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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・時期は騎士任命~神根島
・ナリタ事変は回避
・クロヴィス暗殺回避
・スザルル黒いです
・いろいろ捏造

以上、同意できる方のみ↓へ・・・







 ブリタニア本国


「・・・ああ、どうしよう。・・・報告しなきゃ。でも・・・ああ!私はどうしたら!!」

 髪を振り乱して、芝居がかった仕草で机に突っ伏すと、クロヴィス・ラ・ブリタニアは、深く溜め息をついた。

「・・・怒るだろうなぁ・・・それはもう、悪魔か魔王のごとく冷たい笑顔をうかべて・・・。」

 その様子を思い浮かべて、ブルッと身震いすると、クロヴィスは立ち上がる。

「後回しにすれば、もっと怖いことになりかねない。・・・覚悟を決めよう!・・・ああ、でもどう言ったら。」

 こんなに優柔不断な姿を見たら、それこそどやされるとわかっているが、とてつもなく怖いのだ。

 約8年間会わなかった異母弟は、とても美しく成長していて、思わず、再会した瞬間に抱きついてしまったのだが、次の瞬間には、彼は自分に銃口を向けて、それはそれは綺麗な笑みをうかべたまま“お願い”をした。

「・・・ああ、綺麗だったなぁ・・・。」

 その時のことを思い出し、ほう、と息をつく。それから、ハッとして、携帯を取り出した。

 ディスプレイに呼び出したのは、“ZERO”という名で登録してある異母弟の番号。じっとそのディスプレイを見つめ、そして、覚悟を決めて通話ボタンを押す。

 ドキドキとする胸を押さえて、クロヴィスは相手が出るのを待つ。

『・・・もしもし?』

 潜められた声。もしかして、タイミングが悪かっただろうかと思い、声のトーンを落として訊ねる。

「・・・えと、今はまずかったかい?」

『いえ。大丈夫ですよ・・・それで、何かあったんですか?』

 彼のその言葉にホッとして、クロヴィスは声のトーンをあげる。

「それがね、大変なんだよ。・・・ユフィが、エリア11で“紫水晶を見つけた”って、父上に報告したらしくって。それで、今、父上とオデュッセウス異母兄上とシュナイゼル異母兄上と・・・ああ、そうだ、ギネヴィア異母姉上達まで大騒ぎで、今にもエリア11に行くんだって言って・・・。」

『・・・ユフィ・・・余計なことを・・・では、貴方がそれを止めて下さい。』

 呻くように言った彼の言葉に一瞬固まり、クロヴィスは頭を抱えた。

「そ、そんなの無理だよ・・・というか、ユフィも条件を出したんだか何だかで・・・エリア11には入れないとかって文句を言ってるんだ。」

『・・・へぇ、ちゃんと考えてはいるんだな。・・・もっと詳しいことが知りたいですね。』

「・・・わ、わかったよ、調べる。」

『ふふ・・・期待していますよ。クロヴィス兄さん。・・・では。』

 どうやら、ご機嫌の時に電話が繋がったようで、怒鳴られることも、ネチネチと厭味を言われることもなく通話を終える。しかも、昔のように名を呼んでくれたと気付いて、思わず口元が緩む。

「良かった・・・。」

 ホッと胸を撫で下ろした瞬間、フッと自分の影に誰かの影が重なる。

「・・・何が、良かったんだい・・・?」

 その声を聞いた瞬間、ビクゥっと身体を震わせ、クロヴィスはそろりと振り返った。



 エリア11・アッシュフォード学園・屋上


「・・・で、相談したいっていうのは?」

 屋上に上がり、他の誰もいないことを確認した後、開口一発カレンが訊ねてくる。

「ああ、他でもない。ブリタニア側の動きなんだが・・・さっきもスザクが言ったように、ユフィが動くと政庁はもちろんのこと、本国の皇族達も動き出す可能性がある。」

「・・・え、ええ。」

「そこで、この学園にも必然的に探りが入ることと思う。真っ先に疑われるのは、アッシュフォードだからな。」

 ルルーシュが溜め息をついて、空を見上げる。

「ナルホド・・・それで、私とスザクはどうすれば良いわけ?」

「普段通りに。ただし、俺が見つかった際は、何を措いても逃走を優先する。それだけは頭の中に入れておいてほしい。」

「・・・でさ、ルルーシュ。逃走を優先するとして、僕は、そのままブリタニアを抜けて良いの?」

 期待のこもった視線を向けられて、ルルーシュは、う~ん、と考え込む。

「・・・そうだな・・・できれば、もう少しユフィと粘って情報を仕入れて欲しいところもあるんだが・・・。」

 そう言ってスザクを見ると、じっと潤んだような目でこちらを見て、視線で嫌だと訴えてくる。

「・・・情報・・・仕入れた方が、良いんだよね?」

 口ではそう言うものの、目は口よりも雄弁で・・・。

「・・・う。」

 そんな、流されそうな雰囲気のルルーシュを見て、カレンは溜め息をついた。

「はぁ。(スザクの勝ちね、これは。)」

「・・・頑張るよ、ルルーシュ・・・戦場で君と会えるし・・・ランスロットが君の無頼を追いかけるのは、全然おかしくないものね?・・・それで我慢するよ。」

ウルウルウル・・・。

 殊勝な言葉ではあるが、目を潤ませて、上目づかいにルルーシュを見上げている時点で、すでにスザクのペースであることは推し量れた。

「・・・わかった。ブリタニアを抜けても良い。だから、そんな顔をするな・・・お前の代わりに、ユフィに頑張ってもらおう。」

「ホント!!?やった!!!・・・あ、でも・・・ユフィがついてくるって言ったら?」

「その時は・・・条件を付ける。」

 不安そうな表情をうかべたスザクに、ルルーシュはにやりと笑って言った。

「俺の共犯者となるなら、それなりの覚悟は見せてもらわないとな。」

 事実、スザクはそれはもう、小気味の良いほどに、知りうる限りのブリタニア側の情報をルルーシュに渡してくれた。だからこそ、騎士団の幹部達も納得したのだが。

「そうだね。いくら君の異母妹とはいえ・・・コーネリア総督の妹でもあるんだし、それなりの覚悟を見せてくれないと、信用は出来ないよね。」

 己の現在の主に対しての言い方ではないだろうと思うが、それを口にする者はこの場にはいない。

「そうね。・・・副総督っていう肩書きを捨てるくらいじゃ、足りないわよね。」

 カレンの言葉に、ルルーシュとスザクはうんうんと頷く。と、その時、ルルーシュの携帯が着信を告げる。

「・・・誰だ?」

 首を傾げながらディスプレイを見つめ、そして、一瞬眉を顰める。

「誰?」

 スザクがディスプレイを覗きこみ、そして、目を丸くする。

「・・・へぇ、連絡先、教えたんだ?・・・ただ、脅して送り返したんだと思った。」

「・・・そうしようと思ったんだけどな・・・泣きつかれてしまって・・・。」

「ルルーシュ・・・君って、本当に・・・。」

 スザクが憐れむ様に見るので、思わずルルーシュは気まずげに視線をずらし、通話ボタンを押す。

「・・・もしもし?」

 思わず潜めた声で応じる。そういう心情だったのだからしょうがないと言わせてほしい。すると、相手の方もその様子を察したのか、声のトーンを幾分か落として話しだす。

『・・・えと、今はまずかったかい?』

 クロヴィス・ラ・ブリタニア。本国へ送り返した異母兄。まさか、こんな風に連絡を寄越してくるとは思わなかった。何せ、散々脅したのだから、他の・・・例えば、書簡で送ってくるなど、間接的な方法を取るだろうと予測していたのだが。

「いえ。大丈夫ですよ・・・それで、何かあったんですか?」

 その言葉にホッとしたのか、クロヴィスは声のトーンをあげた。

『それがね、大変なんだよ。・・・ユフィが、エリア11で“紫水晶を見つけた”って、父上に報告したらしくって。それで、今、父上とオデュッセウス異母兄上とシュナイゼル異母兄上と・・・ああ、そうだ、ギネヴィア異母姉上達まで大騒ぎで、今にもエリア11に行くんだって言って・・・。』

 一瞬、ルルーシュは息を呑んだ。そして、深々と溜息をつき、呻くように言った。

「・・・ユフィ・・・余計なことを・・・では、貴方がそれを止めて下さい。」

 無理を言っているとはわかっていても、そう言わずにはいられなかった。なにせ、本国で動けるのは、クロヴィスだけなのだから。

『そ、そんなの無理だよ・・・というか、ユフィもなんだか条件を出したんだか何だかで・・・エリア11には入れないとかなんとかって文句を言ってるんだ。』

 案の定慌てたように言う異母兄の言葉に、ルルーシュは小さく笑う。

「・・・へぇ、ちゃんと考えてはいるんだな。・・・もっと詳しいことが知りたいですね。」

『・・・わ、わかったよ、調べる。』

「ふふ・・・期待していますよ。クロヴィス兄さん。・・・では。」

 殊勝なクロヴィスの言葉に、機嫌を良くし、ルルーシュは昔のように名を呼んで、終話ボタンを押した。

「今の、クロヴィスから?」

 カレンが訊いてくるので、ルルーシュはこくりを頷く。

「ああ。・・・ユフィがスザクに戻ってくるなと言ったのは、こういう理由だったんだな。」

「こういうって・・・?」

 スザクが首を傾げたので、ルルーシュは先程クロヴィスよりもたらされた情報を2人に告げる。

「・・・ユフィが何を考えてそんなことを言い出したかはわからないが、これで、本格的に本国が動くことになりそうだな。・・・そいうことは、だ。俺達がやるべきことはただ一つ。」

「「いつ動きがあっても良いように、速やかに逃げる準備を整える。」」

 カレンとスザクの言葉が重なる。ルルーシュは満足げな笑みをうかべ、頷く。

「・・・そうだ。・・・そろそろ、会長や理事長にも話しておかなければな。」

 ミレイとルーベンの驚いた顔を思いうかべ、ルルーシュはクツクツと喉の奥で笑った。


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