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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・時期は文化祭真っ只中!
・ナリタ事変は回避
・クロヴィス暗殺回避
・スザルル黒いです
・いろいろ捏造

以上、同意できる方のみ↓へ・・・









「・・・殿下ぁ・・・。」

 ぽそり、と耳元で呟かれる。

「今は、ただのユフィですよ?」

 それに対して律儀に反応すれば、相手から苦笑が漏れた。

「ええ。そうでしたねぇ~・・・す~み~ま~せ~ん~。・・・というわけで~、ユフィ様~。つけられてますよぉ~?」

「まぁ、アスプルンド伯・・・いつからですか?」

 ユーフェミアは大したことないといった風に訊ねるので、ロイドは苦笑を更に深めた。

「え~と~・・・政庁から、ずっとですねぇ~・・・。」

「・・・ルルーシュに怒られるわ。いいえ、ルルーシュだけじゃなくて、スザクにも怒られるかも!」

「・・・怒られるだけで済めばいいんですけどねぇ・・・。」

 ユーフェミアの危機感の足りない言葉に、セシルも苦笑して、口を出した。

 特派がユーフェミアとスザクの手により丸めこまれたのはつい最近。“ヴィ・ブリタニア”の名前に反応した技術者達が、感涙し、それならばと潔くシュナイゼルを裏切ってくれた時には、ユーフェミアやスザクの方が驚いたくらいだった。

 そして、ロイドやセシルは、シュナイゼルに義理を感じつつも、ルルーシュの境遇や想いを知って、こちら側につくことになった。

 ロイド曰く“元々、シュナイゼル殿下は、ただのお財布だからねぇ~。お味方すべきはルルーシュ殿下でしょ~☆”だそうだ。

「逃げられちゃうかしら。・・・せめて、会ってお話したいのだけど・・・。」

 困ったように言うユーフェミアに、ロイド達は顔を見合わせる。

「えぇ~?今日、行動しちゃうって感じですかぁ~?」

「多分、今日の文化祭で、ほんの少しでも異変があれば、騎士団の方へ行ってしまわれると思いますよ。・・・だから、無理をしてでも、会いに来たんです。・・・シュナイゼルお兄様が沈黙していること自体が、おかしいですし。」

 きちんと考えてからの行動だとわかったロイドとセシルは、やはり、ユーフェミアもブリタニアの皇族だったのだと感心してしまう。

「じゃあ~、コーネリア殿下に邪魔されるのはマズイですよねぇ~・・・。」

 二ヘラ、と笑いながら、ロイドはユーフェミアの表情を窺う。

「そうですね。・・・お姉様には、邪魔させるわけにはいきません。これから、私は、1人で行動します。・・・ですから、お2人は、特派の皆さんを連れて、追っ手をひっかきまわして下さい。」

 スッと薄いスミレ色の瞳をユーフェミアに向けられて、ロイドはにんまりと笑った。

「あっは~、お任せ下さ~い☆」



 一方、ユーフェミアを追う一行は・・・


「・・・ユーフェミア様を監視しろなどと・・・姫様は何を心配しておられるのだろうか・・・。」

 ぼそり、と同僚がこぼした言葉に、ギルフォードは苦笑をうかべた。

「ダールトン将軍、考えていることが漏れてますよ。」

「!・・・あ、ああ。すまない。」

 ハッとしたダールトンは、気まずそうに視線をずらす。

「いいえ。・・・それにしても、ユーフェミア様は、このような一般の学園の文化祭に参加するなど・・・どういった風の吹きまわしなのでしょうか。いくら、特派が間借りしているとはいえ・・・。」

 ギルフォードの言葉に、ダールトンは不思議そうに首を傾げた。

「騎士である枢木の通う学園だからではないのか?」

「・・・枢木が通うから?」

 ギルフォードは、それは違うだろう、という確信があった。最近の枢木スザクとユーフェミアの関係を見る限りでは、そんな風に依存するような感じではないからだ。むしろ、互いに牽制し合っているようにさえ思う。

「枢木は、本当にユーフェミア様に忠誠を誓っているように見えますか?」

「なんだ、ギルフォード卿、まだ、イレブンがどうとか思っているのか?」

 呆れたようにこちらに視線を向けたダールトンに、ギルフォードは首を振る。

「いいえ。そういうのではなく、最近の枢木とユーフェミア様の様子がそのようには見えなかったので。」

「・・・ああ、そう言えばそうだな・・・なぜか、ユーフェミア様がお1人でいることが多くなった。それ以上に、2人が皇女とその騎士という関係というよりは・・・、そうだな、何と言う表現が良いのか・・・。」

 ダールトンが何か言葉を探すように黙ると、ギルフォードはフッと頭をよぎった言葉を口にした。

「・・・共犯者?」

「おお、それだ。・・・そう、共犯者めいた雰囲気を感じることがあるな。貴殿もそうか?」

「ええ。以前より、枢木の行動や言動も落ち着きが増して、面と向かってユーフェミア様を注意することもある。ユーフェミア様もその言葉が正しいと思えば受け入れるし、自分の考えとは合わないと思えばきっぱりとはねのける。・・・以前の2人では考えられませんね。」

 以前は、まるで、お姫様と騎士ごっこをしているような雰囲気があったのだが、最近は意見をぶつけ合うことさえもある。それに対しては、良い主従関係だと歓迎していたのだが、何かが違うと本能が訴えている。

「・・・姫様は何かを知っておられるから、ユーフェミア様を見張れなどと仰ったのでしょうか?」

「・・・そうかもしれんな。まあ、とにかく、だ。・・・我等は姫様のご命令通りユーフェミア様を見張れば良いのだ。」

「そう、ですね・・・ん?動きましたね。」

 ギルフォードが言えば、ダールトンは眉根を寄せる。

「特派が味方となると、厄介だな。」

「ロイド伯爵ですか・・・やりにくい相手ですからね。」

 彼の風変わりな伯爵の顔を思いうかべ、ギルフォードとダールトンは揃って溜息をついて、肩を落としたのだった。

「「・・・・・・はぁ。」」



 調理用に用意したプレハブの中で、ルルーシュは指につけたソースを舐める。

「さて・・・ピザソースも完成だ。後は、スザクが巨大ピザ生地を作って焼くだけ・・・。」

「あのッ・・・お兄様、こちらにおいでですか?」

 ルルーシュが材料を切り終え、ピザソースの味付けを終わらせた丁度その時、咲世子に連れられ、最愛の妹がその場にやってくる。

「ああ、咲世子さん、ナナリー。・・・どうしたんだ?今日は、クラブハウスで大人しくしてると言ってたのに。」

「・・・えっと、その・・・ちょっと、案内を頼まれて。」

「案内?」

 困惑した様子のルルーシュに、ナナリーは困ったように笑った。

「はい。案内です。」

「ナナリー、ルルーシュはいたの?」

 ひょこ、と顔を覗かせたその相手に、ルルーシュはギョッとした。

「ユ・・・ッ!!!!」

 思わず大声でその名を叫びそうになって、しかし、その名を呼んだら最後、すごい騒ぎになることはわかっていたので、慌てて自分の手で口を塞いだ。

「ごめんなさい。驚かせるつもりはなかったんだけど。」

「・・・っは・・・ああ、いや・・・君が変装して、ここに来るだろうことは予想してたから・・・。」

 苦笑をうかべるルルーシュに、ユーフェミアはにっこりと笑った。

「ふふ、スザクには見抜かれていたようでしたからね。ルルーシュには伝わってると思ってました。」

「クラブハウスに先に行ったのか。」

「ええ。貴方達の生活スペースだっていうのは調べてわかってましたから。」

「・・・情報元は?」

「ふふ。特派ですから、安心して下さい?」

「なるほど・・・特派の軍人が何度か来た事があったからな・・・。」

 それが、藤堂の処刑の知らせの時だったり、スザクの騎士就任祝いの時だったり、と思いだし、ルルーシュは苦々しい表情をうかべた。

「ルルーシュ?」

「ああ、いや。嫌なことを思い出してな。・・・大丈夫だよ、ユフィ。」

「それにしても良かった。こうしてちゃんと顔を見てお話しする機会が出来て。」

 ホッと微笑んだユーフェミアに、ルルーシュは一瞬首を傾げる。

「ん?・・・ああ、そういうことか・・・。」

「ええ。シュナイゼルお兄様の様子もおかしいですし、そろそろ、私が秘密裏に動いていることはお姉様にも気づかれてしまう頃ですから。」

 ユーフェミアがそう言えば、ルルーシュは苦笑をうかべた。

「・・・シュナイゼル兄上だけじゃなく、コーネリア姉上もか・・・厄介だな・・・。」

「ごめんなさい。私のせいね。」

「いや・・・ユフィのせいだけじゃないよ。・・・さて、ナナリー、お前は咲世子さんと一緒に、ルートDから外に出るんだ。」

 ルルーシュは困ったように自分を見ていたナナリーにそう告げると、ナナリーはこくん、と頷いた。

「はい、お兄様。」

「咲世子さん、ナナリーをお願いします。」

「はい、かしこまりました。ルルーシュ様。」

 頷いた咲世子は、ナナリーの乗る車椅子を押し、プレハブを後にする。

「・・・いろいろ、脱出方法は考えているのでしょう?」

 ナナリーを見送ったユーフェミアは、くるりとルルーシュを振り返って、首を傾げる。

「まぁ、何パターンか考えてるよ。・・・どんな状況でも対応できるようにね。」

「そうですか。・・・あの、黒の騎士団に行ってしまっても・・・私と連絡はとって頂けますか?」

 恐る恐る問うユーフェミアに、ルルーシュは笑みをうかべて頷いた。

「当たり前だろう?・・・一緒に、ブリタニアを変えよう、ユフィ。」

「・・・はいっ!」

RRRRR….RRRRR….

 力一杯頷いたユーフェミアだったが、自分の携帯が着信を告げる音を奏でるのを聞いて、眉根を寄せた。

「・・・お、お姉様?」

 ユーフェミアはディスプレイを見つめて、さぁ、と顔を青褪めさせた。

「・・・出て、ユフィ。でないと、怪しまれる。」

「は、はい。・・・もしもし、お姉様?」

 ルルーシュに促されてユーフェミアが応答すると、携帯から安堵のため息が聞こえた。

『はぁ・・・良かったユフィ。・・・今、本国から父上と兄上がいらしていてな。』

「えっ!?」

『何でも、神根島に用があるということで・・・今、そこに向かっているらしいんだが・・・父上の勅命があるが、父上自身も一緒に来ているから、入国を止めることが出来なかったんだ。すまないな。』

 コーネリアの困ったような声音に、ユーフェミアは溜め息交じりに呟いた。

「いいえ・・・盲点を突かれましたね。残念ですが、ここまでのようです。でも、充分、準備はできたでしょうし、私も願いが叶いましたから・・・。」

『ユフィ?』

「お姉様、私、これから、勝手をしますけれど、お父様やお兄様方も勝手をしてるんですから、構いませんよね?」

 訝しむコーネリアにそう言うと、ユーフェミアは終話ボタンを押した。

「ユフィ・・・。」

「ピザ、成功すると良いですね。・・・チャンスは一度きり。それも、時間制限つきです。」

「・・・ああ。・・・ユフィも楽しんで。」

「はい。」

 ニコリと笑むと、ユーフェミアはくるりと背を向けてプレハブを出ようとし、入口でピタリと止まる。

「・・・ユフィ?」

「・・・ルルーシュ・・・ブリタニア皇族は、貴方の敵ばかりじゃないですよ?」

「・・・・・・ああ、わかっているよ。大丈夫・・・スザクが、傍にいてくれるから。だから、俺は強くいられる。」

 ルルーシュの答えに、ユーフェミアは微笑む。

「良かった。・・・あのまま、私がスザクを横取りしたままだったら・・・きっと、取り返しのつかないことになっていたでしょうね・・・。」

「・・・俺は自暴自棄になっていたかもな。・・・ユフィ。俺は、君が羨ましくてしかたがなかった。」

「ルルーシュ・・・。」

「俺は日陰で暮らさなければならず、キラキラとした日向で暮らしている君に、スザクまで取られてしまって・・・もう、狂ってしまいそうだった。」

 素直に心中を吐露したルルーシュに、ユーフェミアは苦笑する。

「ごめんなさい。私は、あまりにも考え足らずだったわ。・・・枢木と聞いて、気づかなければいけなかったんです。」

「いや・・・あの時は君も幼かった。だから、ピンと来なくて当然だよ。・・・すまない。今のは忘れてくれ。ただの・・・ただの独り言だから。」

「・・・ええ。では、聞かなかったことにします。」

 ルルーシュが気まずそうに言えば、ユーフェミアは春の日差しのような温かな笑みをうかべ、今度こそプレハブを出て行った。

「・・・ごめん・・・ユフィ・・・。」

 ぽつり、とルルーシュはその背を見送って呟いた。


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