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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・完全捏造設定です!
・原作かなり無視しています!
・オリジナルキャラクターがわんさか出ます
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・










ガバリと起きあがった彼は、辺りを見回してコトリと首を傾げた。

「ん?ここ、どこ?」

「あ、起きられましたか、保科様」

ス~ッと静かに障子戸が開けられて、ジミーこと山崎退が顔を出した。

「・・・あ、えっと、山崎さん?っていうことは、ここは真選組の・・・?」

「はい、屯所ですよ」

ニコニコと笑って答える山崎に、夏霧は頭を抱えた。

「~~っ、気絶してたんだな・・・情けない」

「いやいや、かなり緊張も強いられていたんでしょうし、仕方ないですよ」

慰めを口にする山崎に苦笑してみせ、夏霧は隣に寝ている春霞の肩を掴んで揺すった。

「春霞、春霞!・・・起きろ、春霞」

「・・・ん゛ぅ?・・・う゛ー・・・何?夏霧・・・まだ眠い・・・」

「お前、スゴイ凶悪ヅラだぞ・・・相変わらず低血圧なんだな」

寝食共にしていた攘夷戦争時にはよく見た顔だが、未だにそれは変わっていないらしい。

夏霧は呆れたようにそう言って、次に水澄を起こしにかかる。

「おい、水澄・・・そろそろ起きないと」

「んー?・・・ああ、おはよ、夏霧」

春霞と違いアッサリと目覚めを迎えた水澄は、むくりと起きあがる。

「おはよ・・・水澄は寝起きイイよな」

「あー・・・忍の訓練受けてたし・・・?」

「それ関係あるのか?」

「さぁ?知んない」

しれっと答える水澄は、パタパタと布団を畳み始めながら山崎に問う。

「すいません山崎さん、氷柱は別室ですか?」

「へ?あ、ああ、ハイ。さすがに女性と同室はどうかと思いまして・・・」

「正解ですよ。それ」

水澄が言えば、山崎は首を傾げる。

「正解って・・・?」

「アレ、寝起きが一番ヤバいんですよ。枯れてるジジィもその気になっちゃうくらいに色気振りまいてますから」

俺達は慣れてますけど。などと言う水澄の言葉に、山崎は口元を引き攣らせた。

「そ、そんなにヤバいんですか?・・・お、沖田隊長が起こしに行ったんですけど」

「沖田さん?・・・なら、大丈夫かな?」

首を傾げて同意を求める水澄に、夏霧は苦笑した。

「あぁ、確かに」



***



気配を感じて、フッと目を開ける。

「起きてやすかィ?・・・そろそろ飯の時間でィ」

「・・・ん~、しんせんぐみの、おきたたいちょ~?」

甘ったるい声で呟く氷柱。

水澄に何度渋い顔をされても寝起きが弱いのは変えられない。

氷柱はポーっとした表情で入り口に近付き、カラリ、と戸を開けた。

「――――ッ!?」

沖田が息を呑むのを見て、コテンと首を傾げる。

「なんか、あったの?」

「ッ・・・少しは恥じらいを持ちなせェ・・・旦那に怒られやすぜィ」

スイ、と視線を逸らして沖田が言う。

「はじらい?ぎんときさまに、おこられる・・・?」

沖田の言葉を復唱し、氷柱は自分の恰好を確認した。

「・・・・・・・・・・・・ッ!!ご、ごごご、ごめんなさいッ!」

胸がギリギリ見えそうなほどに遊女の衣装が肩からずり落ち、寝ている間に解けたのか帯がなく襦袢が日の光に透けて身体のラインがハッキリと見える。

慌てて前を閉めた氷柱に、沖田は嘆息した。

「いつもこうなんですかィ?・・・旦那が心配するわけだ」

屯所に連れて行くとき、間違っても氷柱に手を出すなと口が酸っぱくなるほど言っていた銀時は、この状態の氷柱を知っていたから心配していたのだろう。

もし自分ではなく下っ端の誰かを起こしにやっていたなら、間違いを起こしそうになって“氷柱に下っ端の誰かの方が”瞬殺されていたかもしれない。

そこはもちろん氷柱の実力を測り間違えないことが重要だ。

「ほ、ホントにごめんなさい・・・どうしよう、沖田隊長・・・銀時様に惨殺される?」

「惨殺って・・・・・・勘弁してくだせェ・・・旦那に睨まれんの覚悟でアンタを起こしに来て、更に痛い殺されかたされんのは嫌でさァ」

氷柱に関してのみものすごい過保護ぶりを披露していた銀時を思い浮かべ、氷柱の言葉が大袈裟ではないと思い至ると、沖田は珍しくも恐怖で顔を引き攣らせたのだった。



***



「・・・じゃあ、やっぱり幕府暗部も・・・」

「あぁ、こっちで始末したっていうかァ・・・保科様があらゆる手段でかき集めた人斬り集団で、こう、サクッとなァ~」

近藤と土方両名と向かい合って座っていた松平は、そう言って盛大に溜息をついた。

「いやァ・・・一応、オジサン、警察のトップだったハズなんだけどねェ。なんだか、犯罪者の気分だったよォ?」

「・・・・・・まァ、止めたらとっつぁんの命も無かったんだろうけどな」

ボソリと土方が呟けば、松平は渋い表情をうかべた。

「当然でしょうが。・・・いやァ、容赦なかった・・・中には元攘夷志士ってのもいてねェ、そりゃもうかなり恨みは持ってただろうしなァ~・・・将ちゃん、超ビビってたし・・・」

「まぁ、荒っぽいことには無縁だからな~、今の将軍様は」

近藤が苦笑いをうかべた。

“白夜叉”と比べてはいけないと思っても、まず間違いなく“白夜叉”の方が怖いと言える自分がいる。

おそらく土方も同じ感想を持っているだろうと思って視線を向ければ、案の定、紫煙を吐き出して土方は冷静に告げた。

「だがよ、元攘夷志士の強さっていってもピンキリだろ?」

「ん?・・・まぁ、そうだけどォ」

首を傾げる松平に、土方は尚も告げた。

「“白夜叉”よりかはマシだろうが」

「・・・・・・・・・ま、そうだよなァ」

見たことは無くても伝説は知っている。

語り継がれるほどの戦いを見せた“白夜叉”を間近で見た者からすれば、自分が見たものなど大したことはないように見えるのかもしれない。

羨ましいような羨ましくないような、そんな複雑な気持ちで松平は頷いたのだった。





そして、午後になり銀時達が真選組の屯所にやってくる。

「おーす、昨日はお疲れ」

軽い調子でそう言ってくる銀時に、近藤達はホッと息を吐いた。

昨日の今日で構えた態度を取られたらどうしようかと思っていたからだ。

「・・・ほとんどテメェがヤったようなもんだろうが」

土方が言えば、銀時はヘラリと笑う。

「ん~、そうだったか?」

「そうだよ・・・ったく、俺等の分くらいとっておけっての・・・張り切ってたのがバカみてぇじゃねぇか」

「フッ・・・土方さん、アンタはバカみてぇじゃなくて、本当にバカでさァ」

「んだと、ゴルァ!!」

「ま、まーまー、こんな時にケンカするなって」

気まずさを隠すためかケンカを始めそうになった土方と沖田を止めて、近藤は銀時に笑みを向けた。

「これで、大団円だよな?」

「どうだかねェ・・・まぁ、幕府の方もキレーにしてくれちゃったみたいだし、天導衆がいなくなって天人が優位だった状況も変わって来るだろうし・・・攘夷志士も攘夷浪士もやること無くなったって感じだよなァ」

「それであっさり止める連中なら苦労しねェってんだよ」

のんびりと告げた銀時に、土方が渋い顔をする。

「それもそうだなァ・・・ヅラ達は大人しくしてるっつってたけど・・・他の攘夷浪士は攘夷とは言っててもやってることはそこらのヤクザと変わりねェ連中もいるしな・・・良かったじゃないのォ、真選組の仕事が無くならなくて」

「・・・なんだか、複雑でさァ・・・」

真選組の仕事が無くなるのは嫌だが、攘夷浪士が悪さをするのも勘弁願いたいところだ。

沖田が溜息を吐くと、銀時が首を傾げた。

「どーしたよ?・・・珍しくテンション低くねェか?総一郎君?」

「あー、総悟でさァ・・・旦那ァ」

そう言って、そそそ、と銀時から距離を置いた沖田に、その場の全員が首を傾げた。

「総悟?本当にどうしたんだ?」

「・・・あんなに万事屋に懐いてたじゃねェか、何かあったのか?」

「沖田さん・・・アンタ、まさか」

「・・・銀ちゃんにビビったアルか?」

近藤や土方に心配され、新八と神楽に冷たい視線を向けられる。

沖田は居心地の悪さを感じながら銀時の表情を伺う。

「・・・なんだ?」

沖田のそれがただの拒絶とは違うと気付いた銀時は、ワケがわからないといった表情をうかべる。

「・・・銀時様ッ」

そこに六花の一人、氷柱が乱入してきた。

「沖田隊長を怒らないであげてください・・・私が脅してしまったんです」

「「「「「脅す?」」」」」

ますます混乱する面々に、氷柱が少し恥ずかしそうに理由を告げた。

「実は・・・寝起き姿を起こしに来てくれた沖田隊長に見られてしまって・・・」

「・・・寝起き姿?」

銀時が鸚鵡返しに問う。

「はい・・・寝起き姿です」

「・・・・・・他の六花は?」

「別室で寝ていて・・・山崎さんが気を利かせてくださったみたいで」

「へェ~・・・沖田くぅーん?」

氷柱の説明で色々と理解したらしい銀時が、満面の笑顔で沖田を呼んだ。

「へ、へいッ!!」

「“雪月花”の錆になるか、見たもんぜ―んぶ忘れるか・・・どっちが良い?」

ギラギラと輝く瞳が、対黒夜叉の時よりも恐ろしく感じたのは沖田の気のせいではないと思う。

「・・・ぜ、全力で忘れる方でお願いしまさァ」

既に抜刀態勢に入っている銀時に、沖田は滝のように冷や汗を流しながら答える。

「・・・良し、じゃあそこになおれ。全力で忘れさせてやるから。うわー親切だなァ俺」

「銀時様ッ・・・それ、選択の意味無かったですからっ!!そ、それに、すぐ沖田隊長は視線逸らしましたから!!逆に恥じらいを持てって言われて!!」

慌てて止めに入った氷柱の言葉に、銀時は目を細めた。

「ふ~ん・・・ま、それならいっか」

柄から手を離した銀時を見て、沖田は脱力した。

「・・・し、心臓に悪りィですぜィ、旦那ァ」

一連の流れを見ていた他の面々は、銀時の氷柱に対する過保護ぶりに呆気にとられていた。

「万事屋・・・お前、ちょっといきすぎじゃねェか?」

土方が思わず口にすれば、銀時は口を尖らせた。

「ウチの氷柱は綺麗だから、コレくらい警戒しとかないとダメなの!!悪い虫がつかないようにしとかないとっ!!」

「・・・銀ちゃん、私にはそんなコト言ってくれないネ・・・」

神楽がムッとしたように言えば、銀時はぐりん、と振り返った。

「何言ってんの?!神楽ちゃんは俺が目ェ光らせてっからね?!交友関係バッチリだかんね!!春霞にいつも報告させてっから!!」

「・・・そ、そうアルか・・・」

思わずドン引いた神楽である。

「銀さん、深過ぎる愛情は、時に重いですよ」

新八がツッコミを入れるが馬耳東風の銀時は視線すら向けない。

「聞けよッ!おい!!」

とまぁ、無視されまくった新八が撃沈した後、他の六花もようやく揃う。





「うわー、そのひと騒動見たかったかも」

水澄がとても残念そうに言うのに、真選組の面々は軽い恐怖を覚える。

「・・・お前、ホント・・・いつからそんなになったんだかなァ」

昔から水澄の容赦のなさと殺しや争い事を楽しむような言動は、他の攘夷志士達からも恐れられていた。

銀時が溜息交じりにそう告げれば、本人はしれっとして答えた。

「んー、最初はフリでやってたんですけど・・・だんだんキャラとして定着しちゃいましたよねェ」

「・・・お前、口が軽いからなァ・・・それくらいしといた方が良いって十一が言ったんだったか」

「そーです。入江さんがそう言って、それもそうかァってなって、で、実行したら意外とハマっちゃったと」

「え、じゃあ、今までのって本気で言ってたわけじゃないのもあるってコト?」

近藤が思わず訊けば、水澄はこっくりと頷く。

「もう、癖になってるんですよねー。たまに桂さんに怒られます」

「だろうな・・・ったく、もう戦争中じゃねェんだし、そろそろ直さねェとな」

「ご心配なく、私が躾けます」

銀時がそう言うのと同時に名乗りをあげた春霞に、水澄はげーっという顔をした。

「ビシバシやりますからね、水澄」

「えぇ~・・・勘弁してくれよ」

「・・・水澄、せっかくだ。根っこから矯正してもらえばいい」

「夏霧までそんなコト言うのかよォ~・・・どうせなら、俺、銀時様に躾けて欲し、」

「「「抜け駆け禁止!!」」」

銀時に縋りつこうとした水澄を、他の六花が強制的に銀時から引き離す。

「・・・モテモテだな」

土方が六花の方を見ながら言えば、銀時は肩を竦めた。

「まぁ、アイツ等の場合は“すりこみ”だよ。ヅラとか晋助とか玄ちゃんとかが、散々アイツ等に言い聞かせたんだ」

「テメェを護るためにな。愛されてんじゃねェか」

「・・・だな」

穏やかに微笑む銀時。

「・・・テメェは散々暴れ回って疲れてんだろ?後片付けくらいはこっちでやっておく。六花と万事屋のガキ共連れて、しばらく江戸を離れてろ」

「・・・それ、長官から?」

「まァな・・・保科様も今はいない方が良いだろうって判断だ。将軍もやる気だし、こっちに任せてくれってさ」

ここからが本当の改革の始まりなのだろう。新しい風を入れるために松平が直接動くのは間違いないと思われた。

「・・・政治の話、玄ちゃんが詳しいぞ。それに・・・先生が殺される前に大事なモノは全部実家に送ったみたいで、文さんが資料を管理してんだ」

「・・・テメェ等の師匠の資料か・・・興味はあるな」

「聞いてみるといいぜ、たぶん、快く貸してくれる」

「ああ・・・あと、これを渡しとく」

土方が差し出したのは、真っ黒な革張りの手帳だった。

「・・・これは?」

「幕府暗部の一人の屋敷を探ったら出てきたらしい」

遺品整理という名の家宅捜査をしたのだろう。

ページを捲れば表沙汰にはできそうにない情報が羅列してあり、銀時はそれを土方が寄越した意味を正確に理解した。

「・・・まぁ、適当に流しとくわ」

死してもなお幕府暗部の影響は残っている。特に“彼女達のいる場所”は。

「・・・頼んだぜ。全部始末したわけじゃねェらしいからな」

幕府関係者である真選組は動けない。が、自衛のための情報を流すくらいはできる。

「まぁ、今回の件にも一枚噛んでるらしいし、真選組からの駄賃だって言やァ、受け取るかな?」

「受け取ってもらわなきゃこっちが困るんだよ」

鬱陶しそうに銀時の持つ手帳を睨みつけ、土方は紫煙を吐き出した。

「あー、じゃぁ、そう言っとく」

そう言って銀時は手帳を懐にしまった。

「・・・トシも言ったが、後片付けはこっちに任せてくれ。お前らはのんびり旅行でも行って来い。帰って来る頃には綺麗にしておくからな」

「旦那のことですからねィ。どうせ先立つもんがねェなんて言いそうだったんで、こっちで全額負担しときましたぜィ」

VIPの文字が燦然と輝く旅行券を差し出した沖田。現金で渡さないのは銀時が遠慮をする―――と考えたわけではなく、確実に江戸から離れていてもらうためだ。

「オマエの金じゃねーダロ」

「フフン、裏書きを見てみなせェ」

神楽が口を尖らせれば、沖田は余裕の表情をうかべた。

「裏?・・・げッ」

カードの裏を見れば、将軍を始めとしたお歴々の名前と真選組の名前が書いてある。

「・・・こ、こんなの見せたら・・・逆に落ち着かないような・・・」

新八が連なった名前に仰天すれば、銀時も苦笑した。

「おいおい、どんなお墨付きだよ」

「何処へなりとでも旅立ってくだせェ。でも、有効期限が有りやすからねィ?・・・ちゃんと、江戸に帰って来てくだせェよ」

滅多に得られぬ“悪友”をこんな形で失いたくはない。

「わーってるよ」

苦笑したまま頷き、銀時は六花の4人と神楽達を促した。

「・・・こっからはおまわりさんのお仕事だとさ。邪魔になる前に行くぞ~」

「銀ちゃん、私、温泉行きたいアル!」

「えっと、僕は海に行きたいです!」

早速おねだりを始めた神楽と新八。遠慮をしていたら万事屋では生き残れない。

「温泉に、海ね・・・オメェ等はどこ行きたい?」

銀時が六花に話を振れば、4人は顔を見合わせてから声を揃えた。

「「「「萩に」」」」

銀時の故郷ともいえる場所をこの目で見ておきたい。そんな願いを込めて口にした地名に、銀時は一瞬ぽかんとし、それから破顔した。

「里帰りなんて、考えもしなかったなァ・・・でも、そうだな。墓参りついでに行くか」

どうせ江戸から離れるならば思いっきり遠い所が良いだろう。

「銀さんの育った場所ですか・・・確かに見てみたいですね!」

「ヅラとか片目とかも育ったんでしょ?・・・どんなトコか興味あるアル!」

新八と神楽がきゃっきゃとはしゃぐ脇で、銀時は空を見上げた。

「ようやく、先生に報告できるな」

きっと、復讐なんて喜ばないだろうけれど。

それでも、皆で力を合わせて生きて行きなさいという松陽の教えが守れた。

結局どんなに反目しあおうと、互いに“繋がっている”と信じている。それが確認できただけでも上々だ。

「ねェねェ、銀ちゃん、おやつはいくらまで?」

考え事をしていた銀時に、テンションのあがった神楽が抱きつく。

「ん~、500円までな?ホラ、ウチ、金ねェし」

「・・・俺に任せてください、銀時様」

「え、夏霧、コイツの胃袋なめちゃダメよ?」

「大丈夫です。銀時様こそ、幕府高官のお給料なめないでください」

「え、何この敗北感。なんかスゴイ虚しいんですけど!」

「あ、じゃあ遠慮なくご馳走になります」

「こらこら、新八君!あっさり頭下げないで!!」

「いいじゃないですか~、お金持ってるヤツにたかりましょうよぅ」

慌てる銀時にぴっとりとひっついて水澄がヘラリと笑う。

「たかっ・・・ハァ。まぁ、いいや・・・じゃあ、おやつは夏霧担当な?言っとくが、質より量だからな?あと、酢昆布は必須」

お腹を空かせた神楽に暴れられても困る。銀時は背に腹は代えられず夏霧におやつをたかる・・・もとい、おやつ担当に夏霧を指名した。

「お任せください」

至極満足そうに頷いた夏霧の笑顔がとても印象的だった。と後に真選組の某副長は語る。


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