Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・貴方と出会った日からシリーズ 続編
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・カレン・藤堂 キャラ壊れ注意報!
・ミレイ・リヴァルはルルが大好きです
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
黒の騎士団・幹部のラウンジ
今、幹部達は猛烈に緊張していた。これからくる新しい2人の仲間について、C.C.や朝比奈。更にはカレンにまで様々なことを吹きこまれてしまったからだ。
曰く・・・2人のささやかな(!?)厭味で、枢木スザクが1日廃人と化してしまった。とか、あのルルーシュですら敵わない(イベントの)計画を毎度実行しているとか・・・。
「な、なぁ、カレン・・・ほ、本当に、今日、来るのか?」
「はい。・・・ルルーシュもナナリーちゃんと別れてこちらに向かうって、さっき、連絡ありましたから・・・多分、2人にも連絡が行ってると思いますし、ここで合流って話を昨日もしてましたから。」
ニコリ。
カレンは清々しい笑みを浮かべている。それもこれも、昨日のスザクの様子に思い切り笑ったおかげだろう。
昨日のスザクときたら、それはもう、真っ白になったというか、つついたらガラガラと崩れそうというか。それが、ミレイとリヴァルの意趣返しのせいだと後で知り、笑いが止まらなかった。
まあ、いつも、苦汁をのまされている身としては、良い気味と思いこそすれ、同情など出来るはずもないだろうし、きっと、人の不幸を喜んでも許されるはずだ。
「扇さん。大丈夫ですよ。・・・ルルーシュの味方にはそんなひどいことしませんから。」
あまりにも怯えている風な扇達に、少し脅しすぎたか、と反省して、カレンは苦笑した。
「そ、そうか?・・・でも、ルルーシュ君にも嫌がることをさせたとか・・・。」
「ああ、ただの(男女逆転祭りの)イベントでですよ。害があったわけじゃないんですよ。似合いすぎるルルーシュが悪いんです。」
「???」
首を傾げる扇に、思わずあの時の写真を見せたくなるカレンだが、朝比奈に見せた時に、ルルーシュがこの世の終わりのような顔をしていたのを思い出して、2度とすまい(自分がやられたら嫌だし、あんまりにもかわいそうだった。)と誓ったのだ。
「ま、とにかく、来るのは学生なんですから。しっかりして下さい。扇さんは副指令なんですよ!」
「あ・・・ああ。」
頷く扇は、未だに不安そうにしているが、きっと2人を見たら拍子抜けするだろうとカレンは思う。本当にただの学生なのだ。ただ、ルルーシュをとても大事に思っているだけで。・・・大事な人を守る。そのためなら、人は強くなれる。
カレンだって、ゼロのためならばどこまでも強くあれると思った。それが、ルルーシュで、元皇族だったと知った今でも、気持ちは変わっていない。
「(そりゃ、少しは驚いたけど・・・でも、ルルーシュが反逆をしていた理由を知ってしまえば、ね。)」
話には聞いていたものの、先日の過去の映像はモロに涙腺にキた。あんな思いをして、それでも、ブリタニアを憎まずにいるとしたら、それはもう、心が壊れてしまっているのではないだろうか、と思うのだ。
それに、ルルーシュは力を手に入れたのだ。“ギアス”という不可思議な力と、自分達・黒の騎士団・・・。
「カレン?」
「あ、ごめんなさい。ちょっと考え事・・・。」
思考を飛ばしていたカレンは、扇に声をかけられて、現実に戻ってくる。
「大丈夫か?何か、心配なことでも・・・。」
「ううん。・・・違うんです。・・・ルルーシュを守ってくれる人がもっと増えたらいいのにって。彼にはもっともっと味方が必要なんです。心の底から信用できる味方が。・・・それに一番相応しかったはずの奴は敵になってしまって。どれだけ傷ついたか知りもせず、平然と隣にいて。ルルーシュが優しいから・・・その優しさに甘えて・・・。ああっ!思い出したら腹立ってきた!!!絶対、学園に来たら、厭味を言いまくってやる!!」
悲しそうに呟いていたはずのカレンが、いきなり拳を握り、怒りの形相で叫んだので、扇達はびくぅっ!と怯え、カレンを見る。
「・・・か、カレ~ン・・・?」
井上がどうどう、と背中をさすると、カレンはハッとして慌てて笑みを浮かべた。
「あ、あはは、す、すみません。なんだか、すっごくスザクに腹立ってきて・・・。」
フラストレーションがたまると叫びたくなるものだ。ましてや、カレンは学園では病弱なお嬢様設定。更には、事情は知らないということになっているために、ミレイやリヴァルのように思い切りスザクにやつあたることはできないのだ。
「フフフ・・・。遠まわしにじわじわと真綿で首を絞めるように・・・。」
カレンが怖い。とにかく怖い。幹部達は触らぬ神に祟りなしと判断して、しっかりとカレンから距離を取った。
「・・・あれー?どうしたの?」
ひょこひょことやってきた朝比奈が首を傾げる。
「あ・・・いや・・・。」
扇が言い難そうにしていると、カレンがくるっと振り返る。
「朝比奈さん、ルルーシュはいつ来るんですか?もうそろそろですよね?」
「あ、そうそう。それを言いに来たんだよ。さっき、租界のはずれでミレイさんとリヴァル君と合流して、こっちに向かってるってさ。」
「じゃあ、3人でこっちに?」
「あぁ、C.C.が迎えに行ったよ。」
すっかり、ルルーシュを落としてしまった朝比奈は、かなり余裕だ。以前なら食ってかかりそうなくらいに親密に話していても、余裕の態度を崩さなくなった。幹部達の間では、とうとう一線を越えたか?という噂が立っている。(主に玉城が。)
「じゃあ、安心ですね。」
「そうそ。ああ見えて、C.C.は強いから。・・・それに、ミレイさんもリヴァル君も意外とやるからねぇ。」
ニコニコと答える朝比奈に、カレンも微笑む。
「ようやく、ルルーシュとあいつを引き離せましたね。」
「うん。・・・ようやくだよ。あの子がどれだけストレス溜めてたんだと思うと、もう、イライラするよね。俺は戦場でしか報復できないからさ、紅月さんとミレイさんとリヴァル君に学園の方は任せるから♪」
「まっかせてください!!もう、ギッタンギッタンに・・・。」
「・・・何がギッタンギッタンなんだ?」
カレンの言葉を遮って、戸惑ったような声が響く。
「あ、ルルーシュ君。おっかえり~v」
にこぉ、と笑って、朝比奈が手を振ると、ルルーシュは嬉しそうに笑って、朝比奈の傍に駆け寄る。
「ただいま、省吾さん。」
特別仕様の笑みを、朝比奈に向けると、後ろからついてきていた2人組がムッとする。
「あっれー。朝比奈さん、なんかルルーシュにやりました?」
言葉を先に発したのはブルーの髪の少年、リヴァルだった。その眼には剣呑な光を帯びている。
「え~。何もしてないよ~。ね?ルルーシュ君ッv」
「ほぅあ!!?」
「「ぁああああっっ!!!」」
ぎゅう、とルルーシュを抱きしめた朝比奈に、2人の声が揃う。
「ちょ、ちょっとちょっとぉ!!朝比奈さん!!言いましたよね!!ルルちゃんが成人するまでは一線越えないでくださいねって!!!」
慌てる金髪の少女・・・ミレイに、朝比奈はひらひらと手を振った。
「越えてないよ~。抱きしめてるだけ~。」
「・・・ううう。俺らが見てないとこで、ルルーシュが確実に陥落されてる気がするのは、俺だけっすか~?会長~。」
「カレン~・・・朝比奈さんが暴走しないように見ててって言ったわよね~?」
「・・・あ、いえ、暴走しては無いですよ・・・一応。」
恨めしげなミレイとリヴァルの視線を受けて、カレンは口の端を引き攣らせる。
「ミレイ・・・リヴァル。」
困ったようにルルーシュが2人の名を呼ぶと、2人はうっと詰まる。
「・・・俺が、もう、省吾さん無しじゃいられないだけなんだ・・・言い出せなくて、ごめん。大丈夫だよ。省吾さんは俺のこと、本当に大切にしてくれてるから・・・。」
「・・・うあ、惚気!?・・・あのルルーシュが!!・・・ああ・・・マジで朝比奈さんに陥落したのかぁ。」
さめざめと泣くふりをするリヴァルに、ルルーシュは朝比奈から離れて、苦笑する。
「祝福してくれるんだろ?悪友さん?」
「くやしいけどなぁ、まあ、俺は悪友だし?祝福するって。・・・ただし、泣かされたら俺に言えよ~。天才剣士だろうが四聖剣だろうが、俺がボコってやっからな!!」
ガシッと手を掴まれれば、曖昧にルルーシュは頷く。
「あ、ああ。・・・勝てないと思うけどな、お前じゃ・・・;」
「なにも素手とは言ってないって。・・・いくらでもあるじゃん?月下をいじるとか。」
「いやいや、ラクシャータに怒られるから(汗」
「ありえないから大丈夫だって。・・・まあ、改めまして、黒の騎士団へようこそ。ミレイさん、リヴァル君。」
苦笑した朝比奈が、慌てるルルーシュの頭を撫でて、これが彼らなりの自己紹介なんだよ、と言う。
「ふふ。初めまして。ミレイ・アッシュフォードです。アッシュフォード学園の生徒会長をしてます。これから、よろしく~。まあ、情報担当として見てもらえればオッケーかなって思います。」
「ミレイの婚約者は、スザクの上司なんだ。」
ルルーシュの捕捉に、幹部達は、おお~と声をあげる。
「って、良いのか。」
「良いんですよ~。あっちもうちのガニメデが目当てみたいですし。」
その一言で、幹部達はミレイの人と為りを把握してしまう。言い聞かされていたことは、けして大げさではないと悟ったのだ。
「あ、次~。俺はリヴァル・カルデモンドって言います!一応、ラクシャータさんに弟子入りするってことになってるんで、技術班ってことになります!」
ビシッと敬礼したリヴァルに、ラクシャータが近寄ってくる。
「よろしくねぇ。・・・アッシュフォードのガニメデいじってたのよね~?」
「はい!」
「じゃあ、即戦力になりそうねぇ。厳しいわよぉ~?」
「頑張ります!!」
ここに(ある意味最も危険な)師弟関係が出来上がった。
「リヴァル君を怒らせるのはやめとこう・・・。本気で細工されそう。」
朝比奈の呟きに、その場の(特にナイトメアに乗る)面々がギョッとする。
「あ・・・ええと、歓迎するよ。俺は副指令の扇だ。」
扇が右手を差し出すと、ミレイがにっこりと笑ってその手を握った。
「よろしく。・・・まぁ、サポート的な立場になると思いますけど、アッシュフォードからも資金の支援をすることを決定しましたので。ルルーシュ様のこと、よろしくお願い致します。」
「っ・・・あ、ああ。」
静かな威圧に、扇は息を呑んで、頷いた。
「ミレイ君、リヴァル君、来たのか・・・。」
「あ、藤堂さんだ~。こんちわ!・・・仙波さんも卜部さんも千葉さんもお久しぶりで~す!」
出迎えに出てきた藤堂達に、リヴァルがブンブンと手を振る。それに苦笑しながら、藤堂も軽く手を挙げた。
「あの会議以来だな。」
「・・・そうですね。学園の方は無事。滞りなく済みましたので。」
「そうか。・・・スザク君は?」
「カレンから聞いてません?・・・まあ、それは後ほど。」
ミレイと藤堂が話し込むのを見て、どうやら自分達の預かり知らぬところで話は進んでいたのだと理解して、幹部達はがっくりと肩を落とした。
「と・・・藤堂さん。その、会議って?」
「・・・ああ“ルルちゃんを逃がそうの会”会議だ。」
「「「「・・・・・・・・・・・・え?」」」」
今、奇跡の藤堂から奇跡的に似合わない言葉が出なかったか?と幹部達は己の耳を疑った。
「す・・・すみません、もう一度・・・。」
扇が言うのに、藤堂は少し首を傾げ、それでも堂々と言い切った。
「“ルルちゃんを逃がそうの会”の会議だ。・・・命名はミレイ君だったな。」
肩を震わせ、隅の方で笑う仙波・卜部・千葉。そして、カレンやミレイ、リヴァルまでもクツクツと笑っている。朝比奈やルルーシュはもう慣れたとばかりに平然としているが、当初、藤堂がその名を口にした時は呆然としたものだ。(その後朝比奈は爆笑した。)
「・・・る、ルルちゃんを逃がそうの会・・・で、ですか。」
「ああ。」
藤堂が真面目くさって言っているために、扇を筆頭に、幹部達は必死に笑わないように耐えるのがやっとだ。
「そ・・・そうですか。・・・こ、今度からは、俺達もその会議には混ぜてもらえるんでしょうか?」
「いや、目的はルルーシュ君を学園から出すことだったからな。もう、会議は行わないと思うが・・・。」
藤堂が困ったようにミレイを振り返る。会議を企画したのも、全て、ミレイの一言からだったのだから。
「そうですね。“ルルちゃんを逃がそうの会”は終わっちゃいましたから、別の会議に参加してもらいます?」
ミレイが良い笑顔を浮かべて首を傾げる。
「別の会議?」
意味を解せなかった扇が訊き返すと、ミレイは胸を張って言った。
「もっちろん!“スザク君にモノ申すの会”よ!」
「体力だけは有り余ってますからね、あいつ。戦闘面は黒の騎士団に任せるとして、精神攻撃をしようかと思ってて、今、俺と会長とカレンが会員なんっすよ。」
いつの間に、と目を見開いたのはルルーシュ。
「あっれ~、何で俺に声かけてくれないかな~?」
そのルルーシュの隣で、朝比奈が言うと、ミレイはにっこりと笑った。
「じゃあ、朝比奈さんもどうぞ?・・・で、皆さんはどうなさいます?」
ミレイの笑顔が一瞬黒く見えた幹部達だ。一斉にコクコクと頷いて、口々に参加を表明する。
「ま、まあ、白兜にはいつも痛い目見させられてるしなッ!」
「そ、そうそう!精神攻撃をしてくれれば、戦闘面で不調になってくれるかもしれないし!!」
「わ、悪い話じゃないよな!!」
そんな幹部達を呆れたように見て、ルルーシュは朝比奈に聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いた。
「・・・高校生にビビってどうするんだ・・・。」
「いやいや、ミレイさんって怖いって。」
にこにこと笑いながら言った朝比奈を見上げ、ルルーシュは首を傾げた。
「そうですか?」
「(うん、ルルーシュ君には絶対黒い部分は見せないからねぇ。)そうだよ。俺の最大のライバルだと思ってたから。」
「ライバルって・・・あり得ませんって。」
「(イヤイヤ、かなり本気に近いと思うんだけど・・・)そうかなぁ?・・・まぁ、でも、これからはルルーシュ君と日がな一日一緒にいられるんだよねぇ。嬉しいなぁ。」
そっとルルーシュの手を握る朝比奈に、ルルーシュは恥ずかしそうにしながらもその手を握り返す。
「・・・俺も、嬉しいです。」
「うん。・・・たまには、ナナリーちゃんにも会いに行こうね?」
「ありがとうございます。省吾さん・・・俺だけじゃなくて、ナナリーまで。」
「いいんだって、俺は、ナナリーちゃんを愛してるルルーシュ君が好きなんだからさ。」
そう言って、朝比奈はルルーシュの肩を抱き寄せる。
「これからは、ずっと一緒だよ。」
耳元で優しく告げると、ルルーシュは顔を真っ赤にして小さく頷いた。
「・・・はい。」
ミレイとリヴァルに合格を貰った面々がホッとしたのもつかの間、甘い空気を醸し出していた朝比奈とルルーシュに気付いて、またも背後の2人の空気が氷点下まで落ちたのに気付き、胃がしくしくとしだすまであとわずか・・・?
君とずっと一緒 【完】
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・貴方と出会った日からシリーズ 続編
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・カレン・藤堂 キャラ壊れ注意報!
・ミレイ・リヴァルはルルが大好きです
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
黒の騎士団・幹部のラウンジ
今、幹部達は猛烈に緊張していた。これからくる新しい2人の仲間について、C.C.や朝比奈。更にはカレンにまで様々なことを吹きこまれてしまったからだ。
曰く・・・2人のささやかな(!?)厭味で、枢木スザクが1日廃人と化してしまった。とか、あのルルーシュですら敵わない(イベントの)計画を毎度実行しているとか・・・。
「な、なぁ、カレン・・・ほ、本当に、今日、来るのか?」
「はい。・・・ルルーシュもナナリーちゃんと別れてこちらに向かうって、さっき、連絡ありましたから・・・多分、2人にも連絡が行ってると思いますし、ここで合流って話を昨日もしてましたから。」
ニコリ。
カレンは清々しい笑みを浮かべている。それもこれも、昨日のスザクの様子に思い切り笑ったおかげだろう。
昨日のスザクときたら、それはもう、真っ白になったというか、つついたらガラガラと崩れそうというか。それが、ミレイとリヴァルの意趣返しのせいだと後で知り、笑いが止まらなかった。
まあ、いつも、苦汁をのまされている身としては、良い気味と思いこそすれ、同情など出来るはずもないだろうし、きっと、人の不幸を喜んでも許されるはずだ。
「扇さん。大丈夫ですよ。・・・ルルーシュの味方にはそんなひどいことしませんから。」
あまりにも怯えている風な扇達に、少し脅しすぎたか、と反省して、カレンは苦笑した。
「そ、そうか?・・・でも、ルルーシュ君にも嫌がることをさせたとか・・・。」
「ああ、ただの(男女逆転祭りの)イベントでですよ。害があったわけじゃないんですよ。似合いすぎるルルーシュが悪いんです。」
「???」
首を傾げる扇に、思わずあの時の写真を見せたくなるカレンだが、朝比奈に見せた時に、ルルーシュがこの世の終わりのような顔をしていたのを思い出して、2度とすまい(自分がやられたら嫌だし、あんまりにもかわいそうだった。)と誓ったのだ。
「ま、とにかく、来るのは学生なんですから。しっかりして下さい。扇さんは副指令なんですよ!」
「あ・・・ああ。」
頷く扇は、未だに不安そうにしているが、きっと2人を見たら拍子抜けするだろうとカレンは思う。本当にただの学生なのだ。ただ、ルルーシュをとても大事に思っているだけで。・・・大事な人を守る。そのためなら、人は強くなれる。
カレンだって、ゼロのためならばどこまでも強くあれると思った。それが、ルルーシュで、元皇族だったと知った今でも、気持ちは変わっていない。
「(そりゃ、少しは驚いたけど・・・でも、ルルーシュが反逆をしていた理由を知ってしまえば、ね。)」
話には聞いていたものの、先日の過去の映像はモロに涙腺にキた。あんな思いをして、それでも、ブリタニアを憎まずにいるとしたら、それはもう、心が壊れてしまっているのではないだろうか、と思うのだ。
それに、ルルーシュは力を手に入れたのだ。“ギアス”という不可思議な力と、自分達・黒の騎士団・・・。
「カレン?」
「あ、ごめんなさい。ちょっと考え事・・・。」
思考を飛ばしていたカレンは、扇に声をかけられて、現実に戻ってくる。
「大丈夫か?何か、心配なことでも・・・。」
「ううん。・・・違うんです。・・・ルルーシュを守ってくれる人がもっと増えたらいいのにって。彼にはもっともっと味方が必要なんです。心の底から信用できる味方が。・・・それに一番相応しかったはずの奴は敵になってしまって。どれだけ傷ついたか知りもせず、平然と隣にいて。ルルーシュが優しいから・・・その優しさに甘えて・・・。ああっ!思い出したら腹立ってきた!!!絶対、学園に来たら、厭味を言いまくってやる!!」
悲しそうに呟いていたはずのカレンが、いきなり拳を握り、怒りの形相で叫んだので、扇達はびくぅっ!と怯え、カレンを見る。
「・・・か、カレ~ン・・・?」
井上がどうどう、と背中をさすると、カレンはハッとして慌てて笑みを浮かべた。
「あ、あはは、す、すみません。なんだか、すっごくスザクに腹立ってきて・・・。」
フラストレーションがたまると叫びたくなるものだ。ましてや、カレンは学園では病弱なお嬢様設定。更には、事情は知らないということになっているために、ミレイやリヴァルのように思い切りスザクにやつあたることはできないのだ。
「フフフ・・・。遠まわしにじわじわと真綿で首を絞めるように・・・。」
カレンが怖い。とにかく怖い。幹部達は触らぬ神に祟りなしと判断して、しっかりとカレンから距離を取った。
「・・・あれー?どうしたの?」
ひょこひょことやってきた朝比奈が首を傾げる。
「あ・・・いや・・・。」
扇が言い難そうにしていると、カレンがくるっと振り返る。
「朝比奈さん、ルルーシュはいつ来るんですか?もうそろそろですよね?」
「あ、そうそう。それを言いに来たんだよ。さっき、租界のはずれでミレイさんとリヴァル君と合流して、こっちに向かってるってさ。」
「じゃあ、3人でこっちに?」
「あぁ、C.C.が迎えに行ったよ。」
すっかり、ルルーシュを落としてしまった朝比奈は、かなり余裕だ。以前なら食ってかかりそうなくらいに親密に話していても、余裕の態度を崩さなくなった。幹部達の間では、とうとう一線を越えたか?という噂が立っている。(主に玉城が。)
「じゃあ、安心ですね。」
「そうそ。ああ見えて、C.C.は強いから。・・・それに、ミレイさんもリヴァル君も意外とやるからねぇ。」
ニコニコと答える朝比奈に、カレンも微笑む。
「ようやく、ルルーシュとあいつを引き離せましたね。」
「うん。・・・ようやくだよ。あの子がどれだけストレス溜めてたんだと思うと、もう、イライラするよね。俺は戦場でしか報復できないからさ、紅月さんとミレイさんとリヴァル君に学園の方は任せるから♪」
「まっかせてください!!もう、ギッタンギッタンに・・・。」
「・・・何がギッタンギッタンなんだ?」
カレンの言葉を遮って、戸惑ったような声が響く。
「あ、ルルーシュ君。おっかえり~v」
にこぉ、と笑って、朝比奈が手を振ると、ルルーシュは嬉しそうに笑って、朝比奈の傍に駆け寄る。
「ただいま、省吾さん。」
特別仕様の笑みを、朝比奈に向けると、後ろからついてきていた2人組がムッとする。
「あっれー。朝比奈さん、なんかルルーシュにやりました?」
言葉を先に発したのはブルーの髪の少年、リヴァルだった。その眼には剣呑な光を帯びている。
「え~。何もしてないよ~。ね?ルルーシュ君ッv」
「ほぅあ!!?」
「「ぁああああっっ!!!」」
ぎゅう、とルルーシュを抱きしめた朝比奈に、2人の声が揃う。
「ちょ、ちょっとちょっとぉ!!朝比奈さん!!言いましたよね!!ルルちゃんが成人するまでは一線越えないでくださいねって!!!」
慌てる金髪の少女・・・ミレイに、朝比奈はひらひらと手を振った。
「越えてないよ~。抱きしめてるだけ~。」
「・・・ううう。俺らが見てないとこで、ルルーシュが確実に陥落されてる気がするのは、俺だけっすか~?会長~。」
「カレン~・・・朝比奈さんが暴走しないように見ててって言ったわよね~?」
「・・・あ、いえ、暴走しては無いですよ・・・一応。」
恨めしげなミレイとリヴァルの視線を受けて、カレンは口の端を引き攣らせる。
「ミレイ・・・リヴァル。」
困ったようにルルーシュが2人の名を呼ぶと、2人はうっと詰まる。
「・・・俺が、もう、省吾さん無しじゃいられないだけなんだ・・・言い出せなくて、ごめん。大丈夫だよ。省吾さんは俺のこと、本当に大切にしてくれてるから・・・。」
「・・・うあ、惚気!?・・・あのルルーシュが!!・・・ああ・・・マジで朝比奈さんに陥落したのかぁ。」
さめざめと泣くふりをするリヴァルに、ルルーシュは朝比奈から離れて、苦笑する。
「祝福してくれるんだろ?悪友さん?」
「くやしいけどなぁ、まあ、俺は悪友だし?祝福するって。・・・ただし、泣かされたら俺に言えよ~。天才剣士だろうが四聖剣だろうが、俺がボコってやっからな!!」
ガシッと手を掴まれれば、曖昧にルルーシュは頷く。
「あ、ああ。・・・勝てないと思うけどな、お前じゃ・・・;」
「なにも素手とは言ってないって。・・・いくらでもあるじゃん?月下をいじるとか。」
「いやいや、ラクシャータに怒られるから(汗」
「ありえないから大丈夫だって。・・・まあ、改めまして、黒の騎士団へようこそ。ミレイさん、リヴァル君。」
苦笑した朝比奈が、慌てるルルーシュの頭を撫でて、これが彼らなりの自己紹介なんだよ、と言う。
「ふふ。初めまして。ミレイ・アッシュフォードです。アッシュフォード学園の生徒会長をしてます。これから、よろしく~。まあ、情報担当として見てもらえればオッケーかなって思います。」
「ミレイの婚約者は、スザクの上司なんだ。」
ルルーシュの捕捉に、幹部達は、おお~と声をあげる。
「って、良いのか。」
「良いんですよ~。あっちもうちのガニメデが目当てみたいですし。」
その一言で、幹部達はミレイの人と為りを把握してしまう。言い聞かされていたことは、けして大げさではないと悟ったのだ。
「あ、次~。俺はリヴァル・カルデモンドって言います!一応、ラクシャータさんに弟子入りするってことになってるんで、技術班ってことになります!」
ビシッと敬礼したリヴァルに、ラクシャータが近寄ってくる。
「よろしくねぇ。・・・アッシュフォードのガニメデいじってたのよね~?」
「はい!」
「じゃあ、即戦力になりそうねぇ。厳しいわよぉ~?」
「頑張ります!!」
ここに(ある意味最も危険な)師弟関係が出来上がった。
「リヴァル君を怒らせるのはやめとこう・・・。本気で細工されそう。」
朝比奈の呟きに、その場の(特にナイトメアに乗る)面々がギョッとする。
「あ・・・ええと、歓迎するよ。俺は副指令の扇だ。」
扇が右手を差し出すと、ミレイがにっこりと笑ってその手を握った。
「よろしく。・・・まぁ、サポート的な立場になると思いますけど、アッシュフォードからも資金の支援をすることを決定しましたので。ルルーシュ様のこと、よろしくお願い致します。」
「っ・・・あ、ああ。」
静かな威圧に、扇は息を呑んで、頷いた。
「ミレイ君、リヴァル君、来たのか・・・。」
「あ、藤堂さんだ~。こんちわ!・・・仙波さんも卜部さんも千葉さんもお久しぶりで~す!」
出迎えに出てきた藤堂達に、リヴァルがブンブンと手を振る。それに苦笑しながら、藤堂も軽く手を挙げた。
「あの会議以来だな。」
「・・・そうですね。学園の方は無事。滞りなく済みましたので。」
「そうか。・・・スザク君は?」
「カレンから聞いてません?・・・まあ、それは後ほど。」
ミレイと藤堂が話し込むのを見て、どうやら自分達の預かり知らぬところで話は進んでいたのだと理解して、幹部達はがっくりと肩を落とした。
「と・・・藤堂さん。その、会議って?」
「・・・ああ“ルルちゃんを逃がそうの会”会議だ。」
「「「「・・・・・・・・・・・・え?」」」」
今、奇跡の藤堂から奇跡的に似合わない言葉が出なかったか?と幹部達は己の耳を疑った。
「す・・・すみません、もう一度・・・。」
扇が言うのに、藤堂は少し首を傾げ、それでも堂々と言い切った。
「“ルルちゃんを逃がそうの会”の会議だ。・・・命名はミレイ君だったな。」
肩を震わせ、隅の方で笑う仙波・卜部・千葉。そして、カレンやミレイ、リヴァルまでもクツクツと笑っている。朝比奈やルルーシュはもう慣れたとばかりに平然としているが、当初、藤堂がその名を口にした時は呆然としたものだ。(その後朝比奈は爆笑した。)
「・・・る、ルルちゃんを逃がそうの会・・・で、ですか。」
「ああ。」
藤堂が真面目くさって言っているために、扇を筆頭に、幹部達は必死に笑わないように耐えるのがやっとだ。
「そ・・・そうですか。・・・こ、今度からは、俺達もその会議には混ぜてもらえるんでしょうか?」
「いや、目的はルルーシュ君を学園から出すことだったからな。もう、会議は行わないと思うが・・・。」
藤堂が困ったようにミレイを振り返る。会議を企画したのも、全て、ミレイの一言からだったのだから。
「そうですね。“ルルちゃんを逃がそうの会”は終わっちゃいましたから、別の会議に参加してもらいます?」
ミレイが良い笑顔を浮かべて首を傾げる。
「別の会議?」
意味を解せなかった扇が訊き返すと、ミレイは胸を張って言った。
「もっちろん!“スザク君にモノ申すの会”よ!」
「体力だけは有り余ってますからね、あいつ。戦闘面は黒の騎士団に任せるとして、精神攻撃をしようかと思ってて、今、俺と会長とカレンが会員なんっすよ。」
いつの間に、と目を見開いたのはルルーシュ。
「あっれ~、何で俺に声かけてくれないかな~?」
そのルルーシュの隣で、朝比奈が言うと、ミレイはにっこりと笑った。
「じゃあ、朝比奈さんもどうぞ?・・・で、皆さんはどうなさいます?」
ミレイの笑顔が一瞬黒く見えた幹部達だ。一斉にコクコクと頷いて、口々に参加を表明する。
「ま、まあ、白兜にはいつも痛い目見させられてるしなッ!」
「そ、そうそう!精神攻撃をしてくれれば、戦闘面で不調になってくれるかもしれないし!!」
「わ、悪い話じゃないよな!!」
そんな幹部達を呆れたように見て、ルルーシュは朝比奈に聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いた。
「・・・高校生にビビってどうするんだ・・・。」
「いやいや、ミレイさんって怖いって。」
にこにこと笑いながら言った朝比奈を見上げ、ルルーシュは首を傾げた。
「そうですか?」
「(うん、ルルーシュ君には絶対黒い部分は見せないからねぇ。)そうだよ。俺の最大のライバルだと思ってたから。」
「ライバルって・・・あり得ませんって。」
「(イヤイヤ、かなり本気に近いと思うんだけど・・・)そうかなぁ?・・・まぁ、でも、これからはルルーシュ君と日がな一日一緒にいられるんだよねぇ。嬉しいなぁ。」
そっとルルーシュの手を握る朝比奈に、ルルーシュは恥ずかしそうにしながらもその手を握り返す。
「・・・俺も、嬉しいです。」
「うん。・・・たまには、ナナリーちゃんにも会いに行こうね?」
「ありがとうございます。省吾さん・・・俺だけじゃなくて、ナナリーまで。」
「いいんだって、俺は、ナナリーちゃんを愛してるルルーシュ君が好きなんだからさ。」
そう言って、朝比奈はルルーシュの肩を抱き寄せる。
「これからは、ずっと一緒だよ。」
耳元で優しく告げると、ルルーシュは顔を真っ赤にして小さく頷いた。
「・・・はい。」
ミレイとリヴァルに合格を貰った面々がホッとしたのもつかの間、甘い空気を醸し出していた朝比奈とルルーシュに気付いて、またも背後の2人の空気が氷点下まで落ちたのに気付き、胃がしくしくとしだすまであとわずか・・・?
君とずっと一緒 【完】
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