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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・『ルルは皆に愛されています』設定、カレルル前提総受け
・R2の19話、本編シュナ兄より、黒いシュナ兄です
・シリアスっぽい?
・R2なので、19話までに死んだ人は皆死んでる感じで・・・;
・捏造満載

以上、同意できる方のみ↓へ・・・










 枢木スザクの撃った“フレイヤ”という兵器の威力は凄まじいものだった。敵も味方も関係なく多くの人間が命を落とし、そして、“ゼロ”ことルルーシュの最も愛している妹が巻き込まれたとあって、黒の騎士団の統率は乱れに乱れた。

「ナナリーを探せッ!!・・・ナナリーをッ!!!」

 悲痛な叫びに耳を塞ぎ、自身も大事な部下を失った悲しみを押し殺し、藤堂は敢えて厳しい言葉を発した。

「ゼロ、このままではまずい、一度、立て直しをしなければ。」

「・・・っ!・・・うるさいっ!黙れ!!・・・良いから、ナナリーを探せ!!!」

 もう、彼の耳に自分の忠告は届かないだろうと、藤堂は眉根を寄せた。彼の全てである妹が亡くなってしまえば、彼の行動の殆どの大義名分が無くなってしまう。そして、彼の生きる意味すら。

 だが、それがわかっていても、彼を失うわけにはいかなかった。このままでは、自暴自棄で自我を崩壊させ兼ねない。それに、彼の剣たる黒の騎士団をこのまま壊滅させるわけにもいかなかった。

「・・・紅月君・・・ルルーシュ君を、頼む。・・・俺達は一旦撤退する。」

 カレンにだけ通信を繋ぐ。今、ルルーシュを立ち直らせることが出来るのは、彼女ぐらいしか思い当たらなかった。

 彼女だけでもブリタニアから救い出せて、本当に良かったと思う。仮初の弟や忠義の騎士では、足りない部分を、彼女が補ってくれるだろうことは間違いないからだ。

「わかりました。・・・ルルーシュは私が回収します。・・・みんなを、よろしくお願いします。」

「承知した。」





 撤退を始める黒の騎士団に毒づきながら、ルルーシュは必死になってナナリーを探していた。そこに割り込む様にカレンからの通信が入る。

「ルルーシュ。・・・落ち着いて。ちゃんと周りを見て?」

「カレンッ・・・だが、ナナリーが!!ナナッ・・・リーが・・・そんな、そんなことッ・・・。」

「うん。うん・・・。わかるよ、ルルーシュ。だって、ルルーシュはナナリーちゃんが1番だったんだものね。・・・でもね、私はルルーシュが1番。2番に騎士団の皆や日本のこと。・・・だからね、貴方を失うわけにはいかないの。・・・ねぇ、ルルーシュ、撤退しましょう?」

「だがッ、ナナリーがッ!!」

 こんな風にルルーシュが乱れるのは2度目。1度目は、ナナリーに“ゼロ”を否定された時。リフレインに走る程に、ルルーシュは追い詰められてしまった。結局、自分の説得や、ロロの説得、そして、何も知らない(覚えていない)とはいえ、生徒会のメンバーの励ましが効いて、ルルーシュは立ち直ることが出来た。

 だが、今度はそんなに簡単にはいかないことはわかっている。だって、目の前で消えたのだ。最愛の妹が。フレイヤの光に巻き込まれて。

「ルルーシュ、しっかりしなさい!!卜部さんに頼まれたじゃない!!日本人を救ってやって欲しいって!!・・・ねえ、あんたは、今、何の為に戦ってるのッ!?」

「何の為?・・・それは、ナナリーが望んだ・・・優しい世界の・・・いや・・・ナナリーだけじゃない・・・俺は・・・あぁ・・・。」

 多くの人間が死んでいった。騎士団の仲間達もたくさん死んだ。あれだけ可愛がってくれた四聖剣も、残ったのは千葉だけ。そこまで考えが至ったルルーシュの目に正気の光が点る。

「・・・ロロ、ジェレミア・・・聞こえるか?」

「聞こえるよ、兄さん。」

「はい、ルルーシュ様。」

「取り乱してすまなかった・・・ナナリーの捜索は打ち切る・・・。一度、斑鳩に戻って、体勢を立て直す。」

「うん、わかった。」

「イエス・ユア・マジェスティ!!」

 2人の返事に、ルルーシュはホッと息をつく。そして、繋ぎっぱなしだったカレンとの通信を続ける。

「カレン・・・俺は君に言ったな。・・・全てが終わったら、学園に帰ろうって。」

「ええ。」

「・・・忘れてしまうところだったよ・・・。」

 クス、とルルーシュが笑った気配がして、カレンは表情を歪めるが、なるべく声を明るくして応じる。

「酷いわ。私との約束を反故にするつもりだったの?」

「すまない。もう大丈夫だ。・・・後で、藤堂さんにも謝らないとな。辛いのは俺だけじゃない。」

「そうね、ちゃんと謝れば、皆許してくれるわ。・・・それに、あんなの、卑怯よ。あんな、兵器をこんな租界のど真ん中で装備するなんて・・・。」

 カレンの声が震える。泣いているのだろうと気付いて、ルルーシュは愛おしげに目を細めた。

「・・・カレン、とりあえず戻ろう。・・・俺達には、まだ、やらなきゃならないことがある。・・・負けるわけにはいかないんだ。」

「・・・うん。・・・ふふ、また、立場が逆転しちゃったわね。」

「カレンにはいつも助けられている。・・・たまにはこちらが助けないとな。・・・君だけでも、無事に戻って来てくれて良かった。・・・君まで失っていたら、俺は、きっと立ち直れなかった。」

「ルルーシュ///・・・うん。」

 甘やかな声に、カレンは知らずの内に赤面して、顔が熱くなるのを自覚しながら、ルルーシュの乗る蜃気楼を伴い、斑鳩に帰還した。





 一方、ルルーシュとカレンが戻る前に、斑鳩のブリッジに集合した面々は、ブリタニア宰相が乗り込んで来たという団員からの報告で、渋面を作って顔を突き合わせていた。

「・・・枢木のせいで、シュナイゼルの野郎に顔が割れたってのは聞いたけどよ、どうすんだよ?まさか、本人と会わせるわけにはいかねーだろ?」

 玉城がバン、と机を叩く。すると、藤堂は眉を潜め、首を縦に振る。

「ああ・・・ナナリー君を失ったばかりのルルーシュ君に、シュナイゼルの相手は荷が重すぎる。」

「でも・・・俺達だけで・・・。」

 気弱な発言をしたのは、扇だった。ルルーシュが万全の時ですら手間取る相手を、自分達が扱いきれるか自信が無かったのだ。

「・・・とにかく、行ってみましょう。ルルーシュ様に頼るわけにはいかないのですから、我々で何とか対処しなければ。」

 ディートハルトが言うと、皆がそれぞれに表情を引き締めて、頷いた。

「・・・よし、行くか。」

 立ち上がる藤堂に、その場に集まっていた、扇、千葉、玉城、ディートハルト、ヴィレッタがつき従って、斑鳩内の応接室に向かった。





「会談に応じてくれて、感謝しているよ。・・・さて、早速本題に入らせてもらうが・・・君達は“ゼロ”の正体に気付いているのだろうか?」

 シュナイゼルのカードの切り方は絶妙だ、とルルーシュが言っていたことを思い出す。

 こちらの意識を引き寄せ、考える余裕を無くし、言葉一つでコントロールしてしまう。それが、シュナイゼルの最強の武器なのだと、改めて理解する。

「・・・正体?そんなものは関係ねーよ!ゼロはゼロだ!俺様の親友なんだよ!!」

 玉城が勢いに乗せて反論すると、シュナイゼルは穏やかな笑みを湛えたまま、うーん、と唸る。

「そうかい?・・・ゼロが、ブリタニアの皇子だとしても、そう言えるかな?・・・彼は、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは、神聖ブリタニア帝国の第11皇子だ。」

 絶句。あっさりと言ってのけたシュナイゼルに、肉親としての情は全く無いのかと、その場にいる者達は目を丸くした。

 もし、自分達が何も知らなかったとしたら、きっと彼への不信感を募らせただろうことは、簡単に想像がつく。つまり、シュナイゼルは、自分達に彼を裏切らせようとしているのだ。

 こちらの驚きを、違う意味でとらえたらしいシュナイゼルは、悲しい表情を作って、言葉を続ける。

「彼は、私やコーネリアの異母弟。・・・私が最も愛し、最も恐れた男だ。・・・そして、彼は他人を支配できる、恐ろしい力を持っている。」

「・・・恐ろしい力?」

 ギアスのことを言っているのだろうとは理解できた。だが、どこまで掴んでいるかを知る為に、藤堂はわざと知らぬふりをした。

「・・・そう、これらの資料を見て欲しい。・・・彼等の行動は、全て、ルルーシュに操られた結果によるものだと推測される。」

 渡された資料には、確かに、ルルーシュがギアスを使ったことのある面々が載っていた。確かにギアスは使われた。だが、ギアスは完全ではなく、ルルーシュ自身が望んでかけていたものではないものもある。その最たるものが、ユーフェミアにかけた“日本人を殺せ”というギアス。

「ルルーシュは・・・あの行政特区が気に入らなかったんだろうね。ユフィのあの行動は、彼の力、ギアスによるものだ。」

 虐殺皇女。それがルルーシュの望みの形だと言ってのけるシュナイゼルに、殺意が湧く。この場で刀を抜き放ち、お前と一緒にするなと叫びたかった。

 だが、まだ、シュナイゼルがどこまで掴んでいるかがわからない。出来る限り、情報を引き出さなければ。そう己に命じて藤堂は言葉を紡ぐ。

「・・・ゼロが、ユーフェミアに日本人を殺せと・・・そう命じたというのか・・・。」

 怒りを押し殺した藤堂の声は、その矛先の違いを捉えられることもなく、シュナイゼルは、悲しい表情を崩さずに頷いた。

「そう。・・・彼にとっては、この戦いはゲームでしかない。他者を従え、楽しんでいるのだよ。」

 いけしゃあしゃあと言ってのけたシュナイゼルに、その場の空気が剣呑なものに変わる。

「・・・わりぃ、扇・・・俺はもう、我慢の限界だ。」

 ガタン、とイスを蹴倒し、玉城がギロリとシュナイゼルを睨む。

「・・・奇遇だな、玉城。・・・さすがの俺も、限界だ。・・・すみません、藤堂さん。」

 扇もいつになく怒った様子で立ち上がる。

「・・・玉城、扇・・・。」

 藤堂は眉根を寄せて、厳しい視線をシュナイゼルに向けた。

「謝る必要はない。・・・俺も、我慢ならん。」

 シュナイゼルも3人の様子がおかしいことに気付き、首を傾げた。

「・・・その情報は本当だよ?・・・何なら、本人の言葉を聞かせてあげよう。」

 取り出したのは、ボイスレコーダー。そこから流れるのは、枢木神社でのスザクとルルーシュのやり取り。それは、とても巧妙に編集されていた。

「・・・はっ!そんな偽の情報で、俺達を騙せると思ってんのか!?」

「強情だね。君達もギアスにかけられているのかもしれないよ?よく考えてごらん?」

「考えなくてもわかる。」

 藤堂の言葉に、シュナイゼルとカノン、そして、コーネリアが首を傾げる。

「なぜなら・・・我々は、全て、ルルーシュ君から聞いているからだ。」

「「「っな!?」」」

 ブリタニア側、3人の驚きの声が重なる。

「お前達は、ルルーシュの所業を知りながらも、つき従っているというのか!?あいつは、日本人を殺せとユフィに!!」

 コーネリアの言葉に、扇がゆるりと首を振った。

「違う。・・・ゼロ、ルルーシュは、ユーフェミアと手を組もうとしていた。あれは事故だったんだ!望んでかけたわけじゃない!!」

「・・・事故だと?」

 訝しげなコーネリアに、ヴィレッタが扇の言葉を補足する。

「ルルーシュのギアスは現在暴走している状態です。・・・一度の不発を経て、ユーフェミア殿下と話をしている最中、ギアスの説明をしている時に、完全に暴走し、悪い冗談のつもりで言った、日本人を殺せ、という言葉がユーフェミア殿下を支配してしまったんです。・・・ルルーシュのギアスは1人1回きり、一度かけた命令を取り消すことはできません。」

 ヴィレッタの言葉に、コーネリアは目を丸くした。

「・・・では・・・ルルーシュは・・・。」

「酷く落ち込んだようですが、その死を無駄にしないためにも、ゼロを続けるしかなかったんです。もう、あそこまできてしまったら、後戻りすることは、犠牲になった者達の死を無駄にすることになりますから。」

「ルルーシュ君が快楽的にギアスをかけ、他者を殺していたとでも言うのか?・・・彼の覚悟を知りもしないくせに、しかも、偽の情報を作り上げるなんて、何ということを。」

 コーネリアに丁寧に説明するヴィレッタの脇で、藤堂が唸りながらシュナイゼルを睨む。

「あ、兄上・・・。」

 自身を見つめるコーネリアの視線が、疑惑に染まるのを見て、シュナイゼルは肩を竦めた。

「・・・想定外だったね、まさか、あのルルーシュが、他者を信じ、その全てを告げているとは。」

 兄である自身を信じないと言ったルルーシュが、まさか、他人である彼等を信じるとは。そう内心で驚きながらも、拒絶の視線を向けてくる黒の騎士団の面子を見つめ、どこか崩すところは無いかと探る。

「俺達は、1年前からずっと、ルルーシュ君の味方だ。彼の思想もなにもかも、全てを打ち明けてもらっている。・・・彼が立ち上がり、黒の騎士団を作ったのは、妹の為、そして、亡き母の死の真相を知る為だ。」

 藤堂の言葉に、コーネリアの表情が曇った。

「・・・マリアンヌ様の・・・。」

 己に警備を一旦全て下がらせるようにと命じた、憧れの彼の皇妃を思い出す。

 その真相を知りたいと調べたこともあったが、テロリストはその日の内に処分され、目撃者で生き残っていたのはナナリーただ1人。幼い少女に聞き出すのも躊躇われ、調査を打ち切ってしまった己を恥じる。

 コーネリアは決意した。ルルーシュが故意にユーフェミアを操ったのではないのだとしたら、もっときちんとした場所を設けて、ルルーシュの言葉で説明を受けたかった。

「兄上、私は・・・。」

「コーネリア・・・君も彼等に感化されてしまったのかい?・・・まったく誤算だったよ。こうなるとわかっていたら、もっと別の手段を用いたのにね。・・・残念だ・・・これではルルーシュを始末できない。」

 コーネリアの言葉を遮り、シュナイゼルが言った言葉は、愛情のかけらもない言葉。その情報がただの憶測でしかないことをわかった上での作戦だったと、気付かされる。

「兄上・・・貴方は・・・。」

「我々は、貴様に騙されはしない。・・・彼を始末などさせない!!」

 藤堂の言葉に、黒の騎士団側として立ち会った者達が一斉に頷く。

「・・・フム。・・・我々の方が、分が悪いようだ。ここはいったん引くことにしよう。」

「けっ!二度とくんじゃねー!!」

 玉城が悪態をつくと、シュナイゼルは肩を竦め、颯爽とその場を立ち去ろうとする。が、ピタリと立ち止まり、動く気配を見せなかったコーネリアを振り返る。

「コーネリア、君はどうするんだい?」

「私は・・・。」

 口ごもるコーネリアに、シュナイゼルは冷たい笑みをうかべた。

「残念だよ、コーネリア。」

「・・・っ!」

 あっさりと己を切り捨てたシュナイゼルに、コーネリアは愕然とした。そして、その様子を見ていた黒の騎士団の面々も、こういう人間だと聞いてはいたが、実際に目の当たりにして、怒りを通り越して、呆れてしまう。

 結局、コーネリアを残して去っていったシュナイゼルに、後で絶対泣きを見せてやると、藤堂達は心に誓い合い、ルルーシュに会談の様子を報告するため、彼がいるだろう部屋に向かった。


 おしまい☆


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