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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・朝比奈さんショタコン気味は仕様ですw
・仔ルルは素直で可愛いですw
・スザクは悪ガキだけど、ルルが大切
・藤堂さんはヒナ・ルル・ナナのお父さん!?
・本編はお読みになりましたか?読んでなくても大丈夫だと思いますが、読んでからだと、よりわかりやすいと思いますよ???
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








「朝比奈、少し良いか?」

 突如呼ばれた朝比奈は、首を傾げ、それでも嬉しそうに藤堂の傍に走り寄る。

「なんですか~?」

「・・・お前、子供は好きか?」

「へ?・・・まあ、嫌いじゃないですけど・・・はっ!枢木スザクはヤですよ!!あんな生意気なガキを面倒見るくらいなら、乳飲み子10人面倒見た方がマシです!!」

「・・・・・・・・聞かなかったことにしておく。」

 素直すぎる朝比奈の言葉に頭を抱えつつ、藤堂はスッと書類を差し出す。

「・・・これは?」

「・・・ブリタニアから留学生を迎えたのは知ってるだろう?」

「ええ。・・・ま、留学生なんて聞こえは良いですけど、実際はブリタニアからの人質ってヤツでしょう?」

 朝比奈は文面を視線で追いながら、眉を顰める。

「・・・まだ、10歳と7歳・・・こんな子供を。」

「俺も2、3度会って話をしたんだが、とても利発な子供達だ。スザク君とも最初は険悪だったんだが、いつの間にか仲良くなっていてな、子供とは不思議なものだよ。」

 その様子を思い浮かべているのか、藤堂の表情は優しい。

「・・・で、俺に、どうしろって言うんです?」

「・・・枢木首相から、スザク君と彼等を引き離すように言われた。スザク君は毎日のように彼等の処に入り浸っているようでな。なので、稽古の名目で俺はスザク君の面倒を見なければならない。その間、彼らが酷い目に遭わないように見張っていて欲しい。・・・ブリタニアの皇族とはいえまだ子供だ。大人の事情に巻き込まれるのはあまりにも哀れだ。・・・お前がいれば、多少の荒事なら回避できるだろう?」

 藤堂の信頼を得ていると思えば嬉しい言葉だが、朝比奈はううん、と唸る。

「・・・でも、俺で良いんですか?っていうか、俺が周りをうろちょろしてても大丈夫なんでしょうか?」

「大丈夫だ。首相にしても、彼らに危害を加えたいわけではないだろうし、それに、お前のことは俺の知り合いとして認識している。俺の差し金だとわかれば、何も言ってこないだろう。」

「・・・なら、良いんですけどねぇ・・・俺は。・・・でも、その、皇子様達ってのは大丈夫なんですか?」

「・・・会えばわかる。」

 藤堂は自信たっぷりに言う。

 後にして思えば、朝比奈の押しの強さと面倒見の良さ、それから、ブリタニア皇族への偏見が無いところを証明さえすれば、ルルーシュ達がすぐに受け入れるだろうことは予測がついていたのだろう。なにせ、藤堂自身がそうやってルルーシュの信頼を勝ち得ていたのだから。



*



 そして、朝比奈は藤堂に連れられ、道場から離れた枢木神社の土蔵の前までやって来た。苦々しい表情でその土蔵を見やってから、藤堂はその戸をトントンと叩いた。

「・・・あの、藤堂さん?」

「言いたいことはわかる。・・・だが、ここに住んでいるんだ。」

 みなまで言わせない藤堂の言葉に、朝比奈は絶句する。おおよそ、人が住む場所では無いと思うほど、ボロボロな建物なのだ。

 ここに、件(くだん)の皇子様と皇女様とやらが住んでいるとは俄かには信じられなかった。

「はい。」

「・・・俺だ。藤堂だ。」

 どこか硬い返事が返ってきて、藤堂は出来る限り柔らかい声を出した。

「藤堂さん?・・・今、開けます!」

 途端、声が明るいものへと変わる。ガタガタと建て付けの悪い戸の鍵を開ける音がし、埃っぽい空気が一緒に出てくる。

 思わず眉を顰め、朝比奈は目を細める。こんな処に、ブリタニア皇族とはいえ、子供2人を放り込むなど。先ほど、藤堂が苦々しい表情を浮かべた理由が何となく理解でき、それと同時に、枢木首相への不信感が募る。

「お待たせしました。・・・あ、ええと・・・。」

 出てきた“彼”は、それはもう、見目麗しく、利発そうなその瞳はアメジストをはめ込んだような紫色だった。初対面である朝比奈に対して、一瞬、キツイ視線を向けるが、藤堂が警戒していないのを悟ると、すぐに藤堂へと視線を戻し、説明を求める。

「ルルーシュ君、私の部下で朝比奈省吾という。・・・朝比奈、彼はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア殿下だ。」

「・・・あ、はじめまして。ルルーシュ皇子殿下。」

「はじめまして。僕のことはルルーシュと。・・・日本の方に、殿下と呼んで頂くわけにはいきません。」

 きっぱりと言われて、朝比奈はその毅然とした態度に、いたく感心した。

「うん、じゃあ、俺のことも省吾で良いよ。」

 ニコニコと笑って言えば、ルルーシュは少し戸惑ったようにしながら、それでも、はにかんだ笑顔を返してくれる。

「・・・あの、年上の方を呼び捨てにするのはなんなので、省吾さん、で良いですか?」

「あー、うん。そうだね。そう呼んでくれる?・・・よろしくね、ルルーシュ君。」

「よろしく、省吾さん。」

 差し出した手をしっかりと握ってくれたルルーシュに、朝比奈は二ヘラと相好を崩した。

「あは。ルルーシュ君って、可愛いねぇ。」

 どこの変態さんだ?と聞きたくなるくらいに柔らかな声を出して、朝比奈はしゃがみ込む。

「か・・・可愛い?」

 ルルーシュが眉を顰める。さすがに男の子に可愛いは拙いだろうと、藤堂が窘めようとした時、朝比奈がまた口を開く。

「きっと、お母さんはさぞや美人だったんだろうねぇ。」

「・・・はい。自慢の母です。」

 どうやら、ルルーシュのお気に召すセリフだったらしく、ルルーシュの感情メーターが、ご機嫌の方に傾いた。

「写真とか、無いの?」

「ありますけど・・・。」

「わ、見たい見たい!ねぇ、ルルーシュ君、見せて!・・・っていうか、妹さんは?俺、妹さんにも紹介して欲しいなぁ?」

 矢継ぎ早に言う朝比奈に、ルルーシュは目を白黒とさせる。

「・・・えっ、えぇ・・・?」

「コラ、朝比奈。・・・ルルーシュ君が戸惑っているだろうが。」

 呆れた藤堂に、こつん、と頭を小突かれ、朝比奈はようやくルルーシュが困り切ってしまっているのに気づく。

「・・・あ、ごめんね、初対面なのに・・・。」

 見るからにしゅん、とした朝比奈に、ルルーシュの“お兄ちゃんスイッチ”が押されてしまった。

「いいえ。僕がちゃんと答えられれば良かったんですよね。・・・すみません、藤堂さん。僕は大丈夫ですから、省吾さんを怒らないであげて下さい。」

 10も下の子供に庇われた朝比奈は何とも微妙な表情をうかべるが、真剣に朝比奈を庇うルルーシュの行動に表情が緩む。そして、ルルーシュの肩を抱き寄せて、頭を優しく撫でた。

「ルルーシュ君は優しいね。」

 目を細めて笑う朝比奈の顔を肩越しに見上げ、ルルーシュは頬を真っ赤に染める。

「・・・そ、そんなこと、ありません。」

「ううん。誰が何と言おうと、俺にはルルーシュ君は優しい子だってわかるよ。」

 すっかり2人の世界に入り込んでしまっているのに、藤堂は途方に暮れる。

「・・・お兄様?」

 その時、愛らしい声が土蔵から聞こえる。ハッとしたルルーシュが朝比奈の手をやんわりと解いて、土蔵の中へ駆け込む。

「ナナリー!・・・ごめんね、今、お客様が来てるんだ。」

 焦ったようなルルーシュの声と、キィと金属が擦れるような音が聞こえ、土蔵の中からルルーシュと共に車椅子の少女が出てくる。

 確かに、藤堂から渡された資料には、ナナリー皇女の記録として、車椅子に乗っているということは書いてあった。だが、それと直接見るのとでは、全く違う。

「はじめまして・・・えっと、ナナリー皇女殿下・・・だよね?」

 朝比奈は、一応敬称をつけて呼ぶ。兄のルルーシュからは許可を得たが、妹のナナリーからはまだ許可を得ていないからだ。

 こうした律儀な面が藤堂のお眼鏡に適ったのだが、当人は至極真面目に行動しているにすぎない。

「・・・ナナリーで結構です。ここでは、皇女であることはあまり意味はありませんから。」

 7歳とは思えないほどしっかりとした受け答えに、彼等の母親の教育の賜物だと感心する。

「そっか。わかったよ、ナナリーちゃん。・・・ええと、俺は、藤堂さんの・・・。」

「聞こえていました。・・・私、目が見えないものですから、その分、他の感覚が他人より少し発達しているんです。」

 二コリ、と笑ったその少女はまるで天使のようで、朝比奈はすっかりこの兄妹を気に入ってしまった。

「じゃあ、改めて。俺は朝比奈省吾。これから、ちょくちょく、ここに来させてもらうことになると思うけど、よろしくね。」

「・・・はい。よろしくお願いします。・・・えっと、お兄様と同じようにお呼びしても?」

 首を傾げるナナリーに、朝比奈は頷き、そして、目が見えないことを思い出して、その小さな手をそっと握った。

「・・・もちろんだよ、ナナリーちゃん。」

 柔らかな笑みをうかべる朝比奈に、藤堂は内心舌を巻いていた。いくら、藤堂自身の紹介とはいえ、ルルーシュが会ったばかりの人間に妹を触らせたのだから。

「(・・・この人選は間違っていなかったな。)」

 笑顔で言葉を交わす3人を眺め、藤堂はホッと息をついたのだった。


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