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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・W副長設定です!
・カップリングはありません
・女装注意報発令中!
・鳳仙は吉原の主ですが、暴君ではありません
・完全捏造です
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・








「き、貴様等・・・芋侍風情が、我等に逆らったらどうなるかわかっているのか!!」

「あっはっは、申し訳ありませんが・・・罪人が何を言おうとも我等真選組をどうこうできるわけがないでしょう?・・・言っておきますが、今の幕府の中に皆様方の帰る場所などどこにもありませんよ?」

影響力は全て排除する。暗にそう告げる近藤に高官達は目を丸くする。

「外患誘致(がいかんゆうち)・・・立派な国家反逆罪じゃねぇか・・・なァ?天導衆と手を組んでいる皆様方?」

土方がニヤリと笑う。既にカツラは取り払われているが見目の良さからか、その笑顔が妙に今の姿にハマっているのが怖い。

「そうそう、外交は構わねェけどさァ?国の情報を売り渡すのはいただけねェなぁ?」

クツリと笑う絶世の美女。(いやいやいや!正真正銘の男だから!!!by銀時)

お銀ちゃんの存在はやはり罠かと思いつつも悔いは無しと言わんばかりに表情を緩める者が数人。

すでに一番上に着ていた“色うち掛け”を取っ払って刀を構えている土方や沖田とは違い、未だに花魁姿を崩していない銀時。それには理由がある。

「ねぇ、お偉方の皆様?私のために天導衆を裏切って?」

ニコリと笑って小首を傾げる―――完全に男を誑しこむ遊女の手口である。

入れ知恵したのはもちろん松平だ。銀時本人はこんなの通じるわけがないと半信半疑だったのだが、少しでも効果があるのならと開き直ってその手口を使うことを承諾した。

「・・・い」

幕府高官の一人がぼそりと何かを呟き、銀時をじっと見つめる。

「いい・・・」

何を言っているのかわからない銀時はキョトンとして首を傾げる。

「・・・お銀ちゃん、いい!!」

「ヒッ!?」

「銀兄ィ!」

「銀ちゃん!!」

ズイッと近寄られて思わず悲鳴に近い声をあげた銀時。それに瞬時に反応した沖田と神楽二人が銀時をかばうように立った。

「何する気だったんでィ?・・・銀兄ィに勝手に触れたら、その腕斬り落とす!」

「顔も見れねーように、ボッコボコにしてやるアル」

口が酸っぱくなるほど“殺すな”と銀時が告げていたのを聞いていた沖田と神楽は、殺したいのを我慢して幕府高官を睨みつける。

「おう、総悟も神楽ちゃんも勘弁してやんなァ・・・そいつァ、お銀ちゃんの仕草にクラッとしちまったのよぅ。・・・なァ?」

奇しくもその幕府高官は松平の同期の男だった。

「片栗虎ォ・・・貴様ばかりズルイぞ・・・」

「いやいやァ、権力にしがみついて天導衆に魂を売り渡した奴にどうこう言われてもねェ・・・お銀ちゃんゲットしたのは、俺の人徳だしさァ?」

“とっつぁんの人徳!?”とツッコミを入れたくなった土方と銀時だが、この場の空気を読んで発言を控える。

が、空気をあえて読まない奴がここにいた。

「・・・とっつぁんに人徳があったなんて、初耳でさァ」

「総悟!めっ!」

慌てて近藤が沖田の口を塞ぐが、口から出てしまったものまでは取り消すことは不可能だ。

「・・・だ、そうだが?」

「・・・・・・ま、まァ、とにかくよォ。お銀ちゃんのために・・・色々と吐いて貰うぜェ?逃げられねェのは承知してるだろォ?」

同期の呆れたような視線から目を逸らし、松平が告げれば幕府高官達は揃って表情を硬くした。

建物の外には真選組の隊士、部屋の外には隊長クラスの幹部、そして部屋の中にいる局長を始めとした猛者達。

どう考えても逃げられない布陣になっていることは、この建物に入る前に“警備の完璧さ”として見せられている。

そして一人、また一人と両手をあげて降参の意を示す。

「私は・・・真選組を舐めていたわけじゃないぞ、松平」

最後に残った一人―――上座に座っていた男、多田野がギロリと松平を睨む。

「わかってますよォ?“元”老中、多田野様・・・アンタはお銀ちゃんに相当お熱あげてましたからねェ?」

「・・・“あの時”直に見れたのは一瞬。当時のお偉方を羨ましく思ったものだが・・・悔いなし!」

「・・・とっつぁん?・・・まさか・・・」

「あぁ、気付いた?お銀ちゃん。・・・そ、多田野様も“あの時”の警備組。お銀ちゃんのかンわいい姿見て、ず~っと忘れられなかったんだってェ。ちなみに“お銀ちゃんファンクラブ・会員番号3”だから」

「いやぁああああッ!!過去の恥がぁあああ!!!」

頭を抱えてしまった銀時に思わず同情の視線を送ってしまった土方は、ハッとして部屋の外に待機している幹部に声をかけた。

「テメェ等!!逮捕だ!!」

「「「「「おうっ!!」」」」」

なだれ込むように入って来た隊長達は、遠慮も何もなく幕府高官達を縛り上げる。

「まァ、悪くても永蟄居(えいちっきょ:今で言う仮釈放なしの無期懲役・禁固)良くて蟄居隠居(ちっきょいんきょ:簡単に言えば引退)・・・返り咲きは不可能だが・・・命までは奪いやしねぇよ?俺達ァ、前将軍様とは違うんでねェ?」

痛烈な皮肉を言い放ってニヤリと笑う松平に、幕府高官達はバツの悪そうな表情をうかべた。

彼等とて何も思わなかったわけではない。しかし明日は我が身だ。時の将軍とその背後に影をちらつかせる天導衆に逆らうことなど許されなかった。

同じように寛政の大獄の際は茂々や家族を護るために口を閉ざした松平だったが、六転舞蔵のクーデターの際には一切の邪魔が入らないように手助けした。

舞蔵が失敗していれば間違いなく道連れにされていただろう。

危ない橋を渡ることはしないと豪語する松平が唯一渡った細い綱。それは間違いなく彼の中にある信念を曲げないための命懸けの戦いだったのだろう。

そんな彼に対して反論できる者はいなかった。

そして前将軍派一斉摘発の任務はターゲット全員逮捕で幕がおりたのだった。



***



「そうか、あの座敷が役に立ったのならば良い」

報告をしに来た銀時に向けて機嫌良く頷いたのは、吉原桃源郷が主・鳳仙。

「あんなん、しょっちゅう使ってんのかよ、夜王様?」

「いや、アレは昔の名残のようなものだ。今は百華の方が使っておるだろうよ」

「・・・あぁ、吉原の法に触れた奴の始末に?」

「そう・・・それとワシの弟子がたまに使うか」

「弟子?」

「ああ、我が弟子ながら清々しいまでに壊れていてなァ・・・まぁ、古くからの友の息子だから預かっていたようなものだったのだが、腹減らしの獣のようでな、たまにギラギラとした目で見られるのがスリルを味わえるぞ」

「・・・いやいやいや、狙われてっからね、ソレ!どんな危険なお弟子さん!!?」

「クク、お前にも一度会わせてやろう。近々地球に寄ると連絡があったからな」

ニヤニヤと笑う鳳仙に、銀時はどん引く。

「え、遠慮しとく・・・」

「そうだ“その姿”で酌をしてやれ。アイツに気に入られればお前の伝手が宇宙に広がるぞ」

鳳仙の言葉に銀時は顔を青ざめさせて首を振った。シャラシャラと頭に付けた飾りが音を立てる。

ところでなぜ未だにお銀ちゃんの姿のままでいるのかというと、鳳仙の座敷を使った使用料としてお銀ちゃんの姿のままで報告に行くというのが条件だったからだ。

「ちょ、何言っちゃってんだ!!勘弁してくれ!これ以上“お銀ちゃん”を広めたくなんてねぇよ!!」

「ふむ、なかなかにいい出来ではないか。この吉原にもそういう類のモノを作るべきか?よし、真選組をクビになったら吉原に来い。破格の待遇で雇ってやるぞ」

「オカマバーか!?吉原にオカマバーなんぞ作る気なのか!!」

「うむ、実に面白い。たまには変わった趣向も良かろう」

「やめて!!本格的に計画立てないで!!」

鳳仙は呵呵と笑う。

「冗談だ」

「・・・うう、お銀ちゃんネタで夜王に遊ばれてる・・・!」

脱力する銀時に、鳳仙はフッと目元を緩めた。

「まぁ、冗談抜きにしても・・・お前ならば吉原で雇っても構わん」

「お銀ちゃんで!?」

「・・・クク、相当いじられているな、お前は。・・・そうではない、白夜叉と謳われるまでの実力を買って、だ」

「・・・そっちの名前も、あんまり良い思い出ないんですけどねェ」

スッと表情を消して呟いた銀時に、鳳仙は苦笑を浮かべる。

「地下の動きはワシもマークしている。うじゃうじゃと潜んでおるようだが・・・鬼兵隊の高杉、だったか?アレが地下に潜ったという話だぞ」

「・・・晋助が?」

「続きは有料だ。何を差し出す?」

「・・・・・・アンタの弟子だろうが誰だろうが“お銀ちゃん”で酌してやる、だから、情報寄越せ」

「クク・・・商談成立だ」

銀時のこういうところを気に入っているのだと鳳仙は心の中で呟き、遊女達に掴ませた情報を集めたものを手渡す。

「・・・こんなに?一朝一夕で集められる量じゃねぇぞ」

「ワシは命じていない。が、遊女達が勝手に集めてきおった。・・・何故かわかるか?」

ふるり、と首を振る銀時に、鳳仙は目を細めた。

「お前が日輪を救ったからだ。吉原の女は恩を忘れん。・・・ましてや、日輪は吉原の太陽だ。母親のように、そして姉のように慕う遊女は多い。吉原の法を破ってでも日輪を助けたお前に恩返しをしようとしておるのよ」

「いやいや、大げさじゃね?確かに俺は絡まれてる日輪を助けはしたが・・・」

「大げさではないさ、あの男達はそこらのチンピラのように見せかけてはいたが、遊女を天人に転売する闇商人の息がかかった連中だった。万が一にでも日輪がさらわれていれば、吉原は太陽を失って陰り、衰退していっただろう」

「げ、そんな連中だったの!?」

「百華が駆けつけるのが遅かったと思わなかったか?・・・日輪が完全に百華を撒けたと本気で信じたか?」

「・・・妨害か」

「そういうことだ。お前は知らずのうちに吉原の救世主となっていたのだ」

銀時は絶句する。まさかそんな大事になっているとは思ってもいなかったからだ。

鳳仙が通常ではありえない褒美を口にしたのも頷けるというものだ。

「・・・うそん」

「嘘ではない。・・・まぁ、吉原の救世主を見捨てたとあっては、ワシが遊女達に見捨てられかねん。また集まり次第、情報は渡す」

「・・・・・・やばい、それって、俺の運使い果たしてね?」

素直にありがとうと言えない銀時は、そう言って再び鳳仙の大爆笑を買ってしまったのだった。


第二章・完


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