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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

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・あくまでも二次創作であることを前提にお読みください
・一国傾城編の過去話は完全に無視の状態です

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近藤が土方と沖田の2人を探して万事屋に飛び込んできたとき、これはもう偶然ではないと思った。

汁だらけの顔を近づけて“一緒に探して”と懇願する近藤に大人しく付いて行ったのは、“新八も神楽も土方達と一緒にいる”という妙な勘が働いたからだ。

土方の見回りルートなのだという林の真ん中で倒れている彼等を見つけた時は肝が冷えた。

どこか怪我でもしているんじゃないのかとオロオロとする近藤を叱咤して叩き起こしにかかると、新八も神楽も起きた様子を見せたのに一向に目を開けようとしないので困惑した。

一番最後に近藤が叩き起こした土方が目をすんなりと開けたので、思わず声をあげたのだがビクッと肩が跳ねて身体が硬直したのを見て首を傾げる羽目になった。

近藤の暴走を鎮めた土方に嫌味も兼ねて話しかければ嫌に素直に謝られたり、妙にこちらから視線を逸らそうとするので更に首を傾げてしまった。

一体何があったというのか。

口に出して問えばこれだけ動揺している彼等を更に追い詰めかねないと判断した銀時は、仕方なしに彼等の誤魔化しに騙されることにした。

さすがに神楽に思いっきり抱きしめられたときは死ぬかと思ったが。

微妙な空気のまま真選組の面々(近藤はよっぽど土方が動揺していたのか力の加減を忘れたらしくまだ沈黙していた)と別れた銀時は、新八と神楽を連れて恒道館に直行した。

妙は新八が黙って家を出ていったことを詰問したが、新八も自分にべったりひっついて離れない神楽もそれを説明しようとはしなかった。

別れ際の土方達の視線といい、子ども達の態度といい、腫れ物に触るようなソレに居心地が悪く、すべての原因が自分にあるのだろうとわかるので何とも言えない気分になった。

その後、妙と(特に)新八に熱心に引き留められて恒道館に泊まることにした銀時だったが、川の字になるように敷かれた布団に思わず口元を引き攣らせた。

「・・・えーと、何コレ」

「布団です。見ればわかるじゃないですか」

ニコニコと、やっといつもの調子を取り戻した様子の新八が答える。

「・・・いやいや、なんで川の字?つーか近くない?」

「たまにはいいじゃないですか。万事屋3人で揃って寝るなんて滅多にないんですし」

とかなんとか、結局川の字の真ん中は銀時でと押し切られて布団に潜り込んだは良いが、両脇からの視線になかなか寝付けない。

「・・・あのー・・・銀さん、お2人に何かしましたか?」

訊ねると、訊いて欲しくなかったことらしく、パッと視線を逸らして寝入ったフリをする2人。

しょうがないと思いながら目を閉じれば、再び視線が両脇から送られてくる。

「はぁ~・・・何を心配してんだか知らねーけど、黙っていなくなったのはお前等の方よ?心配したのはこっちなの。わかる?」

返って来るのは無言だが、神妙に聞いている雰囲気なので銀時は続ける。

「何があったかなんて訊かねーよ?でもな、いつまでもそうやって引き摺ってますって態度をとられるとさすがに俺も我慢できないわけよ。・・・だから、そんなに訊かれたくねーなら俺の前でだけでも態度を変えるな。そんくらいは出来るな?」

「・・・はい」

「・・・うん」

「よし。・・・あ、真選組の連中にも言っておけよ?じゃ、おやすみ」

「「・・・おやすみなさい」」

そして、子ども達が寝静まった頃、銀時はむくりと起きあがった。

気にならないわけがない。が、いくら訊ねても彼等は教えてはくれないだろう。そう思って溜息をつく。

「ん・・・せい」

新八が寝言を何やら呟きながら寝がえりを打つ。

「・・・松、陽先生」

銀時はこれでもかと言わんばかりに目を剥いた。

「銀ちゃん達は・・・私達に任せるアル・・・」

神楽まで寝言を言い出して、その内容にまたもハッとした。

「だから・・・」

「・・・安心して」

―――眠っていて。

寝言でここまでリンクしてるなんてありえねーだろとか、銀ちゃん“達”ってもしかしなくてもヅラと高杉?いやー、ヅラはともかく高杉はないでしょとか、いろいろツッコミたいことはあったが、これで納得がいった。

「死んでも俺等のコト、心配しててくれたんだな・・・先生。・・・でも、コイツ等巻き込んじゃうとかどんだけだよ・・・ククッ」

松陽が何をしたのかなんてわからないが、きっと銀時達をお願いします的なコトを言ったに違いない。

不思議なことには慣れたつもりだが、まさか恩師が関わっているとは全く考えていなかっただけに、さすがに驚いた。

しかし人選が人選だけに、よく見てるなぁ、と笑いがこみあげてくる。

「土方に山崎に沖田。で、新八に神楽か・・・さすが、松陽先生」

何かと縁のある真選組の要と、銀時に一番近い人間を選ぶなんてもう笑うしかないだろう。

おそらくだが、紅桜の件で相当心配させてしまったようだ。

というか、化けて出て来られたらどうしよう。いくら松陽でもお化け相手に笑顔を向けられるか自信がない。

「・・・いつか・・・ちゃんとお前等に話してやらねェとな」

銀時は子ども達の頭を優しく撫でた。その顔は、まるで松陽のように慈愛の満ちた表情をうかべていた。





―――先生。

―――ヅラは奇行に走ってるし、高杉は世界壊すとか言っちゃってるしで、心配かけまくってるけど・・・俺はいつかまた、皆で笑いあえるようになるって俺は信じてるんだ。

―――だから、安心して見ていてくれよな・・・。








―――なので、化けて出て来ないでください。お願いします。


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