Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
クラブハウス・ルルーシュの自室
RRRRRRRRR…
「・・・もしもし?」
夜9時ジャストにかかって来た電話に苦笑を浮かべ、ルルーシュは通話ボタンを押す。
『あっ!もしもーし。朝比奈だよ!・・・今、大丈夫?』
「大丈夫ですよ。スザクも帰ったし、お手伝いさんはナナリーのところにいるので。」
『良かったー。・・・あ、ええと、次会う話なんだけど、これから大きな作戦があるんだって。その関係で1週間は無理だろうって、藤堂さんが。』
急に元気がなくなった朝比奈に、ルルーシュはやはりそうなったかと内心で呟く。
「そう、ですか。・・・残念です。」
『あ、ちょっと待って、今、藤堂さんと代わるね。』
ごそごそと音がして、いつも黒の騎士団で聞いている声より、ほんの少し柔らかい声が聞こえてくる。
『・・・ルルーシュ君。久しぶりだ。』
「・・・・・・・・。」
『ルルーシュ君・・・?』
返事を返さないルルーシュに訝る藤堂だが、ルルーシュはそれどころでは無い。いつも騎士団で会っている筈なのに、久々に聞いたこの柔らかい声に、のどが詰まり、目頭が熱くなる。
「・・・とう、ど・・・さん。」
涙声になってしまい、取り繕う間もなく、藤堂に感づかれる。
『泣いて、いるのか?』
どうやらスピーカーをオンにしてあるようで、電話の向こうで涙声が聞こえたらしい朝比奈が騒いでいるのが聞こえた。
「・・・すみません・・・少し、懐かしくて・・・。」
『そうか・・・生きていたと聞いて、安心したよ。』
「はい。藤堂さんも無事で何よりです。・・・俺たち兄妹は戦後すぐにアッシュフォードに匿ってもらって・・・。アッシュフォードは、母のこうけ・・あ、いえ、知り合いで・・・。」
後見人と言いかけて、ルルーシュは慌てて言い換える。
『・・・すまん。四聖剣には事情を説明してしまった。・・・君に確認してから話すべきだったのだが。』
藤堂の言っている事が一瞬わからなくて、首を傾げ、瞬間、思い至る。
「・・・っ!」
『大丈夫だ。安心してほしい。・・・口外するような連中では無いし、君自身も被害者であることは理解している。』
「・・・大丈夫?・・・本当に?」
『ああ。本当だ。・・・今まで、本当によく無事でいてくれた。皇室からは・・・?』
「隠れている状態です。・・・学園は、政庁からは離れてますし、今のところは安全です。」
『そうか。・・・ああ、そうだ、賭けチェスの話を聞いたぞ。・・・自分が何をしているのかはわかっているのか?』
― 省吾さん・・・藤堂さんに言いつけなくたっていいのに・・・。
ルルーシュは口元をひきつらせながら心の中でぼやく。
「・・・さっき散々スザクに怒られたんです。反省してますから、説教は勘弁して下さい。」
そう、やはり、スザクには嘘が通らなくて、代打ちを続けている事がバレてしまったのだ。
『あ、バレちゃったんだ。』
いつの間にか藤堂から電話を奪い取ったらしい朝比奈がのたまうので、思わずルルーシュは声を低くする。
「・・・省吾さん・・・藤堂さんに言いつけましたね・・・?」
『わぁぁっ!ごめん、ごめんなさい!!・・・だ、だって、心配だったんだよ~!』
「・・・はぁ・・・もういいです。怒ってません。・・・あの時はリヴァルがいたんで詳しい事は話せなくてすみませんでした。・・・賭けチェスも理由があるんです。代打ちをする代わりに、いろいろと支援してくれるように頼んでるんです。この先、ずっとアッシュフォードに匿ってもらえるという保証もないですから。」
以前はそのつもりで、貴族に恩を売っていた。(相手の貴族はコテンパンにしてやったが。)だが、今は少し違う。 黒の騎士団の予算に充てるために、稼いでいる、と言った方が正しい。キョウトに請求できないものもあるからだ。
そのまま朝比奈に告げるつもりはないため、代打ちを始めた理由を告げた。
『・・・あ、そっか・・・。』
「俺1人なら良いんです。我慢すれば良いだけですし。・・・でも、俺にはナナリーがいます。あの子につらい思いだけはさせたくない。」
『・・・ねぇ、ルルーシュ君・・・黒の騎士団に、来ない?』
唐突な朝比奈の言葉。だが、ルルーシュはその言葉が来る事を予想していた。
「・・・言うと思いました。でも、ダメです。・・・俺の傍にはスザクがいる。スザクに嘘は通じない。という事は、俺は、学園を出なければいけない。・・・ナナリーはどうするんです?アッシュフォードだって・・・信じられるかどうか・・・。」
『ナナリーちゃんはさ、キョウトに預けるとかダメかな?・・・神楽耶様と仲良かったじゃない。』
「・・・確かに、神楽耶とは仲が良かったですし、信用はできますが・・・桐原さん達はそうはいかないでしょう?」
そう言えば、朝比奈は唸る。
『確かにそうだけど・・・。』
「それに・・・ゼロが、元とはいえ、皇族の俺を受け入れるとは思えません。」
受け入れるつもりはない。それはゼロとしての判断だ。“ルルーシュ・ランペルージ”は、黒の騎士団にとっては必要と思える人材では無い。頭脳は1つで良い。
『ん~~~~・・・説得する。』
「・・・省吾さん、俺は・・・。」
『ぶっちゃけ、心配なんだよ。俺の知らないところで危険な目にあうんじゃないかって。・・・だって、枢木が傍にいるんでしょ?皇族の騎士の。・・・それってさ、皇族に見つかる危険性があるって事でしょ?』
「そう・・・そうやって、省吾さんは気付いてくれる。・・・でも、あいつは・・・だから、距離を少しおくようにしてるんです。ユフィに見つかれば、必然的にリア姉さま・・・っと、コーネリア姉上に見つかりますから。」
朝比奈と会話をしているうちに、自然と思考が昔に戻ってしまっていて、思わずユーフェミアの愛称を口にし、コーネリアの呼び方も幼い頃のようにしてしまう。慌てて言い直すも、しっかり朝比奈達には聞こえていたろう。
『・・・親しかったんだっけ?』
気遣うような声に、しまったと思っても、もう、取り繕うのは難しい。
「・・・まあ、クロヴィス兄さんから始まり、ユフィ、リア姉さま、シュナイゼル兄さま・・・本当に、俺と交流のあった皇族ばかりがこのエリアに来ますね。・・・もしかしたら、あの男に生きている事がバレてるんじゃないかと心配するくらい・・・。」
観念して言うと、朝比奈が息を呑むのが聞こえた。
『うわ・・・上位の皇族ばっかりじゃない。』
「なぜか気に入られてまして。・・・その事で、随分と周りから厭味を言われましたけど。」
思い出したら腹が立ってきた。あの時は随分な言われようだった。特に母に対しては、下賤の身とか庶出の皇妃とかそんな単語は当たり前で、親しかった兄姉などは、アリエスの蝶の毒牙にかかったとまで言われていたのだから。なぜか自分だけはアリエスの至宝などと呼ばれていたらしいが、それも厭味の一つだろう。(←無自覚)
『そっか・・・いくら憎くても、交流のあった兄姉とは戦い難いよね?』
「それは問題ありません。・・・俺は、元々・・・学校を卒業したら反旗を翻すつもりでしたから。」
なぜか、本音を口にしていた。ギアスを手に入れる前から、ずっと思っていたこと。戦い難いと言ってしまえば、誘われることもなくなるだろうに、ルルーシュの中で、朝比奈には嘘をつきたくないという思いと、隠さなければ、という思いがせめぎ合っているのだ。
『そう・・・それは、黒の騎士団の元じゃ、ダメなのかな?』
「・・・それは・・・すみません。考えさせてもらっても良いですか・・・?」
縋るような声に、はっきりとダメと言えなくて、ルルーシュはそう言って答えを先延ばしにする。
『うん。もちろん。・・・作戦が終わったら、また、連絡するから。・・・そうしたらさ、今度は会って、ちゃんと話そう?』
「・・・はい。」
穏やかな声で言われ、ルルーシュは素直に頷いて返事をした。
*
その後、朝比奈と二言三言言葉を交わし、電話を切る。
「・・・はぁ・・・。」
溜め息をつき、ソファーに座り込んだ瞬間、背後から声がかかる。
「再会したなら、それこそいいチャンスじゃないか。」
「・・・っ!?」
ルルーシュはギョッとして後ろを振り向く。
「話してしまえよ。ルルーシュがゼロだ、と。」
ニヤニヤと笑う魔女に、ルルーシュは言葉を詰まらせる。
「C.C.・・・いつの間に。」
「お前が電話をしている最中にな。鍵くらい閉めておけよ?・・・まあ、ナナリーや咲世子に聞かれたところでいくらでも誤魔化しはきくだろうが。」
チーズ君を抱きしめたまま、自分のベットに倒れ込んでくつろぐ魔女を見つめ、ルルーシュは溜め息をつく。
「・・・藤堂さんや省吾さんに・・・ゼロだと言うつもりはない。それは前にも言ったと思うが?」
「どこかへ逃げたいと思ってるくせに。・・・辛いんだろう?枢木スザクの傍にいるのは。皇族に生存が知られる以上に、自分ではなく、ユーフェミアの手をとった、あいつの傍にいるのが。」
「うるさい。黙れ。」
「黙らないさ。・・・こればかりは譲れない。お前の心は悲鳴をあげている。このままじゃ、心が死んでしまうぞ。」
「・・・俺は、最初から生きていないんだ。・・・だから、死ぬことなんてない。」
やはり口で説得するのは無理か、とC.C.は口を噤む。じっとルルーシュを見つめ、そして、突如真剣な表情をうかべる。
「私は、お前が生きてさえすればいい。そう思ってる。だから、黒の騎士団がどうなろうと知った事じゃない。・・・だが、生きてないと、そう、お前が言うのなら・・・考えがあるぞ。私にもな。」
「何を言って・・・。」
ルルーシュが問いただそうとするが、すでにごろんと転がり、C.C.はルルーシュに背を向けていた。
「・・・C.C.・・・余計な事はするな。これは警告だ・・・。」
そう言うと、ルルーシュは自室を出ていく。
残されたC.C.は、ルルーシュが出て行った扉をじっと見つめる。
「・・・ルルーシュ。お前を生かす事が、私の望み・・・。だから、無理にでも、生きてもらうぞ。」
― その為には、あの男に本気になってもらわねば。
幼いルルーシュに入れ込んでいた朝比奈を思い出し、クスリと笑う。本気でスザクとルルーシュを取り合っていた大人げない男。傍から見ていても、ルルーシュはスザクより朝比奈を頼りにしていた節があった。
それは、大人としての特権もあったのかもしれない。子供の目からも守ってくれているとわかるあの男の背中に、ルルーシュが安心感を抱いていたのは間違いない。
「さて、どうやって、吹き込んでやろうか。」
C.C.は、クツクツと肩を揺らし、チーズ君を抱き込んだ。
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クラブハウス・ルルーシュの自室
RRRRRRRRR…
「・・・もしもし?」
夜9時ジャストにかかって来た電話に苦笑を浮かべ、ルルーシュは通話ボタンを押す。
『あっ!もしもーし。朝比奈だよ!・・・今、大丈夫?』
「大丈夫ですよ。スザクも帰ったし、お手伝いさんはナナリーのところにいるので。」
『良かったー。・・・あ、ええと、次会う話なんだけど、これから大きな作戦があるんだって。その関係で1週間は無理だろうって、藤堂さんが。』
急に元気がなくなった朝比奈に、ルルーシュはやはりそうなったかと内心で呟く。
「そう、ですか。・・・残念です。」
『あ、ちょっと待って、今、藤堂さんと代わるね。』
ごそごそと音がして、いつも黒の騎士団で聞いている声より、ほんの少し柔らかい声が聞こえてくる。
『・・・ルルーシュ君。久しぶりだ。』
「・・・・・・・・。」
『ルルーシュ君・・・?』
返事を返さないルルーシュに訝る藤堂だが、ルルーシュはそれどころでは無い。いつも騎士団で会っている筈なのに、久々に聞いたこの柔らかい声に、のどが詰まり、目頭が熱くなる。
「・・・とう、ど・・・さん。」
涙声になってしまい、取り繕う間もなく、藤堂に感づかれる。
『泣いて、いるのか?』
どうやらスピーカーをオンにしてあるようで、電話の向こうで涙声が聞こえたらしい朝比奈が騒いでいるのが聞こえた。
「・・・すみません・・・少し、懐かしくて・・・。」
『そうか・・・生きていたと聞いて、安心したよ。』
「はい。藤堂さんも無事で何よりです。・・・俺たち兄妹は戦後すぐにアッシュフォードに匿ってもらって・・・。アッシュフォードは、母のこうけ・・あ、いえ、知り合いで・・・。」
後見人と言いかけて、ルルーシュは慌てて言い換える。
『・・・すまん。四聖剣には事情を説明してしまった。・・・君に確認してから話すべきだったのだが。』
藤堂の言っている事が一瞬わからなくて、首を傾げ、瞬間、思い至る。
「・・・っ!」
『大丈夫だ。安心してほしい。・・・口外するような連中では無いし、君自身も被害者であることは理解している。』
「・・・大丈夫?・・・本当に?」
『ああ。本当だ。・・・今まで、本当によく無事でいてくれた。皇室からは・・・?』
「隠れている状態です。・・・学園は、政庁からは離れてますし、今のところは安全です。」
『そうか。・・・ああ、そうだ、賭けチェスの話を聞いたぞ。・・・自分が何をしているのかはわかっているのか?』
― 省吾さん・・・藤堂さんに言いつけなくたっていいのに・・・。
ルルーシュは口元をひきつらせながら心の中でぼやく。
「・・・さっき散々スザクに怒られたんです。反省してますから、説教は勘弁して下さい。」
そう、やはり、スザクには嘘が通らなくて、代打ちを続けている事がバレてしまったのだ。
『あ、バレちゃったんだ。』
いつの間にか藤堂から電話を奪い取ったらしい朝比奈がのたまうので、思わずルルーシュは声を低くする。
「・・・省吾さん・・・藤堂さんに言いつけましたね・・・?」
『わぁぁっ!ごめん、ごめんなさい!!・・・だ、だって、心配だったんだよ~!』
「・・・はぁ・・・もういいです。怒ってません。・・・あの時はリヴァルがいたんで詳しい事は話せなくてすみませんでした。・・・賭けチェスも理由があるんです。代打ちをする代わりに、いろいろと支援してくれるように頼んでるんです。この先、ずっとアッシュフォードに匿ってもらえるという保証もないですから。」
以前はそのつもりで、貴族に恩を売っていた。(相手の貴族はコテンパンにしてやったが。)だが、今は少し違う。 黒の騎士団の予算に充てるために、稼いでいる、と言った方が正しい。キョウトに請求できないものもあるからだ。
そのまま朝比奈に告げるつもりはないため、代打ちを始めた理由を告げた。
『・・・あ、そっか・・・。』
「俺1人なら良いんです。我慢すれば良いだけですし。・・・でも、俺にはナナリーがいます。あの子につらい思いだけはさせたくない。」
『・・・ねぇ、ルルーシュ君・・・黒の騎士団に、来ない?』
唐突な朝比奈の言葉。だが、ルルーシュはその言葉が来る事を予想していた。
「・・・言うと思いました。でも、ダメです。・・・俺の傍にはスザクがいる。スザクに嘘は通じない。という事は、俺は、学園を出なければいけない。・・・ナナリーはどうするんです?アッシュフォードだって・・・信じられるかどうか・・・。」
『ナナリーちゃんはさ、キョウトに預けるとかダメかな?・・・神楽耶様と仲良かったじゃない。』
「・・・確かに、神楽耶とは仲が良かったですし、信用はできますが・・・桐原さん達はそうはいかないでしょう?」
そう言えば、朝比奈は唸る。
『確かにそうだけど・・・。』
「それに・・・ゼロが、元とはいえ、皇族の俺を受け入れるとは思えません。」
受け入れるつもりはない。それはゼロとしての判断だ。“ルルーシュ・ランペルージ”は、黒の騎士団にとっては必要と思える人材では無い。頭脳は1つで良い。
『ん~~~~・・・説得する。』
「・・・省吾さん、俺は・・・。」
『ぶっちゃけ、心配なんだよ。俺の知らないところで危険な目にあうんじゃないかって。・・・だって、枢木が傍にいるんでしょ?皇族の騎士の。・・・それってさ、皇族に見つかる危険性があるって事でしょ?』
「そう・・・そうやって、省吾さんは気付いてくれる。・・・でも、あいつは・・・だから、距離を少しおくようにしてるんです。ユフィに見つかれば、必然的にリア姉さま・・・っと、コーネリア姉上に見つかりますから。」
朝比奈と会話をしているうちに、自然と思考が昔に戻ってしまっていて、思わずユーフェミアの愛称を口にし、コーネリアの呼び方も幼い頃のようにしてしまう。慌てて言い直すも、しっかり朝比奈達には聞こえていたろう。
『・・・親しかったんだっけ?』
気遣うような声に、しまったと思っても、もう、取り繕うのは難しい。
「・・・まあ、クロヴィス兄さんから始まり、ユフィ、リア姉さま、シュナイゼル兄さま・・・本当に、俺と交流のあった皇族ばかりがこのエリアに来ますね。・・・もしかしたら、あの男に生きている事がバレてるんじゃないかと心配するくらい・・・。」
観念して言うと、朝比奈が息を呑むのが聞こえた。
『うわ・・・上位の皇族ばっかりじゃない。』
「なぜか気に入られてまして。・・・その事で、随分と周りから厭味を言われましたけど。」
思い出したら腹が立ってきた。あの時は随分な言われようだった。特に母に対しては、下賤の身とか庶出の皇妃とかそんな単語は当たり前で、親しかった兄姉などは、アリエスの蝶の毒牙にかかったとまで言われていたのだから。なぜか自分だけはアリエスの至宝などと呼ばれていたらしいが、それも厭味の一つだろう。(←無自覚)
『そっか・・・いくら憎くても、交流のあった兄姉とは戦い難いよね?』
「それは問題ありません。・・・俺は、元々・・・学校を卒業したら反旗を翻すつもりでしたから。」
なぜか、本音を口にしていた。ギアスを手に入れる前から、ずっと思っていたこと。戦い難いと言ってしまえば、誘われることもなくなるだろうに、ルルーシュの中で、朝比奈には嘘をつきたくないという思いと、隠さなければ、という思いがせめぎ合っているのだ。
『そう・・・それは、黒の騎士団の元じゃ、ダメなのかな?』
「・・・それは・・・すみません。考えさせてもらっても良いですか・・・?」
縋るような声に、はっきりとダメと言えなくて、ルルーシュはそう言って答えを先延ばしにする。
『うん。もちろん。・・・作戦が終わったら、また、連絡するから。・・・そうしたらさ、今度は会って、ちゃんと話そう?』
「・・・はい。」
穏やかな声で言われ、ルルーシュは素直に頷いて返事をした。
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その後、朝比奈と二言三言言葉を交わし、電話を切る。
「・・・はぁ・・・。」
溜め息をつき、ソファーに座り込んだ瞬間、背後から声がかかる。
「再会したなら、それこそいいチャンスじゃないか。」
「・・・っ!?」
ルルーシュはギョッとして後ろを振り向く。
「話してしまえよ。ルルーシュがゼロだ、と。」
ニヤニヤと笑う魔女に、ルルーシュは言葉を詰まらせる。
「C.C.・・・いつの間に。」
「お前が電話をしている最中にな。鍵くらい閉めておけよ?・・・まあ、ナナリーや咲世子に聞かれたところでいくらでも誤魔化しはきくだろうが。」
チーズ君を抱きしめたまま、自分のベットに倒れ込んでくつろぐ魔女を見つめ、ルルーシュは溜め息をつく。
「・・・藤堂さんや省吾さんに・・・ゼロだと言うつもりはない。それは前にも言ったと思うが?」
「どこかへ逃げたいと思ってるくせに。・・・辛いんだろう?枢木スザクの傍にいるのは。皇族に生存が知られる以上に、自分ではなく、ユーフェミアの手をとった、あいつの傍にいるのが。」
「うるさい。黙れ。」
「黙らないさ。・・・こればかりは譲れない。お前の心は悲鳴をあげている。このままじゃ、心が死んでしまうぞ。」
「・・・俺は、最初から生きていないんだ。・・・だから、死ぬことなんてない。」
やはり口で説得するのは無理か、とC.C.は口を噤む。じっとルルーシュを見つめ、そして、突如真剣な表情をうかべる。
「私は、お前が生きてさえすればいい。そう思ってる。だから、黒の騎士団がどうなろうと知った事じゃない。・・・だが、生きてないと、そう、お前が言うのなら・・・考えがあるぞ。私にもな。」
「何を言って・・・。」
ルルーシュが問いただそうとするが、すでにごろんと転がり、C.C.はルルーシュに背を向けていた。
「・・・C.C.・・・余計な事はするな。これは警告だ・・・。」
そう言うと、ルルーシュは自室を出ていく。
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「・・・ルルーシュ。お前を生かす事が、私の望み・・・。だから、無理にでも、生きてもらうぞ。」
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