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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・カカシは幼少時からスレナルの世話係な感じで事情を知っています。
・うちは事件は詳しくは書いていませんが、捏造です。
・サスケとナルトはあまりラブラブしてませんが、お付き合いはしています。
・オリジナルキャラが出てきます

以上のことが許せる方。↓へどうぞ。







氷解する違和感の正体。

目の前にいる彼はまったく悪気のない表情で、こちらを見ている。

彼から突然告げられた真実。

きっかけは、私達にしてみれば、ほんの些細なこと・・・些細だと思ったこと。



→数時間前

「おーいっ、サっクラちゃーんvV」

満面の笑顔でナルトが走ってくる。金色の髪が太陽の光をうけて、キラキラと光っている。

男なのに、まったく傷んでいないサラサラとした髪は、毎日手入れをしている私からしてみれば、憎たらしいほど羨ましい。

「なによ。朝っぱらから。」

ついついキツい言い方になってしまうが、当の本人は気にした様子もない。

「あのさっあのさっ!サクラちゃん、今日ヒマだってば?」

目をキラキラとさせて、ナルトは私を見てくる。最近気づいたのだが、自分はこの目に弱い。

どうにも、幼い子におねだりされているような気分になるのだ。ナルトは同い年だというのに。

「まぁ、ヒマだけど・・・。」

「じゃあさっ、ちょっと付き合ってってばよ!」

「ちょっ、ちょっと・・・どこによ!」

ぐいぐいと有無を言わさずに引っぱられ、私はたたらをふみながらナルトに訊ねる。

「ニシシ、秘密だってばよ!・・・行ってからのお楽しみだってば。・・・あっ大丈夫だってばよ、誘ってんのサクラちゃんだけじゃないから。」

ふっとその言葉に違和感があった。ナルトはいつもこんなふうに話しただろうか?

いつもバカみたい騒いでいる印象しかなくて・・・先ほどのように、こちらを安心させるような、意図を持って話しているところを見たことがない。

それこそ、思ったことをそのまま口にしているような、そんな感じ・・・。なのに、今は、どうだろうか。

「・・・他に誰誘ってるの?」

違和感を拭いきれないまま、私はナルトに訝しげな視線を向ける。

「んー?・・・サスケと暇そうだったおバカ3トリオ(←シカマル達と思われる)とヒナタとキバとシノと~。」

「・・・まだいるの?っていうか、同期全員じゃない。」

「うん、あと担当上忍も。」

ナルトがついでとばかりに言うから、私はかなりマヌケな表情でポカンとしてしまう。

「どういうこと?・・・何しようとしてるのよ?」

「来たらわかるってばよー。」

意外と頑固なナルトはこれ以上は話さないだろうと諦め、みんなも待っているという場所に大人しく引っぱられていく。






そして、連れてこられた先は、死の森の近く。

「あ、サクラ~。あんたも連れて来られたの~?」

ひらひらと手を振って私達を迎えたのは、親友のイノ。そして、同期と担当上忍の姿。

「・・・ええ。」

皆が皆、大人しく連れてこられたのかと思ったら、なんだか可笑しかった。皆、ナルトの、あの、おねだり攻撃に負けたのだろう。

「で、皆を集めて、何をしようっていうのかなー?」

カカシ先生がやる気の無い表情でナルトに訊ねる。

「え?わかんない?・・・カカシせ・ん・せ・い?」

「・・・あ~・・・わかったかも。・・・え~、ちょっと、賛成しかねるんだけど。」

にっこりと笑うナルトに、カカシ先生は渋い表情を浮かべる。それを見て、私は思わず首を傾げてしまう。

「カカシ先生?・・・ナルト?」

「ん~・・・なんだかな~・・・なんで、今?」

カカシ先生は、頭の上に?を浮かべる下忍と同僚を見つめ顔を顰める。そして、ナルトを振り返って、賛成しかねると再度呟いた。

「・・・あ、知らせてないんだ。じいさま。」

「・・・何?火影様の許可貰ってるの?」

カカシ先生の渋い顔が更に渋くなる。

「・・・だって、じいさまは、俺の頼みなら、断れないじゃん?」

「・・・千坐は?」

「さぁ~・・・今、任務で遠くに行ってるから~。」

― なんだか、ナルトの笑みが黒いわよ!!・・・というか、さっきから、口調に違和感を感じるんですけど!しゃーんーなろー!!(内なるサクラ)

「うわぁ・・・誰から習ったの、そんなやり方。」

「え?・・・イタチ君、だったかな?」

ぴくり。

なぜか、イタチという名前に反応したのは、サスケ君。

「・・・兄貴・・・;」

こめかみを押さえ、深々と溜息をつく。・・・あれ?サスケ君の一族って、全員殺されたんじゃ・・・?思わずサスケ君を凝視するが、気付いてはくれなかった。

「・・・もー・・・ろくな事教えないねーイタチは。」

呆れたように言うカカシ先生に、紅先生とアスマ先生が首を傾げる。

「おい、イタチって・・・。」

「ちょっと、カカシ!どういうこと?うずまきがなんでイタチと接触しているの!?・・・うちはイタチは、うちは一族を滅亡に導いた事件の首謀者じゃない!」

まったく話についていけないとばかりに詰め寄る2人に、カカシ先生は深く溜息をついた。

「ねー、ナルト。・・・やるなら、焦らしちゃダメでしょ。」

「・・・ん、そうだね。」

カカシ先生の言葉で、ナルトがようやく私達に視線を向ける。

「皆に集まってもらったのは・・・これから起こるだろう危機の為に、予備知識を身に付けて置いて欲しかったからなんだ。」

苦笑を浮かべるナルトはドベのイメージとは全然違っていて、私達は目を白黒させる。

「あー・・・危機って、なんだ?」

シカマルがガシガシと頭の後ろを掻き、訊ねた。

「・・・伝説の三忍の1人、大蛇丸。そいつが、木ノ葉を襲撃するつもりだ。今度行われる、中忍選抜試験に乗じてな。」

「・・・なぜ、ナルトがそんな事を知っている?」

おそらく、この中では一番冷静さを保っているシノが、ナルトの答えに首を傾げる。

「今まで、大蛇丸と同じ、伝説の三忍の1人である自来也と一緒に、大蛇丸を調べていたから。」

「ちょっと待って!そんな任務、いつやってたのよ!私達、ほぼ毎日下忍任務で・・・!」

「うん。だから、夜の任務。」

「夜って・・・。」

絶句する私に、ナルトは微笑みかける。

「俺、皆をずっと騙してた。ドベのフリをしていれば、敵も、そして木ノ葉の大人も、ドベナルトと俺のもう1つの顔とを同一人物だろうと思わないと考えたから。」

「もう1つの顔だぁ?なんだ、それ。」

イライラと言うのはキバ。今まで黙っていられたのも奇跡と思えるくらいだ。どうやら、もう、我慢がきかないらしい。もともと、同期の中でも一番ケンカっ早いのはキバだった。

「俺、アカデミーに入る前から、暗部の一員だったんだ。」

さらり、と言われた言葉に、皆がかきん、と固まる。

「「「「「っえええええっ!!」」」」」

悲鳴にも似た叫びが、死の森にこだまする。

「おいおい、暗部ってあの、暗部か?・・・ちょっと待て、アカデミーに入る前って、お前、確か、俺らより2年先にアカデミーに入学してるよな?・・・つまり、5歳!?」

シカマルが補足すれば、もう、皆は絶句するしかない。

「正確には、3歳の頃から暗部の任務に着いて来てたけどねー。」

私はこの時ばかりは、へらへらと笑うカカシ先生の顔をぶん殴ってやりたい気分になった。どうしてこんなに大切なことをこんな風に話すのだ。

「・・・ナルトが強いって言うのはわかったわ~。でも~、大蛇丸っていう人がどうこうって言うのと、私達に真実を話すのと、どう関係があるっていうのよ~。」

最もなイノの言葉に、色々と言動に振り回されていた同期達がハッとしてナルトを見つめる。

「確かに、そうだよね・・・(もぐもぐ)・・・仮にも伝説って呼ばれる忍びでしょ?・・・僕達じゃ、相手にならないよね?」

チョウジも思いの外冷静だったらしく、イノの言葉を補足する。

「・・・一緒に闘って欲しいわけじゃないんだ。」

「・・・はぁ、さっさと言っちまえ。」

サスケ君が眉間にしわを寄せ、ナルトを促す。・・・何、何なの!?サスケ君も事情知ってるワケ!?

「・・・わかってるって・・・ええと、話を戻すと、大蛇丸が相手となれば、俺も本気で相手をすることになると思う。そうなれば、黙っていた事が全てバレてしまう可能性がある・・・だから、そんなバレ方は嫌だから。・・・話してしまおうと思ったんだ。皆にだけは。」

私達同期はああと納得し、紅先生とアスマ先生はなぜか、沈んだ表情を浮かべた。それは、きっと、これから語られる真実の一部を知っていたからだったんだと後から知ったのだけど。

ナルトは、淡々と語った。自分の出生、両親の事。あの事件の・・・九尾の事。暗部の事。うちはの事件の真実。

私達にわかりやすいように噛み砕いた言い方で。それこそ、他人事のようにナルトは語ったのだ。

「・・・どうして?」

私の口をついて出たのは、疑問。

「そんな、大事な事・・・里の重要機密までっ・・・。」

「うん。皆には知っていて欲しかったんだ。・・・皆はさ、俺の事、色々助けてくれてただろ?」

私達は一斉にわからないという表情を浮かべる。

「シカマルとチョウジとキバ。お前らは俺を仲間はずれになんてしなかった。他の連中が何を言おうと、つるんでくれてた。シノ、お前も。全然気にかけてないように見えるのに、俺の事、さりげなく心無い連中から守ってくれた。ヒナタもそうだ。イノは、俺に鉢植えとか売るときにおまけしてくれたり、植物の手入れの仕方を教えてくれたり。・・・サクラちゃんも何かあると俺を心配してくれて。紅先生もアスマ先生も、九尾の事知ってるはずなのに、俺の事、普通の下忍のように扱ってくれて・・・皆にとっては些細な事かもしれないけど、俺にとっては、本当に嬉しい事だったんだ。」

自嘲するナルトの笑みがすごく綺麗で、思わず見惚れる。

が、すぐに気付く。全てを知っていたらしいカカシ先生を除いて、同期の中で一人だけ名前を呼ばれていない。

「サスケ・・・。」

改まったナルトが硬い声でその名を呼ぶ。つい、サスケ君ががどんな表情をしているのかとそちらを見る。そして、またも絶句する。

「ああ・・・もう、偽る必要は無いな、蒼藍。」

サスケ君はナルトに名を呼ばれた瞬間に、柔らかな笑みを浮かべたのだ。・・・暗部で呼ばれているという名前でナルトを呼んで。

「サスケ・・・いや、焔雷。・・・お前にも感謝してる。俺の為に随分と無理をさせたよな。」

「いや、ナルトの為だしな。」

いつものケンカ腰でしか話をしなかった2人からは想像が出来ない程に、穏やかな空気。

「焔雷!?・・・それって、暗部の・・・。」

紅先生が驚きの声をあげる。

「そうだ。・・・俺は、暗部で“銀の月”蒼藍の補佐をしている。」

「銀の月!?火影と並び称される木ノ葉最強の忍・・・うずまきだったのか!?」

サスケ君の答えにギョッとしたのはアスマ先生。そして、その言葉に全員がギョッとする。

「強いって・・・そこまで・・・。」

私は愕然と呟いた。さすがにそこまでとは思わなかったのだ。

「蒼藍だけじゃ、わからなかったでしょ。・・・この子は故意にその名を広めないようにして、その代わりに二つ名を広めるようにしたんだよ。元祖猪鹿蝶を脅して。ねぇ、ナルト?」

「・・・親父達も知ってたのか。」

がっくりとうなだれたのはシカマル。イノもチョウジも同様にショックを受けたようだった。

「まあな。・・・カカシ君ほど深く関わっていたワケでは無いけど。」

苦笑するナルトに、イノ達も苦笑を浮かべた。

「・・・しかし、イタチが未だに暗部の所属で潜入任務をこなしてるなんてなぁ・・・。」

アスマ先生が溜息をつくと、カカシ先生がカラカラと笑う。

「いや~、ホント。イタチがあっさりと潜入任務を受けたから、びっくりしたよ。あんなに、ナルトの傍から離れなかったのにさ。」

「・・・俺に託したんだよ。ナルトを丸ごとな。」

サスケ君がニヤ、と笑う。な、何だか、嫌な予感が・・・。

「でもさ~・・・イタチが丸ごとって言うの、ありえないと思うんだよねぇ。サスケ・・・何やったの?」

「・・・さぁ?・・・でも、カカシも知ってるだろ?・・・俺は、イタチより、強いんだぜ?」

サスケ君まで黒い笑みを浮かべてる。・・・絶対、ナルトの黒さと同じで、お兄さんの影響だと思う!

「・・・で、なんだか、色々ついていけないんだけど、つまり、第7班で知らなかったのは、私だけってことね・・・?」

そう。そうよ!私だけが知らなかったって事よ!!

「あ・・・。あーははは?」

カカシ先生を見ると、笑って誤魔化そうとする。だから、私は、ナルトに視線を向ける。

「・・・ナルト・・・私達のこと、信用してくれたって思ってもいいの?」

「うん。」

ハッキリと頷いたナルトに、私はホッと笑む。

「そう。ありがとう。・・・で、事情は色々わかったから・・・私達にも協力できる事は協力させてもらえるのよね?」

「・・・ふぇ!?」

素っ頓狂な声をあげ、ナルトが眼を見開く。・・・いつものナルトの表情だ。実は、いつものドベナルトも、全くの嘘じゃないのかもしれない。そう思ったら、ちょっと安心した。

「だって、ずるいじゃない。サスケ君もカカシ先生も・・・って。確かに、私達じゃ、実力は及ばないかもしれないけど、他に協力できる事だってあるでしょ?」

そう。サスケ君とカカシ先生だけなんてずるい。私だって、第7班の一員なのだ。それに・・・気付いてしまったのだ、ナルトのカッコよさに。落ち着いて話すナルトの、あの、大人びた表情。・・・きっと、あの表情に惹かれたのは、私だけじゃない。

「・・・サクラ・・・お前、まさか。」

サスケ君が訝しげ、というよりは、もう、確信したといわんばかりに睨んでくる。ナルトの後ろに位置しているからナルトは気付いていないけれど。完全に、敵と認識した目だ。・・・以前では考えられないけど、私はそれを平然と受け流して、逆に、微笑んでみせる。

「・・・サスケ君!・・・独り占めは、許さないんだからね?」

何を、とは言わない。ナルトが首を傾げている。こういう事には、鈍感なのね。サスケ君が敏感になる理由がわかる気がする。

「・・・っく。」

悔しげなサスケ君を見て、胸がスッとしたのがわかった。

「あら~、サクラぁ~?・・・抜け駆けはナシよー?」

イノが私の隣に立ち、ニヤリと笑う。やっぱりね。イノもそう言うと思ったわ。

「・・・抜け駆けしたのは、サスケ君とカカシ先生でしょ。」

「・・・えぇ?俺も?・・・カウントしないでよ。俺は“保護者”なんだから。」

すでに先生は戦線離脱したらしい。

なら、当面、最大の敵はサスケ君というわけだ。(因みに、遠くにいるサスケ君のお兄さんはカウントしない。)

「・・・覚悟してね!サスケ君!・・・ナルトもね!」

「・・・う、うん?」

「・・・ち。」

わかってない風なナルトと、悔しそうに舌打ちするサスケ君。・・・絶対に負けないわよ!絶対にね!!しゃーんなろー!!(←内なる・・・サクラ?)


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