前達は、私にそれぞれの戦う理由を話したか?・・・家族の為、己の矜持の為・・・様々理由はあるだろうと私は思っているが、詳しく話して貰った覚えはないな。」
「う・・・。」
「従って、私もお前達に、私の事情を全て話すという必要性を感じない。よって、全てを知っているユーフェミア副総督には、口をつぐんで頂きたい、とお願いしている。」
たたみかけるように言ったゼロに、反論すら出来ず、幹部達は黙り込む。ゼロが言っていることは正論で、もっともだ、と思ってしまったからだ。
「・・・ならば、これだけは聞かせてもらおう。・・・なぜ、ユーフェミア副総督は、お前の事情を知っている?」
唯一、冷静に切り返した藤堂に、ゼロは肩を竦める。
「・・・それも話す必要性を感じない。」
「いや、必要だな。なぜ、副総督ともあろう人間が、黒の騎士団に入りたがり、このように押し掛けてきたのか、騎士団の団員達は知りたがるだろう。その時、幹部達には説明責任が生じる。」
「・・・ふぅ、正論、だな。」
正論には正論、とばかりに疑問をぶつけてきた藤堂に、ゼロはユーフェミアを見て、深く溜め息をついた。
「まったく、このお転婆皇女が。もうちょっと考えて行動をしろというのに。」
「ご、ごめんなさい・・・お異母兄様。」
その声にほんの少し苛立ちを感じたユーフェミアがしゅん、として呟く。その呟きに、一瞬、全員が固まった。
「・・・・・・お、おにい、さま?」
まず始めに、ディートハルトが我に返る。ずっとカメラを回していた彼だが、そのカメラは降ろされ、驚愕の表情をうかべている。
「あっ・・・えと、ち、違います!!」
「・・・否定したら、余計に墓穴だ、ユフィ。」
もう、頭を抱えるしかない。ゼロは必死に否定したユーフェミアの頭をこつん、と小突いて、カレンに視線を送る。
「・・・あ~!これだから、ブリタニアはぁぁぁッ!」
「ん?・・・ということは、カレンも知ってたのか?」
扇の視線がカレンに向く。
「はぅっ・・・ご、ごめんなさい。」
「あ・・・いや、その・・・まぁ、カレンは親衛隊だし・・・なぁ?」
「あ、ああ。」
「まぁ、知ってても、おかしくないっつーか・・・。」
「そっか、ゼロはユーフェミア副総督の兄なのか~・・・。」
素直に謝ったカレンに、扇も怒るに怒れず、視線を幹部達へ向ける。幹部達も同様のようで、同意を示したが、最後の杉山のぼやきに、全員が、ん?と考え込んでから、バッとゼロを見て、叫んだ。
「「「「「えええええっっ!!?」」」」」
「・・・反応が遅い・・・まったく。」
「ということは、仮面を被っている理由は・・・。」
「まあ、多少なりとも顔は売れているのでな。・・・だから、素顔を曝せない。」
扇の確認に、ゼロはあっさりと答える。
「・・・な、なるほど。」
「っていうか!扇!訊くことが違うだろ!・・・やい!ゼロ!お前、ブリタニアの皇族なのかよ!!」
玉城が扇に突っ込むという珍しい行動をした後、いつものようにゼロにくってかかると、ゼロは肩を竦めた。
「元、皇族だ。・・・今は、死んだことになっているからな。」
「し、死んだって・・・。」
「まあ、いろいろ事情はあるが、説明する必要性を感じないと、さっき、言ったな?」
「・・・う。で、でも!な、何で皇族が、ブリタニアに反逆なんて・・・。」
「それは、先ほど、ユフィが言ったな。最愛の妹の為、そして、母の死の真相を知る為、だ。」
粘る玉城に、ゼロは溜め息をつきつつ答える。
「妹って・・・。」
ちらりとユーフェミアを見た井上に、ゼロは首を横に振る。
「妹、といっても、同母妹のことだ。ユーフェミアや他の兄弟は全て母が違う。」
根がお人よしなルルーシュ。そのことがよくわかっているカレンは、このまま済し崩しに全て答えてしまうのではないかと思い、ゼロのスーツを引っ張る。
「・・・ゼロ。」
「カレン・・・?」
不思議そうに問うゼロに、カレンは溜め息をついた。
「駄目よ。誘導尋問に引っかかっちゃ。」
「・・・あ。」
ゼロは思わずといった風に仮面の口元に手をやる。
「貴女、お異母兄様とは随分親しいようですね。・・・神根島の時よりも、ずっと。」
突如、ピンクのお姫様が眉根を寄せてそう言ったので、幹部達はギョッとする。ユーフェミアのご機嫌がナナメなのは、訊かなくてもわかる。
「親しかったら悪いの?・・・私はゼロの恋人ですから。」
「「「「「はっっ!?」」」」」
皆がギョッとする中、女同士の戦いの火蓋が切って落とされた。
「恋人?・・・お異母兄様の?貴女が?」
「ええ、そうよ?悪い?」
「まぁ・・・お異母兄様ったら、ご自分に無い物を求めた結果、このような方を選んだのかしら?」
上から下を舐めるように見つめてから溜息をついたユーフェミアに、カレンは口元を引き攣らせる。
「(ひくっ)・・・へぇ、意外と、イイ性格してるのねぇ?」
「あら、お褒め頂き光栄です(にっこり)。」
完全に火花が散る中で、ゼロことルルーシュは、困り果ててしまった。
「ユフィ、カレン;あの、ケンカは・・・。」
「「(ゼロ/お異母兄様)は黙ってて(くださいっ)!」」
「・・・は、はい。」
止めようとするものの、2人の少女の剣幕に引き下がるしかないルルーシュだったりする。
「な、なぁ、ゼロ・・・ユーフェミア副総督はどうするんだ?」
「・・・帰せるものなら帰したいが。」
「お異母兄様ッ!私、絶対帰りませんからねッッ!!・・・無理やり帰そうとしたら、お姉様やシュナイゼルお兄様、お父様にだって、言いつけますから!」
「・・・ユフィ、それだけは勘弁してくれ;」
目下反逆中の身にしてみれば、知られたらマズイ相手トップ3をあげられて、ルルーシュは早速白旗をあげる。
「この、我儘皇女!!ゼロに迷惑かけないでよ!!」
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「なんですってぇぇぇぇ!!」
もう、なんだか、言い合いが止まらない。深々と溜息をついたゼロに同情を寄せながら、幹部達はこれからにぎやかになるなぁ~、と現実逃避をしたのだった。
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