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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

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「・・・つーことはアレだ。万事屋のガキ共はそれぞれの家にいたのにいきなりここにいて、総悟は俺と同じく森を探索していたらこっちに来た、ということで良いか?」

何とか復活した土方が状況をまとめると、3人はこっくりと頷いた。

「そうでさァ。しかし、俺達3人は松陽先生に拾われやしたが、土方さんはあの2人に拾われたんですねィ」

ちらり、と沖田が視線を向けたのは、未だに泣きそうな銀時のことを必死に宥めている高杉と桂だった。

「ああ、まぁな。・・・しかし、怪しいと思ってはいたが、奴ら幼馴染だったとはなァ」

帰ったらキッチリと事情を聞かねェと、と呟く土方に、新八と神楽は何とも言えない表情になる。

「で、どうするんですかィ?・・・俺達はここに世話になることにしたんですがねィ」

「情報は必要だからなァ・・・」

しかし、己をここまで連れて来た2人が銀時にかかりっぱなしなので、どうしたものかと土方は眉間にしわを寄せる。

「あの、お取り込み中失礼しますね」

そこに、いつの間にか近付いて来ていた松陽が声をかけてくる。

「晋助と小太郎が連れてきたそうですが、彼らともお知り合いのようですね」

「あ、ああ、土方十四郎という。・・・いきなり知らない土地に来ちまって呆然としてたトコをあの2人に連れて来られたんだ。・・・沖田とは同僚で、こっちのガキ2人は知り合いの店で働いてる従業員で顔見知りなんだ」

土方が答えると、松陽はニッコリと笑って頷いた。

「そうでしたか。私は吉田松陽と申します。彼らはここに滞在して頂くつもりでお誘いしたのですが、貴方も行く先が無いのでしたらこちらに滞在してはいかがですか?」

「・・・あ、ああ・・・そうさせて貰えると助かる」

「フフ、これから賑やかになりそうですね」

ニコニコと笑う松陽に毒気を抜かれてしまった土方は、苦笑をうかべて頭を下げた。

「よろしく頼む。吉田さん」

「あ~、先生お帰りになってたんですね~倉庫のお掃除は終わりましたよ~・・・って」

和やかな空気の中に入り込んで来た人物を振り返り土方は再び固まった。もちろん、相手も完全に動きが止まっている。

それを見ていた沖田と神楽と新八も、今回ばかりは情報処理能力が追い付かないのか固まってしまった。

「ああ、すみません山崎さん。助かります。・・・あれ?どうなさったんですか?山崎さん?」

「「山崎ッテメェもかぁああああッッ!!」」

「ひぃいい!!?ふ、副長!?それに、沖田隊長!?」

思わず声を揃えて怒鳴った2人に、山崎はびくぅッと身体を震わせて後退りをした。

「おやおや・・・山崎さんともお知り合いだったんですか?本当に奇遇ですねぇ」

奇遇とかそうじゃなくて、ここまでくると作為的なものを感じる。というか、山崎が失踪したとか聞いてない。

「テメッ、いつの間に失踪してやがった!?」

「ったく、地味なのもいい加減にしなせェ!いなくなったのも気付かなかったじゃねェか!」

「そんな、酷い!!!そこは嘘でも心配してたとか言ってくださいよ!!なんでここで俺が責められてるんですか!!つか地味って言うな!!」

散々な言われようにさめざめと泣く山崎に、神楽が鬱陶しそうに視線を向ける。

「ジミーはジミーネ。生まれた時から運命づけられてるアルヨ」

「エエッ!チャイナさんまで!!?」

「・・・ザキさん・・・可哀想に」

「新八君!!わかってくれるのは君だけだ!!」

ガバッと身を起こした山崎に、新八はガッチリと手を掴まれる。

「ざ、ザキさん・・・」

「なんだい、新八君」

「地味が伝染(うつ)ります、触んないでください」

「Σヒドッ!」

新八にまで素気無く扱われた山崎はその場に撃沈した。

「・・・ヒュー♪言いますねィ」

沖田が面白いものを見たと言わんばかりに口の端をつりあげると、新八はジトッと沖田を見つめた。

「これ以上影が薄くなるのは御免です。それでなくたって僕はメガネよりも存在価値が低いとか思われてるんですから!!」

周りは憐れむような視線を向けてくるが、新八はいたって本気である。

「まぁ、地味な連中の話なんてどうでもいいアルヨ」

「神楽ちゃんんんんッ!?ひとくくりにしないでぇええええ!!!」

「まずは帰る方法を探すネ。これだけ人数がいれば何か良い案がうかぶかもしれないアル」

「ってか、無視ぃいいい!!!?」

叫ぶ新八をまるっと無視して、神楽は土方と沖田に視線を向けた。

「・・・まぁ、チャイナの言う通りだな。ここは意見を出し合うしかねェか」

「しょうがねェ・・・一時休戦だぜィ、チャイナ」

「フン、しょうがねェはこっちのセリフネ。まぁ、でもよろしく頼むアル」

土方、沖田両名の言葉に、嫌々ながらも神楽は頷く。

「つーわけで、山崎、色々と情報は調べてんだろうなァ?」

「とっとと吐きやがれ、ザキ」

2人からのプレッシャーに山崎は思わず叫んだ。

「って言うか、この状況では俺の方が先輩なんですよ!!言い方ってもんがあるでしょうがぁあああ!!」

「「ウルセェ」」

「・・・・・・・・・・・・・はい」

先程の勢いはどこへやら。2人からギロリと睨まれた山崎はガックリと肩を落としたのだった。


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