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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・W副長設定です!
・カップリングはありません
・完全捏造です
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・









真選組が正式に稼働して4年が経った。

毎年のように新入隊士が入ってくるが、その半分はいつの間にか居なくなっていたり、攘夷浪士との戦いで命を落としたりしていた。

そして、今年もまた隊士募集によって集まってきた面々を選抜し、三名の新入隊士を迎えた。

「志村新八、14歳です!!よろしくお願いいたします!!」

新入隊士の中で一番若いからという理由で近藤に大声で自己紹介をさせられた彼は、羞恥のために顔が真っ赤になっていた。

「うんうん、元気でいいなぁ。な?トシ」

満足げに頷く近藤が土方に視線を向ける。

「・・・そうだな」

幾分か哀れみのこもった目で彼を見やり、土方は近藤に同意する。

「っていうかぁ・・・なんか伝統になってるなコレ。やらされたの何人目?」

苦笑を浮かべた銀時が隣に座っていた沖田に訊ねる。

「多すぎて、忘れやした」

「正確には24人目ですね」

ろくに考えもしないで答えた沖田の後ろで山崎が手帳を見ながら答える。

「お、さすがジミー。ちゃんと数えてたんだ。エライエライ」

銀時が山崎を褒めるのを見て、沖田はムッとする。

「・・・まぁ、ザキはそれしか能がないからねィ」

「沖田隊長、八つ当たりはやめてください。っていうか、坂田副長も沖田隊長も俺のこと変なふうに呼ばないでくださいよ」

「え~、いいじゃん。ジミー」

「そうですぜィ?ザキって死の呪文みてェでカッコイイだろィ?」

「不吉ですよ!!!」

「山崎のあだ名が不吉かどうかはともかくとして・・・あの自己紹介をさせられた奴は必ず生き残って活躍してっからな・・・近藤さんもわかっててやってんだか、天然なんだか・・・」

山崎の抗議をあっさり流して、土方がぼそりと呟く。

「確かに・・・ってことは、今回の新入隊士で有望なのはアイツだけってコトか」

銀時が新入隊士三名を見やって首を傾げる。

「まぁ、近藤さんの目が狂ってなければな」

「何言ってんですかィ、土方さん。近藤さんの目が狂うわけねェでさァ」

沖田がすぐに反論すれば、土方は肩をすくめた。

「まぁ、そうだな」

「ってワケで、アイツはウチの一番隊がもらいやすねィ。こないだの攘夷浪士共との斬り合いで二人欠けたんで」

「・・・銀時、いいか?」

「ん?いいんじゃね?・・・隊長が欲しいってんならくれてやりゃいいだろ?」

同格である銀時に許可をとろうとすれば適当な答えが返ってきて、土方は溜息をついた。

「・・・ったく、ちったァ普段からやる気あるトコ見せろや・・・古株はともかく、ここ2、3年に入隊してきた連中からは評判よくねぇぞ」

「あぁ、俺は“お飾りの副長”だって?」

ニヤリと笑う銀時に、さらに深い溜息をつく。

「ハァ、お前なァ・・・“例の地下組織”の噂は耳に入ってんだろうが」

「ん~?何のコト?俺、十四郎みたいに優秀な監察持ってねェから、わかんな~い」

ヘラリ、と笑って軽い調子で答える銀時。

それが一種の鎧であることを知っている土方達はなんとも言えない表情になる。

銀時は感情を隠すのがうまいのだ。

気を許している古株の前ではそうでもないが、新しい隊士達の前ではどこかやる気のない表情をうかべて、返事もおざなりなものになる。

そうなった理由は“例の地下組織”が関係していると土方はふんでいる。

その実態は未だに不明だが、白夜叉を神格化し“幕府から洗脳を受けている白夜叉”の奪還を目標としている―――らしい。

真選組の中でも実しやかにその噂が流れ、銀時が元攘夷志士でありながら真選組の副長の座についているのは“幕府から洗脳を受けている”からだ、と若い隊士らを中心に囁かれるようになったのだ。

真選組もまだ結成したてで人手不足というのもあり、ろくに調査もしないまま入隊させているので、銀時が警戒するのもしかたのないことだった。

いつもなら銀時に対して過保護な近藤も、その件に関しては黙り込んでいる。伊東が“それ”を“踏み絵”にしようと説得したのだ。

だが、いつまでも信用できない人間を真選組の中に抱え込んでいるわけにはいかない。そもそもの真選組の結成理由に銀時の保護も含まれているのだから。

「・・・安心してくだせェ、銀兄ィ。地下組織だろうがなんだろうが、銀兄ィに害があるものは俺が全部ぶった斬ってやりまさァ」

にっこりと笑って物騒なことを言ってのけた沖田の頭を軽く撫で、銀時は立ち上がった。

「期待してるぜ、総悟。・・・じゃ、俺、新入隊士連れてとっつぁんトコ行ってくっから」

ひらり、と手を振って土方達の傍を離れて、銀時は新入隊士の方へと歩み寄る。

直属の上司である松平への報告は、銀時の役割になっている。

それは松平のワガママから始まったのだが、いろいろと口うるさい連中への牽制にもなっているから、どこまで考えて発言しているのか時々わからなくなる。

ともかくも、今の真選組は居心地が悪い。それは結成当初からいる面々全員の感想だった。

だが、それもあとわずかの我慢だ。間もなく調査に走り回っている伊東が帰ってくる。そうすれば“例の地下組織”の件もはっきりとし、銀時についての噂も叩き潰せる。

もう、我慢の限界はとうに超えている。

特に沖田はここ最近過激な言動が目立ち始めてきており、若い隊士だけでなく古株ですらも怯えるくらいに殺気立っているのだ。

新入隊士と話をしている銀時を見つめながら、土方はイライラと呟いた。

「・・・早く帰ってこい、伊東」



***



「とっつぁん、いる~?新人さん連れてきたよォ~」

松平の執務室のドアを叩きながら銀時が声をかける。

「おーう、入れェ」

「失礼しまーす」

松平の許可の声を確認してから銀時がドアを開けると、そこには松平だけでなく将軍・茂々の姿があった。

ビシリ、と銀時が固まる。

「おお、銀時。待ちわびだぞ」

一応は町人風な姿をしているが、それでも消すことのできないやんごとない雰囲気がミステリアスさを醸し出して・・・、

「・・・って、何やってんだ!!」

硬直が解けて思わずツッコミを入れた銀時に、茂々はニッコリと笑みを向けた。

「何って、決まっているだろう?銀時を待っていたのだ」

「決まってるって・・・」

真選組が江戸に居を移してから、茂々は頻繁に屯所を訪れて皆を仰天させていたのだが、近年はあまり来させないようにと松平に言い含めていた。

例の地下組織の件が片付くまでは危険だから、と。

「とっつぁん・・・」

「別にちょっとくらい良いだろォ~?それに、銀ちゃんがいれば問題無いでしょーが」

「そりゃまぁ・・・気をつけるけど」

銀時はそこまで言って言葉を切る。

気配が一人分多い気がしたのだ。

「あの、坂田副長?」

眼鏡の新入隊士が不思議そうに銀時を見上げてくる。

「あー、ちょい待て。今、ちゃんと紹介するからな。・・・つか、とっつぁん、アンタ甘すぎ。なんで“あの子”まで付いて来てるかなァ・・・」

「てへ☆彡」

ぺロリとおっさんが舌を出しても可愛くない。そんなことを思いながら銀時は松平を(正確には松平の背後に隠れている人物を)軽く睨んだ。

「そよ、隠れてねェで出て来い」

「なんでバレちゃったのかしら?・・・ホント、銀時って勘が鋭いわ。じいやとは大違い」

「いやいや、舞蔵さんと一緒にしちゃダメだから・・・」

ガックリと肩を落として銀時は溜息をもらした。

「・・・坂田副長?あの、この方々は?」

新人隊士のうちの一人が首を傾げる。

松平の執務室にいて、真選組副長である銀時に敬語を使っていない時点で只者ではないとは気付いたようだが、目の前の人物を将軍やその妹君に結びつけられないらしい。

「・・・あぁ、さる高貴なお家柄の若様と姫様だよ、今はそれだけわかってりゃイイから」

銀時はおざなりに紹介し、かまってオーラを発している茂々をとりあえず放置して、新入隊士を松平の前に並べる。

「コイツ等が今回の新入隊士ね?ハイ、気をつけー、礼」

銀時の号令で頭を下げる三人をそれぞれ見やり、松平はニヤリと笑った。

「で、今回は“近藤の気まぐれ”の洗礼を受けた奴はいんのかィ?」

「あぁ、今回は一人。この眼鏡」

銀時が指し示した眼鏡の隊士は何とも情けない表情で銀時に訴えた。

「あの。眼鏡じゃなくて、志村です。志村新八・・・」

「あ、そうそう。新八ね、新八新八・・・なんかパチパチって弾けてる感じだよねぇ、あはは」

名前でからかわれた経験が皆無の彼は、困った様子で銀時を見上げる。

他の二人は“大丈夫か、この人”的な表情を隠しもしない。

それをじっくりと見つめ、松平は目を細めた。

「うん、じゃあ・・・三人とも頑張って頂戴。あ、そうそう、オジサンこれから用事あるし。この二人のこと頼むね~、銀ちゃん」

「・・・わーってるよ。ほら、屯所に帰ェるぞォ」

銀時に引き連れられて執務室を出て行く新入隊士三名と茂々とそよ。

彼等を見送り、松平は携帯電話を取り出した。

「あー、もしもし?・・・そっちはどーう?こっちはちょっと良くない傾向が出てきてるから早くして欲しいんだけどもォ~」

それに対しての返答に、松平はニィ、と笑った。

「そうかィ・・・楽しみにしてるからねェ、鴨ちゃん♪」



***



屯所に戻るついでに巡察のルートを説明していた銀時は、不意に足を止めた。

「銀時、どうした?」

茂々が問うと、銀時は少し考えてからくるりと新入隊士の方に向き直った。

「志村以外の二人でこの若様と姫様を護衛しながら屯所に戻れ。もうそこの角曲がったトコだから大丈夫だな?」

「「はい」」

頷く二人に、心配そうに自分を見つめる茂々とそよを任せ、銀時は新八を連れて彼等とは反対方向に歩を進める。

「坂田副長、あの、どうしたんですか?」

「うん、ちょっとな・・・お前、その腰の物ちゃんと扱えるよな?」

「あ、はい。実家が道場ですから・・・廃刀令が出ているご時世なので、さすがに真剣を使うのは初めてですけど」

「ふーん、道場ね。じゃあ、ちょっとは頼りにすっから」

銀時はそう言うなり走り出し、慌てて新八もその背を追いかける。

「(早ッ・・・なんかさっきまでダラダラしてる雰囲気だったのに、今は全然違う・・・!)」

まるで別人のような銀時の真剣な表情がチラリと見えて、新八は心が震えるのを感じた。

狭い裏路地もひょいひょいと障害物を避けて通り、開けた場所に出る直前で銀時は足を止めた。

「坂田副ちょ・・・?」

新八が不思議そうに声を掛ければ、しぃ、と指で口を押さえられる。

「お前等は嘘つきネ!!」

傘を大事そうに抱えた赤橙色の髪の少女が叫ぶ。

「嘘なんて言ってないよ、悪~い奴等を倒してくれってお願いしたんだしさァ?」

「そうだぜ?たくさんふりかけご飯だって食わせてやったんだ。それ相応には働いてもらわねェとなァ?」

少女の周りを取り囲む見るからに“ヤ”のつく自由業の男達がニヤニヤと笑いながら答える。

「・・・あの嬢ちゃん、ありゃ夜兎だな」

その様子を伺いながら銀時が呟けば、新八が首を傾げる。

「夜兎って、あの戦闘種族の天人ですか?」

「ああ、あの嬢ちゃんの肌は透き通るように白いだろ?それに、抱えてる番傘も夜兎が好んで持ってる仕込み型っぽいしな」

「・・・よくご存知ですね」

「まぁ、何回か天人とも戦ったことあるしィ」

「それって・・・そのぅ・・・」

「そ、攘夷戦争のときにな」

聞き難そうにする新八に気にした様子も見せずに銀時は答える。

「そうなんですね、なんかスゴイです。今の僕と同じくらいの年には戦場にいたって聞いたんですけど・・・」

「お前、14だっけ?・・・まぁ、そんくらいのときには確かに戦場にいたけど・・・周りの連中に付いてっただけだからな、すごくなんかねェよ」

銀時はそう言って、刀の柄に手をかける。

「・・・三つ数えたら出るぞ、夜兎だろうがなんだろうが、ああいう連中にガキが取り囲まれてンだから助けねェとな」

「はいッ!」

「良い返事だ」

ニッと笑い、銀時はカウントを始めた。

「さん、にーィ、いち!」

飛び出した銀時達の着ている隊服を見てギョッとした男達は、慌てて応戦する。

最初、真剣の重さと切れ味にほんのわずかに怯んだ新八だったが、すぐに気を取り直して目の前の男をみねうちで倒す。

新八が一人倒す間に、銀時はすでにほとんどの男達を昏倒させていた。

「すごい・・・」

感嘆の声をあげた新八のすぐ後ろで、よろよろと先程倒した男が起きあがって刀を振り上げる。

「!・・・志村!!」

銀時の声でハッとした新八が振り返る。

やられる、そう思って新八が身を竦ませたその時、銃声がこだまして男がその場に倒れ、足を押さえて悶絶する。

「・・・助けに入ってやられそうになるとか、どんだけネ」

声の方を新八が見れば、番傘を構えて呆れたように呟いた少女が肩を竦める。

構えた紫の番傘の先からは発射煙が出ている。どうやら彼女の傘は銃器型だったらしい。

「あ、えと・・・す、すいません・・・ありがとうございます」

「まぁまぁ、アイツ新人さんだからさ?大目に見てよ。・・・つか、助けはいらなかっただろうけど、倒しちゃって良かったんだよね?」

残りの男を斬り倒した銀時が少女の傍に寄れば、彼女はこくりと頷いた。

「・・・ヤクザの抗争に巻き込まれそうだったネ。一人でも倒せたけど、助かったヨ。ありがと」

素直に礼を言った少女の頭を撫で、銀時はニヤリと笑った。

「まぁ、犯罪を未然に防ぐのも真選組の仕事だからねェ」

「・・・でも、これじゃ出稼ぎに来た意味ないネ。用心棒なんて雇ってる連中は、皆こんなんばっかアルヨ」

はァ、と溜息をもらす少女に、銀時は首を傾げた。

「出稼ぎ?親は?」

「マミーは私が小さい頃に病気で死んだヨ、パピーは遠くまでお仕事行ってて家に帰ってこないアル」

「うーん、仕事斡旋までは真選組はやってねェんだけど・・・嬢ちゃん夜兎だし、結構戦えるみてェだし・・・うぅ~ん・・・」

助けておいて、ハイさようならでは意味がないと真面目に悩む銀時に新八は目を丸くした。

他の新入隊士と別れる前の銀時と全然イメージが違うのだから当然といえば当然だろう。

「・・・よし!じゃあ、後でとっつぁんに聞いてみっか。とりあえず、こんだけの連中を屯所に運ぶのは大変だから応援を呼ばねェとな」

銀時がそう言って携帯電話を取り出した時だった。

「それなら、助けてもらったお礼に、私が運ぶネ」

少女がそう言って、倒れた男達を一気に担ぎあげる。

「・・・す、スゲェ」

いくら夜兎とはいえ小柄な少女が大人の男を十数人も抱えあげている姿に、銀時は口元を引き攣らせた。

「あ、自己紹介が遅れたネ。私、神楽いうアル!」

「あ、あぁ、俺は真選組副長の坂田銀時、こっちは隊士のめがn・・・」

「言わせねェよ!?あ、す、すいません副長・・・えと、志村新八です」

眼鏡と紹介されそうになって思わずツッコミを入れた新八に銀時は苦笑し、神楽はぱちくりと目を瞬かせた。

「おお~、これが俗に言う“ツッコミ”アルか。初めて見たアル!」

なぜだか神楽に喜ばれてしまい、新八は複雑な表情をうかべたのだった。


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