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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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・W副長設定です!
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・完全捏造です
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・






「それで?・・・お前のことだ。何の収穫も無しに戻って来たわけじゃなかろう?」

地下から戻ってきて幼馴染と顔を合わせた瞬間に、決め付けたような言葉を頂戴する。

「まぁ、な」

ただ、怯えて帰ってくるはずもない。そう信用されているのか、それとも、そんなキャラじゃないと思われているだけなのか。

曖昧な返事をして、高杉は煙管を咥えた。

「・・・高杉、アレはあまり変わってなかったじゃろ?」

「あぁ・・・なんだ、テメェも会ったのか?」

「いんや?ちーっと電話で話をしただけじゃあ」

あの病みっぷりは、実際に会ってみないとわからないものだろう。しかし、この男と電話で話すとなると商売ということになる。まさかとは思いつつも高杉は責めるような視線を向けた。

「坂本、テメェ・・・白鬼党に武器なんざ、売ってねェだろうな?」

「売っていやーせんよ。今のアレと商売する気にゃなれやーせんからなぁ」

ひょい、と肩を竦めた坂本に、高杉はホッと息をつく。

「・・・軽助は変わっておらんのか」

桂がポツリと呟く。

銀時に心酔し、銀時の言葉だけを聞いて、銀時の真似ごとをしたがった少年。

白夜叉を崇拝する者達の中でも、最も異様だったのは彼だ。それを思い出して、桂は眉間にしわを寄せた。

「変わってねぇどころか、更に壊れた感じがしたな・・・銀時に棄てられたなんて微塵も思ってねェ。幕府が銀時を無理矢理奪ったみてェに思ってやがった」

高杉の言葉に背筋が冷える。

「それは―――」

「やき、わしと一緒に来ないか、とゆうたがやきなぁ・・・銀時は優しいから、ヤツ等を助長させたのじゃろう」

「俺達の力不足というものもあろうよ。銀時に負担をかけていることはわかっていたが、止められなかったのは、口惜しい」

今でも腹立たしく思う。

戸惑う銀時の気持ちを無視し、勝手に白夜叉を神格化し、崇拝した。それのどこに銀時に対する情があったというのか。

「真選組もいろいろ動いてるようじゃねェか。あ?坂本。テメェの指示だろ?」

「あははー。なんのことじゃろう?」

高杉の追及を軽く笑い飛ばす坂本の目は笑っていない。かつては、底のない沼のような深淵さを垣間見せるその目を見て、高杉も桂も仲間でありながらも恐ろしく感じたものだ。

だが、今は坂本のひととなりをよく知っているだけに、それが恐ろしいとは感じなくなった。

むしろ、真選組でこんな目をしたりしていないだろうかと心配にすらなる。

「坂本ォ、テメェ・・・真選組に喧嘩ふっかけてねェだろうな?」

「していやーせんよ~。ほがなことをしたら、銀時に嫌われてしまうきに」

「銀時オンリーかよ・・・ますます心配になってきたじゃねェか」

ガックリと肩を落とす高杉に、坂本はニヤリと笑った。

「安心せぇ。わしの本性に気づいちょるもんもおるきに」

「・・・マジでか」

「マジじゃあ」

「坂本・・・白鬼党の動きを抑えているのはお前だな?」

真選組、侮れねェな。そう呟く高杉を視界の端で捉えながら、桂は坂本に問う。

「そうともゆうし、そうでもないとゆう・・・わしにこたう(できる)のは武器を売らないことたげちや」

「―――それで良い。武器だけは絶対に売ってくれるなよ」

「あっはっは!真選組だけで充分儲かっちょるから、なんちゃーがない(大丈夫)!」

高笑いする坂本に、高杉も桂も呆れたように溜息をもらす。

「まったく・・・お前が真選組に潜り込んだと知った時は肝を冷やしたが・・・銀時が自分であの場所を選んだってことがわかって本当に良かったと思っているんだ・・・」

「小太郎は相変わらず心配症じゃあ!あっはっは!・・・まぁ、そう心配しのうて良い。真選組は信頼できる奴等ばかりやき」

「フン・・・そうでなきゃぁ、今頃テメェが銀時を掻(か)っ攫(さら)って来てンだろうが。あ?」

ギロリと高杉に睨まれ、坂本はヘラリと笑う。

「んんー?・・・何のことちや?」

「チッ・・・相変わらず喰えねェな」

煙管を銜(くわ)え、高杉はそっぽを向いた。

窓の外では天高く月が輝き、ひんやりとした風が吹く。

「嵐の前の静けさ、か・・・」

桂が呟く。

4日後に天人達が集まっての大規模な会合が行われることになっている。警備担当は当然のことながら内側が見廻組、外側が真選組となっていた。

白鬼党が動くとしたら、この時を置いて他にないだろうというのが3人の意見だ。

その上、見廻組の佐々木や真選組の伊藤もそういう見解を持っているらしいから、ほぼ確定と言っても過言ではないだろう。

とはいえ、銀時は現在、将軍警護という名目(めいもく)で城に詰(つ)めている。会合の警備に出してくるかどうかは怪しいし、白鬼党も同じように考えるだろう。

「―――となると、白鬼党は戦力を分散する可能性もあるわけか」

「だろうな・・・城と会合の会場・・・さて、どちらを本命と見るか」

「坂本、お主は聞いてはおらんのか?」

「―――言えんことになっちょる」

「っ、おい!」

「わりぃなぁ・・・言えん。銀時のためじゃ」

高杉が気色ばむが、坂本の答えは変わらない。

決して、高杉や桂を信じていないわけではない。ただ、彼等の陣営にも白鬼党の息がかかっている者が潜入している可能性がある以上は、話すことはできなかったのだ。

長い付き合いになる2人はそれを察し、口を閉ざした。

「他人のことは言えねェな・・・真選組を見習って、そろそろ内部粛清でも始めるか」

高杉が言えば、桂も然りと頷く。

「そうだな・・・これでは迂闊に銀時に近寄れん・・・」

非公式で良いから、銀時と言葉を交わしたい。その想いが日に日に強まっているのを桂は感じている。

真選組に取り入った坂本だけではなく、高杉ですら見廻組という銀時との連絡手段を持っている。

そう、桂だけ完全に銀時と不通の状態が続いているのだ。

「―――お主らばかり、ズルイんだ。いっそのこと、この桂一派が銀時を攫ってしまおうか・・・」

「おいおい・・・」

「穏健派はどこ行ったんじゃぁ・・・」

呆れる2人など知ったことではない。桂だって銀時に会いたいのだ。

「うるさい、銀時と連絡取り合えてるお主らに俺の気持ちがわかるか!」

「俺だって連絡とか、佐々木に聞かなきゃなんねェんだぞ!あの異様に疲れるメールを受信してみやがれ!」

「知るかそんなもの!!」

「なんだと、あ゛ぁ゛!?」

「やめろ!2人とも・・・まったく・・・イライラしちゅうはわかったきに」

不安なのはお互い様だ。

白鬼党は戦争で活躍し、白夜叉を神格化している者達の集団。つまり、ただのゴロツキではなく、実力者の集団だ。

経験の浅い真選組がまともに相手ができるか、実力が未知数であるということも含めて心配でしょうがないのだ。

「坂本・・・」

「わしから、銀時にはゆうておく。・・・松田には気をつけろ、とな」

いつになく真剣な表情をうかべた坂本に、高杉と桂はそれ以上口を開くことはなかった。



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