Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・スレナルですが、最年少暗部の設定ではありません
・↑なので、カカシはスレナルを知りません
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
ナルトは先生の忘れ形見で、九尾の器。ただ、そうとしか思ってはいなかった。
波の国から帰って来てから、ナルトの様子がおかしい事に気づいた。必要以上にサスケにちょっかいを出したり、かと思えば、ぼんやりと顔岩を眺めたり…。
最初は大した事はないと放っておいた。が、サクラがそのわずかな違いを敏感に感じとった。幻術の才能があるだけに、その観察眼は信頼できる。
そして、言われて初めて気づく。些細な、しかし、決定的な違いが見えてきたのだ。
「ナールト?…どうしたの。お前らしくないね。」
どうにかしてくれとサクラに泣きつかれ、カカシはナルトに声をかけた。
「俺らしいって、何だってば。」
返って来たのは、可愛らしくもないひねくれた言葉。
「お前らしいっていうのは、お前が1番よくわかってるんじゃないの?」
カカシは大人気ないと思いつつ、つい、意地悪な言い方をしてしまう。
「……まぁ、そうだってばね。」
しかし、ナルトは殊勝にもうなずいて、肯定してみせる。
「…何かあったのか?」
そう訊ねれば、ふるりと横に首を振る。
「別に。何でもないってば。…カカシ先生ってば、疲れてんじゃねーのかってばよ。」
フイっと顔を逸らすナルトに、やはり、違和感を感じる。
「サクラも気づいたんだよ。…から元気というか、まるで、演技しているみたいだって。…俺もそう思うんだけどねー。」
カカシの言葉にピクリとナルトは肩を揺らした。
「サクラちゃんが…。」
「そ。…で?いつも元気なお前が、から元気な理由は、何なわけ?」
軽い調子で聞かれ、ナルトはむっつりと黙り込む。
「ん~…黙られると、先生、困っちゃうなぁ…。」
困ったように笑い、ナルトを見つめる。
「…放っておいてくれってばよ。何でもねーし。」
まるで、線を引かれ、ここから入ってくるなと言われているようで、カカシは何も言い返せなくなる。
「もう、良いってば?…俺ってば、帰ってしゅぎょーするんだってばよ~!」
ニカリと笑い、ナルトは呼び止める間もなく、走り去ってしまった。
「あーぁ。…どうしようかねぇ…火影様には言っといた方が良いよなぁ…。」
ナルトの担当を言い渡した三代目が、己に何を期待しているのか、わかっているつもりだ。
ナルトの行動を逐一報告している訳ではないが、大きな変化があったときには、三代目にナルトの様子を知らせている。
波の国の件で、九尾のチャクラが漏れ出していたと報告したら、ひどく動揺していたのを覚えている。
「ま、ナルトをもう少し観察してみようかねぇ…。」
カカシは呟いて、瞬身の術を使った。
一方、ナルトは三代目の執務室にやってきて、盛大なため息をついていた。
「はーぁ…カカシ先生はともかく、サクラちゃんにまで気づかれてるなんて…最悪。」
執務机にもたれかかって、ブツブツと不機嫌に呟くナルトを見つめて、三代目は苦笑する。
「大変じゃったのう…。」
「…他人事だと思って…(‐‐*)」
じろりと睨めば、三代目は降参とばかりに手を挙げる。
「で…でも、頃合いではないのか?…波の国での話は聞いたが、カカシは信用できるじゃろう?」
「まぁ…さすがに四代目の教え子だけはあるけどさ。」
ナルトはけして四代目を父とは呼ばない。意識してはいないだろうが。
カカシをナルトに付けたのは、四代目の事をそれとなくナルトに伝えてくれるだろうと考えたから。それに、カカシはナルトを九尾と同一視はしないだろうという、自信があったからだ。
「…でもさ、九尾と同一視はしなくても…騙してたって知れば、きっと離れてく。…それが怖い。…もう、あの第7班は、俺の居場所の一つになってるから。」
珍しく素直にナルトが自分の感情を吐露する。それだけでも、相当参っていることがわかる。
「今日はもうよい。家へ帰って休みなさい。…疲れておるのじゃよ。」
見かねた三代目がそう言い渡すと、ナルトはふるりと横に首を振る。
「だって、任務溜まってるじゃん…これ、どうすんの?」
ひらりと依頼書をつまみ上げ、ナルトは三代目を見つめる。
「…しかしのぅ。ナルトに倒れられれば、それこそ困ってしまうんじゃが。…お主1人で暗部数人の働きはしてくれるからのー…。」
困ったように笑い、三代目はナルトの手から、依頼書を取り上げる。
「今日はゆっくり休みなさい。…それが任務じゃ。」
「…ちぇ。わかったよ。…じゃ、本当にどうしようもなくなったら、ちゃんと俺を呼べよ?…じぃちゃんには感謝してるんだ。こうやって普通の暮らしをさせてくれててさ。」
「ナルト…ワシは…いや、何でもないわい。…もう下がりなさい。」
言いかけた言葉を飲み込み、三代目はひらひらと手を振る。
三代目が何を言いかけたのか、ナルトにはわかっていた。
「(大方、里の為に犠牲になっただのと言いたかったんだろうな。…確かに少し前までやたらと冷たい視線で見られてはいたけど…最近は大分和らいだ気がする。…だから、平気なのに。)」
未だに九尾の事を引きずる者は多いが、12年も経てば、環境も変わるし、冷静に振り返る事もできる。
「じゃ、お言葉に甘えて。」
ナルトはそう言って三代目に背を向ける。
「カカシ先生が来たら、適当にごまかしておいて。…じゃ、また明日。」
ひらりと手を振り、ナルトは執務室から出て行く。
「…四代目…あの子は、年々お主に似てきておる。…悲しいくらいに優しい子じゃよ。」
三代目は呟いて、深くため息をつく。
「火影様…どうかなさったんですか?そんなため息をついて。」
突然の声にも動じた様子を見せず、三代目は、後ろを振り返る。
「カカシか…どうしたんじゃ?」
「いえ…ちょっと、ナルトに気になることがありまして、ご報告に。」
「そうか…して、気になることとは?」
「最近、から元気というか…違和感があるんですが。…さっきも捕まえて、話をしようとしたら嫌がられてしまいまして。」
ハハハ、と笑うが、カカシの目は心配でたまらないと言うような色を浮かべている。
「ま、里人が未だに陰口をたたいたりしていて、ナルトに苛立ちをぶつけているわけじゃ無いとは思いますが。」
「そうじゃのう…まぁ、しばらくは様子見でよい。」
「はい。…で、何ですか、この依頼書の山…;」
カカシの視線の先には、書類の山。
「暗部向けの依頼なんじゃが…カカシ、一件頼まれてくれるかのう?」
比較的に軽い内容の依頼書をカカシに差し出す。
「構いませんよ。下忍指導だけだと、体が鈍りそうですから。」
カカシはすんなりと引き受けて、書類に目を通す。
「Aランクか…まっ、朝までには終わるでしょ。…では行って参ります。」
「うむ。気をつけての。」
カカシは頷いて、瞬身の術を使った。
「…他のも少しずつ下忍担当の上忍に振るか。」
呟いて、三代目は早速依頼鳥を準備するために立ち上がる。
「…カカシなら、大丈夫だと思うんじゃが。」
先ほどのナルトを心配するカカシの目を思い出し、三代目はため息をつく。
ナルトの良き理解者となり、支えとなってくれるとしたら、カカシが1番の適任者であることには間違いはない。
「ナルトも、もう少し他人を信用できればのぅ…。」
三代目は里を眺める。
この里の中で、普通に暮らすことさえ困難だったナルトに、他人を信じろというのはあまりにも難しい事なのか。
「時間が全てを解決してくれるのを待つしかできんのかの…。」
三代目は呟いて、肩を落とした。
「あーぁ。明日からどうしよ…。」
カカシに呼び止められた時、本当はすぐにでも逃げ出したい気分だった。
自分でもわかっていた。
波の国の一件で、第7班が気の許せる相手であると思ってしまった時、もう、ドベを演じるのを嫌だと感じた。
「本当の自分を知ってもらいたい…か。…俺らしくもない。」
ドサッとベッドに倒れ込み、ぼーっと外を見つめる。
「…ん?」
依頼鳥が輪を描いて飛ぶ姿を認め、ガバッとナルトは起き上がる。
「…あれは上忍を呼んでる?…まさか、じぃちゃん、あの任務の山を上忍に振る気か!?」
ナルトは慌てて変化の印を組み、暗部として任務をこなすときに使う“蒼藍”の姿になる。
「あの任務は暗部向けにランク付けしてあるんだ!Aランクだとしても気を抜けば大変な事になる!!」
小さく舌打ちをして、ナルトは滅多に使わない時空間忍術の印を組む。
「“飛雷神の術”」
「三代目!」
「おおぅっ!?…ど、どうしたのじゃ!?…ナ…蒼藍;」
三代目は驚きのあまり、集まった上忍の前で“ナルト”と呼びそうになり、ナルトから睨まれる。
「あの暗部の任務を上忍に割り振ったのですか!?」
「…い、いや、まだじゃよ…?」
すごい剣幕のナルトに軽く引きながら、三代目は首を傾げる。
「はー…良かった。…任務を振る事自体は問題ありませんが、これ、ランクは暗部向けに設定してあるので、ランクを鵜呑みにして油断でもしたら危険なんですよ。」
「そ、そうじゃったのか;…」
「まぁ、まだ誰にも割り振っていないようでしたから良いんですが…。」
ナルトはそう言い、胸をなで下ろす。
「あ…。」
「…三代目?」
三代目が口元を押さえる。
「しまった。…一件、大丈夫じゃろうと思って、カカシにAランクを…。」
「…っ!?」
ナルトは息を呑み、三代目に詰め寄る。
「どこに!!…畑上忍は、何の任務を!?」
「こ…これじゃ。」
「…すぐに救援に向かいます。…宜しいですね!!」
「か、構わぬ。…急いでくれ。」
三代目が頷くと、ナルトはすぐに執務室を飛び出した。
ナルトが火影の執務室を飛び出した頃。
カカシは思いの外、任務にてこずり、どれだけ体が鈍っているんだと首をひねっていた。
「おっかしーなぁ・・・もうちょっと動けると思ったんだけどねぇ。」
のんびりと呟いているが、内心はかなり焦っていた。Aランクとは思えない程の敵の手ごわさに、思わず、ランク付けが間違っていたんじゃないかと思う。
「おわっ!?」
休憩していた木の上からクナイが降ってきて、カカシは慌ててその場から飛び退る。
「・・・コピー忍者のカカシか。」
「・・・おやおや、俺も有名だねぇ。」
ひょい、と肩をすくめ、さも余裕であるかのように見せる。だが、実際、甘く見れる状況ではないことは、カカシ自身がよくわかっていた。
「(あの面・・・霧隠れの暗部か・・・まずいな。)」
表情には出さないように努めてはいるものの、背中にはじっとりと汗をかき始めている。
「・・・己の力を過信しているのか?それとも、愚か者か?・・・ここにたった一人で乗り込んでくるなんて。・・・ククク、ここで見聞きしたこと、外には漏らすわけにはいかんからなぁ?」
霧隠れの暗部はそう言うと、忍刀を引き抜く。
「・・・さて。お手並み拝見といこうか。」
結構です。・・・とは言えず、カカシも写輪眼を出す。
「・・・まっ、お手柔らかに。」
フッと互いが移動し、投げたクナイが高い音をたてて弾けあう。
「(・・・速い!)」
写輪眼でようやく見切れるほどのスピード。カカシは見晴らしの良い場所へと少しずつ移動する。
「どうした?・・・これが、コピー忍者の実力か?」
逃げに徹しているカカシに、痺れを切らしたように暗部は低く呟く。
「・・・実力ねぇ。・・・さぁ、どうでしょ?」
はぐらかしながら、カカシはクナイを投げる。
「・・・フン。」
そのクナイを弾き、暗部はグッとカカシとの間合いをつめる。
「(まずい!!)」
迫る白刃に、思わず身が竦む。
ギィイイイン!
金属が擦れあう音がして、カカシの目の前が暗くなる。
「・・・な。」
息を呑んだのは、霧隠れの暗部。
「・・・“銀の月”・・・。」
「えっ!うそ!?」
カカシが思わずその顔を覗き込もうとして、ゲシっと顔面を足蹴にされる。
「・・・い~っったぁ~・・・。」
「・・・随分、余裕がありそうだなぁ?・・・あ?畑上忍?」
不機嫌そうな声に、カカシはビクビクとその様子を伺う。“銀の月”といえば、木ノ葉では火影と並び称される忍びの二つ名だ。
二つ名ばかりが先行し、その暗部名をすんなりと思い出せる者は少ないという。
「・・・わ、わざわざ、蒼藍様が、助っ人に来て下さるとは思わなかったもので。」
へらりとカカシが笑うと、蒼藍は一瞬、目を瞠る。
「・・・ふぅん。・・・俺の名前を知ってるとはね。」
「まっ、暗部には未だにツテがあるもんで。」
「・・・アイツ等・・・。」
同僚の顔を思い出し、蒼藍はむっつりと呟く。その隙をついて、霧隠れの暗部が忍刀を突き出す。
ギン!
「・・・!」
「悪いけれど、お前の相手をゆっくりしている暇はない。」
蒼藍は右手にチャクラの塊を作り、暗部の腹に思いっきり叩き込む。
「ぐっあ・・・!」
暗部は回転しながら後ろへと吹っ飛ぶ。
「・・・その術!」
さすがに見覚えがあったようで、カカシが驚いて目を真ん丸くする。
「・・・螺旋丸・・・四代目のオリジナルの術だな。・・・それがどうかしたか?」
すんなりと返されて、カカシは返す言葉が見つからない。
「時間が惜しい。行くぞ。」
蒼藍に促されて、カカシはのろのろと立ち上がった。
「・・・や~・・・ホントにすみません。もうちょっと動けるかと思ったんですがね。」
黙々と進む中、カカシが沈黙に耐えられず話しかける。
「・・・あ。・・・それなんだが、あれ、暗部用のランク付けで・・・この任務、普通にランクつけるとSなんだ。・・・三代目の説明不足というか、まあ、大ボケというか・・・。」
「はあ!?・・・道理で、手強いと思った。」
がっくりと肩を落とすカカシを見て、蒼藍はくつくつと笑う。
「いや、でも、無傷はさすがだな。ボロボロになっているかと思ったが。」
「あ~・・・でも、蒼藍様が間に合わなければ、ボロボロになっていたどころか、死んでた気がするんですが。」
「・・・まあ、な。・・・だが、良く、俺が着くまで保ったと褒めてやるよ。」
「あはは;・・・ありがとうございます。」
2人はそのまま任務を続けるが、蒼藍の術の見事さにカカシが仰天するばかりで、ほとんど蒼藍が1人で済ませてしまった。
「は~・・・眼福です。」
「・・・お前な。」
嬉しそうに言うカカシに対し、呆れたように蒼藍はため息混じりに呟く。
「でも、蒼藍様の術は、コピーできませんねぇ。・・・禁術ばっかりで、俺じゃチャクラが保たないですよ・・・;」
「・・・写輪眼自体が相当チャクラをくってるんだろう?」
「まあ、そうなんですけどね。・・・まっ、本当に、勉強になりましたよ。噂通りの華麗さですね。」
褒めちぎるカカシに、げんなりとしながら、蒼藍はぐいとカカシのベストの襟を掴む。
「・・・ぐえっ・・・な、何ですか!?(俺、悪いこと言った!?)」
「・・・時間かかり過ぎた。・・・さっさと帰るぞ?」
「え、ええ。だから、今、急いでましたよね?」
「うん。だから、もっと急ぐんだよ。」
カカシは首をひねる。
「えーと・・・?」
「舌噛むぞ。口閉じてろ。」
蒼藍はそう言うと、カカシが良く知る術の印を組む。
「・・・!?」
「“飛雷神の術”」
蒼藍のその声と共に、2人の姿は忽然と消えた。
火影の執務室。着いたとたん、口を押さえてしゃがみこむカカシを見下ろし、蒼藍は溜息をつく。
「・・・大丈夫か?・・・だから、口閉じてろって、言ったのに。」
「ふ・・・ふみまへん《すみません》。」
「・・・ぶ、無事に帰ってきたようじゃな。」
いきなり現れた2人に肝を潰しながら、三代目が言うと、涙目のカカシに睨まれる。
「酷いじゃないですか!・・・ランクが暗部仕様だって言ってくださいよ!!死にかけたんですからね!!」
「す、すまんのう・・・。うっかり、忘れておっての。」
うっかりで済むか!と叫びたいのを我慢して、カカシは蒼藍を見つめる。
「・・・何?」
「今の術。・・・先生のオリジナルの中でも、誰にも真似できなかった術なのに。」
「・・・そうだな。」
「・・・あの子にだけ、残された・・・術、なのに。」
「・・・・・・うん。」
カカシは蒼藍があの術を使った時点で、ある一つの結論に至っていた。師である四代目が、事ある毎に言っていたこと。
『俺が今開発している術は、俺の子どもの為なんだよ。・・・もちろん、後世に残って、皆が使うようなことになれば、嬉しいけどね。・・・ただ、この“飛雷神の術”だけは・・・。』
四代目の言葉を思い出し、確信を持って蒼藍を見つめる。
「・・・ねえ、その術は、どこで?」
「・・・俺の父親っていう人の手紙からだよ。」
「・・・・・・ナルト?」
いよいよ核心を突かれ、蒼藍、ナルトはしぶしぶ認める。
「うん。そうだよ。・・・カカシ先生。」
「・・・そっか。蒼藍様が・・・ナルト・・・って・・・えぇぇぇえ!!!」
「・・・!」
大音量で叫ぶカカシに、ナルトと三代目はたまらず耳を塞ぐ。
「いっ・・・いくつから暗部やってるの!?俺が二十歳の頃にはもうすでに二つ名が売れてたでしょうが!!」
「・・・え、えーと・・・5つくらいから、かな?」
「5つ!!?・・・火影様!!そんな頃から、暗部なんてやらせてたんですか!・・・なんてことを!!危ないじゃないですか!!ってか、子どもにこんなことやらせたらダメでしょーが!!」
すごい剣幕のカカシに、三代目は軽く引きながら答える。
「い、いや、わしも最初は反対しておったんじゃが・・・というか、カカシや、お前も6歳で中忍だったじゃろうが。」
「ソレとコレとは別です!・・・ナルト!大変だったよね!・・・本当にごめんね。背負わなくてもいいものを、ナルトに背負わせちゃったんだよね?」
がっちりとカカシに肩を掴まれながら、ナルトは呆然とする。
「なんで・・・。」
「ん?」
「なんで・・・どうして?・・・騙してたって思わないの?」
「ああ・・・。」
カカシはにっこりと微笑む。
「そんなの気にしなーいの!・・・というか、普通に暗部なら情報を秘匿するのは当たり前だし。・・・それにね、わかってるつもりだよ。・・・ナルトにこんな実力があると知れれば、上層部が何を言い出すか、わかったものじゃないもんね。」
「・・・うん。」
「・・・で?・・・どうして、最近はその完璧な仮面がはずれかけてたのかな?・・・サクラにまで見抜かれるほどに。」
カカシが優しく問いかけると、ナルトは深い溜息をついた。
「俺・・・もう、第7班の皆に、黙っているの、嫌になってて・・・でも、こうやって、話すのは怖くって・・・。」
「そっか。・・・よくがんばったねぇ。・・・でもさ、もっと俺達を信じてよ、ナルト。俺はもちろん、サクラやサスケだって、ちゃんと話をすればわかってくれるよ。」
「・・・うん。・・・うん・・・。」
目に涙を溜めたナルトの頭を抱えるように抱き込む。
「・・・だーいじょーぶ!・・・これからは、俺が守るからね。・・・絶対に守るから。」
「・・・カカシ、せんせ?」
「守るから。」
主君に誓うかのように真剣な表情でナルトを見つめ、カカシは告げる。
「・・・・・・うん。・・・アリガト。」
ふにゃりと笑んだ顔は、ドベを装っているときに見せる笑顔とはまるで違い・・・。
「(うーん・・・独り占めしたくなるね、これは。)」
思わず素直な感想を実行したくなったが、それはナルトも自分も本当に望むことではない。
「・・・明日、サクラとサスケに言おうね?」
「うん。・・・頑張る。」
本当のナルトと任務が出来ることを嬉しく思い、また、カカシはナルトをもう一度抱きしめた。
「あ~も~、ナルト、かーわいー!!」
「ぐ・・・くるしぃ///」
「これ!!!カカシ!何やっとるー!!(わしはそこまで、許しとらんぞ!!!)」
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・スレナルですが、最年少暗部の設定ではありません
・↑なので、カカシはスレナルを知りません
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
ナルトは先生の忘れ形見で、九尾の器。ただ、そうとしか思ってはいなかった。
波の国から帰って来てから、ナルトの様子がおかしい事に気づいた。必要以上にサスケにちょっかいを出したり、かと思えば、ぼんやりと顔岩を眺めたり…。
最初は大した事はないと放っておいた。が、サクラがそのわずかな違いを敏感に感じとった。幻術の才能があるだけに、その観察眼は信頼できる。
そして、言われて初めて気づく。些細な、しかし、決定的な違いが見えてきたのだ。
「ナールト?…どうしたの。お前らしくないね。」
どうにかしてくれとサクラに泣きつかれ、カカシはナルトに声をかけた。
「俺らしいって、何だってば。」
返って来たのは、可愛らしくもないひねくれた言葉。
「お前らしいっていうのは、お前が1番よくわかってるんじゃないの?」
カカシは大人気ないと思いつつ、つい、意地悪な言い方をしてしまう。
「……まぁ、そうだってばね。」
しかし、ナルトは殊勝にもうなずいて、肯定してみせる。
「…何かあったのか?」
そう訊ねれば、ふるりと横に首を振る。
「別に。何でもないってば。…カカシ先生ってば、疲れてんじゃねーのかってばよ。」
フイっと顔を逸らすナルトに、やはり、違和感を感じる。
「サクラも気づいたんだよ。…から元気というか、まるで、演技しているみたいだって。…俺もそう思うんだけどねー。」
カカシの言葉にピクリとナルトは肩を揺らした。
「サクラちゃんが…。」
「そ。…で?いつも元気なお前が、から元気な理由は、何なわけ?」
軽い調子で聞かれ、ナルトはむっつりと黙り込む。
「ん~…黙られると、先生、困っちゃうなぁ…。」
困ったように笑い、ナルトを見つめる。
「…放っておいてくれってばよ。何でもねーし。」
まるで、線を引かれ、ここから入ってくるなと言われているようで、カカシは何も言い返せなくなる。
「もう、良いってば?…俺ってば、帰ってしゅぎょーするんだってばよ~!」
ニカリと笑い、ナルトは呼び止める間もなく、走り去ってしまった。
「あーぁ。…どうしようかねぇ…火影様には言っといた方が良いよなぁ…。」
ナルトの担当を言い渡した三代目が、己に何を期待しているのか、わかっているつもりだ。
ナルトの行動を逐一報告している訳ではないが、大きな変化があったときには、三代目にナルトの様子を知らせている。
波の国の件で、九尾のチャクラが漏れ出していたと報告したら、ひどく動揺していたのを覚えている。
「ま、ナルトをもう少し観察してみようかねぇ…。」
カカシは呟いて、瞬身の術を使った。
一方、ナルトは三代目の執務室にやってきて、盛大なため息をついていた。
「はーぁ…カカシ先生はともかく、サクラちゃんにまで気づかれてるなんて…最悪。」
執務机にもたれかかって、ブツブツと不機嫌に呟くナルトを見つめて、三代目は苦笑する。
「大変じゃったのう…。」
「…他人事だと思って…(‐‐*)」
じろりと睨めば、三代目は降参とばかりに手を挙げる。
「で…でも、頃合いではないのか?…波の国での話は聞いたが、カカシは信用できるじゃろう?」
「まぁ…さすがに四代目の教え子だけはあるけどさ。」
ナルトはけして四代目を父とは呼ばない。意識してはいないだろうが。
カカシをナルトに付けたのは、四代目の事をそれとなくナルトに伝えてくれるだろうと考えたから。それに、カカシはナルトを九尾と同一視はしないだろうという、自信があったからだ。
「…でもさ、九尾と同一視はしなくても…騙してたって知れば、きっと離れてく。…それが怖い。…もう、あの第7班は、俺の居場所の一つになってるから。」
珍しく素直にナルトが自分の感情を吐露する。それだけでも、相当参っていることがわかる。
「今日はもうよい。家へ帰って休みなさい。…疲れておるのじゃよ。」
見かねた三代目がそう言い渡すと、ナルトはふるりと横に首を振る。
「だって、任務溜まってるじゃん…これ、どうすんの?」
ひらりと依頼書をつまみ上げ、ナルトは三代目を見つめる。
「…しかしのぅ。ナルトに倒れられれば、それこそ困ってしまうんじゃが。…お主1人で暗部数人の働きはしてくれるからのー…。」
困ったように笑い、三代目はナルトの手から、依頼書を取り上げる。
「今日はゆっくり休みなさい。…それが任務じゃ。」
「…ちぇ。わかったよ。…じゃ、本当にどうしようもなくなったら、ちゃんと俺を呼べよ?…じぃちゃんには感謝してるんだ。こうやって普通の暮らしをさせてくれててさ。」
「ナルト…ワシは…いや、何でもないわい。…もう下がりなさい。」
言いかけた言葉を飲み込み、三代目はひらひらと手を振る。
三代目が何を言いかけたのか、ナルトにはわかっていた。
「(大方、里の為に犠牲になっただのと言いたかったんだろうな。…確かに少し前までやたらと冷たい視線で見られてはいたけど…最近は大分和らいだ気がする。…だから、平気なのに。)」
未だに九尾の事を引きずる者は多いが、12年も経てば、環境も変わるし、冷静に振り返る事もできる。
「じゃ、お言葉に甘えて。」
ナルトはそう言って三代目に背を向ける。
「カカシ先生が来たら、適当にごまかしておいて。…じゃ、また明日。」
ひらりと手を振り、ナルトは執務室から出て行く。
「…四代目…あの子は、年々お主に似てきておる。…悲しいくらいに優しい子じゃよ。」
三代目は呟いて、深くため息をつく。
「火影様…どうかなさったんですか?そんなため息をついて。」
突然の声にも動じた様子を見せず、三代目は、後ろを振り返る。
「カカシか…どうしたんじゃ?」
「いえ…ちょっと、ナルトに気になることがありまして、ご報告に。」
「そうか…して、気になることとは?」
「最近、から元気というか…違和感があるんですが。…さっきも捕まえて、話をしようとしたら嫌がられてしまいまして。」
ハハハ、と笑うが、カカシの目は心配でたまらないと言うような色を浮かべている。
「ま、里人が未だに陰口をたたいたりしていて、ナルトに苛立ちをぶつけているわけじゃ無いとは思いますが。」
「そうじゃのう…まぁ、しばらくは様子見でよい。」
「はい。…で、何ですか、この依頼書の山…;」
カカシの視線の先には、書類の山。
「暗部向けの依頼なんじゃが…カカシ、一件頼まれてくれるかのう?」
比較的に軽い内容の依頼書をカカシに差し出す。
「構いませんよ。下忍指導だけだと、体が鈍りそうですから。」
カカシはすんなりと引き受けて、書類に目を通す。
「Aランクか…まっ、朝までには終わるでしょ。…では行って参ります。」
「うむ。気をつけての。」
カカシは頷いて、瞬身の術を使った。
「…他のも少しずつ下忍担当の上忍に振るか。」
呟いて、三代目は早速依頼鳥を準備するために立ち上がる。
「…カカシなら、大丈夫だと思うんじゃが。」
先ほどのナルトを心配するカカシの目を思い出し、三代目はため息をつく。
ナルトの良き理解者となり、支えとなってくれるとしたら、カカシが1番の適任者であることには間違いはない。
「ナルトも、もう少し他人を信用できればのぅ…。」
三代目は里を眺める。
この里の中で、普通に暮らすことさえ困難だったナルトに、他人を信じろというのはあまりにも難しい事なのか。
「時間が全てを解決してくれるのを待つしかできんのかの…。」
三代目は呟いて、肩を落とした。
「あーぁ。明日からどうしよ…。」
カカシに呼び止められた時、本当はすぐにでも逃げ出したい気分だった。
自分でもわかっていた。
波の国の一件で、第7班が気の許せる相手であると思ってしまった時、もう、ドベを演じるのを嫌だと感じた。
「本当の自分を知ってもらいたい…か。…俺らしくもない。」
ドサッとベッドに倒れ込み、ぼーっと外を見つめる。
「…ん?」
依頼鳥が輪を描いて飛ぶ姿を認め、ガバッとナルトは起き上がる。
「…あれは上忍を呼んでる?…まさか、じぃちゃん、あの任務の山を上忍に振る気か!?」
ナルトは慌てて変化の印を組み、暗部として任務をこなすときに使う“蒼藍”の姿になる。
「あの任務は暗部向けにランク付けしてあるんだ!Aランクだとしても気を抜けば大変な事になる!!」
小さく舌打ちをして、ナルトは滅多に使わない時空間忍術の印を組む。
「“飛雷神の術”」
「三代目!」
「おおぅっ!?…ど、どうしたのじゃ!?…ナ…蒼藍;」
三代目は驚きのあまり、集まった上忍の前で“ナルト”と呼びそうになり、ナルトから睨まれる。
「あの暗部の任務を上忍に割り振ったのですか!?」
「…い、いや、まだじゃよ…?」
すごい剣幕のナルトに軽く引きながら、三代目は首を傾げる。
「はー…良かった。…任務を振る事自体は問題ありませんが、これ、ランクは暗部向けに設定してあるので、ランクを鵜呑みにして油断でもしたら危険なんですよ。」
「そ、そうじゃったのか;…」
「まぁ、まだ誰にも割り振っていないようでしたから良いんですが…。」
ナルトはそう言い、胸をなで下ろす。
「あ…。」
「…三代目?」
三代目が口元を押さえる。
「しまった。…一件、大丈夫じゃろうと思って、カカシにAランクを…。」
「…っ!?」
ナルトは息を呑み、三代目に詰め寄る。
「どこに!!…畑上忍は、何の任務を!?」
「こ…これじゃ。」
「…すぐに救援に向かいます。…宜しいですね!!」
「か、構わぬ。…急いでくれ。」
三代目が頷くと、ナルトはすぐに執務室を飛び出した。
ナルトが火影の執務室を飛び出した頃。
カカシは思いの外、任務にてこずり、どれだけ体が鈍っているんだと首をひねっていた。
「おっかしーなぁ・・・もうちょっと動けると思ったんだけどねぇ。」
のんびりと呟いているが、内心はかなり焦っていた。Aランクとは思えない程の敵の手ごわさに、思わず、ランク付けが間違っていたんじゃないかと思う。
「おわっ!?」
休憩していた木の上からクナイが降ってきて、カカシは慌ててその場から飛び退る。
「・・・コピー忍者のカカシか。」
「・・・おやおや、俺も有名だねぇ。」
ひょい、と肩をすくめ、さも余裕であるかのように見せる。だが、実際、甘く見れる状況ではないことは、カカシ自身がよくわかっていた。
「(あの面・・・霧隠れの暗部か・・・まずいな。)」
表情には出さないように努めてはいるものの、背中にはじっとりと汗をかき始めている。
「・・・己の力を過信しているのか?それとも、愚か者か?・・・ここにたった一人で乗り込んでくるなんて。・・・ククク、ここで見聞きしたこと、外には漏らすわけにはいかんからなぁ?」
霧隠れの暗部はそう言うと、忍刀を引き抜く。
「・・・さて。お手並み拝見といこうか。」
結構です。・・・とは言えず、カカシも写輪眼を出す。
「・・・まっ、お手柔らかに。」
フッと互いが移動し、投げたクナイが高い音をたてて弾けあう。
「(・・・速い!)」
写輪眼でようやく見切れるほどのスピード。カカシは見晴らしの良い場所へと少しずつ移動する。
「どうした?・・・これが、コピー忍者の実力か?」
逃げに徹しているカカシに、痺れを切らしたように暗部は低く呟く。
「・・・実力ねぇ。・・・さぁ、どうでしょ?」
はぐらかしながら、カカシはクナイを投げる。
「・・・フン。」
そのクナイを弾き、暗部はグッとカカシとの間合いをつめる。
「(まずい!!)」
迫る白刃に、思わず身が竦む。
ギィイイイン!
金属が擦れあう音がして、カカシの目の前が暗くなる。
「・・・な。」
息を呑んだのは、霧隠れの暗部。
「・・・“銀の月”・・・。」
「えっ!うそ!?」
カカシが思わずその顔を覗き込もうとして、ゲシっと顔面を足蹴にされる。
「・・・い~っったぁ~・・・。」
「・・・随分、余裕がありそうだなぁ?・・・あ?畑上忍?」
不機嫌そうな声に、カカシはビクビクとその様子を伺う。“銀の月”といえば、木ノ葉では火影と並び称される忍びの二つ名だ。
二つ名ばかりが先行し、その暗部名をすんなりと思い出せる者は少ないという。
「・・・わ、わざわざ、蒼藍様が、助っ人に来て下さるとは思わなかったもので。」
へらりとカカシが笑うと、蒼藍は一瞬、目を瞠る。
「・・・ふぅん。・・・俺の名前を知ってるとはね。」
「まっ、暗部には未だにツテがあるもんで。」
「・・・アイツ等・・・。」
同僚の顔を思い出し、蒼藍はむっつりと呟く。その隙をついて、霧隠れの暗部が忍刀を突き出す。
ギン!
「・・・!」
「悪いけれど、お前の相手をゆっくりしている暇はない。」
蒼藍は右手にチャクラの塊を作り、暗部の腹に思いっきり叩き込む。
「ぐっあ・・・!」
暗部は回転しながら後ろへと吹っ飛ぶ。
「・・・その術!」
さすがに見覚えがあったようで、カカシが驚いて目を真ん丸くする。
「・・・螺旋丸・・・四代目のオリジナルの術だな。・・・それがどうかしたか?」
すんなりと返されて、カカシは返す言葉が見つからない。
「時間が惜しい。行くぞ。」
蒼藍に促されて、カカシはのろのろと立ち上がった。
「・・・や~・・・ホントにすみません。もうちょっと動けるかと思ったんですがね。」
黙々と進む中、カカシが沈黙に耐えられず話しかける。
「・・・あ。・・・それなんだが、あれ、暗部用のランク付けで・・・この任務、普通にランクつけるとSなんだ。・・・三代目の説明不足というか、まあ、大ボケというか・・・。」
「はあ!?・・・道理で、手強いと思った。」
がっくりと肩を落とすカカシを見て、蒼藍はくつくつと笑う。
「いや、でも、無傷はさすがだな。ボロボロになっているかと思ったが。」
「あ~・・・でも、蒼藍様が間に合わなければ、ボロボロになっていたどころか、死んでた気がするんですが。」
「・・・まあ、な。・・・だが、良く、俺が着くまで保ったと褒めてやるよ。」
「あはは;・・・ありがとうございます。」
2人はそのまま任務を続けるが、蒼藍の術の見事さにカカシが仰天するばかりで、ほとんど蒼藍が1人で済ませてしまった。
「は~・・・眼福です。」
「・・・お前な。」
嬉しそうに言うカカシに対し、呆れたように蒼藍はため息混じりに呟く。
「でも、蒼藍様の術は、コピーできませんねぇ。・・・禁術ばっかりで、俺じゃチャクラが保たないですよ・・・;」
「・・・写輪眼自体が相当チャクラをくってるんだろう?」
「まあ、そうなんですけどね。・・・まっ、本当に、勉強になりましたよ。噂通りの華麗さですね。」
褒めちぎるカカシに、げんなりとしながら、蒼藍はぐいとカカシのベストの襟を掴む。
「・・・ぐえっ・・・な、何ですか!?(俺、悪いこと言った!?)」
「・・・時間かかり過ぎた。・・・さっさと帰るぞ?」
「え、ええ。だから、今、急いでましたよね?」
「うん。だから、もっと急ぐんだよ。」
カカシは首をひねる。
「えーと・・・?」
「舌噛むぞ。口閉じてろ。」
蒼藍はそう言うと、カカシが良く知る術の印を組む。
「・・・!?」
「“飛雷神の術”」
蒼藍のその声と共に、2人の姿は忽然と消えた。
火影の執務室。着いたとたん、口を押さえてしゃがみこむカカシを見下ろし、蒼藍は溜息をつく。
「・・・大丈夫か?・・・だから、口閉じてろって、言ったのに。」
「ふ・・・ふみまへん《すみません》。」
「・・・ぶ、無事に帰ってきたようじゃな。」
いきなり現れた2人に肝を潰しながら、三代目が言うと、涙目のカカシに睨まれる。
「酷いじゃないですか!・・・ランクが暗部仕様だって言ってくださいよ!!死にかけたんですからね!!」
「す、すまんのう・・・。うっかり、忘れておっての。」
うっかりで済むか!と叫びたいのを我慢して、カカシは蒼藍を見つめる。
「・・・何?」
「今の術。・・・先生のオリジナルの中でも、誰にも真似できなかった術なのに。」
「・・・そうだな。」
「・・・あの子にだけ、残された・・・術、なのに。」
「・・・・・・うん。」
カカシは蒼藍があの術を使った時点で、ある一つの結論に至っていた。師である四代目が、事ある毎に言っていたこと。
『俺が今開発している術は、俺の子どもの為なんだよ。・・・もちろん、後世に残って、皆が使うようなことになれば、嬉しいけどね。・・・ただ、この“飛雷神の術”だけは・・・。』
四代目の言葉を思い出し、確信を持って蒼藍を見つめる。
「・・・ねえ、その術は、どこで?」
「・・・俺の父親っていう人の手紙からだよ。」
「・・・・・・ナルト?」
いよいよ核心を突かれ、蒼藍、ナルトはしぶしぶ認める。
「うん。そうだよ。・・・カカシ先生。」
「・・・そっか。蒼藍様が・・・ナルト・・・って・・・えぇぇぇえ!!!」
「・・・!」
大音量で叫ぶカカシに、ナルトと三代目はたまらず耳を塞ぐ。
「いっ・・・いくつから暗部やってるの!?俺が二十歳の頃にはもうすでに二つ名が売れてたでしょうが!!」
「・・・え、えーと・・・5つくらいから、かな?」
「5つ!!?・・・火影様!!そんな頃から、暗部なんてやらせてたんですか!・・・なんてことを!!危ないじゃないですか!!ってか、子どもにこんなことやらせたらダメでしょーが!!」
すごい剣幕のカカシに、三代目は軽く引きながら答える。
「い、いや、わしも最初は反対しておったんじゃが・・・というか、カカシや、お前も6歳で中忍だったじゃろうが。」
「ソレとコレとは別です!・・・ナルト!大変だったよね!・・・本当にごめんね。背負わなくてもいいものを、ナルトに背負わせちゃったんだよね?」
がっちりとカカシに肩を掴まれながら、ナルトは呆然とする。
「なんで・・・。」
「ん?」
「なんで・・・どうして?・・・騙してたって思わないの?」
「ああ・・・。」
カカシはにっこりと微笑む。
「そんなの気にしなーいの!・・・というか、普通に暗部なら情報を秘匿するのは当たり前だし。・・・それにね、わかってるつもりだよ。・・・ナルトにこんな実力があると知れれば、上層部が何を言い出すか、わかったものじゃないもんね。」
「・・・うん。」
「・・・で?・・・どうして、最近はその完璧な仮面がはずれかけてたのかな?・・・サクラにまで見抜かれるほどに。」
カカシが優しく問いかけると、ナルトは深い溜息をついた。
「俺・・・もう、第7班の皆に、黙っているの、嫌になってて・・・でも、こうやって、話すのは怖くって・・・。」
「そっか。・・・よくがんばったねぇ。・・・でもさ、もっと俺達を信じてよ、ナルト。俺はもちろん、サクラやサスケだって、ちゃんと話をすればわかってくれるよ。」
「・・・うん。・・・うん・・・。」
目に涙を溜めたナルトの頭を抱えるように抱き込む。
「・・・だーいじょーぶ!・・・これからは、俺が守るからね。・・・絶対に守るから。」
「・・・カカシ、せんせ?」
「守るから。」
主君に誓うかのように真剣な表情でナルトを見つめ、カカシは告げる。
「・・・・・・うん。・・・アリガト。」
ふにゃりと笑んだ顔は、ドベを装っているときに見せる笑顔とはまるで違い・・・。
「(うーん・・・独り占めしたくなるね、これは。)」
思わず素直な感想を実行したくなったが、それはナルトも自分も本当に望むことではない。
「・・・明日、サクラとサスケに言おうね?」
「うん。・・・頑張る。」
本当のナルトと任務が出来ることを嬉しく思い、また、カカシはナルトをもう一度抱きしめた。
「あ~も~、ナルト、かーわいー!!」
「ぐ・・・くるしぃ///」
「これ!!!カカシ!何やっとるー!!(わしはそこまで、許しとらんぞ!!!)」
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