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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・貴方と出会った日からシリーズ 続編
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・シー様のターンw
・シー様万能!
・幹部に皇族バレ
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








「え?」

 疑問の声を上げたのは誰だったか。

 今までいたラウンジとは全く異なる空間。目の前に広がるのは、美しい庭園。

「・・・ここは?」

 呟いたのは、扇。

「アリエスの離宮ですね。」

 答えたのは、ディートハルト。

「・・・って、ディートハルト!何でお前が!!?」

「私だって、びっくりしてますよ。何なんですか、一体。仕事を終えて、ラウンジに入った瞬間に、こんなトコにきてるんですから。」

 事情を全く知らないディートハルトがひたすら首を捻る。

「あんたがいないうちにねぇ、ゼロがルルーシュ様だって事がわかったのよぉ。」

「なんですって!?・・・そうでしたか!ゼロがルルーシュ様!ようやくこれで納得がいきましたよ。この方が黒の騎士団を立ち上げる理由などいくらでもありますからね。」

 ディートハルトはうんうん、と頷く。あっさりと納得した彼に、逆に幹部達が首を捻った。

「・・・いくらでもって・・・どういうこと?」

 井上が言うが、ラクシャータもディートハルトもそれには答えず、辺りを見回す。

「やはり、ここが一番素晴らしい庭園ですね。・・・クロヴィス殿下も政庁の庭を似せて造っていましたが、やはりここには及ばない。」

「そぉねぇ。・・・あの方の庭園ですもの。あの方の心がそのままこの庭園になってるんだわぁ。」

 ブリタニア人2人は、感慨深げに呟いた。

「ここが・・・アリエス・・・。」

 朝比奈もさすがに目にしたのは初めてなので、呆然と呟く。話には聞いていたが、ここまで美しいとは思わなかったのだろう。



「お兄様!早くっ!」

 可愛らしい声が響く。全員がそちらを向くと、薄茶の髪の少女がこちらに向かい楽しそうに笑いながら走ってくる。

「ま、待ってよ、ナナリー・・・そんなに走ったら、転んでしまうよ!!」

 その少女を追いながら、叫んだ少年は・・・。

「・・・ルルーシュ君!?」

 扇が仰天して叫び、朝比奈の傍で呆然としているルルーシュを見やる。

「ここは、ルルーシュの記憶の深層・・・本人でさえこんなにはっきりとは思いだせないだろう過去だ。」

 C.C.が解説すると、幹部達は驚く。

「ど・・・どうなってんだよ・・・。」

 玉城が訊くと、C.C.は肩を竦めた。

「私はC.C.だからな、何でもできるんだ。・・・それよりも、物分かりの悪いお前達のために、わざわざここまで連れて来てやったんだ。とくと思い知れ。・・・ああ、ちなみに、ここは記憶の世界だから、こちらが干渉することは不可能だから、そのつもりでいろよ?」

 目の前で起きている不可思議な現象に呆然としながらも、楽しそうに花畑で遊ぶ幼い兄妹を見つめ、思わず微笑ましい気持ちになる。

「ほら、お兄様、花冠。」

「ありがとう、ナナリー。」

 幼いナナリーが被せてくれると、幼いルルーシュは顔を綻ばせる。その笑顔は今ではけして見られない、純粋に陰りも何もない笑み。それを見た藤堂達はこれから起こる出来事がどれだけ彼の心に翳を落としているのかと眉を顰めた。

「あっ!・・・お父様!お母様!!」

 ニコニコと笑っていたナナリーが両親を見つけ、嬉しそうに立ち上がる。自分達を突き通すその視線と共に叫ばれた言葉に、幹部達は一斉に振り返った。

「っっ!!!?」

 自分達の背後に立っていたのは、自分達の良く知る人物だった。その演説を何度聞いたことか、演説を聞く度に悔しい思いをし、憎しみを募らせた。その人物を・・・この幼い少女は、何と呼んだ?

「ナナリー。そんなに走っては転んでしまいますよ?」

 コロコロと鈴が鳴るような声で笑い、母と呼ばれた女性が幼い少女を抱きとめる。

「父上。」

 幼いルルーシュもゆっくりと近寄り、そして、その人物を見上げ、そう呼ぶ。その視線には紛れもなく、親愛が籠められていて・・・。



「・・・吐き気がする。」

 呟いた声のあまりの低さに、その光景に呆然としていた面々が振り返り、そして、息を呑む。

 その声の主は、ルルーシュだった。過去の己を見て、そして、父である皇帝を見て。憎悪に染まった表情は今まで扇達が見ていた表情のどれとも違っていた。

「ルルーシュ君。」

 そっと肩に触れた朝比奈に、ルルーシュは憎悪に染まったままの表情で呟く。

「あんな男の血が・・・半分でもこの身に流れているなんて!!」

 ぐっと握りしめた手に、朝比奈が包み込むように手を添える。

「ルルーシュ君。・・・君は見なくていい。この先のことを・・・見る必要なんてないんだよ。」

 そう言って、朝比奈はルルーシュを、ぐい、と引き寄せ、自分の胸にルルーシュの頭を押し付ける。

 その瞬間、場面がぐるりと変わる。



「ルルーシュ!私と勝負だ!」

 叫ぶ少年は、クロヴィス。

「チェックメイト・・・私の勝ちだね、ルルーシュ。」

 泰然と微笑むのは、今とほぼ変わらぬ姿のシュナイゼル。

「ルルーシュ!大きくなったら、私をお嫁さんにしてくださいね!?」

「こら、ユフィ、ルルーシュが困ってるだろう?」

 ピンク色の髪をなびかせ、ルルーシュに抱きつく少女、ユーフェミアとそれを苦笑して見守るコーネリア。

 一度は見たことのある皇族達の昔の姿。なんて穏やかな光景なのだろうと思う。戦場で会うだけだったなら、こんな、人としての感情を持つとは、思えないだろう相手の過去。

「・・・これが・・・どうして・・・?」

 井上が眉を顰める。どうして、ルルーシュはこんなにも幸せだったのに、ブリタニアを憎むのか。母を殺されたとしても、妹が自由を奪われたとしても、父が、兄が、姉が・・・彼らを守ってくれたのではないのか?

「今にわかる。」

 C.C.の短い言葉共に、景色が暗転する。



 パンッパンッパンッ・・・

 連続して鳴る銃声。

「きゃああああああ!!!」

 響く悲鳴。

 幹部達の目の前で、彼の女性が、その腕に幼い少女を抱きかかえ、血まみれになって倒れていた。

「マリアンヌ様・・・ッ!」

 ラクシャータが呻いて、顔を両手で覆う。

「・・・あ・・・あ、ああ、ぁあああああぁぁぁあッ!!!!!」

 悲痛な叫び声をあげ、その場に膝をつく幼いルルーシュ。皆がそれを直視出来ず、視線を逸らす。



 さらに暗転。そこは、先程とはまるで別世界のように、煌びやかに着飾った紳士、淑女達が集いあっていた。

「第17皇位継承者、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア殿下ご入場!」

 高らかな宣言と共に、颯爽と様々な感情のこもった視線を受けながら、厳しい表情でまっすぐに皇帝の前まで進んだルルーシュ。

 ルルーシュが奏上している間、皇帝は冷たい視線をルルーシュに向け、発した言葉に激高したルルーシュが壇の上に足をかけた瞬間、皇帝の傍にいた騎士が動く。それを押しとどめ、皇帝は立ち上がる。その威圧に、ルルーシュは尻もちをついて呆然とそれを見やった。

「死んでおる。・・・着る服も、食事も、住む場所でさえ、その命さえ、わしが与えた物・・・。お前は、生まれてから、一度も己の力で生きたことはないのだ。」

 それは、存在自体、全てを否定する言葉。呆然とするルルーシュの表情に、憎悪が広がっていく。

「日本へ向かえ・・・皇子と皇女ならば、良い取引材料となろう・・・。」



 皇帝の言葉を最後に、辺りは闇に包まれる。それはまるで、ルルーシュの心そのもののようで。

「・・・酷い・・・どうして、あんなことが言えるの?・・・母親を失ったばかりの子どもに・・・それも、自分の子どもじゃない!」

 井上が叫ぶ。扇達も辛そうに顔を顰め、そして、朝比奈の胸に頭を押し付けられたままぴくりとも動かないルルーシュを見つめる。

「・・・それが、ブリタニアの在り方だ。強者の元に、弱者は虐げられる。・・・だから、弱者たる目と足の自由を奪われた妹のために、ルルーシュは立ち上がった。兄姉達の屍を越えてでも、やり遂げる覚悟を持って。」

 C.C.の言葉に、皆は俯く。どれだけの覚悟が必要か想像もつかない。兄姉と相対し祖国に反逆する。それをまだ17の少年が実行できるのか。

「かわいそうなルルーシュ。・・・母を失い、妹のために己の全てを諦め、父に、祖国に反逆し・・・そして、親友にまで裏切られた。」



 闇が晴れて、青空が広がる。そして、目の前にあるのは、先程と違って、笑顔のルルーシュと枢木スザク。

「早くしろよ!ルルーシュ!!」

「・・・はぁ、はぁっ・・・待てって、スザク!!」

 ひょいひょい、と崖を駆け上がり、スザクがルルーシュに向かい手を伸ばす。それを掴んだルルーシュがゆっくりと崖を登り、そして、登りきった先に見えた空にあったのは、たくさんの戦艦。

「・・・やはり、僕達を見捨てたな、父上・・・。」

 呟かれた声は、憎々しげに響く。



 そして、また、場面は変わる。

「・・・スザク・・・僕は!・・・ブリタニアをぶっ壊す!!」

 呆然とそれを聞くスザク。そして2人はそれぞれに引き取られていくーーーー。



 ハッと気づくと、いつものラウンジに戻っていた。

「夢・・・じゃないんだよな。」

 ぽつり、と呟いた扇を、朝比奈が睨む。

「あれが、作りごとだとでも言うつもり?」

「あ、いや、そうじゃなくて・・・ルルーシュ君は、辛い思いをしてきたんだね・・・。」

 朝比奈の険のある言葉に慌てて弁解しようとして、扇は声のトーンを落とした。

「辛いなんて、一言で済まないと思うけど・・・でも、君の過去を見て・・・それでも、俺達は、君についていこうと思うよ。・・・なぁ、皆。」

 振り返った先、幹部達は力一杯頷く。

「俺達、仲間だよな!・・・なぁ!ルルーシュ!!」

 玉城が己の名を呼ぶのを聞いて、ルルーシュは朝比奈の胸から頭を離す。

「・・・俺が・・・皇族でも?」

「今は、黒の騎士団の総司令官“ゼロ”で、朝比奈の恋人のルルーシュ君、だろう?」

 そう言って、扇はにこり、と笑い、ルルーシュに答える。ルルーシュはくしゃり、と表情を歪め、また、朝比奈に抱きつく。

 朝比奈はよしよし、と頭を撫でてルルーシュを抱きしめると、C.C.の方を向く。

「・・・一応、合格?」

「一応、な。・・・まぁ、良い。私やお前なんかよりずっと評価が厳しい連中が2日後にはやってくるからな。」

「ああ。あの子達は容赦ないもんねぇ。」

「「「「えぇっ!?」」」」

 この2人をして容赦ないとはどんだけだ、と幹部達が目を剥く中、カレンがクスと笑う。

「あの2人は、朝比奈さんにでさえ、厳しかったですしね。」

「そうそう、ホントに。・・・さすがに、堪えたねぇ。会議中ずっと牽制され続けてたしさぁ・・・。」

 朝比奈がげんなりと呟くと、藤堂達が苦笑し、ルルーシュが顔をあげる。

「・・・すみません。よく言って聞かせておきますから・・・。」

「いや、良いんじゃない?・・・彼らの厳しい目で見ても合格だって言うなら、俺も安心するし。」

 二ヤリ、と笑った朝比奈が、扇達を見る。

「覚悟しておきなよ~?あの子達に比べれば、俺やC.C.なんか、甘い方だよ。」

 朝比奈の言葉に、2日後が憂鬱になった幹部達だった。

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