Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・にょたルルです
・ルル姫はみんなに愛されていますw
・ギャグですww
・いろいろ矛盾がありますが、敢えては書きませんのであしからずw
・捏造満載w
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
謁見の間
スザクに捕えられ、ルルーシュは皇帝の前に引きずり出された。
「・・・久しいな、ルルーシュ。我が娘よ。」
「・・・シャルル・ジ・ブリタニア!!」
ギロリ、と睨もうとするが、スザクの手によって、乱暴に頭を押さえられる。
「・・・っ。」
「ギアスは使わせない。」
平坦なその声に、ルルーシュはズキリと胸の奥が痛んだ。
「・・・枢木、よくぞ、ルルーシュを生かして連れ帰った。何か、褒美をやろう。」
「では・・・陛下直属のナイト・オブ・ラウンズに自分をお加えください。」
スザクは無表情で告げる。その言葉に、ルルーシュはハッとする。
「スザクっ、お前、友人を売って出世するつもりか!?」
「・・・そうだ。ルルーシュ、俺は言った筈だ。中からこのブリタニアを変えるのだ、と。」
「ククク・・・面白い。気に入ったぞ、枢木。望み通り、我が騎士に迎えよう。」
心底愉快そうに笑ったシャルルは、あっさりとスザクの願いを聞き入れる。それに驚いたのはルルーシュだ。
「っ!?」
「では、ナイト・オブ・ラウンズよ・・・。ルルーシュの左眼を押さえろ。」
「・・・イエス、ユア・マジェスティ。」
スザクは、グイッと無理やりにルルーシュの顔を上げさせ、左眼を押さえる。苦痛にルルーシュの表情が歪むが、スザクは視線を床に落とし、微動だにしない。
「ルルーシュ、お前は今より、第3皇女として皇室に戻れ。憎しみも悲しみも、全て忘れて、な・・・。」
シャルルの両目にギアスがうかぶ。ギョッとするルルーシュに、シャルルは記憶を改変するギアスをかけた。
「シャルル・ジ・ブリタニアが刻む・・・――――。」
「止めてぇぇぇえええっ!!」
***
目を覚ました時、目の前にいたのは薄い金髪を床に垂らすほど伸ばした少年。
「・・・ぶい、つー・・・?」
キョトン、とし、ルルーシュはその名を呟く。なぜ、自分がその名を知っているのか、わからない。が、この人物のことはそう呼ぶのだと理解していた。
「うん。僕は嚮主V.V.・・・君の伯父だよ。」
「お、じ?・・・伯父!?」
ガバッと起き上がり、ルルーシュは目を丸くしてまじまじとV.V.を見つめる。
「うん。伯父。シャルルの双子の兄。」
「・・・あ、兄?」
「そう。C.C.と同じって言えばわかるかな?」
「・・・ああ、不老不死、か。」
「そういうこと。」
ニコニコと笑うV.V.に、ルルーシュは訊ねる。
「・・・聞かせて欲しい。なんで、私の記憶はそのままなんだ?憎しみも悲しみも全て忘れてってシャルルは言ったのに・・・消えるどころか・・・。」
「うん。そうだね。・・・でも、だんだん“思い出して”きたんじゃない?」
V.V.の言葉が引き金となって、ルルーシュの頭の中に、膨大な記憶が流れ込む。
「っっ・・・!!」
頭を押さえ、唐突に“思い出した”ことを整理する。
「・・・母さんを殺したのは・・・V.V.?」
「そうだよ。」
「っ!」
ギッと睨み据えるルルーシュに、V.V.はニコニコと笑む。
「・・・ルルーシュ。“思い出した”んだろ、全部。」
「ああ・・・。母さんは生きてる。」
「やっぱりね。シャルルは僕の嘘を見破ってた。マリアンヌの身体を、シュナイゼルを使ってどこかに隠したって聞いて、もしかしたらって思ったんだ。嚮団の中にも憑依系ギアスを使う子がいるからね。」
困ったように笑うV.V.に、ルルーシュは首を傾げた。
「なぜ、母さんを殺そうとした?」
「うん。仲間外れにされた気分だったから。シャルルとマリアンヌとルルーシュとナナリー。本当の家族としての幸せを求め始めて、僕を裏切るんじゃないかって。・・・それくらい、シャルルが深い愛情をマリアンヌやその子どもに向け始めてしまったから・・・。だからね、僕は・・・。」
口ごもるV.V.に、自分でも驚くほど穏やかな気持ちで、ルルーシュは問うた。
「・・・淋しかったのか?」
「ふふ・・・素直に言えば良かったのにね。でも、あの時の僕は、あの方法しか思いつかなかったんだ。抗うよりも、原因を取り除いてしまえば良いって。・・・それにね・・・僕は、マリアンヌのことが好きだった。手に入らないなら・・・いっそって。」
うっすらと微笑むV.V.を罵倒しようとして、ルルーシュは自分の気持ちが凪いでいることに気づいた。憎しみも悲しみも全て忘れたわけではない。なのに、まるで、その上から感情が上書きされたような。
そこまで考えて気づいた。これが、シャルルのかけたギアスなのだ、と。ルルーシュははぁ、と溜め息をついた。
「・・・それで、今は、どうしたいんだ?」
「・・・うん。シャルルはね、僕の気持ちをマリアンヌから聞いたんだろうね、今まで以上に計画を早めようとしている。・・・でもね、正直、僕はもう、冷めてしまったんだ。嘘のない世界。そんなの、幻に過ぎないって。嘘のない世界なんて無い。嘘のない世界っていうのは、自我のない世界だ。」
「そう、だな。」
頷くルルーシュに微笑み、V.V.は告げた。
「君を見ていて思ったんだ。・・・嘘を突き通し、嘘をついた責任を取る。僕はね・・・君の生き様を見て、君が好きなってしまったんだ。」
それは聞きようによっては、愛の告白のようだった。けれど、彼は自分の伯父で、そんな感情を向けられているのではないとすぐにわかる。
「V.V.・・・。」
「どの姪や甥達よりも賢い君が、僕は大好きだよ。・・・ルルーシュ。」
「・・・あ、えと・・・ありがとう?」
「ふふ、何で疑問形なの?・・・鈍いって、本当だったんだ。」
クスクスと笑うV.V.に、ルルーシュはすっかり自分のペースを乱されてしまう。
「・・・そ、それで、今更なんだが、ここは、どこだ?」
「本当に今更だね?・・・ここは、ブリタニア皇宮の西館の君に与えられた部屋。ついでに言っておくけど、ナナリーの部屋は東館。」
慌てたように話題を変えると、V.V.から呆れたような視線を向けられた。
「ナナリーとは離れ離れ・・・か。」
「そ。君は一応、戦犯だからね、しかも特A級の。ま、その事実を知る人間は、僕とシャルルとシュナイゼルとコーネリアとラウンズだけ。まあ、もう1人、君の正体を告げてきた女軍人がいるんだけど、それは多分、シャルルが記憶を書き換えてると思うし、心配いらないかな。・・・だからね、表向き『エリア11で生きていたところを発見されて、連れ戻された。』ということになってるから。わかった?」
「・・・ようやく、状況を理解した。」
額を押さえたルルーシュは、ハッとする。
「・・・スザクは私の記憶がすり替わっていると思ってるんだろう?」
「そう。僕を除いて、シャルルとナイト・オブ・ワン以外は、ルルーシュが全ての記憶を塗り替えられていると思ってる。僕自身もシャルルから聞いたわけじゃないから、シャルルは僕も知らないと思ってるだろうね。」
「じゃあ・・・私は、そう演じなければいけない、と?」
「うん。そういうこと。多分、シャルルからも同じことを言われると思うよ?・・・ああ、違うか、もう、“植えつけられて”いる?」
「・・・そういうことらしいな。なるほど、シャルルのギアスは便利なものだな。」
はぁ、とルルーシュは溜め息をつく。V.V.の言う通り、しっかりと自分がやるべきことは刻み込まれている。
「ルルーシュのギアスだって、使い勝手は良いじゃない。一番、使い方の幅が広いよ。・・・シャルルのは記憶を書き換えるだけ。でもルルーシュのは何でも命じることが出来るから、今、存在している命令系ギアスを全てカバーできる。」
「一回きりだけどな。」
「ふふ。それも今だけだよ。・・・最近ようやく調整が終わったんだ。」
楽しそうに言うV.V.に、ルルーシュは首を傾げた。
「調整?」
「うん。ジェレミアって、覚えてる?」
「あぁ、オレンジ君。」
「そう。彼ねぇ、ギアスキャンセラーって言うアンチギアスを手に入れたんだよ。すっごいでしょ?」
「・・・ギアスキャンセラー。」
「それを使えば、何度でもギアスをかけ直せる。・・・まあ、試してみないとわからないけど“キャンセルする”んだから、大丈夫だと思う。他の命令系ギアスで回数制限があるものを持ってる子で試したけど、ばっちり回数制限が解除されたから。」
楽しそうに言うV.V.に、ルルーシュは苦笑をうかべた。
「・・・それは、とても・・・便利だな。だが、彼は・・・。」
「大丈夫、ジェレミアはルルーシュのこと、憎んでないから。」
「なぜ?」
「マリアンヌの子どもだからねぇ。・・・まぁ、後で連れて来てあげるね?絶対、大丈夫だから。」
太鼓判を押すV.V.に釈然としないものを感じながらも、ルルーシュは頷く。
「・・・わかった。・・・で、C.C.や黒の騎士団とキョウトは?」
「ん~、騎士団とキョウトは捕まって、今、エリア11かな。・・・C.C.は嚮団に戻ったよ。C.C.がね、僕に君のことを教えてくれたんだ。・・・シャルルがどんな風に君にギアスをかけたのかもね。」
「・・・なるほど。契約者には筒抜けか。」
「うん。そういうことだね。・・・さて、そろそろ僕は姿を消すよ。シャルルが来る頃だから。・・・じゃあ、ルルーシュ。またね。」
手を振って、V.V.はルルーシュに背を向ける。
「ああ・・・また。」
そんなV.V.の背中を見つめ、ルルーシュは呟くように言う。が、
「・・・あ、そうだ、ルルーシュ。」
「・・・なんだ?」
唐突にV.V.が振り返り、ルルーシュはキョトン、とした。
「その男言葉、直しなよ?女の子なんだから。・・・まぁ、今まで男言葉を使ってた理由はわかってるけど、これから思いっきり皇女様を演じるんだから、ついでにちゃんと言葉遣いを直すこと。良い?・・・あと、シャルルのことはお父様、僕のことは伯父様って呼ぶこと。」
「・・・う・・・わかりました。」
正論なので、言い返すこともできず、ルルーシュは渋々頷いたのだった。
***
V.V.が姿を消して、しばらくした後、ルルーシュの部屋にシャルルがやってくる。
「・・・ルルーシュ。もう、大体の事情はわかっておるな?」
「・・・はい。お父様。」
視線を伏せ、ルルーシュはしとやかに頷いた。
「・・・・・・・・・。」
「・・・驚き過ぎだ。」
驚愕のあまり固まってしまった父帝を見て、ルルーシュは口調を元に戻し、溜め息をついた。
「・・・あ、い、いや。すまぬ。」
動揺しているらしいシャルルに、ルルーシュは苦笑した。
「・・・まったく。自分でギアスをかけたんだろうに。」
「・・・笑ってくれるのか。」
そのルルーシュの表情をみてホッとした様子で目を細めたシャルルに、ルルーシュは溜め息をついた。
「はぁ、自分達の記憶や感情を植え付けておいて良く言う・・・それでも、私が頑なにお前達を憎んだらどうするつもりだったのやら。」
「その時はその時。・・・仕方あるまい。」
「・・・その諦めの早さが、世界を殺すんだな。」
ルルーシュの言葉に、シャルルは眉根を寄せた。
「それは・・・。」
「安心して良い。V.V.はもう、神を殺すことに興味を持ってない。」
「!?」
驚くシャルルに、ルルーシュはクツリと笑った。
「さっきまで、伯父様がいらっしゃっていたのですよ、お父様。いろいろお話をしました。その時に、もう、冷めてしまったのだと仰っていましたから。・・・お父様も、ちゃんと腹を割って、伯父様とお話になったらいかが?」
わざとらしく口調を変え、ルルーシュは小首を傾げてみせる。
「・・・わかった。・・・そうすることにしよう。」
そんなルルーシュに溜め息交じりにシャルルは頷く。
「ああ、それと、お父様。」
「なんだ?」
「・・・一つ、お願いがあるのですけれど。」
ニッコリと笑ったルルーシュに、シャルルは嫌な予感を覚えつつ、頷く。
「黒の騎士団とキョウトの面子を、今すぐ、丁重に本国へ送って頂きたいのですけど。・・・よろしいですよね、お父様?」
「・・・ルルーシュ。それは・・・。」
「よろしいですよね?・・・ね?」
笑顔に迫力が増す。ここでシャルルが折れることはルルーシュの中で前提らしい。こんなところばかりマリアンヌに似なくても、と思いつつ、シャルルはとうとう観念して頷いた。
「・・・わ、わかった。」
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・にょたルルです
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スザクに捕えられ、ルルーシュは皇帝の前に引きずり出された。
「・・・久しいな、ルルーシュ。我が娘よ。」
「・・・シャルル・ジ・ブリタニア!!」
ギロリ、と睨もうとするが、スザクの手によって、乱暴に頭を押さえられる。
「・・・っ。」
「ギアスは使わせない。」
平坦なその声に、ルルーシュはズキリと胸の奥が痛んだ。
「・・・枢木、よくぞ、ルルーシュを生かして連れ帰った。何か、褒美をやろう。」
「では・・・陛下直属のナイト・オブ・ラウンズに自分をお加えください。」
スザクは無表情で告げる。その言葉に、ルルーシュはハッとする。
「スザクっ、お前、友人を売って出世するつもりか!?」
「・・・そうだ。ルルーシュ、俺は言った筈だ。中からこのブリタニアを変えるのだ、と。」
「ククク・・・面白い。気に入ったぞ、枢木。望み通り、我が騎士に迎えよう。」
心底愉快そうに笑ったシャルルは、あっさりとスザクの願いを聞き入れる。それに驚いたのはルルーシュだ。
「っ!?」
「では、ナイト・オブ・ラウンズよ・・・。ルルーシュの左眼を押さえろ。」
「・・・イエス、ユア・マジェスティ。」
スザクは、グイッと無理やりにルルーシュの顔を上げさせ、左眼を押さえる。苦痛にルルーシュの表情が歪むが、スザクは視線を床に落とし、微動だにしない。
「ルルーシュ、お前は今より、第3皇女として皇室に戻れ。憎しみも悲しみも、全て忘れて、な・・・。」
シャルルの両目にギアスがうかぶ。ギョッとするルルーシュに、シャルルは記憶を改変するギアスをかけた。
「シャルル・ジ・ブリタニアが刻む・・・――――。」
「止めてぇぇぇえええっ!!」
***
目を覚ました時、目の前にいたのは薄い金髪を床に垂らすほど伸ばした少年。
「・・・ぶい、つー・・・?」
キョトン、とし、ルルーシュはその名を呟く。なぜ、自分がその名を知っているのか、わからない。が、この人物のことはそう呼ぶのだと理解していた。
「うん。僕は嚮主V.V.・・・君の伯父だよ。」
「お、じ?・・・伯父!?」
ガバッと起き上がり、ルルーシュは目を丸くしてまじまじとV.V.を見つめる。
「うん。伯父。シャルルの双子の兄。」
「・・・あ、兄?」
「そう。C.C.と同じって言えばわかるかな?」
「・・・ああ、不老不死、か。」
「そういうこと。」
ニコニコと笑うV.V.に、ルルーシュは訊ねる。
「・・・聞かせて欲しい。なんで、私の記憶はそのままなんだ?憎しみも悲しみも全て忘れてってシャルルは言ったのに・・・消えるどころか・・・。」
「うん。そうだね。・・・でも、だんだん“思い出して”きたんじゃない?」
V.V.の言葉が引き金となって、ルルーシュの頭の中に、膨大な記憶が流れ込む。
「っっ・・・!!」
頭を押さえ、唐突に“思い出した”ことを整理する。
「・・・母さんを殺したのは・・・V.V.?」
「そうだよ。」
「っ!」
ギッと睨み据えるルルーシュに、V.V.はニコニコと笑む。
「・・・ルルーシュ。“思い出した”んだろ、全部。」
「ああ・・・。母さんは生きてる。」
「やっぱりね。シャルルは僕の嘘を見破ってた。マリアンヌの身体を、シュナイゼルを使ってどこかに隠したって聞いて、もしかしたらって思ったんだ。嚮団の中にも憑依系ギアスを使う子がいるからね。」
困ったように笑うV.V.に、ルルーシュは首を傾げた。
「なぜ、母さんを殺そうとした?」
「うん。仲間外れにされた気分だったから。シャルルとマリアンヌとルルーシュとナナリー。本当の家族としての幸せを求め始めて、僕を裏切るんじゃないかって。・・・それくらい、シャルルが深い愛情をマリアンヌやその子どもに向け始めてしまったから・・・。だからね、僕は・・・。」
口ごもるV.V.に、自分でも驚くほど穏やかな気持ちで、ルルーシュは問うた。
「・・・淋しかったのか?」
「ふふ・・・素直に言えば良かったのにね。でも、あの時の僕は、あの方法しか思いつかなかったんだ。抗うよりも、原因を取り除いてしまえば良いって。・・・それにね・・・僕は、マリアンヌのことが好きだった。手に入らないなら・・・いっそって。」
うっすらと微笑むV.V.を罵倒しようとして、ルルーシュは自分の気持ちが凪いでいることに気づいた。憎しみも悲しみも全て忘れたわけではない。なのに、まるで、その上から感情が上書きされたような。
そこまで考えて気づいた。これが、シャルルのかけたギアスなのだ、と。ルルーシュははぁ、と溜め息をついた。
「・・・それで、今は、どうしたいんだ?」
「・・・うん。シャルルはね、僕の気持ちをマリアンヌから聞いたんだろうね、今まで以上に計画を早めようとしている。・・・でもね、正直、僕はもう、冷めてしまったんだ。嘘のない世界。そんなの、幻に過ぎないって。嘘のない世界なんて無い。嘘のない世界っていうのは、自我のない世界だ。」
「そう、だな。」
頷くルルーシュに微笑み、V.V.は告げた。
「君を見ていて思ったんだ。・・・嘘を突き通し、嘘をついた責任を取る。僕はね・・・君の生き様を見て、君が好きなってしまったんだ。」
それは聞きようによっては、愛の告白のようだった。けれど、彼は自分の伯父で、そんな感情を向けられているのではないとすぐにわかる。
「V.V.・・・。」
「どの姪や甥達よりも賢い君が、僕は大好きだよ。・・・ルルーシュ。」
「・・・あ、えと・・・ありがとう?」
「ふふ、何で疑問形なの?・・・鈍いって、本当だったんだ。」
クスクスと笑うV.V.に、ルルーシュはすっかり自分のペースを乱されてしまう。
「・・・そ、それで、今更なんだが、ここは、どこだ?」
「本当に今更だね?・・・ここは、ブリタニア皇宮の西館の君に与えられた部屋。ついでに言っておくけど、ナナリーの部屋は東館。」
慌てたように話題を変えると、V.V.から呆れたような視線を向けられた。
「ナナリーとは離れ離れ・・・か。」
「そ。君は一応、戦犯だからね、しかも特A級の。ま、その事実を知る人間は、僕とシャルルとシュナイゼルとコーネリアとラウンズだけ。まあ、もう1人、君の正体を告げてきた女軍人がいるんだけど、それは多分、シャルルが記憶を書き換えてると思うし、心配いらないかな。・・・だからね、表向き『エリア11で生きていたところを発見されて、連れ戻された。』ということになってるから。わかった?」
「・・・ようやく、状況を理解した。」
額を押さえたルルーシュは、ハッとする。
「・・・スザクは私の記憶がすり替わっていると思ってるんだろう?」
「そう。僕を除いて、シャルルとナイト・オブ・ワン以外は、ルルーシュが全ての記憶を塗り替えられていると思ってる。僕自身もシャルルから聞いたわけじゃないから、シャルルは僕も知らないと思ってるだろうね。」
「じゃあ・・・私は、そう演じなければいけない、と?」
「うん。そういうこと。多分、シャルルからも同じことを言われると思うよ?・・・ああ、違うか、もう、“植えつけられて”いる?」
「・・・そういうことらしいな。なるほど、シャルルのギアスは便利なものだな。」
はぁ、とルルーシュは溜め息をつく。V.V.の言う通り、しっかりと自分がやるべきことは刻み込まれている。
「ルルーシュのギアスだって、使い勝手は良いじゃない。一番、使い方の幅が広いよ。・・・シャルルのは記憶を書き換えるだけ。でもルルーシュのは何でも命じることが出来るから、今、存在している命令系ギアスを全てカバーできる。」
「一回きりだけどな。」
「ふふ。それも今だけだよ。・・・最近ようやく調整が終わったんだ。」
楽しそうに言うV.V.に、ルルーシュは首を傾げた。
「調整?」
「うん。ジェレミアって、覚えてる?」
「あぁ、オレンジ君。」
「そう。彼ねぇ、ギアスキャンセラーって言うアンチギアスを手に入れたんだよ。すっごいでしょ?」
「・・・ギアスキャンセラー。」
「それを使えば、何度でもギアスをかけ直せる。・・・まあ、試してみないとわからないけど“キャンセルする”んだから、大丈夫だと思う。他の命令系ギアスで回数制限があるものを持ってる子で試したけど、ばっちり回数制限が解除されたから。」
楽しそうに言うV.V.に、ルルーシュは苦笑をうかべた。
「・・・それは、とても・・・便利だな。だが、彼は・・・。」
「大丈夫、ジェレミアはルルーシュのこと、憎んでないから。」
「なぜ?」
「マリアンヌの子どもだからねぇ。・・・まぁ、後で連れて来てあげるね?絶対、大丈夫だから。」
太鼓判を押すV.V.に釈然としないものを感じながらも、ルルーシュは頷く。
「・・・わかった。・・・で、C.C.や黒の騎士団とキョウトは?」
「ん~、騎士団とキョウトは捕まって、今、エリア11かな。・・・C.C.は嚮団に戻ったよ。C.C.がね、僕に君のことを教えてくれたんだ。・・・シャルルがどんな風に君にギアスをかけたのかもね。」
「・・・なるほど。契約者には筒抜けか。」
「うん。そういうことだね。・・・さて、そろそろ僕は姿を消すよ。シャルルが来る頃だから。・・・じゃあ、ルルーシュ。またね。」
手を振って、V.V.はルルーシュに背を向ける。
「ああ・・・また。」
そんなV.V.の背中を見つめ、ルルーシュは呟くように言う。が、
「・・・あ、そうだ、ルルーシュ。」
「・・・なんだ?」
唐突にV.V.が振り返り、ルルーシュはキョトン、とした。
「その男言葉、直しなよ?女の子なんだから。・・・まぁ、今まで男言葉を使ってた理由はわかってるけど、これから思いっきり皇女様を演じるんだから、ついでにちゃんと言葉遣いを直すこと。良い?・・・あと、シャルルのことはお父様、僕のことは伯父様って呼ぶこと。」
「・・・う・・・わかりました。」
正論なので、言い返すこともできず、ルルーシュは渋々頷いたのだった。
***
V.V.が姿を消して、しばらくした後、ルルーシュの部屋にシャルルがやってくる。
「・・・ルルーシュ。もう、大体の事情はわかっておるな?」
「・・・はい。お父様。」
視線を伏せ、ルルーシュはしとやかに頷いた。
「・・・・・・・・・。」
「・・・驚き過ぎだ。」
驚愕のあまり固まってしまった父帝を見て、ルルーシュは口調を元に戻し、溜め息をついた。
「・・・あ、い、いや。すまぬ。」
動揺しているらしいシャルルに、ルルーシュは苦笑した。
「・・・まったく。自分でギアスをかけたんだろうに。」
「・・・笑ってくれるのか。」
そのルルーシュの表情をみてホッとした様子で目を細めたシャルルに、ルルーシュは溜め息をついた。
「はぁ、自分達の記憶や感情を植え付けておいて良く言う・・・それでも、私が頑なにお前達を憎んだらどうするつもりだったのやら。」
「その時はその時。・・・仕方あるまい。」
「・・・その諦めの早さが、世界を殺すんだな。」
ルルーシュの言葉に、シャルルは眉根を寄せた。
「それは・・・。」
「安心して良い。V.V.はもう、神を殺すことに興味を持ってない。」
「!?」
驚くシャルルに、ルルーシュはクツリと笑った。
「さっきまで、伯父様がいらっしゃっていたのですよ、お父様。いろいろお話をしました。その時に、もう、冷めてしまったのだと仰っていましたから。・・・お父様も、ちゃんと腹を割って、伯父様とお話になったらいかが?」
わざとらしく口調を変え、ルルーシュは小首を傾げてみせる。
「・・・わかった。・・・そうすることにしよう。」
そんなルルーシュに溜め息交じりにシャルルは頷く。
「ああ、それと、お父様。」
「なんだ?」
「・・・一つ、お願いがあるのですけれど。」
ニッコリと笑ったルルーシュに、シャルルは嫌な予感を覚えつつ、頷く。
「黒の騎士団とキョウトの面子を、今すぐ、丁重に本国へ送って頂きたいのですけど。・・・よろしいですよね、お父様?」
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「よろしいですよね?・・・ね?」
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