Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・あくまでも二次創作であることを前提にお読みください
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
その後、土方達は松陽が塾を開いている別棟に案内された。
「さぁ、お土産ですよ。皆で仲良く分けなさい」
「「「はーい!」」」
松陽から土産の草餅を受け取り、子ども達はしっかりと等分し始める。
「・・・エライもんでさァ・・・誰一人我が儘言わねェなんて」
「吉田さん、アンタの教育の賜物ってヤツか」
「そんなことありませんよ。あの子達は元よりイイ子なのです」
ニコニコと返して来る松陽に、土方達は苦笑をうかべた。
― うち2人は立派なテロリストになってて、うち1人はマダオなんですが。
とはいえ、子どもの時分の銀時や桂、高杉は確かに“イイ子”だった。
「よし、人数分に分けられたな?」
「ひぃ、ふぅ、みぃ・・・うん、全員分ある」
桂の確認に銀時が頷く。
「じゃあ、配るぜ?」
高杉がそう言って分けた皿を持ち、こちらに走り寄って来た。
「ん!」
差し出された土方は目を丸くした。
「え、あ?」
「お前達の分だ、ちゃんと人数分に分けたんだから食え」
ふんぞり返って言う高杉に、土方と沖田は互いに顔を見合わせた。
「遠慮する必要はありませんよ」
松陽も笑顔をうかべて草餅を食べるよう促す。
「しかし、これは吉田さんが子ども達にと・・・」
「ありがたく頂きまさァ」
固辞しようとした土方の脇で、沖田が高杉から皿を受け取る。
「って、おい!総悟!」
「土方さん・・・くれるってもんを断る方が失礼ですぜィ?」
「じゃあ、頂きます!」
「頂きますネ!」
ニヤリと笑う沖田の持つ皿から、神楽と新八が等分された草餅をそれぞれ取って口に放る。
「ホラ、土方さんの分ですぜィ」
いつもなら“いらないなら俺が食べちまいますぜィ”などと言って口に放ってしまうはずの沖田が、土方の分だと差し出してくる。
それは等分に分けて寄越した高杉達の想いを酌(く)んでのことだろうと思った土方は、苦笑いをうかべて自分の分の草餅を受け取った。
「・・・頂きます」
口の中で咀嚼(そしゃく)する間、高杉達の視線が痛いほどに突き刺さる。なんだと顔を向ければ、パッと視線を逸らす。
どうやら、固辞しようとした己の反応が気になるらしい。そう結論した土方は、フッと笑った。
「・・・・・・美味かった。ご馳走様」
その瞬間、高杉達がホッとした様子を見せる。土方は自分の勘が外れなかったことに安堵する。
「本当に、イイ子達でさァ・・・どこの誰とも知らねェ俺達の分までしっかり等分してくれるたァ、ウチの連中に爪の垢を煎じて飲ませてやりてェですねィ」
「・・・フフ、褒めてくださりありがとうございます。この子達は私の自慢なのですよ・・・この子達の“未来(さき)”を見ることが私の願いなんです」
沖田が手放しで褒めると、松陽は本当に嬉しそうに笑った。
こんな師がいたのなら、なぜ桂と高杉はテロリストなどになってしまったのか。
銀時にしても、あのような場所で胡散臭い万事屋などをやっているのは、どうにもこの状況から繋がらない。
「松陽先生」
子ども達が松陽に群がる。
「ねぇ、先生、今日は何の勉強をするの?」
「そうですねぇ・・・皆、教本は持ってきましたか?」
「「「「はーい!」」」」
それぞれがおもむろに取り出した教本を見て、新八と神楽がハッとする。それは、紅桜の事件の際、高杉と桂がそれぞれ持っていた本そのものだと理解したからだ。
思い出は大切にするものだ、と高杉は嘯(うそぶ)いていたが、事実それは師から貰った大切なものだったのだ。
「神楽ちゃんと新八君でしたね、貴方達も一緒に勉強をしてみませんか?」
教本をじっと見ていた2人に気付いた松陽にニコニコと問われ、2人はおずおずと頷いた。
どうしても、その中身が知りたかったのだ。
「では誰か、教本をこの2人に見せてあげてください」
「・・・新八、だったな。俺が見せてやろう」
グイ、と桂に腕を引かれ、新八は大人しく桂の隣に座る。
「・・・・・・教本、見せて欲しいアル」
その様子を見ていた神楽は思い切って銀時の前に立ち、そう頼んだ。
スッと神楽を見上げた銀時は、一瞬キョトンとし、その後ズルズルと横にずれた。そこに座れ、ということらしい。神楽は破顔して銀時の隣に座った。
それを優しげな表情で見守っていた松陽は、パンパンと手を叩いた。
「それでは、授業を始めるとしましょう。土方さんと沖田さんはどうぞ後ろで見学をしていてくださいね」
松陽に勧められるまま、まるで父兄参観だなと思いながら土方は銀時や桂、高杉を眺める。
松陽の授業はとてもわかりやすく、そして、土方達にも為になるようなものだった。
「・・・それでは、多数の部隊が一ヶ所を集中攻撃してきたとしましょう。このような場合はどう対処したらいいでしょうか?・・・小太郎」
「はい!その場合は順次後退し、戦略的撤退を選択します」
「ちげェよ、そこは遊撃隊を使って挟み打ちだろ?」
桂の答えに、高杉が訂正を入れる。
「それでは多くの犠牲者が出る!」
「死を恐れて何が侍だ?」
バチバチと火花を散らす2人の主張はまるで正反対。どうまとめるのか、と土方は松陽を見つめる。
「ケンカはいけませんよ、晋助、小太郎。・・・私は2人の戦略はどちらも有りだと思います。ただ、それは状況によって柔軟に考え、変えていかなければなりません。もし、味方が圧された状況のまま挟み打ちをしたとしましょう。そして敵を前方から迎え撃っていた部隊が潰れたら、どうなりますか?晋助」
「・・・挟み打ちが・・・成立しません」
「そうですね。・・・逆に、あと一歩というところまで追いつめていて、撤退を選択するのは正解でしょうか?小太郎」
「・・・いえ、その場合は挟み打ちにし、一網打尽にする方が有効と考えます」
「その通りです。・・・己の主張を通すことだけでなく、状況をいかに判断するかが大切になって来るということですね」
子ども達に考えさせ、答えを自ら見つけさせる。松陽の授業はこうして進んで行った。
「・・・あの人が、今の桂と高杉の元を作ったんですねィ」
「ああ」
松陽を見つめながら呟く沖田に、土方は頷く。
土方自身は通ったことはないが、通っていた者から聞くに“融通がきかない”ただ、藩のためになることだけを教える藩校と違い、松陽の教えは生活の知恵のようなものから、先程のような兵法までと多岐にわたっている。
「一度じっくり、教えを請うてみたいもんだな」
真選組の頭脳として松陽の教えには興味があった。それに、現代に戻り桂や高杉を捕らえる一助になるのではと思ったのだ。
「うわー、こんな時でも仕事のコトを考えてるんですかィ?どんだけ仕事人間なんでィ」
「・・・ほっとけ」
棒読みのセリフで突っ込んでくる沖田を軽くいなし、土方は銀時に視線を移した。
そこには刀を抱きしめ、明らかに眠そうにしている子どもがいた。
隣に神楽がいるためか何とか目を開けようと必死になっているものの、その瞳(め)は例の“死んだ魚のような目”以上にとろんとしている。
「・・・野郎、あの様子じゃ、いつも寝てやがるな」
「あ~、旦那、眠そうですねィ」
呆れる土方と、クツクツ笑う沖田。
確かに松陽の声は穏やかで心地よく、しかも陽射しがあたりポカポカと温かいあの場所に座っていれば、眠くもなるのだろう。
「・・・では、今日はここまでにしましょう」
松陽の授業を終了する言葉と共に子ども達のおしゃべりが始まり、教室はにわかに騒がしくなる。
「おい、銀時!・・・どうやら今日は眠らなかったみたいだな」
銀時の傍にやって来た高杉がチラリと神楽を見た。
「・・・いつもは寝てるアルか?」
神楽が首を傾げれば、高杉はムスッとして頷く。
「まったく、先生の授業に興味が無いわけではあるまいに・・・いつもコイツは後で先生と授業のおさらいをしているんだ」
更に新八を引っ張って銀時の元に来た桂がそう告げると、新八と神楽はくすくすと笑った。
「・・・だって、眠くなるんだもん。・・・それに、聞きたいことがあったら後で聞きなさいって、松陽先生も言ってた」
高杉と桂が来てハッキリと目が覚めたらしい銀時が言い訳じみたものをすれば、その2人から呆れたような視線を向けられた。
「・・・まったく。先生と一緒に住んでるからって暢気(のんき)だな」
「松陽先生と話すっていったら自然とそういう話になるだけだもん」
桂の言葉に、ぷくっとふくれる銀時に、神楽と新八は静かに悶えた。
「「(銀さん/銀ちゃん、可愛すぎる!!!)」」
それを遠目で見ながら、土方と沖田も銀時の可愛さに思わず口元が歪んだ。
「旦那ァ・・・可愛すぎでさァ」
「アレを大人のアイツがやったら気色悪りぃだけだっつのに、子どもってだけで破壊力抜群じゃねェか・・・」
「ですよねー」
「「うぉあッ!!?」」
ぬ、と顔を出した山崎に、土方と沖田はギョッとして身を引いた。
「・・・登場はアレだけ派手だったのに途中から影薄くって・・・はぁ、やっぱり俺って地味キャラなんですかねェ、副長」
「・・・俺に聞くな」
「なぁ、ザキ。話を聞いてる限りじゃ旦那は松陽先生と暮らしてるってコトになってるねィ」
「はい、そうですよ。・・・どういう事情かは聞けてないんですが、旦那は孤児だったらしくて、先生が突然連れて来たんだそうです」
「極度の人間不信だったって、松陽先生は言ってましたねィ」
「・・・アイツがか?」
土方が問えば、沖田と山崎はこっくりと頷いた。
「確かに出会った当初は、松陽先生の影に隠れたまんまで出て来てくれませんでしたねィ」
「俺も沖田隊長とほぼ同じですね~、すっごい警戒されてたんですけどちょっとしたことで仲良くなってその後は懐いてくれましたが」
現代の銀時からは想像も出来ないくらいに、この頃の銀時はデリケートだったらしい。
「後で、吉田さんにそれとなく訊いてみるか・・・」
そう呟くと、土方は再び銀時達の様子を窺う。そこには、子ども達の弾けんばかりの笑顔があふれていた。
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その後、土方達は松陽が塾を開いている別棟に案内された。
「さぁ、お土産ですよ。皆で仲良く分けなさい」
「「「はーい!」」」
松陽から土産の草餅を受け取り、子ども達はしっかりと等分し始める。
「・・・エライもんでさァ・・・誰一人我が儘言わねェなんて」
「吉田さん、アンタの教育の賜物ってヤツか」
「そんなことありませんよ。あの子達は元よりイイ子なのです」
ニコニコと返して来る松陽に、土方達は苦笑をうかべた。
― うち2人は立派なテロリストになってて、うち1人はマダオなんですが。
とはいえ、子どもの時分の銀時や桂、高杉は確かに“イイ子”だった。
「よし、人数分に分けられたな?」
「ひぃ、ふぅ、みぃ・・・うん、全員分ある」
桂の確認に銀時が頷く。
「じゃあ、配るぜ?」
高杉がそう言って分けた皿を持ち、こちらに走り寄って来た。
「ん!」
差し出された土方は目を丸くした。
「え、あ?」
「お前達の分だ、ちゃんと人数分に分けたんだから食え」
ふんぞり返って言う高杉に、土方と沖田は互いに顔を見合わせた。
「遠慮する必要はありませんよ」
松陽も笑顔をうかべて草餅を食べるよう促す。
「しかし、これは吉田さんが子ども達にと・・・」
「ありがたく頂きまさァ」
固辞しようとした土方の脇で、沖田が高杉から皿を受け取る。
「って、おい!総悟!」
「土方さん・・・くれるってもんを断る方が失礼ですぜィ?」
「じゃあ、頂きます!」
「頂きますネ!」
ニヤリと笑う沖田の持つ皿から、神楽と新八が等分された草餅をそれぞれ取って口に放る。
「ホラ、土方さんの分ですぜィ」
いつもなら“いらないなら俺が食べちまいますぜィ”などと言って口に放ってしまうはずの沖田が、土方の分だと差し出してくる。
それは等分に分けて寄越した高杉達の想いを酌(く)んでのことだろうと思った土方は、苦笑いをうかべて自分の分の草餅を受け取った。
「・・・頂きます」
口の中で咀嚼(そしゃく)する間、高杉達の視線が痛いほどに突き刺さる。なんだと顔を向ければ、パッと視線を逸らす。
どうやら、固辞しようとした己の反応が気になるらしい。そう結論した土方は、フッと笑った。
「・・・・・・美味かった。ご馳走様」
その瞬間、高杉達がホッとした様子を見せる。土方は自分の勘が外れなかったことに安堵する。
「本当に、イイ子達でさァ・・・どこの誰とも知らねェ俺達の分までしっかり等分してくれるたァ、ウチの連中に爪の垢を煎じて飲ませてやりてェですねィ」
「・・・フフ、褒めてくださりありがとうございます。この子達は私の自慢なのですよ・・・この子達の“未来(さき)”を見ることが私の願いなんです」
沖田が手放しで褒めると、松陽は本当に嬉しそうに笑った。
こんな師がいたのなら、なぜ桂と高杉はテロリストなどになってしまったのか。
銀時にしても、あのような場所で胡散臭い万事屋などをやっているのは、どうにもこの状況から繋がらない。
「松陽先生」
子ども達が松陽に群がる。
「ねぇ、先生、今日は何の勉強をするの?」
「そうですねぇ・・・皆、教本は持ってきましたか?」
「「「「はーい!」」」」
それぞれがおもむろに取り出した教本を見て、新八と神楽がハッとする。それは、紅桜の事件の際、高杉と桂がそれぞれ持っていた本そのものだと理解したからだ。
思い出は大切にするものだ、と高杉は嘯(うそぶ)いていたが、事実それは師から貰った大切なものだったのだ。
「神楽ちゃんと新八君でしたね、貴方達も一緒に勉強をしてみませんか?」
教本をじっと見ていた2人に気付いた松陽にニコニコと問われ、2人はおずおずと頷いた。
どうしても、その中身が知りたかったのだ。
「では誰か、教本をこの2人に見せてあげてください」
「・・・新八、だったな。俺が見せてやろう」
グイ、と桂に腕を引かれ、新八は大人しく桂の隣に座る。
「・・・・・・教本、見せて欲しいアル」
その様子を見ていた神楽は思い切って銀時の前に立ち、そう頼んだ。
スッと神楽を見上げた銀時は、一瞬キョトンとし、その後ズルズルと横にずれた。そこに座れ、ということらしい。神楽は破顔して銀時の隣に座った。
それを優しげな表情で見守っていた松陽は、パンパンと手を叩いた。
「それでは、授業を始めるとしましょう。土方さんと沖田さんはどうぞ後ろで見学をしていてくださいね」
松陽に勧められるまま、まるで父兄参観だなと思いながら土方は銀時や桂、高杉を眺める。
松陽の授業はとてもわかりやすく、そして、土方達にも為になるようなものだった。
「・・・それでは、多数の部隊が一ヶ所を集中攻撃してきたとしましょう。このような場合はどう対処したらいいでしょうか?・・・小太郎」
「はい!その場合は順次後退し、戦略的撤退を選択します」
「ちげェよ、そこは遊撃隊を使って挟み打ちだろ?」
桂の答えに、高杉が訂正を入れる。
「それでは多くの犠牲者が出る!」
「死を恐れて何が侍だ?」
バチバチと火花を散らす2人の主張はまるで正反対。どうまとめるのか、と土方は松陽を見つめる。
「ケンカはいけませんよ、晋助、小太郎。・・・私は2人の戦略はどちらも有りだと思います。ただ、それは状況によって柔軟に考え、変えていかなければなりません。もし、味方が圧された状況のまま挟み打ちをしたとしましょう。そして敵を前方から迎え撃っていた部隊が潰れたら、どうなりますか?晋助」
「・・・挟み打ちが・・・成立しません」
「そうですね。・・・逆に、あと一歩というところまで追いつめていて、撤退を選択するのは正解でしょうか?小太郎」
「・・・いえ、その場合は挟み打ちにし、一網打尽にする方が有効と考えます」
「その通りです。・・・己の主張を通すことだけでなく、状況をいかに判断するかが大切になって来るということですね」
子ども達に考えさせ、答えを自ら見つけさせる。松陽の授業はこうして進んで行った。
「・・・あの人が、今の桂と高杉の元を作ったんですねィ」
「ああ」
松陽を見つめながら呟く沖田に、土方は頷く。
土方自身は通ったことはないが、通っていた者から聞くに“融通がきかない”ただ、藩のためになることだけを教える藩校と違い、松陽の教えは生活の知恵のようなものから、先程のような兵法までと多岐にわたっている。
「一度じっくり、教えを請うてみたいもんだな」
真選組の頭脳として松陽の教えには興味があった。それに、現代に戻り桂や高杉を捕らえる一助になるのではと思ったのだ。
「うわー、こんな時でも仕事のコトを考えてるんですかィ?どんだけ仕事人間なんでィ」
「・・・ほっとけ」
棒読みのセリフで突っ込んでくる沖田を軽くいなし、土方は銀時に視線を移した。
そこには刀を抱きしめ、明らかに眠そうにしている子どもがいた。
隣に神楽がいるためか何とか目を開けようと必死になっているものの、その瞳(め)は例の“死んだ魚のような目”以上にとろんとしている。
「・・・野郎、あの様子じゃ、いつも寝てやがるな」
「あ~、旦那、眠そうですねィ」
呆れる土方と、クツクツ笑う沖田。
確かに松陽の声は穏やかで心地よく、しかも陽射しがあたりポカポカと温かいあの場所に座っていれば、眠くもなるのだろう。
「・・・では、今日はここまでにしましょう」
松陽の授業を終了する言葉と共に子ども達のおしゃべりが始まり、教室はにわかに騒がしくなる。
「おい、銀時!・・・どうやら今日は眠らなかったみたいだな」
銀時の傍にやって来た高杉がチラリと神楽を見た。
「・・・いつもは寝てるアルか?」
神楽が首を傾げれば、高杉はムスッとして頷く。
「まったく、先生の授業に興味が無いわけではあるまいに・・・いつもコイツは後で先生と授業のおさらいをしているんだ」
更に新八を引っ張って銀時の元に来た桂がそう告げると、新八と神楽はくすくすと笑った。
「・・・だって、眠くなるんだもん。・・・それに、聞きたいことがあったら後で聞きなさいって、松陽先生も言ってた」
高杉と桂が来てハッキリと目が覚めたらしい銀時が言い訳じみたものをすれば、その2人から呆れたような視線を向けられた。
「・・・まったく。先生と一緒に住んでるからって暢気(のんき)だな」
「松陽先生と話すっていったら自然とそういう話になるだけだもん」
桂の言葉に、ぷくっとふくれる銀時に、神楽と新八は静かに悶えた。
「「(銀さん/銀ちゃん、可愛すぎる!!!)」」
それを遠目で見ながら、土方と沖田も銀時の可愛さに思わず口元が歪んだ。
「旦那ァ・・・可愛すぎでさァ」
「アレを大人のアイツがやったら気色悪りぃだけだっつのに、子どもってだけで破壊力抜群じゃねェか・・・」
「ですよねー」
「「うぉあッ!!?」」
ぬ、と顔を出した山崎に、土方と沖田はギョッとして身を引いた。
「・・・登場はアレだけ派手だったのに途中から影薄くって・・・はぁ、やっぱり俺って地味キャラなんですかねェ、副長」
「・・・俺に聞くな」
「なぁ、ザキ。話を聞いてる限りじゃ旦那は松陽先生と暮らしてるってコトになってるねィ」
「はい、そうですよ。・・・どういう事情かは聞けてないんですが、旦那は孤児だったらしくて、先生が突然連れて来たんだそうです」
「極度の人間不信だったって、松陽先生は言ってましたねィ」
「・・・アイツがか?」
土方が問えば、沖田と山崎はこっくりと頷いた。
「確かに出会った当初は、松陽先生の影に隠れたまんまで出て来てくれませんでしたねィ」
「俺も沖田隊長とほぼ同じですね~、すっごい警戒されてたんですけどちょっとしたことで仲良くなってその後は懐いてくれましたが」
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