Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・W副長設定です!
・カップリングはありません
・完全捏造です
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・へェ・・・俺達がばら撒いてやった情報を全部拾っていきやがったか。奴等の中にも結構優秀なのがいるじゃねェか」
煙管から紫煙を燻らせて月を眺めていた男はニヤリと笑う。その呟きを耳にしたもう一人の男は眉を顰めた。
「晋助、良いのでござるか?敵に塩を送るような真似をして」
その問いかけに、月を眺めていた男・高杉晋助は表情を消して、問いかけた男・河上万斉の方へ振り向いた。
「・・・白鬼党の連中は危険だ、頭がイカレちまってる。・・・あんな連中に、銀時を掻っ攫われるわけにゃいかねェ。が、鬼兵隊がソレを邪魔するのは問題がありすぎる・・・業腹だが、奴等に任せるのが一番だろ」
「・・・白夜叉は・・・ッ!」
万斉が言葉を続けようとした瞬間、高杉から鋭い殺気と白刃が向けられる。
「・・・アイツを白夜叉なんて呼ぶんじゃねェ・・・その呼び名でアイツがどれだけ苦しんだか知ってるだろうが」
「あ、ああ・・・」
ごくり、と喉を鳴らして頷く万斉から視線を外し、高杉は殺気を消した。が、白刃は突き付けられたまま月の光を受けて輝いている。
「ヅラの動向は?」
「・・・桂は武市が・・・動く気配は無いようでござるが」
「動く気配がない?有り得ねェな・・・ヅラも俺達がばら撒いた白鬼党の情報を手に入れているハズだ。動かねェわけがねェ・・・武市に見張らせてんのがバレてんな。一旦引かせろ。直接連絡を取る」
「・・・わかったでござるよ」
その返事を聞いてようやく刀を降ろす高杉。
ホッと息を吐いた万斉は、視線を落として呟く。
「・・・本当ならば、お主が動きたいのでごさろう、晋助」
「動きたくても動けねェんだよ・・・」
呟きに返答があって驚きに目を瞠る万斉の視線を無視し、高杉は苛立たし気に煙管を長火鉢に叩きつけた。
***
「・・・桂さん、武市が引いたようです」
「こちらが気付いているとさすがに気付いたか。奴を引かせたということは、直接連絡を取りに来る可能性もあるな。一応警戒しておけ」
「わかりました!」
部下を下がらせると、桂は外へ視線を向け、中天にかかる月を眺めて溜息を漏らした。
「・・・高杉の奴ももどかしいのか。俺とて、この身一つででも銀時を護ってやりたいが・・・なぜ、銀時は幕府になど・・・」
事実上の敗戦の知らせを受けてもなお、銀時を担ぎあげて戦おうとした一部の攘夷志士を止められなかった責は自分達にもある。
あまりの仲間達の変わりように銀時が幻滅してしまったのだろうと思うとやるせない気持ちになる。
だが、幕府の一組織・真選組の副長が“白夜叉”である。という情報を耳にした時は心底仰天した。
どういう経緯で幕府に膝を折ることになったのかはわからないが、白鬼党の流した噂もあながち間違いではないのかもしれないと、桂は思っていた。
「もし、真選組が銀時を護りきれぬのならば・・・俺達が銀時を取り戻し、護り抜く」
そのための準備は怠っていない。
間もなく新兵器を携えて坂本が江戸にやって来る。
大きな商談があるのだと嘯いていたが、おそらくは鬼兵隊か他の過激派攘夷グループの面々との商談なのだろう。間違っても白鬼党に武器を流すわけは無い。
そう信じてはいるが事前に連絡を取り、商談の前に会えるように約束を取り付けた。
「待っていろ、銀時・・・お前の愁いは、この桂小太郎が晴らしてやる」
***
「・・・頭、どうするんじゃ?桂に不振がられちょるぞ?」
「あはは~、陸奥、心配ないがで。わしが白鬼党らぁて、相手にするはずが無いとわからせればえいがじゃ」
「・・・とはいっても、どう説明するつもりじゃ?・・・まさか、真正直に説明するわけにもいかんじゃろう?」
「そうじゃなァ・・・ま、何とかなるきに!!なんちゃ~がやないィ!あはは~!」
ケタケタと笑いながらブリッジから出て行く坂本を見つめ、陸奥は溜息をついた。
「てき、ウチの頭は・・・楽天家すぎるんがたまにきずじゃな」
***
かつて四天王と呼ばれた三人が江戸に集結しようとしている―――同じく四天王と呼ばれた一人、銀時のために。
それが今後の情勢に大きな影響を与えることになるとはまだ誰も知らない。
戻る →
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煙管から紫煙を燻らせて月を眺めていた男はニヤリと笑う。その呟きを耳にしたもう一人の男は眉を顰めた。
「晋助、良いのでござるか?敵に塩を送るような真似をして」
その問いかけに、月を眺めていた男・高杉晋助は表情を消して、問いかけた男・河上万斉の方へ振り向いた。
「・・・白鬼党の連中は危険だ、頭がイカレちまってる。・・・あんな連中に、銀時を掻っ攫われるわけにゃいかねェ。が、鬼兵隊がソレを邪魔するのは問題がありすぎる・・・業腹だが、奴等に任せるのが一番だろ」
「・・・白夜叉は・・・ッ!」
万斉が言葉を続けようとした瞬間、高杉から鋭い殺気と白刃が向けられる。
「・・・アイツを白夜叉なんて呼ぶんじゃねェ・・・その呼び名でアイツがどれだけ苦しんだか知ってるだろうが」
「あ、ああ・・・」
ごくり、と喉を鳴らして頷く万斉から視線を外し、高杉は殺気を消した。が、白刃は突き付けられたまま月の光を受けて輝いている。
「ヅラの動向は?」
「・・・桂は武市が・・・動く気配は無いようでござるが」
「動く気配がない?有り得ねェな・・・ヅラも俺達がばら撒いた白鬼党の情報を手に入れているハズだ。動かねェわけがねェ・・・武市に見張らせてんのがバレてんな。一旦引かせろ。直接連絡を取る」
「・・・わかったでござるよ」
その返事を聞いてようやく刀を降ろす高杉。
ホッと息を吐いた万斉は、視線を落として呟く。
「・・・本当ならば、お主が動きたいのでごさろう、晋助」
「動きたくても動けねェんだよ・・・」
呟きに返答があって驚きに目を瞠る万斉の視線を無視し、高杉は苛立たし気に煙管を長火鉢に叩きつけた。
***
「・・・桂さん、武市が引いたようです」
「こちらが気付いているとさすがに気付いたか。奴を引かせたということは、直接連絡を取りに来る可能性もあるな。一応警戒しておけ」
「わかりました!」
部下を下がらせると、桂は外へ視線を向け、中天にかかる月を眺めて溜息を漏らした。
「・・・高杉の奴ももどかしいのか。俺とて、この身一つででも銀時を護ってやりたいが・・・なぜ、銀時は幕府になど・・・」
事実上の敗戦の知らせを受けてもなお、銀時を担ぎあげて戦おうとした一部の攘夷志士を止められなかった責は自分達にもある。
あまりの仲間達の変わりように銀時が幻滅してしまったのだろうと思うとやるせない気持ちになる。
だが、幕府の一組織・真選組の副長が“白夜叉”である。という情報を耳にした時は心底仰天した。
どういう経緯で幕府に膝を折ることになったのかはわからないが、白鬼党の流した噂もあながち間違いではないのかもしれないと、桂は思っていた。
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