Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・W副長設定です!
・カップリングはありません
・完全捏造です
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
その少年は白金の髪に碧海の色をした瞳を持っていた。本人はそれを白夜叉の対となる存在である証だと吹聴した。
それを、憧れからくる可愛気のある行為だと思っていられたのは、ほんのわずかな時だけだった。少年は白夜叉の闘いを模倣し、それを自身の力としていったからだ。
「僕に命令できるのは、白夜叉様だけだ」
少年はそう言って、白夜叉以外の誰の言葉にも耳を貸さなくなった。その時点で矯正していれば、まだ、間に合ったのかもしれない。
未だに、銀時はそう考えることがある。
***
「――ったく・・・ウジウジ考るような性格じゃねェんだが」
呟いた銀時の声を拾って、神楽と新八が首を傾げる。
「坂田副長?」
「銀ちゃん、どうしたネ?」
「いや・・・なんでもねェよ・・・」
現在、3人は白鬼党のアジトと思しき場所の付近をうろついていた。
それでなくても目立つ銀時の容貌に加え、仕込み傘や白い肌という夜兎の特徴をもった神楽が傍にいることで、やたらと人の目を集めていた。
「うう、坂田副長と神楽ちゃんがやたらと目立ってる!!」
「いーんだよ、これが作戦なんだから」
「そうヨ、眼鏡。自分が地味だからって、嫉妬するのは醜いアル」
「嫉妬じゃねぇええええ!!!あああ、地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味∞・・・わかってるわ!!ド畜生!!」
頭を掻き毟り、地団太踏んで叫ぶ新八に銀時は思わずどん引く。
「ちょ、し、志村~?新八く~ん???もちつけ、じゃなくて、落ち着け~?」
「フン、駄眼鏡がトチ狂ったアル」
「神楽ちゃぁああん!?なんで突然口が悪いのぉおお!?」
真選組の面々と過ごすうちに、すっかりツッコミ癖がついてしまった銀時が叫んだ時だった。
「――白夜叉様」
ヒヤリとした殺気と共に呼ばれた二つ名に、銀時はゾッと肌を粟立てる。同じように殺気に中てられた形になった新八と神楽は反射的に自分の得物に手をかけた。
爛々と光るその双眸は銀時を捉えて離さず、一瞬でも視線を逸らせば喉を喰い破られるのではないかと思わせる。
「軽助・・・」
「ああ、やはり、白夜叉様だ・・・貴方から来てくださるなんて」
口調はとろけるような甘ったるいものだが、餓えた獣のような表情がそれを裏切っている。
「な・・・んです、あの人・・・」
「気持ち悪い、ネトネトした殺気アル」
軽助の異常さは新八や神楽も気付いたらしく、揃って腕をさすっている。感心するくらいの余裕っぷりである。
こういう所は真選組の幹部達にも見習わせたいものだ。
というか、新八の成長っぷりはなんなのだろうか?先程も置いて行くつもりで走ったというのに、多少引き離したものの最後までついて来た。
あれか、沖田の姑のようなしごきを1年もの間受け続けてきたからバージョンアップしたのか。長続きするなーなんて感心してたが、もしかしなくても止めるべきだった?
「あー・・・ごめんなぁ、志村」
「え?副長?何がです?」
突然謝られた新八は首を傾げる。
しかし、次の瞬間には銀時に襟首を掴まれて後方へとブン投げられ、それどころではなくなる。腰をしたたかに打ちつけた新八は文句を言うために顔を上げたが、それは声にはならなかった。
寸前まで自分のいた場所に振り下ろされた刃が、地面に食い込んでいるのを見た瞬間、ビリビリと肌を突き刺すような殺気に晒されたからだ。
「お前・・・先程から白夜叉様に、気安く話しかけて・・・身の程を知れ」
「ひっ・・・」
まさに蛇に睨まれた蛙のごとく。
新八は硬直し、殺気を放つその男の碧い瞳に釘付けになった。
「――軽助、ウチの隊員に手ぇ出すんじゃねぇよ」
「お可哀想な白夜叉様・・・貴方は幕府の連中に操られているんです!真選組などという組織に縛り付けられて・・・僕が解放してさしあげますから!」
「まだそんなこと言ってやがるのか、俺は俺の意思であの場所にいるんだ。操られてなんかいねぇよ」
こんなことを言って軽助を挑発するのは良くないとは理解していた。ただ、それでも、まだ軽助に救える余地があるのなら――。そう思ったら、言わずにはおれなかった。
しかし、銀時の願いは届かない。
「嘘だ・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!」
完全に錯乱状態の軽助を見て、それがトランス状態にもっていくためのものだと気づく。
それは――現実から目を背け、過去に依存した軽助の拒絶。
「軽助・・・お前の望む“白夜叉”は俺の中にはもういねぇんだよ・・・」
くしゃりと表情を歪め、そう呟く銀時。
心を疲弊させ彷徨った終戦直後、土方に拾われ、近藤の温かさに癒され、道場の皆と共に笑いあい、共に泣いた。
そんな暮らしの中で、“白夜叉”と恐れられた過去の自分は自然と消えていなくなってしまった。
「銀ちゃん・・・」
「・・・神楽、志村と一緒に他の連中を頼む」
心配そうに自分を見つめてくる神楽にそう告げて、銀時は腰に佩いた愛刀に手をかける。
「――わかったアル・・・新八ィ!!しっかりするネ!!」
「へぶっ!!」
夜兎の怪力でブン殴られた新八だったが、大きなこぶを作った程度で済んでいた。それは神楽が手加減したこともあるだろうが、新八の元からの素質もあるのだろう。
「――ホント、近藤さんってすげぇなぁ・・・」
思わずもれたのは新八の才を見抜いた、己が大将と定めた男への賞賛の言葉。
時には兄、父、たまーに母・・・そんな立場で自分を、ひいては真選組の皆を見守ってくれている近藤に心底感謝し、恩返しをしたいと思っている。
そのためには、ここで倒れるわけにはいかない。
「――白夜叉、様」
「なぁ、軽助・・・俺はな、もう二度とお前達に利用されはしねぇよ?」
すらりと愛刀を抜き放ち、銀時は苦笑する。
「認めない・・・」
「お前達は、嫌なこと全部俺(坂田銀時)に引っ被せて、白夜叉という偶像を崇めた。白夜叉さえいれば、その言葉を免罪符にして・・・多くの仲間を戦場に引き留めた。
中には脱走しようとしたヤツを殺して、見せしめにした者もいたな?・・・それは俺を追い詰め、心を疲弊させた」
「違う・・・お前は、違う」
「軽助、お前達が必要としている“白夜叉”は、無情で無慈悲で残酷で・・・数多の敵を屠り、歩いた後には死体しか残らない、そんな男だろう?・・・そんな存在は今も、昔も、存在してねぇんだよ」
イヤイヤをするように首を振る軽助に、銀時は言い聞かせるように話しかけるが、耳に入ってはいるのだろうが、それを理解しようとはしていない様子に落胆する。
「なぁ、軽助・・・結局、自分達で罪を背負いきれなかったから、代わりに背負ってくれるヤツがいれば良かったんだろう?・・・それがたまたま、白夜叉だっただけだ」
「――違う」
鋭い殺気を放ち、誰を見ても敵だと思い、狂気を宿した瞳はまっすぐにこちらを向いて――己の過去の姿をまざまざと見せ付けられた銀時は、思わず眉間に深いしわを刻んだ。
「何が違うんだっつーの・・・俺が“ホンモノ”だ、“ニセモン”が“白夜叉”を語るんじゃねぇよ」
銀時はその赤い瞳に剣呑さを湛え、今にも膝をついて許しを請いたくなるような重い殺気を辺りに放った。
白鬼党の構成員達は揃って膝を付き、やすやすと新八と神楽の手によって狩られた。
それを横目に確認し、銀時はその覚悟を決めた。
戻る ⇒
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その少年は白金の髪に碧海の色をした瞳を持っていた。本人はそれを白夜叉の対となる存在である証だと吹聴した。
それを、憧れからくる可愛気のある行為だと思っていられたのは、ほんのわずかな時だけだった。少年は白夜叉の闘いを模倣し、それを自身の力としていったからだ。
「僕に命令できるのは、白夜叉様だけだ」
少年はそう言って、白夜叉以外の誰の言葉にも耳を貸さなくなった。その時点で矯正していれば、まだ、間に合ったのかもしれない。
未だに、銀時はそう考えることがある。
***
「――ったく・・・ウジウジ考るような性格じゃねェんだが」
呟いた銀時の声を拾って、神楽と新八が首を傾げる。
「坂田副長?」
「銀ちゃん、どうしたネ?」
「いや・・・なんでもねェよ・・・」
現在、3人は白鬼党のアジトと思しき場所の付近をうろついていた。
それでなくても目立つ銀時の容貌に加え、仕込み傘や白い肌という夜兎の特徴をもった神楽が傍にいることで、やたらと人の目を集めていた。
「うう、坂田副長と神楽ちゃんがやたらと目立ってる!!」
「いーんだよ、これが作戦なんだから」
「そうヨ、眼鏡。自分が地味だからって、嫉妬するのは醜いアル」
「嫉妬じゃねぇええええ!!!あああ、地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味地味∞・・・わかってるわ!!ド畜生!!」
頭を掻き毟り、地団太踏んで叫ぶ新八に銀時は思わずどん引く。
「ちょ、し、志村~?新八く~ん???もちつけ、じゃなくて、落ち着け~?」
「フン、駄眼鏡がトチ狂ったアル」
「神楽ちゃぁああん!?なんで突然口が悪いのぉおお!?」
真選組の面々と過ごすうちに、すっかりツッコミ癖がついてしまった銀時が叫んだ時だった。
「――白夜叉様」
ヒヤリとした殺気と共に呼ばれた二つ名に、銀時はゾッと肌を粟立てる。同じように殺気に中てられた形になった新八と神楽は反射的に自分の得物に手をかけた。
爛々と光るその双眸は銀時を捉えて離さず、一瞬でも視線を逸らせば喉を喰い破られるのではないかと思わせる。
「軽助・・・」
「ああ、やはり、白夜叉様だ・・・貴方から来てくださるなんて」
口調はとろけるような甘ったるいものだが、餓えた獣のような表情がそれを裏切っている。
「な・・・んです、あの人・・・」
「気持ち悪い、ネトネトした殺気アル」
軽助の異常さは新八や神楽も気付いたらしく、揃って腕をさすっている。感心するくらいの余裕っぷりである。
こういう所は真選組の幹部達にも見習わせたいものだ。
というか、新八の成長っぷりはなんなのだろうか?先程も置いて行くつもりで走ったというのに、多少引き離したものの最後までついて来た。
あれか、沖田の姑のようなしごきを1年もの間受け続けてきたからバージョンアップしたのか。長続きするなーなんて感心してたが、もしかしなくても止めるべきだった?
「あー・・・ごめんなぁ、志村」
「え?副長?何がです?」
突然謝られた新八は首を傾げる。
しかし、次の瞬間には銀時に襟首を掴まれて後方へとブン投げられ、それどころではなくなる。腰をしたたかに打ちつけた新八は文句を言うために顔を上げたが、それは声にはならなかった。
寸前まで自分のいた場所に振り下ろされた刃が、地面に食い込んでいるのを見た瞬間、ビリビリと肌を突き刺すような殺気に晒されたからだ。
「お前・・・先程から白夜叉様に、気安く話しかけて・・・身の程を知れ」
「ひっ・・・」
まさに蛇に睨まれた蛙のごとく。
新八は硬直し、殺気を放つその男の碧い瞳に釘付けになった。
「――軽助、ウチの隊員に手ぇ出すんじゃねぇよ」
「お可哀想な白夜叉様・・・貴方は幕府の連中に操られているんです!真選組などという組織に縛り付けられて・・・僕が解放してさしあげますから!」
「まだそんなこと言ってやがるのか、俺は俺の意思であの場所にいるんだ。操られてなんかいねぇよ」
こんなことを言って軽助を挑発するのは良くないとは理解していた。ただ、それでも、まだ軽助に救える余地があるのなら――。そう思ったら、言わずにはおれなかった。
しかし、銀時の願いは届かない。
「嘘だ・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!」
完全に錯乱状態の軽助を見て、それがトランス状態にもっていくためのものだと気づく。
それは――現実から目を背け、過去に依存した軽助の拒絶。
「軽助・・・お前の望む“白夜叉”は俺の中にはもういねぇんだよ・・・」
くしゃりと表情を歪め、そう呟く銀時。
心を疲弊させ彷徨った終戦直後、土方に拾われ、近藤の温かさに癒され、道場の皆と共に笑いあい、共に泣いた。
そんな暮らしの中で、“白夜叉”と恐れられた過去の自分は自然と消えていなくなってしまった。
「銀ちゃん・・・」
「・・・神楽、志村と一緒に他の連中を頼む」
心配そうに自分を見つめてくる神楽にそう告げて、銀時は腰に佩いた愛刀に手をかける。
「――わかったアル・・・新八ィ!!しっかりするネ!!」
「へぶっ!!」
夜兎の怪力でブン殴られた新八だったが、大きなこぶを作った程度で済んでいた。それは神楽が手加減したこともあるだろうが、新八の元からの素質もあるのだろう。
「――ホント、近藤さんってすげぇなぁ・・・」
思わずもれたのは新八の才を見抜いた、己が大将と定めた男への賞賛の言葉。
時には兄、父、たまーに母・・・そんな立場で自分を、ひいては真選組の皆を見守ってくれている近藤に心底感謝し、恩返しをしたいと思っている。
そのためには、ここで倒れるわけにはいかない。
「――白夜叉、様」
「なぁ、軽助・・・俺はな、もう二度とお前達に利用されはしねぇよ?」
すらりと愛刀を抜き放ち、銀時は苦笑する。
「認めない・・・」
「お前達は、嫌なこと全部俺(坂田銀時)に引っ被せて、白夜叉という偶像を崇めた。白夜叉さえいれば、その言葉を免罪符にして・・・多くの仲間を戦場に引き留めた。
中には脱走しようとしたヤツを殺して、見せしめにした者もいたな?・・・それは俺を追い詰め、心を疲弊させた」
「違う・・・お前は、違う」
「軽助、お前達が必要としている“白夜叉”は、無情で無慈悲で残酷で・・・数多の敵を屠り、歩いた後には死体しか残らない、そんな男だろう?・・・そんな存在は今も、昔も、存在してねぇんだよ」
イヤイヤをするように首を振る軽助に、銀時は言い聞かせるように話しかけるが、耳に入ってはいるのだろうが、それを理解しようとはしていない様子に落胆する。
「なぁ、軽助・・・結局、自分達で罪を背負いきれなかったから、代わりに背負ってくれるヤツがいれば良かったんだろう?・・・それがたまたま、白夜叉だっただけだ」
「――違う」
鋭い殺気を放ち、誰を見ても敵だと思い、狂気を宿した瞳はまっすぐにこちらを向いて――己の過去の姿をまざまざと見せ付けられた銀時は、思わず眉間に深いしわを刻んだ。
「何が違うんだっつーの・・・俺が“ホンモノ”だ、“ニセモン”が“白夜叉”を語るんじゃねぇよ」
銀時はその赤い瞳に剣呑さを湛え、今にも膝をついて許しを請いたくなるような重い殺気を辺りに放った。
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