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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・カレルル
・カレンにのみ皇族バレ
・カレンはとてもお利口さんで、1つで10のことを理解しちゃいます
・騎士団幹部には顔とランペルージ姓までバレ
・シー様はCPとは別枠な特別配置w
・捏造満載w

以上、同意できる方のみ↓へ・・・









「・・・カレン、聞いて、いた・・・のか?」

 目を丸くしたその顔を見て、カレンは思わず苦笑をうかべてしまった。そんな顔、学園では見たこともないのに、こんな場所で見ることが出来るなんて。





 作戦終了後の和気藹々とした雰囲気。その輪の中にゼロの姿はない。カレンはそっとその輪の中から離れて、ゼロの部屋に向かう。

 親衛隊長に任命されたとしても、その部屋の中に入ることまでは許されていない。けれど、声をかけることくらいは出来る。カレンは、ゼロもあの輪の中に入って欲しかったのだ。

 ドキドキとしながらゼロの部屋の前に立つ。その名を呼ぼうとして、口を開く。その時、部屋の中から声が漏れ出てくる。

『・・・フフ。とんだ甘ちゃんだ。』

 C.C.の愉悦を含んだ声に、機嫌悪く応じる声がする。カレンは思わずドアに耳を押しあてる。

『わかっているのか?・・・あいつらの目的とお前の目的は全く別の場所にあるだろう?』

 目的が別とはどういう事だ?とカレンは首を傾げる。

『・・・わかっている。騎士団の目的はあくまで日本を取り戻すこと・・・俺の目的はその先・・・ブリタニアの崩壊。』

 ゼロの声をハッキリとその耳が捉えた瞬間、カレンはぐわん、と頭を殴られたような衝撃を受けた。ゼロは目的が違うことを肯定した。それは、いずれ、自分達と別離すると宣言しているようなものだ。

「・・・嘘・・・。」

 ショックが強すぎて、がくがくと膝が震える。

『だが、日本を取り戻すまでは、俺は、あいつらを・・・。』

『だから、お前は甘ちゃんだと言うんだ。・・・そんなことにかまけていて、もし、お前の大切なものが奪われたら、どうするつもりなんだ?』

『それは・・・。』

『優先順位を間違えるな、と言ってるんだ。私は。・・・騎士団に固執して、本来守るべきお前の願いの原点を失ってしまっては、本末転倒だろう?』

 C.C.の言うゼロの願いの原点とは何だろうと思う。ごくり、とのどを鳴らし、ドアにしっかりと耳をつける。

『・・・俺は・・・あの子を・・・ナナリーを守るために・・・。』

「・・・っ!?」

 カレンは目をこれでもかと見開いた。聞き覚えのある名。それをゼロが口にした。そして、以前、自身が“彼”を疑ったことを思い出す。

 だが、それは、あの時に否定されたはずだった。だが、良く考えてみれば、あの程度のことを偽装することなんて、“彼”には簡単だったはずだ。クラブハウスは、“彼”のテリトリーなのだから。

『フン、わかってるじゃないか。・・・もし、ナナリーが抑えられたりでもしたら、お前は動けなくなる。・・・ゼロとしても、ルルーシュとしても、な。』

 決定打だ。はっきりと名前を出され、カレンはああ、と嘆息した。

「・・・そっか・・・でも、どうして・・・。」

『ブリタニアをぶっ壊す。・・・そうしなければ、俺もナナリーも本当の意味での平穏を得られない。』

『そうだな・・・ブリタニアに連れ戻されれば、お前達はまた政治の道具にされる。・・・今のルルーシュなら、1人で切り抜けることも可能だろう。だが・・・。』

『俺にはナナリーがいる。あの子を押さえられてしまえば・・・俺にはもう、何も出来ない。・・・だから、ブリタニアを・・・。』

「政治の道具にされる・・・って、どういうコト?」

 カレンがもっと詳しく聞こうと耳を押し付けようとした瞬間、シュッとドアが開いた。

「「っ!?」」

 ルルーシュとカレン、2人が同時に息を呑む。そして、ドアを開けた張本人、C.C.はクスリとその様子を見て笑った。

「立ち聞きとは・・・随分とお行儀が悪いお嬢様だな?」

「・・・カレン、聞いて、いた・・・のか?」

 仮面を手に、こちらを見るルルーシュの呆けた顔を見て、カレンは思わず苦笑をうかべた。

「はじめて見たわね、あんたのそんな顔。」

「・・・あ・・・。」

 自分が仮面を被っていないことに改めて気づいたルルーシュはバツの悪い表情になる。

「・・・自分で言うのもなんだけど、意外と冷静なのよ、私。・・・続き、聞かせてくれないかしら?」

 カレンの言葉に、ルルーシュは眉根を寄せた。

「・・・どこからどこまで聞いていた?」

 案外ルルーシュも冷静らしい。カレンは小さく笑って、肩を竦めた。

「・・・目的が騎士団とあんたとでは違うってところからずっと聞いてたわ。」

「・・・ほとんど最初からじゃないか・・・。」

 がくりと肩を落とすルルーシュに、カレンはクツクツと笑う。

「しょうがないでしょ。ゼロを呼びに来たら、意味深な会話をC.C.とゼロがしてるんだもの。・・・ついつい、立ち聞きだってしたくなるわよ。仮面の指導者ってだけで、ゼロのことは何も知らないんだから・・・。」

「・・・それは・・・。」

 言いよどむルルーシュに、カレンは困惑する。はっきりと言い返されると思ったのだ。“お前達は知る必要はない”と。

「・・・だから甘ちゃんだと言うんだ。・・・ほんの少し肯定されたくらいで、もう、カレンを懐の奥深くまで入れてしまったか?」

 それはどういう意味だとカレンが視線で問えば、C.C.はしれっと答えた。

「こいつはな、いったん懐に入れてしまった奴にはとことん甘くなる。だから、枢木スザクを追い詰めることはしても完全に抹殺するような計画は練れない。・・・騎士団の連中も、もう、たとえ、状況が悪化したとしても切り捨てることはできないだろうな。・・・カレン、お前も含めて。」

「C.C.!!」

 図星をさされたのか、幾分か顔を赤らめてルルーシュが講義するが、C.C.はそんな声もどこ吹く風、だ。

「・・・それはありがたいわね。・・・で、政治の道具にされるって、どういうコト?あんた達は、ブリタニアにとって何なの?」

「・・・カレン・・・俺は・・・・・・俺とナナリーは。」

 言葉を切って、ルルーシュはカレンをひたと見据える。あれだけ生徒会でははぐらかし続けたルルーシュが、今は視線を真っ直ぐこちらに向けている。ドキドキと胸が鼓動を打つのを感じながら、カレンはこくりと1つ頷いて続きを促す。

「・・・あんたとナナリーは、何?」

「・・・ブリタニアの皇族、なんだ。」

 絞り出すように告げられた言葉に、カレンは一瞬目を瞠り、そして、穏やかに笑った。

「・・・そう。・・・ミレイ会長はそれを知ってたりする?」

 生徒会の中でも特にルルーシュとミレイの関係は親密だ。クラブハウスに住ませているという時点でアッシュフォードも関係しているだろうと思う。

「・・・ああ。俺達はブリタニア皇室から逃げている。そして、匿ってくれているのが、アッシュフォード家だ。・・・偽の経歴を用意したのもミレイの祖父・・・アッシュフォード学園の理事長だからな。」

「理解したわ。・・・でも、何で逃げてるの?・・・今までの話だけじゃ、そこまではわからないわ。」

 カレンが言えば、ルルーシュは自棄になったらしい、ソファーにドカッと座って、対面する席をカレンに勧める。
「長い話になる。・・・とりあえず座ったらどうだ?・・・あと、C.C.!ドアを閉めて、ロックをかけておけ。」

「はぁ、人使いが荒いなお前。」

 文句を言いつつも、ドアを閉めてロックをかけるC.C.を確認し、ルルーシュは語り始めた。





「・・・そんな・・・じゃあ、貴方達・・・。」

「ああ。本来の名を使えず、校外で目立つことは許されず・・・ただ、息を潜めて暮らしてきた7年間。・・・もう、いい加減にウンザリなんだ。今まで匿ってきてくれていたアッシュフォードには悪いが・・・力を得た以上は・・・。」

「力?」

 母を失った事件、そして、日本へ送られたこと、全てを聞いて、カレンはもう、ルルーシュを嫌っていたことを記憶の彼方へと吹き飛ばしていた。

 今、心を占めているのは“この人を守りたい”その想い1つだけ。

「・・・それは・・・ギアスという力だ。・・・人によって現れる力は違うが、俺の場合は“絶対遵守”という力を得た。」
「“絶対遵守”?」

「ああ。・・・1人につき1回・・・命令を強制することが出来る。・・・実は、君にもかけたことがある。」

「私にも!?」

「・・・ああ。・・・シンジュクのことを忘れろと言ったことがあったろう?」

「あったわね。私、それであなたがゼロじゃないかって・・・そう、思ったんだもの。」

 思い返して、そして、記憶の齟齬があることに気付く。

「・・・なんか、その前の記憶があやふやだわ。」

「・・・ああ。その前の時に、君にギアスをかけている。シンジュクで何でブリタニア人の君がテロなんてものに参加していたのかと聞いたんだ。」

「・・・私、なんて答えたの?」

「・・・日本人とブリタニア人のハーフだから、と。」

 ルルーシュは素直に答える。カレンには怒る権利があった。が、カレンにとって、それは別にどうでも良いと思えた。大したことではない。ハーフだと知られたところで、自分に恥ずべきところなど無いのだから。

「・・・それを聞いただけで済ませちゃったわけ?」

「・・・その時は回数制限があるとは思わなかったんだ。」

 ムスッとしたルルーシュを見て、カレンは可愛いな、と思う。

「そう言うコト、か。・・・あ、そうだ。ねぇ、ルルーシュ。お願いがあるんだけど。」

 カレンが良いことを思いついた、というような顔をするのに、ルルーシュは小首を傾げた。

「・・・何だ?」

「その前に確認して良い?・・・ルルーシュには騎士はいないのよね?」

「・・・ああ。皇室にいた頃は幼かったし・・・今は、こんなだしな。」

 不思議そうにしつつも素直に答えるルルーシュ。彼の懐に入れて貰うというのはこういうことか、とカレンはC.C.の発した言葉に今更ながらに納得した。

 以前のルルーシュに比べ、カレンに対し、あまりにも素直。あまりにも無防備。そう言える態度なのだ。カレンはますます“守りたい”という思いを募らせる。

「・・・あのね・・・私を貴方の騎士にして欲しいの・・・。」

「・・・・・・っ。」

 ルルーシュはアメジストの瞳をこれでもかと見開いて、息を呑んだ。





「あ、カレン・・・どこに行っていたんだ?」

 扇がラウンジに戻って来たカレンに声をかける。

「ゼロのところに。・・・もうすぐ来るそうですから。」

 にこり、と笑うカレンに、その場にいる幹部達全員が違和感を覚える。

「・・・紅月君・・・一体どうしたんだ?ゼロに何かあったのか?」

 藤堂が眉を顰める。が、カレンはゆるりと首を横に振って、微笑みを浮かべるだけ。

 その表情を見て、井上がああ、と呟く。

「なんか違うと思ったら・・・カレン、貴女、なんでそんなに余裕があるの?」

 井上の言葉に、他の幹部達もその違和感の正体に気付いて首を傾げる。

「いえ・・・余裕って言うか・・・。」

 くす、と笑うカレンに、ますます首を捻る幹部達。

「・・・カレン・・・。」

 その時、カレンの名を呼ぶ声が聞こえ、幹部達はラウンジの入り口に視線を向け、そして、絶句した。

「・・・っんな!?」

 パクパクと口を開いたままに、声を発した本人を指差す玉城。

「・・・人を指差すなと・・・親に教わらなかったのか、おまえは。」

 不機嫌そうに呟いて、指さされた本人、ゼロは眉を顰めた。・・・そう。“ゼロは眉を顰めた”のだ。幹部達からもその表情ははっきりと窺えた。

 なぜなら、ラウンジにやって来たゼロは、仮面をつけていなかったから。かろうじて服装からゼロだとわかったが、そうでなかったら、なぜ、こんな処にブリタニア人の少年がいるのかと大騒ぎになっていたことだろう。

「・・・早かったんですね。ゼロ。」

 平然と言ったカレンに、ようやく皆がカレンの余裕の正体に気付いた。

「・・・カレンが言ったんだろう?・・・大丈夫だから、と。」

 肩を竦めたゼロは、フッと苦笑をうかべた。彼の人間らしい表情に、幹部達は呆然となる。超人然としたゼロのイメージがガラガラと音をたてて崩れていく。

 そのイメージ故か今まで気にも留めなかったほっそりとした体躯に、万人に美しいと言われるだろう顔。それだけを見れば、こんな子供に今まで良い大人が頼り切っていたのかと愕然とする。

「じゃあ、お願いします。」

「・・・本当にここでやるのか?」

 カレンがニコニコと言うのに、ゼロは困ったように幹部達を見る。視線を送られた幹部達の方も困惑してカレンを見る。

「・・・ちょ、待てよ。何をここでやるっつんだよ?ってか、ホントに、こいつ、ゼロか?」

「玉城は黙ってて。話がややこしくなるわ。」

 カレンにスパッと言い捨てられて、玉城はガクっと肩を落とす。

「・・・な、なあ、カレン。玉城の言うことも尤もだぞ?俺達は、何も知らないんだ。・・・説明くらい。」

「・・・扇さんがそう言うなら・・・。」

 扇に言われた瞬間素直に頷いたカレンに、周りは呆れつつもようやく説明してくれるのか、とホッとする。

「・・・彼はゼロで間違いありません。えっと・・・。」

 カレンが振り返る。すると、ゼロは首を傾げ、それから、ああ、と納得のいった顔をした。

「カレンの言うとおり、私はゼロだ。・・・そうだな、表の名はルルーシュ。ルルーシュ・ランペルージ。・・・他に聞きたい事はあるか?」

 そう言われたものの、一体何を聞くべきか戸惑い、皆が質問を口に出来ないでいる。

「・・・因みに、ゼロは私と同じ、アッシュフォード学園に通っているわ。えっと、生徒会もクラスも同じ・・・そうですよね。」

 カレンはゼロ、ルルーシュの表情を窺いながら情報を開示する。ルルーシュはそんなカレンに苦笑を浮かべつつ頷く。

「・・・そうだな。」

「・・・ってことは、カレンと同じ歳かよっ!?」

 杉山がギョッとして叫ぶ。見た目からして若いと思ったが、まさか、エースパイロットと同じ年とは思いもしなかったのだ。

「・・・もう、良いでしょう?・・・さぁ“ゼロ”お願いします。」

 カレンはそう言って、ルルーシュにせがむ。

「・・・わかった。言っておくが、ブリタニアの制度になんか則らないぞ?」

「もちろんです。ここは黒の騎士団・・・日本ですから。」

「・・・なら、日本式にするべきかな?」

 くすりと笑って、ルルーシュはカレンの前に立つ。カレンもつられる様に笑い、ルルーシュの前に膝をつく。

「・・・永遠の忠誠を、貴方に。」

「・・・許そう。・・・そして、君に永遠の信頼を・・・我が紅蓮の騎士、紅月カレン・・・。」

 その件(くだり)でようやく幹部達は目の前で行われているものが何なのかを悟る。

 それは、テレビで中継されたユーフェミア皇女と枢木スザクのものよりも遙かに簡素な言葉。だが、それ以上に親愛がこもっていて、厳かな儀式。

「必ずやお守り致します・・・我が君。」

 そう言って顔をあげたカレンは、歓喜で頬が紅潮し、そして、愛おしそうにルルーシュを見つめる。

「・・・ありがとう。」

 ニコリと笑い、ルルーシュはカレンに手を差し伸べる。その手を取ったカレンを立ち上がらせると、幹部達の方を向く。

「・・・少し、ブリタニアの騎士に対抗してみたくなってな?」

「こんなことしなくても、充分なんでしょうけど。・・・でも、形も大切だから。・・・皆にも見届けて欲しかったの。」

 そう言う2人の間には強固な絆があって。幹部達にもそれは強く感じられて・・・徐々に笑みが広がっていった・・・。


 おしまい☆


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