Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!
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特に何をするでもなく真選組の屯所の庭を見つめてボーっとしていた銀時が、ふと顔を門の方へ向ける。
「万事屋?」
近藤が首を傾げると銀時は振り返ってニッと笑う。
「連絡ついたみてーだ。・・・と言ってもテロリストの方じゃねーよ?」
一瞬ざわめいた真選組の面々に銀時は苦笑をうかべる。
「あ、ああ」
近藤が頷くのを確認すると、銀時は門に向かって叫んだ。
「おーい、辰馬ァ、入って来いや」
「え?坂本さん?」
「黒もじゃアルか?」
「おー、まっこと久しぶりじゃのー、金時ぃ、っだ!!」
「金じゃねェから、銀だから」
坂本が“金時”と言った瞬間に銀時はその頭にゲンコツを落とした。
「痛いやか~・・・きん、銀時ぃ」
「今、金って言おうとしたよね、つか、言ったよねぇ?」
にこやかにバキボキと指を鳴らす銀時に、坂本は口元を引き攣らせる。
「ま、待て、き、銀時・・・」
「・・・問答無用!!」
「ぎゃああああああ!!!」
「・・・と、いうわけで、元攘夷志士で現在は星間貿易業“快援隊”の社長、坂本辰馬だ」
「アッハッハッハ!よろしゅうな~」
ボロボロにした者もされた者も、平然と何事もなかったかのように振舞う。
慣れていない真選組は若干引き気味だが、神楽と新八は慣れたものでそれぞれに挨拶をしている。
「黒もじゃ、久しぶりネ」
「こんにちは、坂本さん」
「おー、神楽ちゃんに新八君かぁ、久しぶりじゃのぅ」
「「「!!!」」」
「めっずらしー、辰馬がまともに名前呼んでんじゃねェか・・・俺は金時とか呼んだくせに」
「あ、いやいや・・・他意はないぜよ~、つい、癖で」
「余計悪いわぁあぁあああッ!!!」
再び振り下ろされたゲンコツ。が、今度はガッチリと掴む。
「待てっていうがやき、銀時」
「・・・いつになく真面目じゃねェか、辰馬」
「まぁのぅ・・・さすがに今回は冗談の言える状況がやないじゃろう」
「・・・まぁな」
坂本はサングラスの奥で目を細め、声を低めて囁くように告げる。
銀時は坂本から視線を逸らし、空を見上げた。
「なぁ、辰馬・・・」
「なんじゃ?」
「ヅラや晋助が暴走したら、一緒に止めてくれな?」
「・・・もちろんじゃ、おんしが暴走してもヅラや高杉と一緒に止めちゃるから安心せぇ」
「はは・・・そりゃ、心強ぇなぁ」
銀時は苦笑をうかべて坂本を振り返る。
「・・・なんちゃーがやないながやきか?」
「あ?ああ・・・大丈夫だよ、今んトコはな・・・」
心配する坂本に銀時は肩を竦める。
まだ、自分の感情を制御できる今は良い。だが、“ヤツ”を視界に入れた瞬間の自分の感情を制御できる自信がなかった。
だから、今のところと言い置いた。
「・・・そうか」
それに気付かない坂本ではないが指摘するでもなく頷き、真選組の面々に向き直った。
「これから世話になるきに、よろしゅうお願いするがよ」
「あ、ああ・・・こちらこそ」
深々と頭を下げた坂本に、近藤が慌てて頭を下げる。
「ヤツらが暴れたち、わしが必ずとめる。やき、安心してくれぇ」
ヤツらというのは桂や高杉のことだと気付いた土方は思わず眉間にしわを寄せた。
必ず止めるとは言っているが、坂本の実力を知らない土方は、この男1人で大丈夫なのかと不安になったのだ。
「あ~・・・辰馬ァ、オメェ誰からこのこと聞いた?」
不意に思いだして銀時が訊くと、坂本は振り返って答えた。
「ん~?春霞じゃ」
「やっぱ、ヅラんトコには水澄で、高杉のトコには氷柱か・・・」
「お、高杉んトコに氷柱がおるがか・・・苦労しちょるじゃろうなぁ」
「それが、そうでもなさそうなんだよねぇ・・・」
「ほ~、ということは、やっぱりおんしのコトが気になっちゅうんじゃの~」
坂本がうんうんと頷きながら言えば、銀時は目を丸くした。
「はぁ!?おまえ、何言っちゃってんそ!?」
「あっはっは、銀時ぃ、なまっちゅうぞ~」
「ッ」
思わず出た故郷の言葉に、銀時は口を手で塞いだ。
「へ~、それが、旦那のお国言葉なんですかィ?」
沖田が興味津々に訊ねてくるので、銀時は苦笑いをうかべた。
「まぁな・・・昔のこと思い出してたら、つい、出ちまった」
「ほうじゃほうじゃ、銀時ばなまるとヅラや高杉までなまって、わしにはわからんようになるぜよ~」
「オメェほどじゃねぇっつの!」
銀時は軽く坂本の頭を叩く。
「銀時ィ・・・痛いぜよ~」
「ウルセェ!・・・つか、携帯貸せ。携帯」
「何に使うんじゃ?」
「いーから、貸せ!」
渋々取り出した携帯電話を奪い取り、銀時はアドレス帳を開いた。
「・・・やっぱり、アイツの連絡先知ってんだな」
「ん?ああ、一応なァ・・・でも、使ったことはないきに」
示された番号を見た坂本はそう言って頭をガシガシと掻いた。
「ふーん、じゃあ、かけてみっかぁ」
銀時はそう言って、通話ボタンを押した。
一方、夏霧からの知らせを受けた氷柱は、高杉の前に緊張した面持ちで立っていた。
「・・・夏霧からの知らせだァ?」
気だるげにこちらを見る高杉の前で、氷柱はコクリと頷いた。
「はい、晋助様・・・ようやく、準備が整ったので」
「氷柱先輩、夏霧ってのは誰ッスか」
また子が不思議そうに首を傾げると、氷柱は苦笑をうかべた。
「えっと・・・幕府の高官・・・かしら」
「ばっ・・・幕府の高官ッスか!?」
素っ頓狂な声をあげてまた子が立ちあがる。
「・・・で、幕府の高官になった夏霧の知らせってのはなんだ?」
そんなまた子を視線で抑えると、高杉は氷柱に問うた。
「・・・それは」
氷柱がどこまで説明したらいいのかと言葉を詰まらせた時、高杉の携帯電話が着信を告げた。
「・・・なんだァ?」
鬼兵隊の幹部以外で高杉の携帯電話の番号を知る者はいなかったはず。そして、幹部はここに全員揃っている。
高杉は不審げに携帯電話の画面を見ると、心底嫌そうな表情になった。
「そういや、一度だけアイツに連絡入れた事があったか・・・」
画面には“坂本辰馬”の名が表示されていた。
出るのを一瞬ためらったが、夏霧の件が頭を過り、高杉は仕方なしに通話ボタンを押した。
「何の用だァ、辰馬ァ」
『あ、晋ちゃん?俺だよ俺、元気ィ?』
「・・・・・・何の冗談だァ?銀時ィ」
眉間のしわを深くして問いかけた高杉の言葉に氷柱がハッと顔をあげた。
『別に冗談じゃないんだけどさァ、ちょっと江戸まで来てくんない?』
「はァ?・・・何言ってやがる。テメェ等とは袂を分かったハズだぜェ?それに次に会ったら全力でたたっ斬るなんつってやがったのは、どこの誰だ?」
『あーハイハイ、俺達ですね~、わかってるっつの。でも・・・・・・晋助、先生の仇の情報、知りたくねぇか?』
ふざけた調子で応じていた銀時の声が不意に真剣なものに変わった。
「情報・・・?」
『夏霧が知らせて来た。・・・氷柱には詳しくは教えてねェらしい・・・アイツはテメェの性格良く知ってっからな』
銀時が嘘をついているとは思わなかった。声音だけでもわかる。これは完全に怒りを押し殺している時の声だ。
「・・・どこに行きゃあ良い?」
『紅桜の件の時の・・・あの港に今晩だ。ヅラも辰馬も来る。ああ、ついでに真選組もな・・・夏霧が上層部を上手く丸め込んだらしい、テメェ等の指名手配は解かれてっから』
「・・・相変わらずだな【六花】は。テメェのためなら世の理すら変えるか。愛されてんじゃねェか」
『知るかよ・・・』
わずかに戸惑ったような銀時の声に、高杉はクツリと笑った。
「銀時ィ、テメェに魅せられた連中は他にもたくさんいるんだぜェ?」
『はァ?何ソレ?』
高杉が鬼兵隊を再結成する時に参加を固辞した者達の多くが、銀時の不在を理由としていた。
今ならば、耳を貸すかもしれない。
「クク、楽しみにしとけよ、銀時ィ・・・懐かしい面々を揃えといてやるぜェ」
『あー、ハイハイ、余計な事しなくてイイから、果てしなくせんない(面倒だ)から。テメェがヤる気出してイイ事あった例がねェから』
「せんないだァ?ふざけんなちゃ、クソ天パ・・・ッ!」
銀時につられてつい口にしたのは、懐かしい故郷の言葉だった。
『ププッ、なまり伝染(うつ)ってやんの~』
「るせェ!」
ブチッと怒りに任せて通話を切ると、こちらを凝視していた氷柱と視線があった。
「・・・江戸に行くぞ」
「はい!」
返事をした氷柱に同意するように万斉やまた子、武市も頷くのを見て、高杉は口の端を吊り上げた。
「チッ・・・チビ助のヤツ、マジで切りやがった」
舌打ちする銀時に、坂本は苦笑をうかべた。
「ありゃあおんしがわりぃぞ。高杉をからかったらああなるがは、わかりきっちょるじゃろうに」
「え~、あの程度で怒ンの~?晋ちゃんってば、ちょっと心が狭くなり過ぎじゃね?」
「あっはっはっは・・・アレは昔からじゃろ~?びっしり(しょっちゅう)おんしらがケンカしとったがを見ちゅうぞ」
「そうかァ?」
あの頃は、ケンカと遊びの境目がわからない程にお互いの存在が近かったのだ。
隣を見れば高杉や桂、坂本が。
後ろを見れば、己を慕う【六花】が。
更にその後ろには、大勢の同志達が。
だからこそ、あの状況下で己は笑えていたのだと思う。
「大丈夫なんですか・・・銀さん」
新八が心配そうに訊ねてくる。それも仕方のないことだろうと銀時は苦笑をうかべた。
「まぁ、お前等は紅桜ン時の高杉しか知らねェもんなァ・・・たぶん、大丈夫だよ」
高杉の優先順位が変わっていなければ、今ここでこちらにケンカをふっかけてくるわけが無いと銀時は告げる。
「高杉の優先順位?」
土方が首を傾げる。
「アイツがこの世界を壊そうって思ったのは、先生を殺されたからだ。まぁ、幕府に裏切られて大勢の仲間を失ったってのもそれに拍車をかけてるんだろうが。・・・だから、先生の仇の情報を得ようと思うなら、俺達とは一時的にでも停戦するってことだよ」
「ナルホド、な・・・その先生ってのは、テメェ等にとっちゃそれだけ影響力があるってコトか」
「・・・まぁな・・・」
土方から視線を逸らし、銀時は頷いた。
「先生とやらのことはわしも話を聞いただけじゃが、銀時は先生に拾われたちやな。最初は先生にしか懐かぇくっておおごと(大変)じゃったっていっちょったきに」
「余計な事は話さなくて良いんだよ・・・てか、それ誰に聞いた?」
「ん~、たしか、ヅラじゃったかぇ。ほれとも高杉?・・・あ~いやいや、久坂じゃったか?」
「「久坂?」」
新八と神楽が首を傾げた。
銀時の昔の仲間の事はほぼ聞いたと思っていたのに、また別の名前が出て来たのだから当然と言えた。
「銀時らと同じ村塾出身の仲間ちゃ、久坂は戦争後はどっかで医者をやっちゅうって話じゃが」
「あ~、玄ちゃんの名前久しぶりに聞いたかも・・・なっつかし~」
「なーんだ。連絡をとっとったががやないのか」
「とってねーよ・・・第一、俺は攘夷戦争後、アイツらと一切連絡絶ってたもん」
銀時が言えば、坂本は目を丸くした。
「なんじゃ、てっきり、六花を通して連絡取り合っちょるものやと思っとったぞ」
「・・・あのねぇ・・・六花と再会したのもつい最近よ?えーと、確か・・・ヅラと再会した直後くらい?」
「じゃあ、本当につい最近なんですねェ・・・」
新八がぼそりと呟く。
桂と会った時は本当に大変だったと思いだし、苦笑いをうかべた。
「で、これで高杉とは連絡がついたことになるが、後は桂か?」
土方が話を戻すと、銀時は深い溜息をついた。
「ヅラかぁ・・・めんどくせェなァ・・・アイツ、頭かてーんだもん。高杉と仲良くしろとか言ったら絶対小言の一つや二つや三つや四つ・・・」
「あっはっは・・・こってり絞られそうじゃのう」
「俺のせいじゃねーのに・・・」
顔を引き攣らせて笑う坂本とガックリと肩を落とす銀時。
その様子を見て、桂という人物の認識を改めなければならないか、と真選組の面々は考える。
「・・・そういや、桂と面と向かって話すのは初めてなんですねィ」
「あ~、そうなるか」
沖田の言葉に、土方が考えながら頷く。
「まぁ、会えば追いかけっこだもんなァ、真選組(おめーら)とヅラは」
銀時が苦笑すれば、それにつられるかのように沖田も笑う。
「仕方ないでさァ、ヤローは指名手配されてたんですぜィ?穏健派に鞍替えしたとはいえ、攘夷浪士共の中心的存在には変わりねーですからねィ」
「不思議なのは、いつの間に穏健派になったか、だな」
土方が言えば、万事屋の子ども達がキョトン、とした。
「あれ?気付いてなかったんですね」
「とっくの昔に気付いてたと思ってたアルヨ」
「あ゛?」
土方がギロリと子ども達を睨むと、新八は引き攣った声をあげ、神楽は睨みかえしてくる。
「まぁまぁ、トシ・・・それより、どういうことだ?」
近藤は土方をなだめ、子ども達に問う。
「銀さんと桂さんの関係には気付いてたみたいだから、その事も勘付いてると思ってたんですけど・・・桂さんを穏健派にしたのは銀さんですよ」
「銀ちゃんがヅラの誘い断って、説得したネ」
「いやいや、神楽ちゃん。説得はしてないからね?面倒なコトが嫌だから断っただけだからね?」
銀時が嫌そうに首を振る。すると頭上から影が降りた。
「む?・・・アレは説得ではなかったのか?俺はそう感じたが・・・俺は、お前が・・・一番この世界を憎んでいるハズの銀時が我慢しているのに、俺達がとやかく言えることではないと思ったのだ」
声が聞こえる前から“こいつ”がいることには気付いていた。だから、そう言われるのが嫌で否定したというのに、相変わらず“電波”らしい。
目の前にいる真選組の面々が目を丸くしているのを無感動に見ながら、銀時は背後にいる人物に対して溜息をついた。
「別に~、我慢なんてしてないし~・・・というか、どっから入って来たんだよ、ヅラァ」
「ヅラじゃない、桂だ。・・・普通に門から入って来たぞ」
「ふーん、あっそう。・・・でさ、もーそれ聞き飽きたんだけど。いい加減認めちゃえよ、ヅラだってこと」
「ヅラじゃない、桂だ!そしてこれは地毛だ!!」
「お、落ち着くんじゃ、ヅラ」
「何度も言わせるな!坂本!!俺は桂だぁああ!」
力一杯にゲンコツを振り下ろして坂本を床に沈めると、桂は銀時の肩を掴んだ。
「・・・銀時、話は水澄から聞いた。“ヤツ”の動向について調べがついたらしいな」
「・・・ったく、あのおしゃべりが」
「水澄を責めてやるな。お前を心配してのことだ」
ガシガシと頭を掻く銀時に、桂は眉根を寄せる。
「わーってるよ・・・で、お前がここに姿を表したってコトは、指名手配が解かれてるってのは聞いたんだな?」
「ああ、大体のコトは訊いた。それで、これからどうするのだ?」
「ん~、高杉と合流してェ、“ヤツ”をたたっ斬る。それだけだろ?」
あっけらかんと告げた銀時に、桂は心配そうな眼差しを向けた。
「銀時、お前・・・大丈夫か?」
「ったく、相変わらず心配性だなァ・・・お前は俺の母ちゃんかっつの」
「母ちゃんではない、桂だ!!・・・というか、茶化すな銀時!」
グイ、と顔を自分の方へ向かせると、桂はジッと銀時の表情を見つめた。
いつもなら死んだ魚のようなその瞳が、今はゆらゆらと様々な感情を映しこんで揺れている。
「・・・あまり無理をするな、このたわけが」
何も感じないわけが無い。銀時の目の前で“あの人”は“ヤツ”に殺されたのだ。
燃え上がる炎の前で悲痛な叫びをあげた銀時を、今でも鮮明に思い出せる。
「・・・無理なんかしてねェよ」
ぱしん、と桂の手を叩き、銀時は顔を背けた。
それが無理をしているというのだ、と言い募ろうとした桂は、ふと万事屋の子ども達の心配そうな顔が視界に入って、その口を閉ざした。
「桂さん」
「ヅラ」
この子等の心配を煽ってしまったかと反省した桂は、フッと肩から力を抜いた。
「・・・キツかったらちゃんと言うんだぞ、銀時」
「・・・・・・ふぇ~い」
何ともやる気の無さそうな返事だが、それでも言葉が返ってきたことに満足し、桂は改めて真選組に視線を向けた。
「こうして相対するのは初めてだな・・・土方」
「・・・ああ」
頷く土方に対し、桂は目を細めた。
「ふっ・・・意外と柔軟な頭だったらしい」
「・・・上様からの勅命とあっちゃ、逆らうわけにはいかねェからな」
フイ、と顔を背けた土方に笑みを深め、桂は近藤に視線を移した。
「近藤・・・貴様とは浅からぬ縁だな」
「あ~・・・まぁ、そうだなァ・・・」
チャットで意気投合しそうになったり“猫”と“ゴリラ”になったりと、様々縁がある2人だが、ここまで落ち着いた状況で会うのは初めてだと思うと何やら感慨深いものがある。
「近藤さん?」
「どういう縁でさァ?」
「・・・あー、いや、気にするな」
土方や沖田が不思議そうにしているが、説明しようにも出来ない近藤は口を閉ざす。
「偶然の出会いが多い、ということだ。・・・まぁ、今回に限っては必然のようだがな」
見兼ねた桂が近藤のフォローをすると、土方や沖田、それに山崎がギョッとしたように視線を向けて来た。
「・・・なんだ?」
「いや、その・・・」
「・・・何でもねェですぜィ」
「まさか、アンタが局長をフォローするとは思ってなかったんですよ」
「「山崎!!」」
余計な事を、と睨んでくる2人の視線から逃れるように顔を背けた山崎に、桂はクツリと笑った。
「まぁ、お前達は銀時の“お気に入り”だからな・・・追われる心配が無くなったのなら、敵視する理由はない」
「はー、お互いに素直じゃないねェ・・・」
「銀時・・・お前にだけは言われたくないセリフだな」
「・・・え~、銀さんは自分に正直に生きてるもんね~」
絶対に弱っているコトを認めるつもりはないらしい銀時に溜息をついた桂を見て、真選組の面々は思わず同情の視線を桂に向けた。
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以上、同意できる方のみ↓へ・・・
特に何をするでもなく真選組の屯所の庭を見つめてボーっとしていた銀時が、ふと顔を門の方へ向ける。
「万事屋?」
近藤が首を傾げると銀時は振り返ってニッと笑う。
「連絡ついたみてーだ。・・・と言ってもテロリストの方じゃねーよ?」
一瞬ざわめいた真選組の面々に銀時は苦笑をうかべる。
「あ、ああ」
近藤が頷くのを確認すると、銀時は門に向かって叫んだ。
「おーい、辰馬ァ、入って来いや」
「え?坂本さん?」
「黒もじゃアルか?」
「おー、まっこと久しぶりじゃのー、金時ぃ、っだ!!」
「金じゃねェから、銀だから」
坂本が“金時”と言った瞬間に銀時はその頭にゲンコツを落とした。
「痛いやか~・・・きん、銀時ぃ」
「今、金って言おうとしたよね、つか、言ったよねぇ?」
にこやかにバキボキと指を鳴らす銀時に、坂本は口元を引き攣らせる。
「ま、待て、き、銀時・・・」
「・・・問答無用!!」
「ぎゃああああああ!!!」
「・・・と、いうわけで、元攘夷志士で現在は星間貿易業“快援隊”の社長、坂本辰馬だ」
「アッハッハッハ!よろしゅうな~」
ボロボロにした者もされた者も、平然と何事もなかったかのように振舞う。
慣れていない真選組は若干引き気味だが、神楽と新八は慣れたものでそれぞれに挨拶をしている。
「黒もじゃ、久しぶりネ」
「こんにちは、坂本さん」
「おー、神楽ちゃんに新八君かぁ、久しぶりじゃのぅ」
「「「!!!」」」
「めっずらしー、辰馬がまともに名前呼んでんじゃねェか・・・俺は金時とか呼んだくせに」
「あ、いやいや・・・他意はないぜよ~、つい、癖で」
「余計悪いわぁあぁあああッ!!!」
再び振り下ろされたゲンコツ。が、今度はガッチリと掴む。
「待てっていうがやき、銀時」
「・・・いつになく真面目じゃねェか、辰馬」
「まぁのぅ・・・さすがに今回は冗談の言える状況がやないじゃろう」
「・・・まぁな」
坂本はサングラスの奥で目を細め、声を低めて囁くように告げる。
銀時は坂本から視線を逸らし、空を見上げた。
「なぁ、辰馬・・・」
「なんじゃ?」
「ヅラや晋助が暴走したら、一緒に止めてくれな?」
「・・・もちろんじゃ、おんしが暴走してもヅラや高杉と一緒に止めちゃるから安心せぇ」
「はは・・・そりゃ、心強ぇなぁ」
銀時は苦笑をうかべて坂本を振り返る。
「・・・なんちゃーがやないながやきか?」
「あ?ああ・・・大丈夫だよ、今んトコはな・・・」
心配する坂本に銀時は肩を竦める。
まだ、自分の感情を制御できる今は良い。だが、“ヤツ”を視界に入れた瞬間の自分の感情を制御できる自信がなかった。
だから、今のところと言い置いた。
「・・・そうか」
それに気付かない坂本ではないが指摘するでもなく頷き、真選組の面々に向き直った。
「これから世話になるきに、よろしゅうお願いするがよ」
「あ、ああ・・・こちらこそ」
深々と頭を下げた坂本に、近藤が慌てて頭を下げる。
「ヤツらが暴れたち、わしが必ずとめる。やき、安心してくれぇ」
ヤツらというのは桂や高杉のことだと気付いた土方は思わず眉間にしわを寄せた。
必ず止めるとは言っているが、坂本の実力を知らない土方は、この男1人で大丈夫なのかと不安になったのだ。
「あ~・・・辰馬ァ、オメェ誰からこのこと聞いた?」
不意に思いだして銀時が訊くと、坂本は振り返って答えた。
「ん~?春霞じゃ」
「やっぱ、ヅラんトコには水澄で、高杉のトコには氷柱か・・・」
「お、高杉んトコに氷柱がおるがか・・・苦労しちょるじゃろうなぁ」
「それが、そうでもなさそうなんだよねぇ・・・」
「ほ~、ということは、やっぱりおんしのコトが気になっちゅうんじゃの~」
坂本がうんうんと頷きながら言えば、銀時は目を丸くした。
「はぁ!?おまえ、何言っちゃってんそ!?」
「あっはっは、銀時ぃ、なまっちゅうぞ~」
「ッ」
思わず出た故郷の言葉に、銀時は口を手で塞いだ。
「へ~、それが、旦那のお国言葉なんですかィ?」
沖田が興味津々に訊ねてくるので、銀時は苦笑いをうかべた。
「まぁな・・・昔のこと思い出してたら、つい、出ちまった」
「ほうじゃほうじゃ、銀時ばなまるとヅラや高杉までなまって、わしにはわからんようになるぜよ~」
「オメェほどじゃねぇっつの!」
銀時は軽く坂本の頭を叩く。
「銀時ィ・・・痛いぜよ~」
「ウルセェ!・・・つか、携帯貸せ。携帯」
「何に使うんじゃ?」
「いーから、貸せ!」
渋々取り出した携帯電話を奪い取り、銀時はアドレス帳を開いた。
「・・・やっぱり、アイツの連絡先知ってんだな」
「ん?ああ、一応なァ・・・でも、使ったことはないきに」
示された番号を見た坂本はそう言って頭をガシガシと掻いた。
「ふーん、じゃあ、かけてみっかぁ」
銀時はそう言って、通話ボタンを押した。
一方、夏霧からの知らせを受けた氷柱は、高杉の前に緊張した面持ちで立っていた。
「・・・夏霧からの知らせだァ?」
気だるげにこちらを見る高杉の前で、氷柱はコクリと頷いた。
「はい、晋助様・・・ようやく、準備が整ったので」
「氷柱先輩、夏霧ってのは誰ッスか」
また子が不思議そうに首を傾げると、氷柱は苦笑をうかべた。
「えっと・・・幕府の高官・・・かしら」
「ばっ・・・幕府の高官ッスか!?」
素っ頓狂な声をあげてまた子が立ちあがる。
「・・・で、幕府の高官になった夏霧の知らせってのはなんだ?」
そんなまた子を視線で抑えると、高杉は氷柱に問うた。
「・・・それは」
氷柱がどこまで説明したらいいのかと言葉を詰まらせた時、高杉の携帯電話が着信を告げた。
「・・・なんだァ?」
鬼兵隊の幹部以外で高杉の携帯電話の番号を知る者はいなかったはず。そして、幹部はここに全員揃っている。
高杉は不審げに携帯電話の画面を見ると、心底嫌そうな表情になった。
「そういや、一度だけアイツに連絡入れた事があったか・・・」
画面には“坂本辰馬”の名が表示されていた。
出るのを一瞬ためらったが、夏霧の件が頭を過り、高杉は仕方なしに通話ボタンを押した。
「何の用だァ、辰馬ァ」
『あ、晋ちゃん?俺だよ俺、元気ィ?』
「・・・・・・何の冗談だァ?銀時ィ」
眉間のしわを深くして問いかけた高杉の言葉に氷柱がハッと顔をあげた。
『別に冗談じゃないんだけどさァ、ちょっと江戸まで来てくんない?』
「はァ?・・・何言ってやがる。テメェ等とは袂を分かったハズだぜェ?それに次に会ったら全力でたたっ斬るなんつってやがったのは、どこの誰だ?」
『あーハイハイ、俺達ですね~、わかってるっつの。でも・・・・・・晋助、先生の仇の情報、知りたくねぇか?』
ふざけた調子で応じていた銀時の声が不意に真剣なものに変わった。
「情報・・・?」
『夏霧が知らせて来た。・・・氷柱には詳しくは教えてねェらしい・・・アイツはテメェの性格良く知ってっからな』
銀時が嘘をついているとは思わなかった。声音だけでもわかる。これは完全に怒りを押し殺している時の声だ。
「・・・どこに行きゃあ良い?」
『紅桜の件の時の・・・あの港に今晩だ。ヅラも辰馬も来る。ああ、ついでに真選組もな・・・夏霧が上層部を上手く丸め込んだらしい、テメェ等の指名手配は解かれてっから』
「・・・相変わらずだな【六花】は。テメェのためなら世の理すら変えるか。愛されてんじゃねェか」
『知るかよ・・・』
わずかに戸惑ったような銀時の声に、高杉はクツリと笑った。
「銀時ィ、テメェに魅せられた連中は他にもたくさんいるんだぜェ?」
『はァ?何ソレ?』
高杉が鬼兵隊を再結成する時に参加を固辞した者達の多くが、銀時の不在を理由としていた。
今ならば、耳を貸すかもしれない。
「クク、楽しみにしとけよ、銀時ィ・・・懐かしい面々を揃えといてやるぜェ」
『あー、ハイハイ、余計な事しなくてイイから、果てしなくせんない(面倒だ)から。テメェがヤる気出してイイ事あった例がねェから』
「せんないだァ?ふざけんなちゃ、クソ天パ・・・ッ!」
銀時につられてつい口にしたのは、懐かしい故郷の言葉だった。
『ププッ、なまり伝染(うつ)ってやんの~』
「るせェ!」
ブチッと怒りに任せて通話を切ると、こちらを凝視していた氷柱と視線があった。
「・・・江戸に行くぞ」
「はい!」
返事をした氷柱に同意するように万斉やまた子、武市も頷くのを見て、高杉は口の端を吊り上げた。
「チッ・・・チビ助のヤツ、マジで切りやがった」
舌打ちする銀時に、坂本は苦笑をうかべた。
「ありゃあおんしがわりぃぞ。高杉をからかったらああなるがは、わかりきっちょるじゃろうに」
「え~、あの程度で怒ンの~?晋ちゃんってば、ちょっと心が狭くなり過ぎじゃね?」
「あっはっはっは・・・アレは昔からじゃろ~?びっしり(しょっちゅう)おんしらがケンカしとったがを見ちゅうぞ」
「そうかァ?」
あの頃は、ケンカと遊びの境目がわからない程にお互いの存在が近かったのだ。
隣を見れば高杉や桂、坂本が。
後ろを見れば、己を慕う【六花】が。
更にその後ろには、大勢の同志達が。
だからこそ、あの状況下で己は笑えていたのだと思う。
「大丈夫なんですか・・・銀さん」
新八が心配そうに訊ねてくる。それも仕方のないことだろうと銀時は苦笑をうかべた。
「まぁ、お前等は紅桜ン時の高杉しか知らねェもんなァ・・・たぶん、大丈夫だよ」
高杉の優先順位が変わっていなければ、今ここでこちらにケンカをふっかけてくるわけが無いと銀時は告げる。
「高杉の優先順位?」
土方が首を傾げる。
「アイツがこの世界を壊そうって思ったのは、先生を殺されたからだ。まぁ、幕府に裏切られて大勢の仲間を失ったってのもそれに拍車をかけてるんだろうが。・・・だから、先生の仇の情報を得ようと思うなら、俺達とは一時的にでも停戦するってことだよ」
「ナルホド、な・・・その先生ってのは、テメェ等にとっちゃそれだけ影響力があるってコトか」
「・・・まぁな・・・」
土方から視線を逸らし、銀時は頷いた。
「先生とやらのことはわしも話を聞いただけじゃが、銀時は先生に拾われたちやな。最初は先生にしか懐かぇくっておおごと(大変)じゃったっていっちょったきに」
「余計な事は話さなくて良いんだよ・・・てか、それ誰に聞いた?」
「ん~、たしか、ヅラじゃったかぇ。ほれとも高杉?・・・あ~いやいや、久坂じゃったか?」
「「久坂?」」
新八と神楽が首を傾げた。
銀時の昔の仲間の事はほぼ聞いたと思っていたのに、また別の名前が出て来たのだから当然と言えた。
「銀時らと同じ村塾出身の仲間ちゃ、久坂は戦争後はどっかで医者をやっちゅうって話じゃが」
「あ~、玄ちゃんの名前久しぶりに聞いたかも・・・なっつかし~」
「なーんだ。連絡をとっとったががやないのか」
「とってねーよ・・・第一、俺は攘夷戦争後、アイツらと一切連絡絶ってたもん」
銀時が言えば、坂本は目を丸くした。
「なんじゃ、てっきり、六花を通して連絡取り合っちょるものやと思っとったぞ」
「・・・あのねぇ・・・六花と再会したのもつい最近よ?えーと、確か・・・ヅラと再会した直後くらい?」
「じゃあ、本当につい最近なんですねェ・・・」
新八がぼそりと呟く。
桂と会った時は本当に大変だったと思いだし、苦笑いをうかべた。
「で、これで高杉とは連絡がついたことになるが、後は桂か?」
土方が話を戻すと、銀時は深い溜息をついた。
「ヅラかぁ・・・めんどくせェなァ・・・アイツ、頭かてーんだもん。高杉と仲良くしろとか言ったら絶対小言の一つや二つや三つや四つ・・・」
「あっはっは・・・こってり絞られそうじゃのう」
「俺のせいじゃねーのに・・・」
顔を引き攣らせて笑う坂本とガックリと肩を落とす銀時。
その様子を見て、桂という人物の認識を改めなければならないか、と真選組の面々は考える。
「・・・そういや、桂と面と向かって話すのは初めてなんですねィ」
「あ~、そうなるか」
沖田の言葉に、土方が考えながら頷く。
「まぁ、会えば追いかけっこだもんなァ、真選組(おめーら)とヅラは」
銀時が苦笑すれば、それにつられるかのように沖田も笑う。
「仕方ないでさァ、ヤローは指名手配されてたんですぜィ?穏健派に鞍替えしたとはいえ、攘夷浪士共の中心的存在には変わりねーですからねィ」
「不思議なのは、いつの間に穏健派になったか、だな」
土方が言えば、万事屋の子ども達がキョトン、とした。
「あれ?気付いてなかったんですね」
「とっくの昔に気付いてたと思ってたアルヨ」
「あ゛?」
土方がギロリと子ども達を睨むと、新八は引き攣った声をあげ、神楽は睨みかえしてくる。
「まぁまぁ、トシ・・・それより、どういうことだ?」
近藤は土方をなだめ、子ども達に問う。
「銀さんと桂さんの関係には気付いてたみたいだから、その事も勘付いてると思ってたんですけど・・・桂さんを穏健派にしたのは銀さんですよ」
「銀ちゃんがヅラの誘い断って、説得したネ」
「いやいや、神楽ちゃん。説得はしてないからね?面倒なコトが嫌だから断っただけだからね?」
銀時が嫌そうに首を振る。すると頭上から影が降りた。
「む?・・・アレは説得ではなかったのか?俺はそう感じたが・・・俺は、お前が・・・一番この世界を憎んでいるハズの銀時が我慢しているのに、俺達がとやかく言えることではないと思ったのだ」
声が聞こえる前から“こいつ”がいることには気付いていた。だから、そう言われるのが嫌で否定したというのに、相変わらず“電波”らしい。
目の前にいる真選組の面々が目を丸くしているのを無感動に見ながら、銀時は背後にいる人物に対して溜息をついた。
「別に~、我慢なんてしてないし~・・・というか、どっから入って来たんだよ、ヅラァ」
「ヅラじゃない、桂だ。・・・普通に門から入って来たぞ」
「ふーん、あっそう。・・・でさ、もーそれ聞き飽きたんだけど。いい加減認めちゃえよ、ヅラだってこと」
「ヅラじゃない、桂だ!そしてこれは地毛だ!!」
「お、落ち着くんじゃ、ヅラ」
「何度も言わせるな!坂本!!俺は桂だぁああ!」
力一杯にゲンコツを振り下ろして坂本を床に沈めると、桂は銀時の肩を掴んだ。
「・・・銀時、話は水澄から聞いた。“ヤツ”の動向について調べがついたらしいな」
「・・・ったく、あのおしゃべりが」
「水澄を責めてやるな。お前を心配してのことだ」
ガシガシと頭を掻く銀時に、桂は眉根を寄せる。
「わーってるよ・・・で、お前がここに姿を表したってコトは、指名手配が解かれてるってのは聞いたんだな?」
「ああ、大体のコトは訊いた。それで、これからどうするのだ?」
「ん~、高杉と合流してェ、“ヤツ”をたたっ斬る。それだけだろ?」
あっけらかんと告げた銀時に、桂は心配そうな眼差しを向けた。
「銀時、お前・・・大丈夫か?」
「ったく、相変わらず心配性だなァ・・・お前は俺の母ちゃんかっつの」
「母ちゃんではない、桂だ!!・・・というか、茶化すな銀時!」
グイ、と顔を自分の方へ向かせると、桂はジッと銀時の表情を見つめた。
いつもなら死んだ魚のようなその瞳が、今はゆらゆらと様々な感情を映しこんで揺れている。
「・・・あまり無理をするな、このたわけが」
何も感じないわけが無い。銀時の目の前で“あの人”は“ヤツ”に殺されたのだ。
燃え上がる炎の前で悲痛な叫びをあげた銀時を、今でも鮮明に思い出せる。
「・・・無理なんかしてねェよ」
ぱしん、と桂の手を叩き、銀時は顔を背けた。
それが無理をしているというのだ、と言い募ろうとした桂は、ふと万事屋の子ども達の心配そうな顔が視界に入って、その口を閉ざした。
「桂さん」
「ヅラ」
この子等の心配を煽ってしまったかと反省した桂は、フッと肩から力を抜いた。
「・・・キツかったらちゃんと言うんだぞ、銀時」
「・・・・・・ふぇ~い」
何ともやる気の無さそうな返事だが、それでも言葉が返ってきたことに満足し、桂は改めて真選組に視線を向けた。
「こうして相対するのは初めてだな・・・土方」
「・・・ああ」
頷く土方に対し、桂は目を細めた。
「ふっ・・・意外と柔軟な頭だったらしい」
「・・・上様からの勅命とあっちゃ、逆らうわけにはいかねェからな」
フイ、と顔を背けた土方に笑みを深め、桂は近藤に視線を移した。
「近藤・・・貴様とは浅からぬ縁だな」
「あ~・・・まぁ、そうだなァ・・・」
チャットで意気投合しそうになったり“猫”と“ゴリラ”になったりと、様々縁がある2人だが、ここまで落ち着いた状況で会うのは初めてだと思うと何やら感慨深いものがある。
「近藤さん?」
「どういう縁でさァ?」
「・・・あー、いや、気にするな」
土方や沖田が不思議そうにしているが、説明しようにも出来ない近藤は口を閉ざす。
「偶然の出会いが多い、ということだ。・・・まぁ、今回に限っては必然のようだがな」
見兼ねた桂が近藤のフォローをすると、土方や沖田、それに山崎がギョッとしたように視線を向けて来た。
「・・・なんだ?」
「いや、その・・・」
「・・・何でもねェですぜィ」
「まさか、アンタが局長をフォローするとは思ってなかったんですよ」
「「山崎!!」」
余計な事を、と睨んでくる2人の視線から逃れるように顔を背けた山崎に、桂はクツリと笑った。
「まぁ、お前達は銀時の“お気に入り”だからな・・・追われる心配が無くなったのなら、敵視する理由はない」
「はー、お互いに素直じゃないねェ・・・」
「銀時・・・お前にだけは言われたくないセリフだな」
「・・・え~、銀さんは自分に正直に生きてるもんね~」
絶対に弱っているコトを認めるつもりはないらしい銀時に溜息をついた桂を見て、真選組の面々は思わず同情の視線を桂に向けた。
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