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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・W副長設定です!
・カップリングはありません
・完全捏造です
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・









緊急招集がかけられて、真選組隊士達は首を傾げながら集会所に集まった。

「・・・全員揃ってるか?」

土方が訊ねれば、五番隊の隊士が手をあげた。

「林と川島が昨夜からいません」

土方はピクリと眉をあげる。

「・・・山崎」

視線を向ければ、彼はこくりと頷く。

「はい、鬼兵隊から差し向けられたのはその二人で間違いありません」

ザワリ、と隊士達がざわめく。

タイミングとしては上々。だが、かっこうの的となるはずだった鬼兵隊の二人が昨夜のうちに脱走してしまったのはいただけない。

「チッ、もう少し早く粛清を始めておくんだったな」

舌打ちした土方は、ジロリ、と隊士達を睨み据えた。

「いいか、後ろ暗い所がねェ奴は堂々としてろ。だがな、真選組を探ろうなんて馬鹿な考え起こして潜入してきやがった連中には容赦はしねェ」

鬼の副長の一言に、何も知らない隊士達は震え上がる。

それを部屋の隅で柱にもたれかかって見ていた銀時は、思わず苦笑した。

「・・・十四郎のヤツ、鬼っぷりが板についてきたじゃん」

「ねェ、銀ちゃん。トシちゃんは実は鬼だったアルカ?」

銀時を挟んで右隣にいた神楽がその比喩に首を傾げれば、左隣に陣取っていた沖田が鼻で笑う。

「フン、あんなのに鬼だなんだといってビビるヤツの気が知れやせんねィ・・・ただ瞳孔開きっぱなしのマヨラーじゃねェですかィ」

「こらこら、総悟。そういうことは言わねェの。十四郎が一生懸命キャラ作りしてたの知ってるだろうが」

「それもこれも銀兄ィの為だってんだろィ?・・・気にくわねェ」

犬猿の仲というか、沖田が一方的に土方を嫌っている(フリをしている?)というか、この関係性をどう説明したものか、と首を傾げる銀時。

沖田が土方を本気で嫌っているならばこんなに突っかかりはしないし、絶対に近寄らせない。

「・・・あァ、絶対越えなきゃならない壁みてェなもんか」

ポツリと銀時が呟けば、神楽と沖田は同時に首を傾げた。

「銀ちゃん?」

「銀兄ィ?」

「・・・ん?あァ・・・何でもねェよ」

指摘してやったところで素直に認めるわけがないのでうやむやに誤魔化し、銀時は再び視線を土方に向けた。

「もう既に馬鹿な連中の調べはついてる。後は・・・伊東、説明してやれ」

「ああ、わかったよ。土方くん」

副長の土方に続いて参謀の伊東が前に立ったことで、これはただ事ではないとようやく理解した隊士達はそわそわとし始める。

「まずは、真選組内部を浸食している噂についてだ」

その瞬間、比較的新しく入ってきた隊士達がピクリと反応する。

「これについては再三何の根拠もないただの噂に過ぎないと我々は言ってきた。が、面白がっているのかそれとも我々の言が信用できないのか、嬉々としてこの隊内に広めて回っている者達がいた」

伊東の言葉で隊士達の視線が五番隊と六番隊の隊士に向けられる。

今まで彼等にやりたい放題にさせていたのはこのときの為だ。調子に乗ってボロを出してくれるまで泳がせておくと決めたのには反対の声もあがったが、バックに付いている組織がハッキリするまでは仕方がないという近藤の一言で収まった。

既に銀時お抱えの忍と山崎とで白鬼党の調査はかなり進んでおり、更には攘夷志士側からの情報が坂本から入って来るようになって、もはや泳がせておく必要はなくなった。

そう伊東が告げた瞬間、隊士数人が突如抜刀して立ち上がった。

「我等の白夜叉様を蔑ろにし、地へ堕としたその罪!死をもって購え!!」

銀時を神格化していた彼等には、彼の普段の姿が我慢ならなかったのだろう。常に反抗的な様子を見せていたのは他の者の目にも明らかだった。

だからこそ土方と伊東に最初に目をつけられたのだが、そんなことには気付きもしなかったのだろう。

飛び出して斬りかかった男の一人を伊東はバッサリと斬って捨てた。

「ぐぁ!!」

はねた血が頬についたのをぬぐい、血がついた刀を軽く振る。

「さて、次は誰だい?」

ニィ、と嗤った伊東に、残った三人の男が一斉に刃を向ける。

ピクリと眉をあげた伊東が刀を構える。が、

「・・・おいおい、一対三は卑怯だろうよ」

「がぁッ!?」

そこにやけに落ち着いた声が響き、一番右端にいた男が袈裟懸けに斬られる。

「原田くん・・・余計なことを」

「あァ、悪い悪い。・・・つい、イラッとしてな」

伊東がジロリと軽く睨めば、原田は肩を竦める。そして・・・、

「・・・俺の前で抜刀しといて余所見をするなんざ、良い度胸じゃねェか」

「ヒッ?!・・・ぐゥッ!」

仲間の死と二人の会話に動揺していた男達のうち一番左端の男の背に刃が突き出る。

土方の心臓めがけての右片手一本突き。彼が実戦で用いる最強の技だ。これで何人もの攘夷志士や浪士があの世送りにされた。

「土方くん・・・君もか」

「イイだろ、別に。テメェは先に一人斬ってるじゃねェか」

「・・・まぁ、確かにそうだけれども」

残り一人となった男は、己の不利を感じ取って身を翻した。

「白夜叉様!!」

「あ!待ちやがれ!!」

銀時めがけて走っていく男に土方達がしまったと表情を歪める。

「銀兄ィ、下がっててくだせェ」

「・・・いや、これは好機でしょ」

沖田が銀時の前に出て庇おうとするが、それを抑えて銀時が前に出る。

「白夜叉様!!私と一緒に行きましょう!!あの方が貴方様のお帰りを待っておられます!!」

血走った眼は、彼が平時の心理状態ではないことを表していた。

「・・・人のこと地に堕としてんのはテメェ等の方だろ?幕府に洗脳されてるだァ?ふざけんじゃねェ、こちとらテメェ等に利用されるのはウンザリなんだよ。だから幕府の元に降るしかなかったんじゃねェか・・・全部、テメェ等のせいなんだよ」

耳の痛い真実というのは受け入れ難いものがある。完全に自分の世界に入り込んでいた男は目を丸くして銀時を見つめる。

「白夜叉様、お可哀想に・・・幕府の洗脳がそこまで強固なモノとはッ!」

男の金切り声に眉を顰めた銀時は、腰に差していた刀を抜いた。

「白夜叉、白夜叉ってウルセェんだよ・・・俺の名前は、坂田銀時だッ!!!」

縦に一閃。

「・・・ど・・・し、て」

パックリと割れた額から噴き出る血で目が潰れた男は何かを探すようにゆらゆらと手を伸ばして、どう、とその場に倒れた。

銀時は小さく息を吐いて、刀についた血を払う。

「ふぅ・・・十四郎、伊東、これで全員か?」

「・・・ああ。一応はな?・・・これは隊士全員に言っておくぜ?もう二度と出所のわからねェ噂に喰いつくんじゃねェ。それと、もしまだ潜入してる奴がいるなら胆に銘じとけ、もう泳がせておく必要はなくなってるってことをな。万が一にも見つかったら・・・わかってるよな?」

その末路を示すように倒れ伏した男達に視線を向ける土方。

目の前で起きた惨劇に呆然としていた隊士達は、その言葉にガクガクと頷いた。

「・・・イイ子だ」

ニヤリと笑った土方はそう言って刀を鞘に納めた。

残念ながら鬼兵隊の二人は逃したが、白鬼党の連中を潰せたことの方が大きい。更に隊士や、もしかしたらまだ潜入している連中に警告もできた。

概ね満足のいく結果となり、土方はご機嫌だった。

「五番隊、六番隊・・・お前達はヤツ等の口車に乗って率先してあの噂を吹聴して回り、隊の風紀を乱した責任がある。今回はこの死体を片付けることで許すが、次は・・・お前達がこうなっているかもしれないと、しっかりと理解しておくと良い」

その土方の脇で伊東が命じ、五番隊と六番隊の隊士達は顔を真っ青にしながら死体の処理を始めた。

「・・・ん。これで、一件落着だな!」

一連の流れを黙って見ていた近藤が、パン、と手を打つ。

その音で硬直が解けた隊士達は一斉に脱力した。

「・・・さすが近藤さんでさァ・・・一気に空気が軽くなりやしたぜィ」

沖田が言えば、銀時も頷く。

「ああいうトコがとっつぁんに“人をまとめる力がある”って言わせてるんだよなァ」

「・・・なんか、つまらないアル」

自分の出番が全くなかったのでご機嫌ナナメの神楽が、唇を尖らせる。

「ククッ・・・まぁ、そのうち神楽にも仕事をやるから機嫌直せって。な?」

「・・・むー・・・約束だヨ、銀ちゃん」

「おう、約束な」

指切りをする二人を見て、嫉妬した沖田が神楽に喧嘩をふっかけたのはまた別の話。



***



=====


From さぶちゃん

Sub 速報


銀たん||ω・*)ノ はぉ♪

見廻組速報だお☆


今日ゎ××省の△△殿を血祭りにあげたお☆

真選組はまだ誰も逮捕してないのかなぁ(@゜m゜@)プッ

早くしないと横取りしちゃうお(*´ノ0`)がんばっ♪


P.S.

また速報が知りたかったらメールしてね☆


=====



「・・・ギザウザス」

土方と二人で副長室で書類整理をしていた銀時が、携帯電話を見てボソリと呟く。

「は?どうした、銀時」

首を傾げる土方に、銀時はしょっぱい顔をして答えた。

「あァ、いや・・・見廻組の局長さんからな」

「・・・あー・・・、あの嫌がらせみてェなメールな?」

土方自身も被害に遭ったことがあるので、銀時の表情に納得したように頷いた。

「あちらさんは結構動き回ってるなァ・・・こっちもそろそろ動かねェと警戒されんじゃね?」

「だな・・・どうする?」

「ん~・・・これだけはあんまりやりたくなかったんだが・・・いい案がある」

ニヤリと笑った銀時に、土方は鳥肌が立った。

「え、なに??なにこの悪寒!!」

「ククク・・・まぁ、十四郎にも頑張ってもらいてェし?俺も頑張るからさ?・・・あァ、そーちゃんも一緒にやらせっか」

「ちょ・・・なんでいきなりドSモードが発動してんだよ!!お前!!」

「はっはっは・・・いやぁ、これが一番手っ取り早いんだよ。うん。アイツにこれ以上いぢられんのも面倒だしさ、とっととやっちまおうぜ?」

どうやら佐々木からのメールのせいでプッツンしているらしい。

銀時のドSモードにどん引きながら、土方は嘆息した。

「はぁああ・・・白夜叉モードより面倒だよ、オイ・・・」



***



銀時は土方を引き連れて吉原へと来ていた。

吉原は銀時が幕府高官のご機嫌取りをするときによく使う場所で、その銀時の扱いに共感した遊女達と仲良くなり、プライベートでもたまに飲みに行っていた。

「銀時、久しぶりでありんすね」

「おー、死神太夫自らのお出迎え?スゴイスゴイ」

「・・・ぬしはいつもふざけているな・・・まったく」

肩を落とした死神太夫こと月詠に、銀時はヘラリと笑ってみせる。

月詠とはとある事件で仲良くなり、それ以来こうして会ったりもしている。

「ん~、これが俺のスタンスだしィ?・・・で、日輪は?」

「鳳仙の相手をしていんす」

「じゃあ、しばらくは会えねェか・・・」

鳳仙は吉原を牛耳っている天人で、幕府暗部とも繋がりのある人物だ。

遊女達のまとめ役である日輪が大層お気に入りで手放そうとしないが、ここ最近ある程度の自由を認め始め、吉原内であれば日輪も出歩くことを許されている。

「なんじゃ、日輪に用があったんでありんすか?」

「ん~、いや・・・日輪がダメなら月詠にって思ってたからな」

銀時の言葉に月詠が首を傾げる。

「わっちに?」

「そ。ちょっとさぁ・・・座敷を貸して欲しいんだよね」

「いつもの接待でありんすか?」

それならば日輪や自分に言わずに、使いたい店に直接行くことを知っている月詠は眉をひそめる。

「ちょっと捕り物を、な」

「・・・そういうことならば、うってつけの場所がありんすよ」

クスリと笑った月詠がついて来るように告げて歩き出す。

その隙にとばかりに土方が銀時の脇腹をつつく。

「おい、いつの間に吉原の死神太夫と仲良くなったんだよ?」

「ん~、以前さ・・・日輪っていう吉原最高の花魁が散歩中にチンピラに絡まれちゃってたわけ。日輪って吉原で囲われて育ったから世間知らずでさ、チンビラにトンチンカンな返答しちゃっててちょっとヤバそうだったんだわ・・・で、俺がそこに通りかかって、百華が騒ぎを聞きつけてくる前にそのチンピラを全員倒しちまったんだよな」

「・・・あァ、で、感謝されてってヤツか?」

「い~や?余計なことを~!とか怒られたんだわ。ここは治外法権だろ?だから地上の警察である真選組副長の俺が手ェ出しちゃったのはマズかったわけよ」

「・・・おいおい・・・」

吉原の掟はかなり厳しいと聞く。その掟を破った者は、例え将軍であろうとも例外なく叩き出される。

銀時が五体満足で出てきたこと自体が奇跡に近いと気づいた土方が顔を青褪めさせる。

「でも、そこに日輪が口添えしてくれてさ・・・その・・・あー・・・“お銀ちゃん”やったら許してくれるっつーから・・・」

「やったのか!?」

「・・・やりました・・・」

あれだけ嫌がっていた“お銀ちゃん”をやらざるを得ないほど追い詰められたらしい。とはいえ、なぜ日輪が“お銀ちゃん”を知っていたのかがわからない。

そう土方が問えば、銀時はなんてことのないように答えた。

「だって、ここは幕府官僚もよく使うんだぜ?仕事でもプライベートでも。・・・あのな、幕府官僚の間で“お銀ちゃん”ファンクラブがあるんだってさ。・・・つまり、寝物語に“お銀ちゃん”の話を遊女が聞くことだってあるんだよ」

「・・・マジでか!!近藤さんが聞いたらマジギレするぞ!!ウチの子のファンクラブを勝手に作るなんて~!!!とかなんとか・・・」

「つか、発起人はとっつぁんなんだけどな・・・でーもっ!黙ってろよ?十四郎」

「・・・わ、わかった・・・」

頷く土方に、銀時はホッと息をつく。

ともかくも“お銀ちゃん”のおかげで命拾いした銀時だったわけだが、遊女達に着せ替え遊びをされていた様子をバッチリ鳳仙にも見られてしまい、大爆笑をくらったことだけは黙っておくことにした。

そのせいかはわからないが(というかそのせいなのだがプライドがそれを認めるのを許さない)鳳仙が銀時に対して、ある程度なら吉原の中で融通を利かせてくれるようになったのが最大の収穫と言えるだろう。

「銀時、ここじゃ」

足を止めて月詠が示した場所を見ると、そこは豪華絢爛という言葉がよく似合う建物だった。

「スゲェ・・・」

思わずそんな言葉をもらした土方に、月詠はくつりと笑う。

「鳳仙が作らせた特別棟でありんす・・・ここで、鳳仙は“狩り”をする」

「“狩り”?」

銀時が問うと、月詠は声を潜めた。

「・・・鳳仙に敵対する者を始末するんじゃ」

「あぁ、そりゃ・・・今回の件にはうってつけだわ。でも、勝手に使ってもイイもんなのか?」

「銀時が使うならば大丈夫じゃろ・・・ぬしは鳳仙のお気に入りでありんすから」

「う゛ッ・・・」

ニヤリと人の悪い笑みをうかべた月詠に、銀時は呻く。

「お気に入り?遊女達だけじゃなくて鳳仙とも繋がりがあんのかよ、お前は」

土方に胡乱気に睨まれて肩を竦める。

「ま、まぁ、ちょっとな」

「・・・・・・なるほど“お銀ちゃん”がお気に入りなワケか」

土方の洞察力は真選組の中でも群を抜いている・・・とはいえ、こうも簡単に読まれたのは初めての銀時は目を丸くした。

「・・・なんでわかったんだよ?」

「お前が言い難そうにしてるからな。それに遊女達に“お銀ちゃん”で遊ばれたんだ。鳳仙が見ててもおかしくねェだろ」

「・・・うぁあ・・・ホント、マジで皆には黙ってて?」

降参のポーズをしてみせると、土方は苦笑して頷いた。

「・・・言わねェよ」

「それで、捕り物で百華の手伝いは必要か?」

訊ねる月詠に、銀時は一瞬表情を歪めてから頷いた。

「ああ・・・ちょっと手伝ってもらいたいことがある」

その内容を銀時の隣で聞いていた土方は目を丸く見開いて、声なき声をあげて全力で拒絶した。

が、もちろん、銀時がそれを許すわけがない。

「俺には思いっきりやらせたんだ。・・・いざ自分の番になって嫌とは言わせねェよ?」

「クックック・・・任せておきなんし、わっちらが全力で綺麗に仕上げるでありんす」

月詠がとても楽しそうに告げた言葉に、土方は灰になった。


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